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真実の口やラストシーンも印象的な名作! 映画『ローマの休日』(1953)の感想とその後の考察と解説【あらすじ、感想、ネタバレあり】

公開から66年経った今でも世代を越えて語り継がれる不朽の名作『ローマの休日』(1953)。

『ローマの休日』というタイトルを知らない人はいないといってもいいくらい有名な作品です。

アカデミー賞では3部門を受賞し、本作で初主演を務めたオードリー・ヘプバーンは主演女優賞を受賞しました。

さらにオードリー・ヘプバーンはその他の映画賞でも女優賞を受賞。

主演オードリー・ヘプバーンの魅力が存分につまった『ローマの休日』(1953)について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!

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『ローマの休日』(1953)の作品情報とキャスト


ローマの休日 (字幕版)

作品情報

原題:Roman Holiday
公開年:1953年
製作国:アメリカ
上映時間:118分
ジャンル:ラブロマンス、ドラマ

監督とキャスト

監督:ウィリアム・ワイラー
代表作:『嵐ヶ丘 』(1939)『ベン・ハー 』(1959)

出演者: オードリー・ヘプバーン/吹替:池田昌子 他(アン王女)
代表作:『ティファニーで朝食を』(1961)『マイ・フェア・レディ』(1964)

出演者: グレゴリー・ペック/吹替:城達也 他(ジョー・ブラッドリー)
代表作:『子鹿物語 』(1946)『アラバマ物語 』(1962)

『ローマの休日』(1953)のあらすじ

アン王女:©︎Paramount Pictures Corporation

ヨーロッパ各国を表敬訪問中だったアン王女。

最後の滞在国であるイタリアのローマで、過密なスケジュール、自由のない生活への不満により、ヒステリーを起こしてしまう。

その夜、密かに宿舎の大使館を抜けだしたアン王女は、直前に打たれていた鎮静剤のせいで、広場のベンチに寝こんでしまった。

そこへ通りかかったのが、アメリカ人新聞記者のジョー・ブラッドリー。

彼女を王女とは知らず、助けおこして自分のアパートへ連れ帰る。

翌朝、彼女が王女であることを知ったジョーは……。

【ネタバレあり】『ローマの休日』(1953)の感想

アン王女:©︎Paramount Pictures Corporation

オードリー・ヘプバーンの魅力が楽しめる映画

『ローマの休日』(1953)はオードリー・ヘプバーンあっての映画であるといっても過言ではありません。

それくらいオードリー・ヘプバーンの魅力が光っていた作品でした。

それを裏付けるかのようにオードリー・ヘプバーンはアカデミー賞で主演女優賞、ゴールデングローブ賞やニューヨーク批評家協会賞などでも女優賞を受賞。

当時、オードリーは映画界では無名に近い存在であり、新人であったというのは驚きです。

その新人オードリーを当時大スターであった共演のグレゴリー・ペックが、オードリーの魅力をいち早く見抜いて、アシストしたことがこの作品が成功した一番の理由といわれているそう。

では一体、オードリー・ヘプバーンの何が魅力的であったのでしょうか。

彼女が美しいというのはもちろんあるでしょう。

しかし、それだけではなく、美しく気高い雰囲気のなかにも無邪気な奔放さをみせ、時にはキュートな笑顔で微笑む姿に魅了されてしまうのです。

ジェラートを口いっぱい頬張るキュートな姿、バイクでローマの街をかっ飛ばす姿、真実の口で慌てて叫び声を上げるピュアな姿……。

『ローマの休日』(1953)では彼女の魅力がつまった名シーンがたくさん!

ちなみにオードリー・ヘプバーンはAFI(米国映画協会)の“最も偉大な女優50選”では第3位に選ばれ、“最も愛すべきラブストーリー・映画ベスト100本”にも、第4位で『ローマの休日』が選ばれています。

彼女のキャリアから考えても『ローマの休日』(1953)は外せない代表作といえるでしょう。

『ローマの休日』(1953)のラストは? その後どうなったのか?

『ローマの休日』(1953)は王女と新聞記者という身分の違うラブストーリーでもあります。

出会いはベンチに寝ていたアン王女を新聞記者であるジョー・ブラッドリーが介抱したことがきっかけ。

それからローマで遊びたいというアン王女にジョーがついていき、2人の距離は縮まっていくのですが、身分の違う恋はたった1日で終わってしまうのです。

そのラストがなんとも切ない……。

記者会見の場でジョーとアン王女は、目と目を見合わせ、無言の別れを告げるのです。

そして、アン王女が引き上げた記者会見の場を一人歩いていき、最後に振り返るジョーの姿がとても印象に残りました。

もしかしたらアン王女に愛を叫びたい、もしくは駆け寄っていきたい思いを必死にこらえていたのかもしれません。

さて、その後の2人はどうなったのでしょうか。

これは予想するしかありませんが、おそらく2人が結ばれることはないと思います。

なぜならアン王女は自分の意思で王室へと戻ってきたから。

戻らないこともできたのに彼女はジョーとの別れを決めて戻ってきたのです。

だから仮に記者会見などで再会したとしても結ばれることはないかと。

王女の束の間の夢のような休日。

夢は夢のまま。

美しい思い出は美しい思い出のままにしておくのではないかと思います。

『ローマの休日』(1953)の名シーンを解説

バイクに乗るアン王女:©︎Paramount Pictures Corporation

『ローマの休日』(1953)でオードリー・ヘプバーンが乗ったバイクを解説

『ローマの休日』(1953)の名シーンのひとつにオードリー・ヘプバーンがバイクに乗ってローマの街をかっ飛ばすシーンが。

オードリーの無邪気さがあらわれているこの1シーンは、観ているこちらまで楽しくなってきます。

さて、このオードリーが乗ったバイクは?

これは、ベスパ(Vespa)といい、イタリアのオートバイ・メーカー、ピアッジオが製造販売するスクーターの製品名です。

意味はイタリア語でスズメバチ。

ヨーロッパの工業製品として世界中でヒットしたスクーターです。

『ローマの休日』(1953)で登場する真実の口ってどんなもの?

『ローマの休日』(1953)の名シーンのひとつにオードリー・ヘプバーンが真実の口を訪れるシーンが。

“真実の口”はローマにある石の彫刻。

手を口に入れると、偽りの心がある者は、手を抜く時にその手首を切り落とされる、手を噛み切られる、あるいは手が抜けなくなるという伝説があるのです。

グレゴリー・ペックはこの伝説に基づき、悪ふざけで真実の口に手を入れて抜けず、抜いた時に手がなくなっているという演技をしました。

これを真に受けたオードリーは慌てて叫び声を上げるピュアな姿を見せています。

実はこのシーンにはあるエピソードがあるのだとか。

このシーンはグレゴリーのアドリブで、それまでぎこちない演技をしていたオードリーのナチュラルな面を引き出し、リラックスして演じることをさりげなく教えたそうです。

さすが名俳優といわれたグレゴリー・ペック。

もしグレゴリーがいなかったら、オードリーの魅力を存分に引き出せていなかったかもしれません。

『ローマの休日』(1953)はカラーで観れる?

ジョーとアン王女:©︎Paramount Pictures Corporation

すっかりモノクロ映像のイメージが定着している『ローマの休日』(1953)ですが、カラーで観られるのでしょうか。

答えは観られます。

『ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 スペシャル・コレクターズ・エディション』というDVDで一部モノクロながらカラーで観られることができるようです。

ちなみになぜモノクロで製作されたかというと、製作費が安かったから。

当時は新人女優であるオードリー・ヘプバーンが主演であったため、あまりお金をかけなかったそうです。

他にもまだ新方式のフィルムが普及してなかったことも理由にあるとのこと。

『ローマの休日』(1953)のまとめ

アン王女:©︎Paramount Pictures Corporation

オードリー・ヘプバーンの魅力が輝いていた『ローマの休日』(1953)。

それだけでなく、王女と新聞記者という身分を越えたラブストーリーでも魅了しました。

また、ローマの名所がたくさん登場した本作を観ていると、ローマに行きたい!という気持ちにもなります。

66年経った今でも決して色褪せない名作。

これからも世界を越え、世代を越え、輝き続ける作品となるでしょう。

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