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映画『マトリックス』シリーズでおなじみのキアヌ・リーヴス主演のバイオレンスアクション映画が『ジョン・ウィック』(2014)です。

『マトリックス』(1999)シリーズでアクションでスタントコーディネーターを務めたチャド・スタエルスキー監督とキアヌがタッグを組みました。

本作の魅力は徹底的にリアルを求めたアクションです。

それでは、『ジョン・ウィック』(2014)のネタバレと感想を紹介していきます。

『ジョン・ウィック』(2014)の作品情報とキャスト


ジョン・ウィック(吹替版)

『ジョン・ウィック』(2014)の作品情報

原題:John Wick
製作年:2014年
製作国:アメリカ
上映時間:101分
ジャンル:アクション、サスペンス

『ジョン・ウィック』(2014)の監督とキャスト

監督:チャド・スタエルスキ
代表作:『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)

出演:キアヌ・リーヴス/吹替:森川智之ほか(ジョン・ウィック)
代表作:『スピード』(1994)、『マトリックス』(1999)

出演:ミカエル・ニクヴィスト/吹替:堀内賢雄ほか(ヴィゴ・タラソフ)
代表作:『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)

『ジョン・ウィック』(2014)のあらすじ

子犬を可愛がるジョン・ウィック:Motion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

5年前に愛する妻を失ったジョン・ウィックは妻が遺した子犬とともに平穏な生活を送っていた。

彼の趣味は愛車であるフォード・マスタングでドライブをすること。

ある日、その愛車の給油のためガソリンスタンドを訪れると、そこでロシアンマフィアのヴィゴ・タラソフの息子・ヨセフに絡まれ、車を売って欲しいと頼まれる。

ジョンはこの申し出を断る。

しかし、ヨセフはジョンの車を諦めきれず、ジョンの家を襲撃し無理矢理フォード・マスタングを奪う。

ヨセフは見せしめとばかりに、ジョンの愛犬も無残に殺す。

愛犬を殺され、愛車を奪われたジョンは復讐を決意する。

車を奪ったヨセフはマフィアのボスである、父親からジョンを襲ったことについて激怒される。

ジョンはマフィアの殺し屋を殺す殺し屋だったのだ。

事態はロシアンマフィアとジョンの壮絶な戦いに発展していく。

『ジョン・ウィック』(2014)のモデルと魅力を解説

ジョンの愛車フォード・マスタング:BOSS429Motion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

ジョン・ウィックとキアヌ・リーヴスの共通点

本作の冒頭でジョン・ウィックは子犬を可愛がり、愛車でのドライブを楽しむ隠居人のような生活をしています。

ジョンは数年前に愛する妻を亡くし、世の中と距離をとるように、まるで世捨て人のようにひっそりと暮らしている。

このキャラクター設定はジョンを演じるキアヌ・リーヴス自身がモデルになっています。

キアヌは1993年に『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)で共演した親友のリバー・フェニックスを亡くしています。

悲劇は続きます。

マトリックス(1999)の全世界的なヒットにより一躍スターとなったキアヌですが、その時期に彼の恋人が子供が死産しています。

それに、その恋人も交通事故で亡くなっています。

親しい人を次々に亡くしていったキアヌはその頃から、芝居も変化していきました。

悲しみを帯びた物憂げな表情で芝居し、笑顔が少なくなっていきました。

ジョン・ウィックのあの陰険なキャラクター像はキアヌ・リーヴス自身を投影しているのです。

ジョン・ウィックとは何者か?

本作『ジョン・ウィック』(2014)は香港のカンフー映画やイタリア製西部劇のマカロニ・ウェスタンのエッセンスを多分に取り入れています。

どこらへんがマカロニ・ウェスタンかというと、ジョン・ウィックの風貌や雰囲気がマカロニ・ウェスタンの主人公なのです。

マカロニ・ウェスタンの主人公のステレオタイプといえば、心に大きな傷を負っていて、詳細が一切分からない。

ジョン・ウィックも元殺し屋で凄腕という情報しか明示されていません。

ここにジョン・ウィックのマカロニ的な雰囲気の主人公像が宿るのです。

本作ではストーリーにもマカロニ的な展開が見られます。

マカロニ・ウェスタンの主人公は物語の中盤で必ずといっていいほど、ボコボコに、再起不能になる寸前の半殺し状態になります。

マカロニ・ウェスタンの代表的な作品である『続・夕陽のガンマン』(1966)でも、クリント・イーストウッド演ずる主人公のブロンディは生死の境をさまよいます。

しかし、見事に復活して敵を倒します。

本作『ジョン・ウィック』(2014)でも同じような展開が繰り広げられます。

マカロニ・ウェスタンの主人公が復活するのは、イエス・キリストをモデルにしているからだ言われています。

キリストは処刑から三日後に生き返りました。

カトリックの教えが根強いイタリアにおいて、主人公がキリストに重ねられるのはごくごく自然なことです。

マカロニ・ウェスタンの系譜のなかにあるジョン・ウィックにもこのキリスト的な性格が根底に流れています。

その証左に、ジョン・ウィックの長髪の風貌はキリストの肖像画にそっくりです。

【ネタバレあり】『ジョン・ウィック』(2014)の感想

ジョン・ウィック:BOSS429Motion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

ナメてた相手が殺し屋という痛快な設定

本作で最も痛快なのは、ただの愛犬家が伝説の殺し屋だったという設定でしょう。

俗にいう「ナメてた相手が実は殺人マシンでした映画」の類です。

一見すると、普通の小市民のような人が殺人鬼だったという映画は沢山あります。

代表的な作品でいえばシルヴェスター・スタローン主演の『ランボー』(1982)が挙げられます。

保安官事務所で保安官たちに一方的な暴力でリンチされたランボーは実はベトナム戦争帰りの帰還兵だった。

しかもキレたら誰も手をつけられない始末。

ヴィゴ・モーテンセン主演の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)も「ナメてた相手が実は殺人マシンでした映画」になります。

ギャングの一員だった主人公は素性を隠し、家族と平和に暮らしているのだが、切り離したはずの過去から悪しき訪問が。

主人公は牧歌的に暮らしたいのに、過去が主人公に絡みついて逃そうとしない。

本作『ジョン・ウィック』(2014)と『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)の主人公を取り巻く状況は似ています。

井上雄彦の漫画『バガボンド』のセリフから引くと、「殺し合いの螺旋」から降りることができないのです。

『ジョン・ウィック』(2014)ではこの主人公の苦悩が嫌というほどに伝わってきます。

キアヌ・リーヴスが見せる圧倒的なアクション

本作の醍醐味は何と言っても迫力のアクション描写につきます。

主演のキアヌはおの映画のために本物の銃を使って長期のトレーニングを敢行しました。

徒手格闘の面でもキアヌは柔道と柔術の訓練を多く積んでいたようです。

本作では組み技の描写が多いのはこのためです。

カンフーとガンアクションを融合させた「ガンフー」という言葉も本作のヒットを受けて生まれました。

ただ激しいアクションが売りの映画は沢山ありますが、本作『ジョン・ウィック』(2014)が他のアクション映画と一線を画す点は何か?

それは徹底的なリアリズムです。

ジョン・ウィックは、敵の息の根を確実に止めます。

他の映画では多人数をを相手にする場合、腹部を撃ったら、相手は絶命するといったお決まりがあります。

よく考えたら、それで死ぬのはおかしくないか、相手が反撃してくる可能性もあるぞ、と観客は腑に落ちません。

本作はそんな疑問を抱かせません。

ジョン・ウィックはご丁寧にも、敵の頭を完全に撃ち抜いて、次の敵の始末にとりかかるのです。

100人近い敵に対して、一切の手抜きはありません。

これほどまで丁寧な仕事をする殺し屋は、他の映画ではお目にかかれません。

【ネタバレあり】『ジョン・ウィック』(2014)の主題

マフィアを襲撃するジョンMotion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

本作の主題はアクション映画をアップデートするという試みです。

この際、ストーリうんぬんや人物描写はあまり関係ありません。

革新的だったのは香港映画のカンフー描写とマカロニ・ウェスタンのガンアクションを徹底的にリアルに描いたことです。

観客がアクションに対して一切の疑問を抱かないように徹底された戦闘シーンは息をのみます。

スタントマン出身のチャド・スタエルスキ監督の執念が結実したのが本作『ジョン・ウィック』(2014)です。

『ジョン・ウィック』(2014)のまとめ

クラブに乗り込むジョンMotion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

『ジョン・ウィック』(2014)の大ヒットを受けて、『ジョン・ウィック』はシリーズとなりました。

『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)ではアクションがより先鋭化されています。

そしてよりマカロニ・ウェスタン調が加速しています。

シリーズを通して傑作ばかりなので『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)への期待も高まります。

まずは『ジョン・ウィック』(2014)をご覧になってはいかがでしょうか。

本作の他にもアクション映画のおすすめを紹介しているので気になる方は見てみてください!

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