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96時間

『96時間』(2008)は、ピエール・モレル監督によるアクション作品。

脚本はリュック・ベッソンが手掛けています。

かつて特殊工作員だった男が、誘拐された娘を助けるため、パリを駆け回るというもの。

残された時間の少ない中、愛する娘を必死に探す父親の物語です。

本作の主役は、言わずと知れた名優リーアム・ニーソン。

アクションも得意とする彼のバトルシーンは迫力満点となっています。

登場人物の心情も丁寧に描かれており、家族の絆を取り戻していくドラマ部分も秀逸です。

本記事では、『96時間』(2008)の感想と評価を、ネタバレを交えて解説していきます。

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『96時間』(2008)の作品情報とキャスト


96時間 (吹替版)

作品情報

原題:TAKEN
製作年:2008年
製作国:フランス
上映時間:93分
ジャンル:アクション

監督とキャスト

監督:ピエール・モレル
代表作:『パリより愛をこめて』(2010)『アルティメット』(2004)

出演者:リーアム・ニーソン/吹替:石塚運昇(ブライアン)
代表作:『トレイン・ミッション』(2018)『シンドラーのリスト』(1993)

出演者:マギー・グレイス/吹替:明石香織(キム)
代表作:『きみがくれた物語』(2016)『ロックアウト』(2012)

出演者:ファムケ・ヤンセン/吹替:深見梨加(レノーア)
代表作:『ヘンゼル&グレーテル』(2013)『X-MEN』(2000)

『96時間』(2008)のあらすじ

犯人の特徴を聞き出すブライアン:(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

ブライアンには別れた妻と17歳になる娘がいた。

彼は仕事が原因で離婚し、娘と離れ、前妻とは今も折り合いが悪い。

ある日、娘キムは友人とヨーロッパ旅行に行くため、ブライアンに承諾を求める。

彼はいったん断るものの、毎晩電話することを条件に同意する。

パリに着くやいなや、キムたちは謎の男たちに連れ去られてしまう。

ブライアンは連れ去られる直前のキムとの電話から、犯人の特徴を聞き出す。

元CIA工作員のブライアンは、娘が残した情報を解析し、手がかりを探す。

急ぎパリに着いた彼は、はたしてキムたちを救出することができるのか。

 

『96時間』(2008)の3つの見どころ

元同僚の協力を得るブライアン:(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

見どころ①:なんでもアリのアクションシーン

ブライアンが手段を選ばずに犯人を追い詰めていく様が、最大の見どころ。

CIA工作員時代の人脈と経験をフル活用し、無茶なことを平気でやってのける姿は痛快です。

見どころ②:不器用な男が見せる職人気質

コミュニケ―ションが上手くいかないブライアンですが、荒事に関してはプロフェッショナル。

不器用でも、周到かつ実直に"任務”を遂行する男の一部始終を堪能してみてください。

見どころ③:父親であるがゆえの強さ

あまりの心配性が裏目に出てしまい、空回ってばかりの父親ですが、娘を思う気持ちは本物。

キムの誘拐をきっかけに息を吹き返す、ブライアンの父親ぶりもまた要チェックです。

"96時間"とは? 作品名の由来となる意味を説明

隠れて電話するキム:(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

『96時間』(2008)のタイトルのとおり、本作における"96時間"は作品を象徴する言葉です。

では、"96時間"とはいったい何を表す時間なのか、解説していきます。

キムが連れ去られてしまった瞬間を、電話越しで聞いていたブライアン。

彼は、愛する娘が今まさに誘拐されてしまったときも、冷静さを欠くことはありませんでした。

元CIA工作員だからこそなせる業といえます。

キムとの電話がつながってすぐに、友人は男たちに捕まりました。

トイレの窓越しに見ていたキムは恐怖におびえつつも、父親に状況を正確に伝えようとします。

ブライアンは、その会話をICレコーダーで録音していました。

そして、犯人の声を繰り返し聞き込み、特徴をとらえます。

同時に、彼は昔の同僚に電話の音声を解析を依頼。

声のイントネーションやなまりから、犯人がアルバニア系移民であることをつきとめます。

パリに拠点を置くアルバニア人のマフィアグループは、裏で人身売買を行っていました。

そして、連れ去られた女たちは、96時間経過後に売り飛ばされてしまうとのことでした。

残された時間が96時間を切る中、ブライアンは急いでキムを探し出さなければなりません。

つまり、『96時間』(2008)の"96時間"とは、娘を助け出すためのタイムリミットを表しているのです。

この"96時間"の意味がわかったとたん、作品に一層の緊張感とスピード感が加わります。

タイトルどおりのスピーディーなストーリー展開は、息つくひまもありません。

『96時間』(2008)の感想【ネタバレあり】

ブライアンとレノーア:(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

ルール無用のバツイチオヤジ

ブライアンは、キムを助けるためにありとあらゆる手段を取ります。

その手段は、パリの法律やルールを無視した、アウトローなものでした。

彼にとって、そんな悠長なことを言っている場合ではなかったからです。

こうしたことから、彼の起こす行動は常にぶっ飛んでいました。

窓ガラスを割って家に侵入したり、クルマを奪ってのカーチェイスはまだ序の口。

捕まえた犯人の1人を電気椅子で拷問したり。

娘の行方を聞き出すためなら、元同僚の妻を撃ってけがをさせ、脅すこともいとわないのです。

彼の行動は到底理性的なものではありませんでした。

しかし、そのムチャクチャぶりには不思議と説得力があるのです。

それは、ブライアンがキムのことを愛していたからに他なりません。

彼は娘に対して、少し過保護なまでに溺愛していたのです。

愛する娘のために、パリの街を縦横無尽に駆けめぐるブライアン。

たとえムチャクチャでも、その姿は見ていてスカッとします。

また、アクション自体も実にスマートです。

スピード感あふれる殺陣のシーンは、銃撃戦から徒手格闘まで。

派手な爆破シーンこそありませんが、次々相手をねじ伏せていくブライアンに思わず見入ります。

不器用なプロフェッショナル

ブライアンという男は、コミュニケーションがあまり得意でない、不器用な人間です。

彼は言葉ではなく行動で示し、周囲を納得させるタイプでした。

ブライアンが再び信頼を勝ち得たのも、キム救出を有言実行のものとしたことによるもの。

匠の仕事さばきで周囲をうならせる、彼の職人気質なキャラクターは魅力的です。

レノーアはブライアンと別れ、キムを引き取った後、再婚しています。

以来ブライアンは一人で暮らし、その生活は決して張り合いのあるものではありませんでした。

彼を支えていたのは、愛するの娘の存在。

誕生日には、歌手を夢見る娘にカラオケマシンをプレゼントします。

しかしすぐ後に、キムは今の父親から馬をプレゼントされ、ブライアンのプレゼントも忘れ大はしゃぎ。

そこにはなんとも寂しそうな”旧父親”の姿がありました。

また、キムが旅行のために同意書をもらいに来たとき、ブライアンは一度反対します。

何かトラブルに巻き込まれたりはしないかと、心配でたまらなかったのです。

かつての仕事柄、娘を思う気持ちが良くも悪くも加速し、彼を神経質にさせていました。

年頃のキムにとっては、父親の過度の心配性はうとましいものでしかありません。

ブライアンはキムに対して心配しすぎることを反省し、最終的に旅行に同意します。

娘の気持ちを理解してあげられなかった実の父親。

哀愁ただようこの不器用な男には、いつか報われてほしいと願ってしまうほどです。

パリでキムが捕まって以降、ブライアンは鬼気迫るほどの行動力を見せます。

経験上、手がかりが見つけるための方法が体に染みついているブライアン。

彼は自分の行動が引き起こす今後の事態も想定し、常に先を読んで行動します。

その姿は、まさに職人というべきもの。

不器用な男の決死の行動は、見ていて思わず力が入ります。

思わず応援したくなるような、彼の憎めないキャラクターに触れてみてください。

想いに比例する父親の強さ

今のブライアンの精神的支柱となっているのは、娘キムの存在だと書きました。

娘こそが彼の全てであり、彼を突き動かしています。

あまりにも大きな愛情のせいか、パリでのブライアンはもはや暴走状態。

それでも、不器用でひたむきな彼の気持ちは、見る者の心を強く打ちます。

ブライアンという人物は、娘を愛する男であると同時に、愛される男でもあるのです。

キム自体は、もとからブライアンのことを慕っていました。

レノーアの目もあって、なかなか二人では会えませんでしたが、関係は良好でした。

ブライアンの想いは、一方的で偏ったものではなかったのです。

それを知っていたがために、ブライアンは戦うことができました。

元CIA工作員だったからこそ戦えたというのも、もちろんあるでしょう。

ただ、そんな過去がなくとも悪に立ち向かっていくことは容易に想像できます。

深く愛しているからこそ立ち上がることができる、ということ。

人間にとって、想いの強さが生きる原動力となるということを、あらためて思い知らされます。

そしてこれは、ブライアンが不器用で憎めないキャラクターだからこそ、際立つもの。

大人の男として、また父親としてのカッコよさがあふれんばかりに出ています。

父親の偉大さを、存分に味わってみてください。

『96時間』シリーズの順番を説明

『96時間/リベンジ』(2012):(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX

『96時間』(2008)はシリーズの第1作目。

その後、以下で紹介する3作品が本作の続編として製作されました。

映画作品2本とTVドラマシリーズ1本がリリースされています。

全編を通じて、ムチャクチャなアクションはもちろん健在。

さらに、ブライアンと娘たちの関係にも進展が見られるので、続編も要注目です。

TVシリーズの方は、ブライアンのルーツを知ることができます。

“最強の父親”はいかにして出来上がったのか、ぜひその目で確かめてみてください。

シリーズ第2作目:『96時間/リベンジ』(2012)

第2作目となるのは、2012年に製作された『96時間/リベンジ』(2012)。

この作品はピエール・モレルが監督を務めていませんが、リュック・ベッソンが製作を行っています。

タイトルのとおり、本作で殺されるアルバニアマフィア、マルコの父親がブライアンに復讐するというもの。

『96時間/リベンジ』(2012)では、レノーアが巻き込まれたり、キムが活躍したりします。

シリーズ第3作目:『96時間/レクイエム』(2014)

続いて、第3作目は2014年に製作された『96時間/レクイエム』(2014)。

前作『96時間/リベンジ』(2012)の製作陣が手掛けています。

ブライアンが濡れ衣を着せられ、警察に追われながら真犯人を探し出すという内容。

新たなる陰謀が、ブライアンたちに襲いかかります。

シリーズ第4作目:『96時間 ザ・シリーズ』(2017~2018)

そして最後が、『96時間 ザ・シリーズ』(2017~2018)です。

これはTVドラマシリーズとなっており、2017年から約1年間強、シリーズ2まで放送されています。

ブライアンの若かりし頃を描いた作品。

若きブライアン役はリーアム・ニーソンではなく、クライブ・スタンデンが演じています。

『96時間』(2008)の評価は?

ブライアンとキム、レノーア:(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

『96時間』(2008)は賞コンペにノミネートされていないため、海外の大手批評サイトの評価を紹介します。

アメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes」では、2012年の公開時点で58%の支持評価。

このサイトにおいては、評価数値が60%以上なら「Fresh」、60%未満は「Rotten」と呼ばれます。

従って、『96時間』(2008)の評価は、「Fresh」にあと一歩届かない「Rotten」。

「Rotten」でこそありますが、世間の評価はおおむねよかったといえます。

続いて、レビュー集積サイト「Metacritic」での評価です。

2012年の公開時点では、批評家の付けた点数の平均値が100点中50点でした。

こちらにおいても、本作の評価はまずまずといったところです。

さてここからは、本作に対する私の評価を述べていきます。

作品自体は、最初から最後まで緊張感の続く、面白いものでした。

スピード感もあり、ブライアンの父親としての熱さがひしひしと伝わってきます。

リーアム・ニーソンの熱のこもった演技はさすがの一言。

カーチェイスや銃撃戦、変装してのアジト侵入など、スパイアクション的要素も楽しめました。

一方、ブライアンが次から次に行動し場面がコロコロ変わるため、説明不十分な感もあります。

ただ、時間制限下で行動しなければならないブライアンの立場を考えれば、そこまで気にはなりません。

大味な演出に頼らず、人間のアクションに重きを置いていた点は評価できます。

と、ここまでアクション面における評価をしてきました。

ここからは、それ以外の部分に注目していきます。

なにより、ブライアン・ミルズという主人公の人物像を丁寧に描いたこと。

彼の行動原理や動機を示すことで、何でもアリのシーンに説得力を与えている点は見事です。

不器用なキャラクターに仕立てたことも、功を奏しています。

そればかりでなく、ブライアンを憎めない、感情移入しやすいキャラクターにしているのです。

登場人物にしっかりとフォーカスを当て、アクションに正当性を付与した本作。

本作は、人間模様というベースの上にアクションを乗せた二層構造が見てとれます。

二つの層の厚さが本作を重厚なストーリーに高めていることは、言うまでもありません。

かつ、それでいてスピーディーな展開が、作品を軽快なものにさえしています。

なお、サスペンス要素を求める人にとっては、物足りない内容かもしれません。

ブライアンの"最強ぶり”によって、行き詰まることなく犯人に近づいてしまうのです。

この賛否両論の部分については、十分留意してください。

分かった上で見る分には、サクサク見られるアクション作品として楽しめる内容です。

『96時間』(2008)のまとめ

ブライアン・ミルズ:(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

『96時間』(2008)は、ハリウッド映画ではありません。

ハリウッドのアクション作品といえば、過酷なスタントや、派手な爆発シーン。

昨今ではCGを駆使したVFX技術も盛りだくさん。

本作は、こうした演出に頼らず、シンプルなアクション作品にしています。

娘をさらわれた父親が助けに行くという、ただそれだけの話。

ある意味勢いだけで撮っている印象すらあります。

けれども、これがなかなかどうして、絶妙な味わい深さを引き出しているのです。

あえてシンプルさだけで挑んだ意欲作。

飾らないアクションの奥深さを、味わってみてはいかがでしょうか。

本作の他にも名作映画のおすすめ作品をランキング形式で紹介しているので、気になる方は合わせてチェックしてみてください。

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