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『めまい』(1958)の名言・名セリフ一覧をまとめて紹介

サスペンス映画の神様と呼ばれた巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作とも言える、『めまい』(1958)。

今回は、『めまい』(1958)の名言・名セリフをまとめていきます。

胸に響く名セリフと名場面を振り返っていきましょう。

『めまい』(1958)の名言・名セリフを紹介

『めまい』(1958) ©Paramount Pictures Corporation

 

これから『めまい』(1958)の名言・名セリフを一つずつ紹介していきます。

映画の流れに沿って書いていますので、観たことある方は、ぜひ内容を思い出しながら見てくださいね!

『めまい』(1958)の名言1.「僕は高所恐怖症で高いところに登るとめまいが起こる。」

スコティ©Paramount Pictures Corporation

 

”I have acrophobia, which gives me vertigo and I get dizzy.”

スコティが言ったセリフです。

若い頃はいつか所長になりたいと思っていた彼ですがある日逃走中の犯人を屋根伝いに追っていたところ足を滑らせてしまい必死に屋根の雨どいにぶら下がる格好になってしまいました。

そして、それを助けようとした同僚が足を滑らせ、転落事故で亡くなってしまいます。

スコティはその時のショックのあまり高所恐怖症になり、警察官を辞めてしまいます。

彼は高所恐怖症になったたために、それを利用されマデリンの飛び降り自殺の企てに巻き込まれてしまい、重度の神経衰弱に陥ってしまいます。

『めまい』(1958)の名言2.「治るとしたらもう一度同じショックを受けるしかない。」

ミジー ©Paramount Pictures Corporation

 

"He said that only another emotional shock could do it and probably wouldn't."

ミッジが言った言葉です。

スコティは試しに椅子に乗って克服を試みますが、部屋の窓が見えたことでめまいを起こします。

そんなスコティの病気ですが、極度の痛みを再び味わうことで克服出来ました。

それは再びマデリンと瓜二つのジュディを、マデリンが飛び降り自殺をした教会に連れていくことでした。

彼の行動はフェチズムが目立ちますが、狂気的であり、怖い側面を持っています。

『めまい』(1958)の名言3.「すでに死んだ過去の人間が、生きた人間の身に乗り移ると言ったら君は信じるかい?」

スコティ ©Paramount Pictures Corporation

 

”Someone dead, can enter and take possession of a living being?”

造船会社の社長である友人エルスターの言葉です。

すでに死んだ過去の人間が、生きた人間の身に乗り移り、もし実際家内の身に起きたらと言うエルスターの言葉を信じないスコティ。

毎日ふらふらとさまよい出て、自殺でもしかけない妻マデリンの見張りを頼まれたスコティは、マデリンを見張りながら尾行するうちに、彼女の美しさに次第に恋心を抱きます。

『めまい』(1958)の名言4.「この木が生きている間に生まれて死んでいった人たちのこと。」

マデリン ©Paramount Pictures Corporation

 

”Of all the people who've been born and have died while the trees went on living ”

スコティとマデリンは、当てもなく二人で出かけ、森へやってきました。

樹齢2000年の木を見て、何を考えているかマデリンに聞いたスコティに対してマデリンが言った言葉です。

この名言の言葉と意味をゆっくり考えるととてもミステリアスであり、とても面白いなと感じます。

不思議と素敵なセリフなのに、彼女が言うだけで、何か意図やとてつもないミステリアスさを含んだ言葉になります。

『めまい』(1958)の名言5.「私はこの辺りで生まれてここで死んだ。あなたにとってはほんの一瞬。気づきもしない。」

めまいカット ©Paramount Pictures Corporation

 

”Somewhere in here,I was born, and there I died.It was only a moment for you. You took no notice.”

切り倒された古い木の断面の自らが死んだであろう部分を触りながらマデリンが言った言葉です。

人の死はとても儚いものです。

誰も気づきもしないし、確かにほんの一瞬なのです。

それでも一瞬の切り取った世界がとても美しく、恋しく、悲しいと言うのはとても情緒的ですね。

『めまい』(1958)の名言6.「私の愛を信じる?」

ジョンとマドリン©Paramount Pictures Corporation

 

”Do you believe in my love?”

マデリンの言葉です。

この言葉のあと、マデリンは教会の鐘楼から飛び降りてしまいました。

スコティがマデリンを追いかける際の階段のめまいショットは圧巻です。

『めまい』(1958)の名言7.「あの人の心はもモーツファルトなんかじゃ癒せません。」

スコティとミギー©Paramount Pictures Corporation

 

"I don't think Mozart's going to help at all.”

神経が衰弱してしまったスコティの病気が深刻だと医者は言いました。

この言葉は医者の発言に対してミッジが言ったセリフです。

マデリンを救えるはずだったかもしれないのに、自分が高所恐怖症だったことで、彼女を引き止めることが出来なかったことがマデリンの死を招いたと強い罪悪感を抱いているスコティの病いは深刻です。

『めまい』(1958)の名言8.「そんなに似てる?まさかその人死んじゃったの?」

スコティとジュディ©Paramount Pictures Corporation

 

”Do I really look like her? She's...dead, isn't she?”

ジュディのこの言葉のあと、ジュディが教会のシーンを回想するシーンが入り、ジュディがマデリンであることが観客側に分かります。

観客の方は密かに、

「ジュディが嘘をついこと、彼女がマデリンであることをジョンが知った時にどうなるんだとう、とドキドキしながら自問自答することでことからサスペンスが生まれるとのが、映画の発想の原点だ。」

ヒッチコック監督は語っています。

真実を知らされているからこそのドキドキやハラハラ、面白いですね。

『めまい』(1958)の名言9.「私じゃダメなの?このままの私じゃ。」

ジュディ©Paramount Pictures Corporation

 

”Couldn't you like me, just me, the way I am?”

マデリンを恋しく思うあまり、ジュディを変えたがるスコティは、服も、髪色までもマデリンそっくりにしたがりました。

今まで楽しくやっていたじゃないと泣き崩れるシーンからも、彼はジュディを一時は愛したのだと推測は出来ます。

それでもやはりスコティはジュディでなく、マデリンの面影をジュディに重ねて愛していただけなのでした。

この映画は「心理的性交」と呼べるべき一面があるそうです。

「この世では不可能な静的イメージを追う男の話しだからね。もっと単純に言えば、この男は死んだ女と寝ることに夢中になっているわけだ。」

とヒッチコック監督は語っています。

ジュディをマデリンそのものに変えていくところは、まさにマニアックな性的フェチズムが溢れかえっているシーンで、映画の中で最も素晴らしいシーンと言われています。

この映画は興行中収入こそボチボチとも言えるものだったそうですが、私もこのシーンが映画の中で一番狂気的でヒッチコック監督らしさが出ていて好きです。

『めまい』(1958)の名言10.「最後にすることがある。過去から解放されるために。」

ジョンとマドリン©Paramount Pictures Corporation

 

"One final thing I have to do.”

スコティが車の中でジュディに言った言葉です。

彼はマデリンが死んだ教会に再びジュディと来て、長い間克服出来なかった高所恐怖症を克服出来ました。

でもそれは同時にマデリンの死が偽造されたものだということ。

ジュディがマデリンだと言うことを知ることでした。

そして偽造だった死は、ジュディが鐘楼で足を滑らせたことで、現実になります。

なんとも残酷なラストです。

『めまい』(1958)の名言・名セリフまとめ

階段の下をのぞき込んだよき急激なめまいを覚える瞬間の映像の歪み俗に言うめまいショットをヒッチコックは15年かけて、ようやくこの作品で実現しました。

彼は映画監督である前に、やりたいカットを重視していることは、先日執筆した『サイコ』(1960)同様なところがあります。

『サイコ』(1960)もヒッチコック監督が、シャワーシーンを撮りたくて映画化したものなのですから。

この映画を作る手法は、少し逸脱していて、尋常じゃないこだわりとマニアックさすら感じますが、もしかすると正解なのではとじっくり感んがえると思う側面があります。

例えば何か考えるときにコンセプトをしっかり考えてから作ったりするのと同様、やりたいシーンがイコール映画の核となるならある意味正しいのかもしれません。

何よりどうしてもやりたいとい気持ちで映画を作る貪欲さにはとても圧倒されます。

『サイコ』(1960)、是非名言も踏まえた上で、ぜひご覧になってください!

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