映画『星を追う子ども』(2011)の舞台や裏設定、ラストのその後は? 登場人物の相関関係とともに解説【あらすじ、感想、ネタバレあり】

『星を追う子ども』(2011)は、2011年に公開された新海誠監督のアニメーション映画。

『秒速5センチメートル』(2007)から4年ぶりとなる新海監督の4作目の作品でもあります。

これまでの新海作品とは異なり、ファンタジー要素がより強く、アクションシーンもこれまでより増えていました。

地下世界を舞台にし、生と死をテーマにした『星を追う子ども』(2011)。

これまでの新海ワールドとはかなり異なる作風となった『星を追う子ども』(2011)について、あらすじや解説、考察をネタバレを交えて紹介していきます!

『星を追う子ども』(2011)の作品情報とキャスト

星を追う子ども

作品情報

原題:星を追う子ども
公開年:2011年
製作国:日本
上映時間:116分
ジャンル:アニメ、SF、アドベンチャー

監督とキャスト

監督:新海誠
代表作:『秒速5センチメートル』(2007)『君の名は。』(2016)

出演者:金元寿子(渡瀬 明日菜)
代表作:『アイアンマン2 』(2010)『はじまりのうた』(2013)

出演者:入野自由(シュン&シン)
代表作:『千と千尋の神隠し』(2001)『聲の形』(2016)

『星を追う子ども』(2011)のあらすじ

シン:©︎MEDIA FACTORY&CoMix Wave Films Inc.

ある日、アスナは秘密基地へ向かう途中、見たこともない怪獣に襲われたところをアガルタから来たというシュンに助けられる。

二人はまた会う約束をするが、後日、シュンは遺体で発見されてしまう。

ある日、アスナは秘密基地でシュンの弟であるシンと出会った。

シンはシュンが持ち出したアガルタへの道の鍵となる石、クラヴィスを回収しに来ていたのである。

シュンが遺したクラヴィスを回収したシンはアガルタへと去り、アスナも広大な地下世界を旅することになるが……。

『星を追う子ども』(2011)の登場人物を解説!

シュンとアスナ:©︎MEDIA FACTORY&CoMix Wave Films Inc.

『星を追う子ども』(2011)の人物の相関関係

ここでは『星を追う子ども』(2011)の登場人物の相関関係(キャラクター)について紹介していきます。

渡瀬 明日菜(アスナ)

とある田舎で母親と2人暮らしをしている主人公の少女。

同級生たちともどこか距離を置いてしまい、孤独になる一面も。

近くの山に自分で作った秘密基地で鉱石ラジオを聞いたり、猫のような動物のミミと遊んで日々を過ごしていたが、アガルタから来たシュンとシンに出会い、地下世界を旅することになる。

シュン

アガルタから来た少年。

怪物からアスナを救ったことでアスナと出会う。

重い病気を抱えていたが、死ぬ前に地上に出て星を見たいと思い、地下世界を抜け出た。

アスナを助けた際に受けた深い傷が命取りとなり、地上に出て数日後、遺体となって発見されてしまう。

シン

シュンとそっくりなシュンの弟。

シュンが地上に行く際に持ち出した、地下世界への入り口の鍵であるクラヴィスという鉱石を回収するべく地上に来ていた。

優しい雰囲気のシュンとは対照的でどこか冷たい性格だが、地下世界へとやってきたアスナを守る。

森崎 竜司(モリサキ)

アスナのクラスの臨時担任。

アガルタの秘密を探る組織・アルカンジェリに所属している。

亡き妻・リサとの再会を願ってアガルタへの入口を探しており、アスナと共に地下世界へ。

リサの復活は失敗するも、アガルタに残り生きることを決める。

『星を追う子ども』(2011)の舞台とは?

ここでは『星を追う子ども』(2011)の舞台について紹介していきます。

『星を追う子ども』(2011)の舞台は地上と地下世界のふたつ。

といっても、メインは地下世界であるアガルタです。

地上の現実世界の時代設定は1970年代であり、とある田舎が舞台。

その田舎の舞台から地下世界であるアガルタへ。

アガルタには莫大な富や死者の復活すら可能にする技術があり、地下とは思えぬ大自然と、神々が乗る船“シャクナ・ヴィマーナ”が空に浮かぶ幻想的な風景が。

アガルタにある世界の果て“フィニス・テラ”、その崖下にある“生死の門”まで行けば死者を甦らせることができます。

しかし、アガルタは幾度となく侵攻してきた地上人の手によって荒廃し、衰退の一途を辿っていました。

また、夷族(イゾク)という闇に棲む人間ではない生き物の姿も見られ、アスナを襲ってきます。

【ネタバレあり】『星を追う子ども』(2011)のラストを考察! アスナとシンのその後は?

アスナとシン:©︎MEDIA FACTORY&CoMix Wave Films Inc.

『星を追う子ども』(2011)のラストは?

生死の門にたどり着いた森崎は、クラヴィスの欠片を使い、シャクナ・ヴィマーナにリサの復活を願います。

しかし、願いと引き換えにリサの器となる肉体を求められ、森崎はアスナを選び、また自らの右目を奪われてしまいました。

アスナを救うためにシンはクラヴィスを破壊するとリサは消え、シャクナ・ヴィマーナも去っていったのです。

その後に言ったシンとアスナのセリフが印象的。

「喪失を抱えてなお生きろ。それが人に与えられた呪いだ」

とシンが言うと、

「でも、それは祝福でもあるんだと思う」

とアスナが森崎を抱きしめながら言いました。

喪失=亡くなった人

つまり、亡くなった喪失感や悲しみを抱えながらも人は生きていかなければならない。

それは呪いのように苦しいことかもしれないが、“生きていくこと”が大切なのだとシンは言いたかったのだと思います。

では、その後のアスナの

「でも、それは祝福でもあるんだと思う」

の真意は何でしょうか。

“生きていること”

それこそが祝福なのだと思います。

死んでいく人もいるなかで、生きている人もいる。

生きていること、生かされていることは祝福されている証であるといえます。

また、祝福にはもう一つの意味があるように思いました。

それは新しい命の誕生。

人が亡くなっていくなかで、新しい命が生まれていく。

そうやって人間は命をつないできました。

それも“祝福”なのではないでしょうか。

新しい命の誕生、そして“生きていること”が祝福なのだと思います。

アスナとシンのその後は?

アスナとシンのその後はどうなるのでしょうか?

ラストはクラヴィスの欠片を返してもらったアスナは地上へ帰り、シンと森崎はアガルタに残る場面で終わってしまいます。

なので、アスナとシンのその後は推測するしかありません。

おそらく2人は自分の世界で生きていくと思います。

つまり、再会はしない。

その根拠となるのがエンディングのアスナ。

アスナは母に向かって、

「行ってきます」

とあいさつします。

その顔と声が、生きていくことに前向きになっているように見られました。

アスナは父とシュンを亡くした悲しみを抱えているかと思いますが、アガルタでの旅を通し、生きていくことの大切さを知ったのだと思います。

そして、亡くなったシュンとの決別もした。

なので、アスナは死者の世界の象徴ともいえるアガルタに再び赴くことはないと推測。

一方、シンはクラヴィスを取り戻しに地上に来ただけであるので、その目的を果たしたあとはアガルタに住み続けると思います。

よって2人は自分の世界に住み続け、再会はしないと推測しました。

しかし、お互いの世界やいっしょに旅したことを思い出すというのはあるでしょう。

ちなみに、アガルタに危機が訪れて、アスナが再びシンに会いに行く。

地下世界を救う手助けをするストーリーを予想するファンも多いようです。

【ネタバレあり】『星を追う子ども』(2011)の裏設定を解説

アスナと森崎:©︎MEDIA FACTORY&CoMix Wave Films Inc.

どうやら『星を追う子ども』(2011)には都市伝説的な裏設定があるようです。

『星を追う子ども』(2011)は良くも悪くもジブリっぽいと世間では評価されているようで、新海監督自身もそれを自覚してつくったとインタビューに答えていました。

確かに『星を追う子ども』(2011)はとてもジブリの世界観に似ており、特に『天空の城ラピュタ』(1986)や『風の谷のナウシカ』(1984)の雰囲気にそっくり。

そこに裏設定があるようです。

この作品はこれからの作品に対する伏線である、と。

これまで、人間の微妙な心理描写をしてきた新海監督。

しかし、その特徴ゆえにアクションシーンなどがなく、似たような作品ばかりと批評されるのを恐れたのではないかと言います。

だからあえてジブリに似たような作品をつくり、SFファンタジー作品のレベルでもジブリを超えられる力量をみせ、ジブリに挑んだのではないか。

シュン→駿(宮崎駿)

シン→新(新海誠)

これからは死んだ“シュン(宮崎駿)”ではなく、生きている“シン(新海誠)”の時代を暗喩したという都市伝説も。

ちなみに新海監督は作品に対して以下のように話しています。

意識的であれ無意識的であれ、どうしてもジブリ作品に影響を受けている部分はあると思います。

ただ、それだけではなく、今回の『星を追う子ども』ではジブリ作品を連想させる部分が確かにあると思うのですが、それはある程度自覚的にやっているという部分もあります。

『星を追う子ども』は、ジブリ作品に似ているというより、東映アニメーション、世界名作劇場、と連綿と受け継がれ積み上げられてきた、日本のアニメーションの典型的な一つのかたちなのではないかと。

インタビューを読むかぎり、裏設定の信憑性は乏しい感じが……。

しかし、興味をひく、おもしろい話であることは間違いないですし、インタビューは新海監督の建前かもしれません。

信じるか信じないかはあなた次第です。

『星を追う子ども』(2011)のまとめ

アスナとシン:©︎MEDIA FACTORY&CoMix Wave Films Inc.

生と死というテーマで描いた『星を追う子ども』(2011)。

ジブリっぽいという批判はあるものの、新海監督らしい美しい描写は見られます。

『君の名は。』(2016)で一躍有名になった新海監督ですが、それ以前の作品もおもしろいので、ぜひ観てみてはいかがでしょうか。

『星を追う子ども』(2011)では一風変わった新海ワールドを堪能してみてください。

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