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ブルーバレンタイン_感想・考察

『ブルーバレンタイン』(2010)は、ある夫婦の出会い、結婚、別れまでを描いたラブストーリー。

主演はライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズ。

本作は、カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門に出品されました。

カップルで見てはいけないと評判の『ブルーバレンタイン』(2010)について、タイトルの由来や意味、なぜカップルで見てはダメなのかを解説していきます!

【『ブルーバレンタイン』(2010)の評価】

項目 評価 点数
知名度 ★★★★☆ 70点
配役/キャスト ★★★★☆ 75点
ストーリー ★★★★☆ 75点
物語の抑揚 ★★★★☆ 75点
構成 ★★★★★ 90点
カップルで見てはいけない度 ★★★★★ 100点
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『ブルーバレンタイン』(2010)の作品情報


ブルーバレンタイン (字幕版)

製作年 2010年
原題 Blue Valentine
製作国 アメリカ
上映時間 114分
ジャンル ラブロマンス
監督 デレク・シアンフランス
脚本 デレク・シアンフランス/ジョーイ・カーティス/カミーユ・ドラヴィーニュ
主要キャスト ライアン・ゴズリング(ディーン・ペレイラ)

ミシェル・ウィリアムズ(シンディ・ヘラー)

フェイス・ワディッカ(フランキー)

マイク・ヴォーゲル(ボビー・オンタリオ)

『ブルーバレンタイン』(2010)の概要

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

ペンキ塗りの仕事をしているディーン、看護師のシンディは娘のフランキーと3人で暮らしていた。

ある日、メ―ガンという犬のペットが失踪してしまう。

フランキーの歌の発表会に行く途中でシンディが道路で死んでいるメ―ガンを発見。

メ―ガンが死んで埋めた後、ディーンはシンディをホテルに誘い、「未来ルーム」という部屋を予約する。

ホテルに向かう途中で寄ったスーパーでシンディは、昔のボーイフレンドであるボビー・オンタリオに会う。

ボビーに会ったことをディーンに話すと、ディーンは不機嫌になり……。

『ブルーバレンタイン』(2010)の感想と考察

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

『ブルーバレンタイン』(2010)の感想

『ブルーバレンタイン』(2010)は、ある夫婦の出会い、結婚、別れまでを描いた作品で、現在と過去を交互に描きながらストーリーは進展していきます。

現在は冷え切った夫婦の関係で、過去は出会った頃や付き合っていた時のラブラブな関係。

現在と過去が交互に繰り返される、その大きな振り幅の演出が面白いですし、見どころの映画になっています。

出会いから一生の愛を誓った結婚まで見られる一方で、離婚や壮絶な夫婦喧嘩を見せられるなど、ブルーな気分になるラブストーリーではありますが、現実的であるとも言えるのではないでしょうか。

本作を観ると、「永遠の愛」なんて幻想だと思ってしまうはず。

ハッピーなラブストーリーも良いですが、たまには本作のようなバッドエンドなラブストーリーも刺激があっていいかもしれません。

『ブルーバレンタイン』(2010)の考察

容姿・ビジュアルの劣化は冷める?『ブルーバレンタイン』(2010)から学ぶ恋愛観

ディーンの容姿・ビジュアルの劣化はかなり目立ちました。

昔のディーンは優男のような感じでしたが、現在のディーンはハゲてやさぐれてしまっています。

一方、シンディもおばさんぽいというか、体型がだらしなくなっていました。

容姿・ビジュアルの劣化は冷めるのでしょうか。

結論としては、あまり影響はないと思います。

『ブルーバレンタイン』(2010)でも、容姿・ビジュアルよりも性格や行動に冷めていました。

ただ、男は外見を重視する傾向があるので、彼女の容姿・ビジュアルが劣化してしまったら冷めてしまうかもしれません。

【なぜ?】『ブルーバレンタイン』(2010)の疑問を解説

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

『ブルーバレンタイン』(2010)がカップルで見てはダメと言われている理由を解説

『ブルーバレンタイン』(2010)がカップルで見てはダメと言われている理由は、冷え切った関係を描き、かつ「別れ」も描いているからでしょう。

本作では、ディーンとシンディの出会った頃や付き合い始めた頃の甘い関係も描かれますが、愛情のない時も描かれます。

アツアツなカップルが観たら「愛があるのは今だけかも……。」とブルーな気分になってしまうのではないでしょうか。

もしかしたら、本作を観終わった後は、隣にいるパートナーに魅力を感じなくなっているかもしれません。

「これからパートナーと幸せになりたい」と思っているカップルの希望を粉々に打ち砕くような内容なので、カップルで観るときは注意が必要です。

なぜ夫婦関係は冷めていくのかを解説

夫婦関係が冷めていく原因は人それぞれでしょうが、ディーンとシンディは小さな不満の積み重ねだと考えられます。

ディーンは朝から酒を飲み、シンディに怒ることもありました。

それが毎日のように繰り返され、シンディは愛想を尽かしたと言えます。

一方、シンディは、ディーンに冷たく接し、仕事と子供の世話ばかりでディーンと向き合おうとしなかったのも原因の一つと言えるでしょう。

そもそも脳科学的には、愛の期限は3年と言われています。

それよりも愛を持続させるためには、「結婚してからは片目を閉じる」寛容さ、そしてささいなことにも感謝することが必要なのだと思います。

カメラアングルが近くてブレが多い理由を解説

カメラアングルが近くてブレが多い理由は、「表情」を重視して撮るためだったからだと考えられます。

本作は、「出会った頃や付き合い始めた頃の甘い時の表情」と「冷え切った時の表情」の対比が分かりやすいように(印象づかせるために)、カメラアングルを近づけたのではないでしょうか。

過去と現在ではディーンとシンディの表情が全く違うことが分かります。

男女で評価や注目するポイントが違う?それぞれの感想を解説

『ブルーバレンタイン』(2010)では、男女で評価や注目するポイントが違うようです。

男女それぞれの感想を見てみましょう。

男性の感想

・「ディーンはホテルに連れて行ったり、シンディとの関係を修復しようと頑張っているのに、シンディは受け入れようともしていない。かわいそう」

・「愛する女性の子供とはいえ、娘のフランキーは別の男の子供。それでもディーンは愛情を持って育てている」

・「(シンディに)そっけない、冷たい態度をとられたら傷つく」

という男性の感想がありました。

男性なので男目線、つまりディーン目線で観ており、シンディを非難している感想が目立ちます。

女性の感想

・「ディーンも根っからの悪い人ではないと思うけど、頼りなさが見え見えで……。ライアン・ゴズリングの禿げた頭が“だめんず感”を増してる」

・「シンディにもひどいと思うところはあった!でも病院に殴り込むようなキレる男とは一緒にいたくない」

・「この人とはもうダメとか、もう好きじゃないって一回思うと、本当に無理になっちゃう気持ちは分かる。相手が向かい合おうとしてくると余計に」

という女性の感想がありました。

女性なので男目線、つまりシンディ目線で観ており、ディーンを非難している感想が目立ちます。

面白いことに男はディーンを、女はシンディを擁護する感想でした。

「ディーンとシンディ、どちらに非があるか」をテーマに男女で議論させたら、大論争に発展しそうな両極の意見です。

結局、どちらが悪いかと言えば、どちらも悪いとは言えません。

ディーンにはディーンの悪いところがあり、シンディにはシンディの悪いところがあったのです。

2人に共通して欠けていたのは、感謝と許容ではないでしょうか。

『ブルーバレンタイン』(2010)に登場する楽曲を曲名と歌手名で一覧で解説

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

『ブルーバレンタイン』(2010)に登場する楽曲を紹介します。

『ブルーバレンタイン』(2010)の楽曲

・Granny Dinner -Grizzly Bear
・In Ear Park -Departent of Eagles
・Easier -Grizzly Bear (Instrumental)
・Lullabye -Grizzly Bear (Instrumental)
・I Live With You -Grizzly Bear (Instrumental)
・Foreground -Grizzly Bear (Instrumental)
・Dory -Grizzly Bear (Instrumental)
・You Always Hurt the Ones You Love -Ryan Gosling
・You and Me -Penny & The Quarters
・Shift -Grizzly Bear (Alternate Version)
・Alligator -ft. Zach Condon, Dave Longstreth & Amber Coffman (Choir Version)
・Easier -Grizzly Bear
・Lullaby -Grizzly Bear
・I Live With You -Grizzly Bear
・Foreground -Grizzly Bear

中でも『You and Me』は印象的な楽曲でした。

この曲は、関係が冷めたディーンとシンディがホテルに行った時、ディーンがかけた曲であり、ディーンとシンディが熱い関係だった時、ディーンがかけた曲でもあります。

2人の過去と現在をつなぐ曲。

本作の中で聴くと、とても切ない気持ちになってしまいます。

『ブルーバレンタイン』(2010)の原題・タイトルの意味とは?

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

『ブルーバレンタイン』(2010)の原題は『Blue Valentine』。

「bule」には、「憂鬱な」「陰気な」という意味があります。

「valentine」には、バレンタインカードを送る相手や、恋人・特別な人になってもらいたい人のことを「valentine」と呼ぶのだそう。

意味としては、『憂鬱な恋人』。

両極の意味を組み合わせることで、「bule」は現在の冷めた関係を表し、「valentine」は過去の幸せだった時の関係を表したのだと思います。

ディーンとシンディの現在と過去を交互に描いていくという、本作に合っているタイトルになっているのではないでしょうか。

『ブルーバレンタイン』(2010)の原作や元ネタとは? 映画版との比較

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

『ブルーバレンタイン』(2010)の原作や元ネタはありません。

デレク・シアンフランス、ジョーイ・カーティス、カミーユ・ドラヴィーニュらのオリジナル脚本ではありますが、本作はデレク・シアンフランス監督が20歳の時に両親が離婚したことがきっかけで本作を製作しようとしたのだそう。

デレク・シアンフランス監督は両親の離婚に大きなショックを受け、男女の関係の始まりと終わりを描こうとしたのです。

『ブルーバレンタイン』(2010)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

『ブルーバレンタイン』(2010)の結末・ラストシーン

『ブルーバレンタイン』(2010)はディーンとシンディの別れの結末になりました。

ディーンはシンディの実家を出ていきます。

その後を娘のフランキーが追いかけていきますが、ディーンはフランキーを放すとシンディが抱っこをします。

ディーンと離れてしまったことで泣くフランキー。

ディーンとシンディは別々の道を歩くというラストになりました。

『ブルーバレンタイン』(2010)の最後の解釈と考察

最後がディーンとシンディの別れということでほろ苦いラストになりました。

「男女の関係がいかに始まり、いかに終わるのかを理解したかった」というデレク・シアンフランス監督の言葉通りそれが分かったような気がします。

ディーンとシンディは特別な夫婦ではなく、どこにでもいるような普通の夫婦。

出会いも、交際も、結婚も特別ではありません。

だからこそ、本作はリアリティがあり、私たちの身に起きても何ら不思議ではない物語になっているのです。

ほろ苦い思いと同時に他人事ではない怖さもありました。

『ブルーバレンタイン』(2010)のその後は?

ディーンとシンディは正式に離婚することになるでしょう。

関係は完全に冷めていたので、復縁するとは考えられません。

シンディはもしかすると、元彼のボビーか上司の医師とくっついてしまう可能性もなくはないと思います。

【レビュー】『ブルーバレンタイン』(2010)の評価・評判

ディーン:ⓒThe Weinstein Company

【つまらない?】低評価のレビュー

『ブルーバレンタイン』(2010)の低評価はどのようになっているのでしょうか。

映画のレビューサイトをまとめてみると、

『ブルーバレンタイン』(2010)の低評価レビュー
Filmarks:★★☆☆☆ 2.0
「思っていた以上に気分が落ちてしまいました」
映画.com:★★☆☆☆ 2.5
「描かれてないばかりに理解できないことが多すぎ、想像で補うにはあまりにも過去から現在が飛躍しすぎていて好きになれなかった」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★☆☆☆ 2.0
「恋愛映画にロマンを求める私としては悲しすぎました」

という低評価レビューがありました。

男女の別れも描いた悲しさが低評価につながってしまうようです。

やはりラブストーリーは、ハッピーな物語のほうがウケがいいのかもしれません。

私としては、本作のような悲しい物語もそれはそれで面白いところがあるので、アリではないかと思います。

【面白い?】高評価のレビュー

『ブルーバレンタイン』(2010)の高評価はどのようになっているのでしょうか。

映画のレビューサイトをまとめてみると、

『ブルーバレンタイン』(2010)の高評価レビュー
Filmarks:★★★★☆ 4.5
「話の構成や2人の演技がすばらしい。内容はとても悲しいがとてもいい作品だと思う」
映画.com:★★★★☆ 4.5
「脚本構成俳優台詞色彩すべてが良すぎてほんとに映画に酔った」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★★ 5.0
「男女の愛の変わり様を、なんとうまく表現できた映画なんだと感心」

という高評価レビューがありました。

話の構成や男女関係のリアリティさが高評価につながっているようです。

また、ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの演技を高く評価する声も。

ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズはゴールデングローブ賞にノミネートされるだけあって、素晴らしい演技でした。

過去と現在を交互に描いていく構成、切り替えるタイミングも上手かったと思います。

日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.6という結果に。

点数的にはあまり高くない結果となりました。

『ブルーバレンタイン』(2010)の総合評価:恋の始まりと終わりを描いた傑作!

ディーンとシンディ:ⓒThe Weinstein Company

ある夫婦の出会いから破局までを描いたラブストーリー『ブルーバレンタイン』(2010)。

話の構成が上手く、ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの演技が素晴らしかったです。

悲しくブルーな気分になる映画ではありますが、男女の関係をリアルに描いた傑作であると思います。

視聴する時は、ぜひ一人で観てください。

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