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映画『ナイト ミュージアム』(2006)の評価や結末を、声優や内容と合わせて考察【あらすじ、感想、ネタバレあり】

『ナイト ミュージアム』(2006)は、展示物が動き出す、不思議な博物館の物語。

真夜中の博物館で毎夜繰り広げられる大騒動を描いた、コメディ兼アドベンチャー作品です。

うだつの上がらない中年バツイチ男の新しい仕事先は、ファンタジーの世界。

言葉も通じない中、男は良き父であろうと、博物館の展示物に対して孤軍奮闘を始めます。

国や時代を超え、人間・動物・それ以外となんでもアリの展示物たちのキャラクターにも要注目。

本記事では、本作について挿入歌や声優、考察と評価、結末を解説していきます。

『ナイト ミュージアム』(2006)の作品情報とキャスト


ナイトミュージアム (吹替版)

作品情報

原題:Night at the Museum
製作年:2006年
製作国:アメリカ
上映時間:108分
ジャンル:コメディ、アドベンチャー

監督とキャスト

監督:ショーン・レヴィ
代表作:『インターンシップ』(2013)『リアル・スティール』(2011)

出演者:ベン・スティラー/吹替:檀臣幸(ラリー)
代表作:『マダガスカル』(2005)『ミート・ザ・ペアレンツ』(2000)

出演者:ロビン・ウィリアムズ/吹替:岩崎ひろし(テディ)
代表作:『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』(1998)『ジュマンジ』(1995)

出演者:ラミ・マレック/吹替:小森創介(アクメンラー)
代表作:『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2019)『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)

『ナイト ミュージアム』(2006)のあらすじ

セシルを訪ねてきたラリー:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

何の仕事に就いても長続きしない、冴えない中年男、ラリー。

バツイチの彼には一人息子のニックがおり、定期的に会っている。

息子や前妻から新しい仕事を見つけるように言われた彼は、職探しを決意。

ようやく見つけた仕事は、博物館内の夜間警備員だった。

仕事先に向かうと、前任者のセシルからいきなり引継ぎを受けることに。

その博物館は来館者数が減り続け、赤字経営を再建するため、リストラを断行。

セシルたち夜間警備員3人の解雇とともに、後任としてラリーを雇うというものであった。

ペラペラのマニュアルと簡単な引継ぎを受けた後、そそくさと去ってしまうセシルたち。

とりあえずやってみることにしたが、夜になり、彼はいつの間にか眠ってしまっていた。

飛び起きたラリーは、目の前にあった巨大ティラノサウルスの骨格標本がないことに気付く。

離れたところから物音がするのを聞きつけた彼は、音の先へ。

館内を探索していると、目の前に水を飲むティラノサウルス骨の姿が。

その他、展示された標本や人形が次々と動き出し、館内はもうメチャクチャ。

ここは、夜中になると館内のものが動き出す、不思議な博物館だった。

【ネタバレあり】『ナイト ミュージアム』(2006)の舞台や楽曲・挿入歌を解説

ノリノリで踊るアクメンラー王:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

初めに『ナイト ミュージアム』(2006)の舞台や挿入歌について紹介していきます。

『ナイト ミュージアム』(2006)の舞台

『ナイト ミュージアム』(2006)は、実在の博物館を舞台とした作品です。

それが、アメリカはニューヨーク、マンハッタンにあるアメリカ自然史博物館。

作中で映る外観は、実際のアメリカ自然史博物館の外観がそのまま使われています。

一方で、館内については内部を模したセットが別に組まれ、撮影されました。

なお、本編に登場する博物館は、”アメリカ自然史博物館”とは呼ばれていません。

単に自然博物館とだけ呼ばれています。

確かに、実在のものと同一とは言いきれませんが、ほぼ同じ舞台とみて間違いないでしょう。

実際、作中で展示されていたものと館内で展示されているものには、共通のものがあります。

例えば、ティラノサウルスの骨格標本や、ネアンデルタール人の等身大人形像など。

モアイ像も実際の博物館で展示されているものです。

アメリカ自然史博物館を訪れる際は、本作をたどって鑑賞を楽しむのもよいでしょう。

『ナイト ミュージアム』(2006)で流れる楽曲・挿入歌

本作は、ラリーが博物館内で過ごした、3日間にわたる真夜中の出来事を描いています。

そして、毎夜流れる楽曲がたいへん印象的です。

まず、彼が警備員に雇われて初めての夜ですが、実はこの夜に楽曲は挿入されていません。

1日目の夜はBGMというより、登場人物のラリーによる鼻歌めいた歌に注目しています。

そんな彼が悪ふざけで歌っているのが、"Eye of the Tiger”。

Survivorというアメリカのアーティストの楽曲で、『ロッキー3』(1982)の主題歌として有名です。

おふざけで歌っていることもあり、そのままスルーしてしまうほどのさりげなさ。

気付いた人は、思わずほくそ笑んでしまうかもしれません。

次の日の夜に流れるのは、Fatboy Slimの"Weapon of Choice”。

テクノやハウスといった、クラブミュージックの大家である彼の曲が用いられました。

ラリーが館内の"住人たち”とうまくやろうと、孤軍奮闘する一部始終の間に流れています。

最後の3日目でかかるのが、本作の”顔”とも言うべき挿入歌。

それこそが、Earth, Wind & Fireの"September”です。

誰もが知っている、ファンク/ディスコミュージックの大アンセム。

映画だけでも、本作に限らず、これまで数多くの作品で挿入曲として用いられてきました。

物語の最後、ラリーたちと館内の一同が楽しく踊り明かすシーンで流れます。

このように、作中で流れる挿入歌は以上の3曲のみ。

数こそ多くありませんが、さりげなく効果的に、作品に鮮やかな彩りを与えているのです。

『ナイト ミュージアム』(2006)の猿・デクスターは本物?CG? リアル過ぎる正体を解説!

オマキザルのデクスター:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

博物館内の多くの展示物たちが動き回る『ナイト ミュージアム』(2006)。

本作では、人物像は役者がそれぞれ演じ、標本やはく製は主にCGを使って動かしています。

そんな登場人物の中で、とりわけ目立つのがオマキザルの"デクスター”。

動物の多くがCGで描かれている中、デクスターに関してはなんと本物の猿が演じているのです。

デクスターを演じる猿はプロの役者であり、多くの映画作品に出演してきた実力派。

本作のほか、『ドクター・ドリトル』シリーズや『ハングオーバー2(原題)』(2011)などにも出演してきました。

デクスターの印象的なシーンといえば、ラリーとのビンタのシーン。

ラリーがビンタすると、すかさずラリーにビンタを張り返していきます。

そのビンタの応酬は見事の一言で、リアルな動物が演じているとは思えないほど。

CGを用いず、意思疎通できない動物の動きを操ることは、至難の業といえるでしょう。

この猿は非常に賢く、その場の空気を察して動くという逸話もあるほどです。

経験豊富なベテラン役者の貫禄ある演技は、流石と言わざるを得ません。

【ネタバレあり】『ナイト ミュージアム』(2006)の感想と考察

博物館内は大騒ぎ:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

『ナイト ミュージアム』(2006)の感想

『ナイト ミュージアム』(2006)に対する感想を述べていきます。

まずはじめに、本作は非常ににぎやかで楽しい物語でした。

ストーリー内容も難しくなく、老若男女問わず楽しめる、やさしい作品だといえます。

観た後に余韻として残る清々しさからしても、本作は万人受けする良作として文句なしでしょう。

加えて、過去の人物や動物が命を吹き込まれ、躍動する点も見逃せません。

これだけでも、図らずもおのずと胸が踊るものです。

学校の授業で習ったものたちが動くというだけで、自然と興味がそそられるというもの。

写真でしか見たことのない彼らを、イメージであれ、視覚で感じられることは意義深いでしょう。

こうした歴史的な視点においても、知的好奇心をくすぐられます。

ただ1つ物足りなかったのは、キャラの掘り下げがあまりなされていなかった点。

物語冒頭、ラリーは仕事のことで息子のニックとギクシャクしています。

最終的には親子の絆は取り戻され、彼は息子が誇れる父親となりました。

この2人の関係を主軸に据えた本作において、彼らの葛藤があまり描写されていないのです。

両者の間のドラマをもう少し観たかったという思いが若干残りました。

とは言うものの、良くも悪くも"軽い”ことが、本作の特徴だといえます。

従って、このような感想自体は、少々神経質過ぎたものと言えるかもしれません。

『ナイト ミュージアム』(2006)の考察

『ナイト ミュージアム』(2006)は何といっても、ワクワク感をかき立てられる物語です。

博物館の展示物が動き出すというファンタジー。

紆余曲折ありながらも、主人公が彼らと協力して、悪者をこらしめる王道展開。

また、登場人物たちは多かれ少なかれ”冒険”を繰り広げています。

ラリーやニック、館内ガイドのレベッカにとっては、夜の博物館は非日常そのもの。

展示物たちにとっては、ニューヨークあるいは現代文明は、異世界同然でしょう。

本作がアドベンチャーのジャンルにもカテゴライズされているのも納得です。

カテゴリの話題でいけば、本作はコメディとしての側面も持っています。

ラリーが展示物たちに翻弄され、てんやわんやする姿は見ていて飽きません。

展示物たちが"文明”に触れて戸惑う仕草も愉快です。

ガムを噛むモアイ像など、逆に文明に溶け込みすぎているところも、思わず笑ってしまいます。

このように、本作にはコメディ要素が随所に盛り込まれており、確かにコメディです。

ただ、この点についても少々あっさりしすぎている感が否めません。

ラリー役のベン・スティラーはコメディ映画に多数出演している実力者。

テディ役のロビン・ウィリアムズに至っては、コメディアンでもあります。

バランスをとる意味で難しいのでしょうが、もう少しやりすぎていても破綻はしないでしょう。

と、これまでのことを総括すれば本作は、コメディ要素有りのアドベンチャー作品といえます。

冒険心を揺さぶる良質な物語であることは、間違いありません。

【ネタバレあり】『ナイト ミュージアム』(2006)の結末・ラスト

博物館に押し寄せる人々:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

『ナイト ミュージアム』(2006)のラストシーンと結末をみていきます。

ニックに、父親らしいところと博物館の秘密を見せようと張り切るラリー。

だが、その日はいつもと少し勝手が違っていました。

『ナイト ミュージアム』(2006)のラストシーン

息子に父親の仕事ぶりを、そして動く展示物たちを見せようと思ったラリー。

彼はニックを連れて夜警業務にあたるも、今日はいつまで経っても彼らが動く気配を見せません。

あまりに必死に映る父親の姿を見たニックは、諦めとともに彼を心配します。

テディの言葉を思い出したラリーは、エジプト王の部屋に行くと、黄金の石板が無くなっていました。

展示物たちは、石板の力によって動くことができたのです。

2人は、倉庫で石板などの宝物を盗み出すセシルたち3人を発見。

ラリーは彼らを止めようとしますが、石板の効果で若返った3人には太刀打ちできません。

エジプト王の部屋に逆に閉じ込められてしまった2人。

テディがやって来るも、未来は自分で切り開けと言って立ち去ってしまいます。

絶体絶命の2人は、中で暴れるアクメンラー王のミイラの棺を開けることに。

彼とともに、ラリーは展示物たちを説得して、セシルたちを捕まえようと一致団結します。

大捕り物は博物館の外にまで及び、ようやくセシルから石板を奪い返したラリー。

彼に残された仕事は、展示物たちを夜明けまでに元に戻すこと。

ギリギリのところで元に戻せたものの、散らかり放題のフロアは、どうにもなりませんでした。

翌日、クビを覚悟したラリーは、館長のマクフィー博士から予想通り解雇を言い渡されます。

だが、この日の博物館は大にぎわい。

昨夜外に出た展示物たちの行動のおかげで、興味を持った人々が押し寄せてきたのです。

これを見た博士は、なんとも言えない表情で彼のクビを撤回しました。

展示物たちと絆を深めたラリーは、今日も彼らと夜な夜な踊り明かします。

『ナイト ミュージアム』(2006)の結末を解説

先の項目で述べた通り、ラリーたちは辛うじて事なきを得ます。

いや、むしろ万事うまくいき過ぎていると言ってもよいでしょう。

彼は解雇をすんでのところで回避し、親子の絆も再び生まれました。

ニックは父親の言うことが間違っていなかったことを知り、その背中の大きさを感じます。

最終的には、形の上で元父親でありながら、ニックの授業に参加するシーンもありました。

その他、テディは気になっていた娘サカジャウィアと結ばれることに。

レベッカも、論文研究対象であるサカジャウィアの"生”と出会い、感激します。

犬猿の仲だったカウボーイとローマ兵は、一連の出来事を経て親友となりました。

セシルたちとの"戦い”を共にしたラリーと展示物の間にも絆が生まれています。

そして最後の"September”。

まさに、終わりよければ全てよし、といったところでしょうか。

このように、全てがうまくいき過ぎてはいますが、そこに嫌味ったらしさはありません。

博物館内外でアドベンチャーを展開したせいか、心には不思議な達成感があるのです。

壮大な冒険譚を見せつつも、コメディパートで軽くして、最後は大団円。

お手本のような軽快さは、時が経つのも忘れてしまうほどです。

『ナイト ミュージアム』(2006)はロビン・ウィリアムズの遺作? 役柄と死因についても解説!

テディ役のロビン・ウィリアムズ:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

セオドア・ルーズベルト大統領(テディ)は、『ナイト ミュージアム』(2006)における重要人物の1人。

ラリーと意思疎通できる数少ない展示物の1人であり、彼の理解者でもあります。

ときに助言を与え、またあるときは多くを語らない、人生の先輩としてラリーを導きました。

そうした一面から、サカジャウィアに惚れながら声もかけられない情けない面まで。

なんとも愛らしいキャラクターの持ち主です。

そのテディを演じているのが、俳優ロビン・ウィリアムズ。

アカデミー助演男優賞を受賞してきた名優です。

彼は、2014年8月に自ら首を吊り、63歳でこの世を去りました。

死因との関連は定かでないですが、亡くなる直前はうつ状態でもあったとのこと。

名優の心と身体は、人知れずボロボロになっていたのです。

ロビンが亡くなった2014年は、『ナイトミュージアム』シリーズの第3作目が公開された年。

この『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』(2014)が彼の遺作となりました。

多くの人々が彼の死を悼み、当時のオバマ大統領も哀悼の意を表しています。

本作におけるロビンの存在は、他の役者やスタッフに対して非常に大きなものでした。

撮影の裏側では、常に周りを笑わせてくれるムードメーカー。

若い役者たちからスタッフにまで気を配る心優しさは、共演者の胸に深く刻み込まれました。

彼は、この作品における心そのものであったといえます。

なお、3作目公開後には、ロビンの出演シーンとメイキングで構成された特別映像が公開。

彼の存在の大きさについて、シリーズの共演者たちが胸の内を語っています。

『ナイト ミュージアム』シリーズにおける象徴であったロビン・ウィリアムズ。

彼なくして、テディはおろか、本作シリーズは成立し得なかったでしょう。

『ナイト ミュージアム』(2006)のまとめ

夜の博物館:© 2006 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.

『ナイト ミュージアム』(2006)は不思議な作品です。

作品に掲げられたテーマが、非常に見えにくくなっています。

何を見せたいのかと問われると、「これだ」という決め手に欠けるのです。

親子の絆なのか、父親らしさを取り戻していく姿なのか、などなど。

おそらく、いずれもテーマとして正しいものなのでしょう。

そして、本作はそんな堅苦しいことは抜きで楽しめる作品です。

テーマなどにこだわらず、映像をそのまま受け止める楽しみ方こそが一番なのかもしれません。

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