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映画『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)は原作に劣らない名作!! 登場人物一覧と内容の解説と考察【あらすじ、感想、ネタバレあり】

映像化不可能と言われてきたJ・R・R・トールキンによるファンタジー文学の最高峰『指輪物語』

初めて完全映画化に挑んだピーター・ジャクソン監督は、原作と同様、映画も3部作として製作しました。

第74回アカデミー賞では13もの部門にノミネートされ、4部門で受賞した『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の感想と考察をネタバレありで語っていきます。

目次

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の作品情報とキャスト


ロード・オブ・ザ・リング (吹替版)

作品情報

原題:The Lord of the Rings:The Fellowship of the Ring
製作年:2001年
年製作国:アメリカ・ニュージーランド
上映時間:178分(劇場版)/208分(エクステンデッド版)
ジャンル: ファンタジー、アドベンチャー

監督とキャスト

監督:ピーター・ジャクソン
代表作:『さまよう魂たち』(1996) 『キング・コング』(2005)

出演者:イライジャ・ウッド/吹替:浪川大輔(フロド・バギンズ)
代表作:『フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白』(1992)『シン・シティ』(2005)

出演者:イアン・マッケラン/吹替:有川博(ガンダルフ)
代表作:『X-メン』(2000) 『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)のあらすじ

指輪とフロド© 2001 - New Line Productions, Inc.

中つ国、第3紀。

失われていたと思われていた、強大な魔力が封じられた「ひとつの指輪」を、ホビット族の青年フロドが手にした。

「ひとつの指輪」が、本来の持ち主である冥王サウロンの手に渡れば、中つ国は闇に支配されてしまう。

指輪を永遠に破壊するには、滅びの山の亀裂に指輪を投げ込むほかはない。

中つ国を救うため、フロドは、8人の旅の仲間とともに指輪を捨てる旅に出るのだった。

【ネタバレあり】『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の感想と考察

中つ国© 2001 - New Line Productions, Inc.

あらすじ、作品概要について説明したところで『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の感想と考察を書いていきます。

中つ国を完全に再現した実写映画化!

『指輪物語』が映画化されるという知らせには、世界中の原作ファンが歓喜の声と同時に、不安の声をあげました。

ピーター・ジャクソン監督はB級ホラー映画監督としてのイメージが強く持たれており、何より『指輪物語』が持つ壮大な世界観の映像化は、誰にもできないと思われていたのです。

しかし、いざ公開された『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)は、ファンたちの懸念を跡形もなく吹き飛ばします。

ピーター・ジャクソン監督の故郷であるニュージーランドをロケ地として撮影された本作は、中つ国の風景を、まさに完全映画化という言葉に相応しいほどに再現し、アカデミー賞4部門を受賞するに至りました。

署名運動にまで発展し、酷評された翻訳問題とは?

『指輪物語』は言語をまるごと作ってしまうほどに緻密な世界観をもっており、日本のファンたちにとって、翻訳は無視できない問題となっていました。

実際、本作の予告編の段階ですでに「ホビット族」には「小さなものたち族」という訳があてられ、ファンたちの不安が的中してしまったのです。

「一般的な言葉を用いて観客に違和感を持たれないように」という翻訳者の意図は皮肉にもまるで逆の効果となってしまい、2作目以降の翻訳については、「担当を降板させてほしい」という署名運動が巻き起こる騒動に発展

この結果、2作目以降の字幕の固有名詞については、原作ファンにとって馴染みの深いものに変更され、ファンは胸をなでおろしたのでした。

ちなみに『指輪物語』の原題である『The Lord of the Rings』は、指輪を捨てる道(Road)のことではなく、指輪の本来の持ち主である、指輪の王とも言うべき冥王サウロン(物語中の指輪所持者であるフロドとする説も)を示しています。

サウロンが自らの魔力で作ったのは「ひとつの指輪」だけですが、Ringsと複数形になっているのは、「ひとつの指輪」が、ほかに作られた19個の指輪をすべて支配できるからです。

劇場公開版と異なるエクステンデッド版で内容を補完

本作は劇場公開版で178分と、すでに一般の映画と比べてもかなり長い上映時間となっています。

しかし編集の段階でカットされたシーンがかなり多く存在し、劇場公開版では、登場人物の関係や状況についての把握が、わかりにくいという面が生じていました。

ピーター・ジャクソン監督は、『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)のDVD化に伴い、カットされたシーンの追加と細部のブラッシュアップを行い、エクステンデッド版として完成させたのです。

エクステンデッド版は本作の完全版と言える位置づけですので、可能な限り、こちらの視聴をおすすめします。

【ネタバレあり】『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物・キャラクターを紹介!

偉大な魔法使い、灰色のガンダルフ© 2001 - New Line Productions, Inc.

物語の中盤で、裂け谷で行われた会議により、「ひとつの指輪」を滅びの山の亀裂に捨てに行くメンバーが選出されます。

ホビットであるフロドを中心に選ばれたメンバーは、種族も年齢もさまざま

9人の旅の仲間を、ネタバレありで紹介していきます。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物①:フロド

ホビット。

養父であるビルボから「ひとつの指輪」を譲り受けたことで、中つ国全土の命運を担うことになりました。

指輪の魔力に毒されない強い意志を持っているだけでなく、冷静な判断力やエルフの言語にも通じるという博学さを備えています。

指輪の所持者として、何度も闇の勢力から命を狙われますが、仲間のサポートもあり、苦難の旅の目的を見事果たすことに。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物②:サム

ホビット、本名サムワイズ、ギャムジー。

フロドが暮らしたホビット庄の袋小路屋敷の庭師であり、ガンダルフたちの秘密の話を聞いてしまい、旅の仲間に加わることに。

特別優れた能力を持ってはいませんが、主人であるフロドのことを何よりも大切に思っており、重要な場面で何度も活躍します。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物③:メリー

ホビット、本名メリアドク・ブランディバック。

フロドの親戚にあたり、好奇心で冒険好きな性格から、旅の仲間に加わることになります。

後のアイゼンガルドの戦いでは、ピピンとともに戦いの鍵を握る重要な役どころを担いました。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物④:ピピン

ホビット、本名ペレグリン・トゥック。

ホビット庄の名家の出身であり、旅の仲間の一行の中では最年少です。

いたずら好きな性格が災いして、一行をしばしば危機に陥れるピピンでしたが、旅を通して大きく成長していきます。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物⑤:ガンダルフ

魔法使い。

人間の姿をしていますが、実はマイアという精霊であり、数千年以上の年齢を経た不死の存在です。

物語は始まりの時点では「灰色のガンダルフ」を名乗り、フロドたちを助けます。

マイアとしての本名は「オローリン」ですが、他にも「ミスランディア(灰色の放浪者)」、「サルクーン(魔法使い)」など、さまざまな名前で知られており、もっとも有名な「ガンダルフ」も、杖を持ったエルフ、という意味の異名に過ぎません。

強大な魔力を持っていますが、中つ国ではマイアとしての力を使用することを禁じられているため、主に仲間たちのサポートの面で活躍しました。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物⑥:アラゴルン

人間。

野伏の「馳夫」として知られていますが、その正体は滅亡したアルノール王国の正当な王位後継者です。

ガンダルフの友人であり、裂け谷のエルフ、エルロンドやアルウェンとの深い関わりを持っています。

青年の姿をしていますが、ドゥネダインという長寿の種族の血を引いているため、本作登場時点で87歳

フロドたちの危機を何度も救う、旅の仲間のリーダー的な立場を担います。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物⑦:レゴラス

エルフ。

闇の森のエルフの王国の王子であり、卓越した弓の技と森に生きるための知恵で旅の仲間を助けます。

エルフの代表として旅の仲間に加わったレゴラスは、道中、ドワーフのギムリと種族を超える友情を育んでいくことに。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物⑧:ギムリ

ドワーフ。

かつてホビットのビルボとともに竜退治の旅をしたドワーフ、グローインの息子です。

不仲であるエルフと親交があった、数少ないドワーフとして知られています。

背は低いものの、頑強な肉体と精神を持ち、斧を武器として多くの戦いで活躍しました。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の登場人物⑨:ボロミア

人間。

ゴンドールの執政官デネソールの長男で、ファラミアという弟がいます。

勇猛果敢な性格をしており、小さなホビットに対しても親切に接するなど、一行の頼れる兄的な存在として活躍。

「ひとつの指輪」の魔力に毒されたボロミアの行動が、旅の仲間の離散の原因となりました。

【ネタバレあり】『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)を原作小説とともに解説

馳夫、アラゴルン© 2001 - New Line Productions, Inc.

中つ国という架空の舞台で展開される『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)。

現代ファンタジーの祖とも言われる、原作小説との違いとともに解説していきます。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)の原作は?

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの原作は、J・R・R・トールキンによるファンタジー小説『指輪物語』です。

『指輪物語』はトールキンの初期の作品である『ホビットの冒険』の直接的な続編として書かれ、中つ国の世界観のさらなる掘り下げが行われました。

当初の予定ではひとつの小説として書かれるはずでしたが、戦争などの事情により、現在の3部作という体裁となっています。

原作『指輪物語』は世界史上のベストセラー!

『指輪物語』は1954年の出版以来、世界中で広く読まれ、3部作いずれもが世界史上のベストセラーに名を連ね、一億部以上の発行部数となりました。

日本でも人気は高く、瀬田貞二氏による翻訳が広く親しまれていますが、漢字を用いた一見不自然な固有名詞の訳語は、トールキンが自ら残した翻訳の手引きに従ったものです。

映画化の際の翻訳は、トールキンの翻訳の手引きが無視されてしまったために、先述の署名運動になったという背景があります。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを観る順番は?

3部作である原作は、第1部「旅の仲間」、第2部「二つの塔」、そして第3部「王の帰還」から成っています。

ピーター・ジャクソン監督も、原作同様、映画を3部作としました。

各部は概ね原作通りの分け方となっており、まさに『指輪物語』の完全映画化という偉業を、ピーター・ジャクソン監督は成し遂げたと言えるでしょう。

本作は3部作の第1部として製作されましたが、撮影は3部作のシーンが一気に行われ、あとは編集作業などに時間が費やされるという、特殊な方法が用いられました。

派生作品『ホビット』シリーズについて解説

本作よりも先に書かれた『ホビットの冒険』は、フロドの養父であるビルボとガンダルフ、そしてドワーフたちによる冒険が描かれています。

ビルボは冒険の途中で、ゴクリ(映画ではゴラム)と言うホビット族の成れの果ての怪物に出会い、ある指輪を手に入れました

この指輪こそが、のちに中つ国全土の命運を握る「ひとつの指輪」であることが判明し、『指輪物語』へと繋がるのです。

『ホビットの冒険』は、ピーター・ジャクソン監督の手により、2012年から『ホビット』3部作として映画化され、こちらも大成功を収めました

また、中つ国の神話の時代を描いた『シルマリルの物語』では、エルフ族とドワーフ族が不仲であることの因縁や、サウロンがどのようにして力を得ていったのかなど、興味深いエピソードが目白押しです。

ほかにも『終わらざりし物語』や『中つ国の歴史』など、中つ国を舞台にした作品がありますが、残念ながらトールキンの死により未完となっています。

『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)のまとめ

指輪を手にした冥王サウロン© 2001 - New Line Productions, Inc.

歴史的な大著『指輪物語』の完全映画化に果敢に挑んだピーター・ジャクソン監督は、第1部となる本作を、アカデミー賞4部門受賞の傑作として作り上げました。

本作には、指輪の来歴とともに、魔力を失う前のサウロンの姿が描かれるなど、続編にはない、第1部ならではの魅力があります。

フロドたちの旅はまだ始まったばかり。

さらに広がってゆく中つ国の世界観をより深く理解するために、原作の読破も挑戦してみてはいかがでしょうか。

本作の他にも名作映画を人気おすすめランキングで紹介しているので、気になる方は合わせてチェックしてみてください!

次作『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(2002)のあらすじとネタバレを含む、詳しい感想や考察を知りたい方はこちら↓

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