ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(2016)のオマージュ元の作品や楽曲一覧にして解説!【感想・考察・ネタバレあり】

第74回ゴールデングローブ賞では7部門を獲得し、第70回英国アカデミー賞では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』(2016)。

2017年2月24日には日本でも公開され、8週目に突入した時点での動員は3万5,804名、興収5,306万1,900円。

評価も興収としても大成功といえる本作を感想と共に紹介していきます!

『ラ・ラ・ランド』(2016)の作品情報とキャスト

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

作品情報

原題:La La Land
製作年:2016年
製作国:アメリカ
上映時間:126分
ジャンル:恋愛、ミュージカル

監督とキャスト

監督:デイミアン・チャゼル
代表作:『セッション』『ファースト・マン』

出演者:ライアン・ゴズリング/吹替:内田夕夜(セバスチャン〈セブ〉・ワイルダー)
代表作:『ドライヴ』『ファーストマン』『ラブ・アゲイン』

出演者:エマ・ストーン/吹替:武田華(ミア・ドーラン)
代表作:『アメイジング・スパイダーマン』『女王陛下のお気に入り』『ラブ・アゲイン』

出演者:J・K・シモンズ/吹替:壤晴彦(ビル)
代表作:『ザ・コンサルタント』『セッション』

『ラ・ラ・ランド』(2016)のあらすじ

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

人々が夢を求めて集まる街、ロサンゼルス。
映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり…。

ある日、ミアは美しい音色に誘われて入った場末のバーでピアノを弾くセバスチャンと出会う。

ミアがいつか女優として大成したいと願うように、彼も、いずれ自身の店を持ち、本格的なジャズを思う存分演奏したいと願っていた。

互いの才能を認め、二人は恋に落ち、夢を激励し合うようになる。しかし、セバスチャンが暮らしのために参加したバンドが成功した事から二人の心はすれ違っていく…。

『ラ・ラ・ランド』(2016)の3つの注目ポイント!

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

見どころ①:演出のこだわり

街並みや衣装の色彩は、古き良き時代を感じさせるようなレトロさを感じながらも、舞台はハリウッドの夜景を一望できる「Mt.Hollyrood Drive」。

街並みも衣装もオシャレな印象を受ける要素が盛りだくさんです。

見どころ②:美しい楽曲

ミュージカル映画ということもあって重要となるのが楽曲。この点は、さすが『セッション』で高い評価を受けたデイミアン・チャゼル監督でした。

ちなみに本作の映画音楽は、同監督のハーバード大学時代の同級生、ジャスティン・ハーウィッツが作曲・製作をを担当しています。

見どころ③:2000年代を代表するミュージカル映画

ハリウッドではミュージカル映画でヒットすることは厳しいといわれています。

その言葉通り、近年ではヒットしたミュージカル映画がないという沈黙を破り、2000年代以降を代表するミュージカル作品として君臨しました!

【ネタバレあり】『ラ・ラ・ランド』(2016)の感想と考察

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

世界中で大ヒットした『ラ・ラ・ランド』。およそ5億ドル以上の興行収入を獲得した言わずと知れた名作です。

興行収入も高く、数多くの賞を受賞し、世界でも日本でも幅広い人に支持を受ける作品になったことも納得の素晴らしい映画でした!

それでは前述の見どころを踏まえながらネタバレ交えて感想を書いていきます。

王道を意識させるストーリー

本作のストーリーは、4つの季節と1つのエピローグからなります。
時系列は下記の通り。

1.プロローグ・冬
2.春
3.夏
4.秋
5.エピローグ・冬

四季を通して描いていくことで、時間の流れを分かり易く描いています。

肝心な映画の内容としては、ミアとセブが互いの夢と恋心の間で揺れ動く心情を中心に描いていきます。

ストーリーは決して革新的なものではありません。

どちらかというと夢と恋愛を天秤に掛けてそれぞれの間で葛藤する二人を描いていくというのは王道の展開といえます。

本作を完成させる上で、この”王道の展開”ということが重要なポイント。

なぜなら王道の展開というのは、物語を理解しやすいからです。

例えば、ミュージカル映画は途中で歌が挟まれることで、歌っている最中の人物と物語の連続性に違和感を感じます。

加えて、登場人物の心情変化やストーリー構成にも複雑な要素が多かったら何を歌っているのか分からなくなるでしょう。

内容を理解した上で、登場人物の心情や状況を代弁する歌を歌う。

この流れによって気持ちが盛り上がり、幅広い世代からも支持を受ける作品に繋がったのだと思います。

王道ではあるのですが、二人が結ばれて終わるというストーリーではありませんでした。

未来への選択を重視するという胸を締め付けられるエンディングは、幸せに満ちた二人を出会いから描いてきたからこそ、一層感動的でした!

『ラ・ラ・ランド』(2016)の挿入曲・楽曲を一覧で紹介!

映画内で数多くの楽曲が使用されている楽曲は、どれも聴きごたえのある良い楽曲だと思いました。

なかでも『City of Stars』『Audition (The Fools Who Dream』の2曲は外せません。

この2曲は、楽曲としての完成度はもちろんのことですが、映画の重要な場面で歌われる楽曲です。

『City of Stars』

「春」の部で、セブがひとり、埠頭で歌う楽曲。
その後「夏」の部では、ミアとデュエットをする曲でもあります。

鍵盤中心で構成された美しい音楽は静かで心落ち着く印象。
希望を感じる楽曲は、セブがピアノを弾く姿が思い浮かんできます。

『Audition (The Fools Who Dream』

「秋」の部で、一人芝居が配役担当者の目にとまったミアが、夢追い人の素晴らしさについて語る楽曲

冒頭のスポークンワードで叔母の話を引きつつ、サビへにかけての盛り上がり。
伸びのある歌声も加わって一層力強く感じます。

2つを取り上げましたが、他にも映画内で使われている音楽が盛りだくさんです。
詳しくは以下を参考にしてください。

ラ・ラ・ランド挿入歌一覧

01. Another Day of Sun
02. Someone in the Crowd
03. Mia & Sebastian's Theme
04. A Lovely Night
05. Herman's Habit
06. City of Stars
07. Planetarium
08. Summer Montage / Madeline
09. City of Stars (feat. Ryan Gosling and Emma Stone)
10. Start a Fire
11. Engagement Party
12. Audition (The Fools Who Dream)
13. Epilogue
14. The End
15. City of Stars (Humming) (featuring Emma Stone)

それぞれの楽曲が歌われていたタイミングについて簡単に前述していましが、楽曲が持つ意味について解釈していきます

『City of Stars』は、若者に対するジャズへのイメージを覆すかのように作られていました。

それは、本作で描かれている「ジャズが嫌い」と発言したミアの気持ちを若者全体の考え方としても捉えられることから明らかです。

この発言をきっかけにセブは、本物のジャズをミアに教えることにし、クラブに連れて行きます。

本当は嫌いではなく、ジャンルが持つイメージで何となく苦手意識を持っていたと感じるという一連の流れ。

ミアと同様に観ている人も、ジャズへの関心の高まっていき、『City of Stars』繋がっていきます。

ミュージカルとして完成されている本作は、ジャズの持つ魅力を最大限に感じることができて本当に素晴らしかったです。

過去作へのリスペクト

新たなミュージカルの金字塔となった本作の背景にあったのは過去作へのリスペクト。

ミュージカル映画の名作をオマージュしたシーンが随所に盛り込まれていることから理解できます。

海外でもラ・ラ・ランドが公開されると過去の名作との比較が行われていました。一部ご紹介すると以下の通りです。

ラ・ラ・ランドのオマージュとなった映画一覧
・雨に唄えば
・ロシュフォールの恋人たち
・ブロードウェイ・メロディ
・ムーラン・ルージュ
・Shall We Dance
・バンド・ワゴン
・眠れる森の美女
・パリの恋人

シーンごとの比較を海外サイトを中心に行なっています。気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。

本作に詰め込まれた数多くのオマージュは、デイミアン・チャゼル監督の映画愛が現れています。

そして映画ファンにとっても既視感のあるシーンが盛り込まれていることは嬉しいもの。

名作のエッセンスを踏襲しつつも現代向けに作られた本作。

単純なラブ・ロマンスのミュージカル映画ではなく、徹底的に研究されていることが分かりました。

だからこそ、本作は面白く、知らないオリジナルの楽曲で成功を成し得たのだと思います。

『ラ・ラ・ランド』(2016)の主題について考察

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

本作は男女が出会って恋愛関係に発展していき、それぞれが夢を掴むまでのストーリー。決してハッピーエンドではなく夢を叶えた結果、二人の恋愛関係は無くなってしまいます

このクライマックスがラ・ラ・ランドを一気に高評価にしてくれます。

ビビットな色彩も1940年代〜1950年代にインスピレーションを受けており、衣装を担当したメアリー・ゾフレスが数十回以上の着替えを行って完成させた衣装は、映画に大きな魅力を与えていました。

上記に上げた視覚的要素や音楽という点においてハッピーに感じる要素が詰め込まれていたらこそ、ストーリーに対する驚きもありました。

そして、”La La Land”というタイトルは、”La La”は、頭の中で”ラララ♪”と鳴っているような夢見がちな印象をLAに掛けたものです。

このタイトルにあるように、ミアがLAで夢を叶えるまでのストーリー。

さすがに出来過ぎとも思える展開でしたが、彼女は夢を追うための覚悟として一人になるという決断をしました。

この決断も彼女の夢見がちな少女からの脱却という意図があったように思います。

本作の主題はミアとセブの成長を通じて、人生について考えられる点

夢に向かっていく過程では、導いてれる人やアドバイスをくれる人がいるかもしれません。

もっと運が良ければ一緒に切磋琢磨しあいながら夢を追うこともできることできるかもしれません。

それでも最後は一人で、誰に何と言われても自分のことは自分で決めなくてはならない

たとえその結果がほろ苦いものに終わるかもしれなくても一人で進むことの大切さを教えてくれる映画なのではないかと思います。

彼らが出会ったことは、互いの夢を再確認し、互いをより一層高みへと連れていくために必要なものだったと思いました

映画の最後のシーンもミアとセブが幸せだったことを示しています。

素敵な出会いから互いの夢と一人の人間として歩む人生について考えさせられました。

『ラ・ラ・ランド』(2016)のまとめ

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

『ラ・ラ・ランド』について楽曲や演出、物語といった要素から感想を述べてきました。

これまでお話してきた通り、映画を構築する全ての要素が美しく、出演者も魅力が満載の本作は、多くの人に観て欲しいと思う名作です。

洋画のおすすめ作品を知りたい方は、こちらも参考にしてみてください!

洋画おすすめ人気作品をジャンル毎に紹介!

ミュージカルのおすすめ作品も一覧で紹介しているので、ぜひ見てみてください。

ミュージカル映画おすすめ25選!人気ランキングから紹介【名作・最新作】【邦画・洋画】【2019年版】

おすすめの記事