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中南米に伝わる怪談『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019)の評価と感想【あらすじ、ネタバレあり】

人気ホラー『死霊館』シリーズの監督、ジェームズ・ワンが手がけた、新たなホラー映画『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』のあらすじと感想をネタバレ込みで紹介していきます。

シリーズ興行収入1,500億円以上をたたき出した監督だけに、全米でも期待大の作品でした。

ですが、アメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes」での評価はなんと32%と低めです。

マイケル・シャヴェス監督が手がけたホラー映画『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』は、低評価を獲得したのか、あらすじ、ネタバレ、感想を書いていきます。

『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019)作品情報とキャスト


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作品情報

原題:The Curse of La Llorona
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:93分
ジャンル:ホラー

監督とキャスト

監督:マイケル:シャヴェス
代表作:『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』

出演者:リンダ・カーデリー二
代表作:『グリーンブック』『シンプル・フェイバー』

出演者:パトリシア・ヴェラスケス
代表作:『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』『マインドハンター』

出演者:レイモンド・クルツ
代表作:『エイリアン4』『トレーニング デイ』

『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019)のあらすじ

Jaynee-Lynne Kinchen and Roman Christou in The Curse of La Llorona (2019):©︎2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

1973年のロサンゼルス、ソーシャルワーカーのアンナは自分が担当していたパトリシアの家で問題が起こっていることを聞いてしまう。

パトリシアの息子、トーマスとカルロスが学校に行っていなかったのだ。
パトリシアをよく知るアンナは自らパトリシアの家に行き、クローゼットに閉じ込められていた2人を見つけ保護することに。

パトリシアは2人を閉じ込めたのは助けるためで、2人に危険が迫っているとアンナに訴えていた。だがアンナはパトリシアからの訴えを聞かなかった

その夜アンナの元に一本の電話が...。

トーマスとカルロスが川辺で遺体となって発見された。パトリシアは訴えをきかなかったアンナを攻め、アンナの子供の元にもあの女、「ラ・ヨローナ」がやってくると告げる……。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』(2019)の3つの見どころ※ネタバレあり

Linda Cardellini, Jaynee-Lynne Kinchen, and Roman Christou in The Curse of La Llorona (2019):©︎2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

見どころ①:メキシコで実際にある怪談(都市伝説)

「ラ・ヨローナ」はメキシコに伝わる都市伝説が原作になっていて、子どもの門限を守らせるための文句として語られています。

この都市伝説だけでも映画にできそうですが、本作では霊となったヨローナがどのようにして子供たちをさらっていくのか描かれています。

見どころ②:長編映画初挑戦のマイケル・シャヴェスの撮り方

本作で長編映画デビューとなったマイケル・シャヴェス監督。

観客に緊張感を持たせる撮り方に、ジェームズ・ワンとは違う良さや新鮮さがあります。

見どころ③:『死霊館』シリーズとの関連性

死霊館シリーズとの関連性も本作のみどころとなっています。

『死霊館』シリーズファンにとっては胸熱ともいえる、『アナベル 死霊館の人形』にも登場したペレス神父が本作にも登場します。

『死霊館』シリーズならではのテンポのいいストーリー展開や、驚くほどの怖さなども『死霊館』シリーズファンにとっては嬉しい仕上がりです。

『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019)の感想 ※ネタバレあり

Marisol Ramirez and Roman Christou in The Curse of La Llorona (2019):©︎2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

ワン監督が描いたホラー要素も残しつつ、新しい感覚のホラー体験したような気持ちにさせてくれた『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』。

しかし「Rotten Tomatoes」での低評価も、納得せざるおえない仕上がりなのも事実だと感じました。

ネタバレを含めて感想を書いて行きます。

実在する怪談に基づいたストーリー

The Curse of La Llorona (2019):©︎2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

本作で使われた怪談(都市伝説)とは、メキシコで語り継がれている「ラ・ヨローナ」。

ストーリーはというと、ある美しい女性がお金持ちの男性と結婚し、子供を2人授かりました。

しかし男性の浮気を見つけてしまい、怒り狂った女性は愛していた2人の子供を川で殺してしまいます。

我に返った女性は自らも川で命を絶ちました。それから女性は霊となり、未だに子供を探し続けています。

その女性「ラ・ヨローナ」によって目をつけられたのが本作のアンナの子供たちです。

ふと聞こえてくる泣き声に、耳を貸してしまったアンナの息子クリス。そこから彼らの恐怖は始まります。

初めはパトリシアの子供だったのですが、「ラ・ヨローナ」によって殺されてしまった我が子を取り戻したい一心で、パトリシアはヨローナにアンナの子供を連れて行くように願ったと言ってます。

元が実在する都市伝説なので、ストーリーの展開もブレることなく進められていて、非常に分かりやすく話に入りやすかったです。

ジェームズ・ワンが認めた監督!マイケル・シャヴェス監督手掛ける新しいホラー

Linda Cardellini, Jaynee-Lynne Kinchen, and Roman Christou in The Curse of La Llorona (2019):©︎2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

王道なホラーで、淡白な驚かせ方だという意見が多い本作ですが、ジェームズ・ワンに「彼の演出は本当に怖い」とまで言わせたのですから、実は王道ではありません。

パトリシアの子供、トーマスとカルロスが病院の廊下でヨローナに出くわすシーンは緊張感に溢れていて、じわじわくる恐怖に思わず顔を手で隠さずにはいられませんでした。

この先に怖い場面がくるのだとわかっていてもちゃんと驚かされます。

このほかに、いきなり後ろにヨローナが登場するなど準備していないのに急に驚かされるシーンも。

ラストにかけてのシーン、子供たちをクロ―ゼットに入れ家の玄関にはヨローナが入れないようにラファエル神父が特別な種をまきました。

白い服の女性が家の前で立ち、裸足の足が結界をまたいでいるのがクローズアップされます。

「入れないはずなのになぜ?」とわからない恐怖におそわれます。ですが、それはヨローナではなくアンナを恨んでいたパトリシアなのです!

納得と驚きが同時にきて、さらに人間の怖さも思い知らされます。

一つの驚かせ方だけでなく、様々な方法で恐怖を見せてくれるマイケル・シャヴェス監督の撮り方に、新鮮さを感じました。

これらの演出は、個人的には王道とは行かない展開であると感じました。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』実は『死霊館』シリーズのひとつ!?

トニー・アメンドーラ ペレス神父役:©︎2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

見どころでも紹介した通り、本作にはペレス神父が登場し、アナベル人形のことをアンナに話しています。

実は本作は『死霊館』と『死霊館 エンフィールド事件』の間のエピソードとされています。

『死霊館』シリーズファンにとっては欠かすことのできない映画というわけです!

監督のマイケル・シャヴェスは本作の最後に、ラファエル神父がアンナにヨローナのネックレスを「安全な場所に保管する」と伝えているシーンが導入される予定だったと語っています。

安全な場所とは、ロレイン、エド・ウォーレン夫妻宅にあるオカルトグッズが保管されている部屋。

そのシーンが導入されることはありませんでしたが、もしかすると『アナベル 死霊博物館』でネックレスが見れるかもしれません!

怖いのではなく実は悲しい女性、ヨローナ

The Curse of La Llorona (2019)©︎IMDb

子供を探して殺す怖い女性のヨローナですが、ラストのシーンでアンナの息子、クリスがヨローナが我が子からもらったネックレスを見せると、悪魔のような顔が普通の女性の顔に変わりました。

自らの手でわが子を殺してしまったことを、何百年もの間悔やんできているのかと考えさせられるシーンです。

『死霊館』シリーズで登場した悪魔たちとは違い人間味の見えるヨローナに、かつて彼女も人間だったことを思い出し、怖さよりも悲しさが押し寄せてきます。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』は、ジョークの多いホラー?

©︎IMDb

本作はアメリカの映画でよくある、コメディではないのにジョークを多く取り入れている映画です。

ラファエル神父がアンナたちの家にやってきて悪魔がいるのか卵を使って確認するシーン。

今から悪魔祓いが始まろうとしてヨローナがどう退治されるのかドキドキしながら見ている時のこの笑えるシーンに少しホッとさせられます。

緊張感を持たせる恐怖シーンが多い中、こういったジョークに心和ませながら見れます。

評価にも多くあった、ホラー映画が苦手な方でも比較的見やすい映画だと感じました。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』の残念だった点

Linda Cardellini in The Curse of La Llorona (2019)©︎IMDb

しっかり怖がらせてくれる本作ですが、残念な点が3つありました。

1.違和感を感じる設定

ひとつ目は設定がブレていること。

アンナが初めてヨローナを見た時、ドアは閉まっていたのにヨローナは部屋の中に入ってきていました。

ラストにかけてのシーンで子供たちが屋根裏に逃げ、ヨローナが上がってこれないようにはしごを引き上げるとヨローナは屋根裏にいけず、なんとかしてはしごを降ろしていました。

「ドアは通れるのに天井は通れないの?」「ヨローナは幽霊じゃなくて肉体が存在しているの?」と疑問が生まれました。

2.退治方法

2つめの残念な点は、ラストシーンでのヨローナの退治の仕方。

スペルを叫んで消えていくとかではなく、十字架を刺されたヨローナはぐるぐる周りながら消滅していきました。

そのシーンでアメリカの映画館では爆笑に包まれていました。
大事なラストシーン、それでいいのか?と考えてしまいます。

『死霊館』シリーズでの悪魔たちとのラストシーンは恐怖に包まれたままや、緊張感をもったまま終わっています。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』でもそのラストシーンを期待している方が多かったはずです。

意外とあっけなく終わってしまったヨローナのラストに違う意味で驚かされました。

3.「泣く女」というタイトル

『ラ・ヨローナ~泣く女~』ですが、ヨローナの泣くシーンがそこまで重要視されていない気がしました。

原題は『The Curse of La Llorona』で、意味は「ラ・ヨローナの呪い」になるので「泣く女」というのは原題には入っていませんが、『The Curse of the Weeping Woman』というタイトルで出ているサイトもあり、意味は「泣く女の呪い」です。

映画の中では、パトリシアがアンナに子供たちは泣き声を聞いたのかと尋ねるシーンもあり、クリスが初めてヨローナを見たとき彼女の泣き声に引き寄せられていきます。

そしてヨローナがアップになるとわかるのですが、彼女は血のような涙を流しています。

ですが、これぐらいでそこまで泣いている印象も受けず、「泣く女」という題名に強いイメージが湧きませんでした。

『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』の(2019)の評価

ラヨローナ

子どもの門限を守らせるための文句として語られるメキシコ(中南米)に伝わる都市伝説が原作で、大人気『死霊館』シリーズに新たに加わった『ラ・ヨローナ~泣く女~』。

悪魔がでてくる今までの『死霊館』シリーズとは違い、元は人間だった幽霊を主題とした本作は、新鮮さもありつつファンを裏切らない『死霊館』シリーズならではの悪魔祓いシーンもあり、見ごたえのある作品に仕上がっています。

ホラー好きも、ホラー苦手な人も楽しめる映画だと思います。

『アナベル 死霊博物館』や、マイケル・シャヴェス監督が手掛ける新たな作品、『The Conjuring 3』を見る前に必ず見ておきたい一作が『ラ・ヨローナ~泣く女~』です。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』(2019)をより楽しむために

『ラ・ヨローナ~泣く女~』は、アナベルシリーズとも関連が深い作品であることを解説してきました。

『ラ・ヨローナ~泣く女~』を楽しむためには、アナベルシリーズを観ておくとより作品に対する理解が深まります。

アナベルシリーズを全く観たことがない方にも分かりやすい時系列に解説していますので、参考になれば幸いです。


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