特集一覧
バック・トゥ・ザ・フューチャー

1985年に製作されて以来、多くのSF・映画ファンを魅了し続け、さまざまなメディアでパロディされるなど世界に多大なる影響を与えた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)。

特に公開時は、全米で『フューチャー現象』と呼ばれるブームが生まれたほどの大ヒット作品。

さらに現在も国内最大の映画レビューサイトでも1万以上のレビューで、5点満点中4.2点の高評価を記録。

そんな名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)作品情報とキャスト


バック・トゥ・ザ・フューチャー (吹替版)

作品情報

原題:BACK TO THE FUTURE
製作年:1985年
製作国:アメリカ
上映時間:116分
ジャンル:アドベンチャー、SF

監督とキャスト

監督:ロバート・ゼメキス
代表作:『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)『キャスト・アウェイ』(2000)

出演:マイケル・J・フォックス/吹替:山寺宏一ほか(マーティ・シェイマス・マクフライ)
代表作:『摩天楼はバラ色に』(1986)『カジュアリティーズ』(1989)

出演:クリストファー・ロイド/吹替: 青野武ほか(ドク / エメット・ラスロップ・ブラウン)
代表作:『アダムス・ファミリー』(1991)『ジーサンズ はじめての強盗』(2016)

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の見どころ

マーティ・マクフライとドグ:©︎1985 Universal Studios. All Rights Reserved.

底知れぬ魅力を持っているSFアドベンチャー『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の見どころを3つに絞って書いていきます。

これから先はネタバレが入るので注意してください!

見どころ①:タイムパラドックスを利用した巧妙な仕掛け

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)は、タイムパラドックスを利用した仕掛けが用意されています。

分かりやすい部分で言えば、母親のロレインが過去でマーティに恋をしてしまう事で、現代での写真の内容が変わってマーティ自身の存在がなくなってしまうということ。

写真をチェックして変更した過去が正しい現在へと繋がっているのかをチェックする。

これはシリーズ通して各登場人物にも割り当てられている程に重要な仕掛けとなっていくのです。

過去を変えてしまうことは、現在に分岐点を生まれさせてしまう。

自分と母親が恋をするなど以ての外。

そのため両親を恋人同士にさせ、未来へ帰るというミッションが生まれていくことになります。

物語の中心となる両親を恋人同士にさせ、未来へ帰れるのかという主人公、マーティの奮闘に注目です。

見どころ②:マーティとドクの関係性

バック・トゥ・ザ・フューチャーを語るうえで欠かせないのがこのコンビ。

論理的で科学バカなドクと少し抜けているマーティの掛け合いは絶妙。

マーティの口癖である「That sounds pretty heavy./そいつはヘビーだな」と、
ドク「You could accomplish anything./何事も為せば成る。」

両者の人柄を表す象徴的なセリフです。

映画を観終わった後は、このコンビのことが大好きになっているでしょう。

特に現代では、しっかり2人の信頼関係が築かれていました。

見どころ③:個性豊かなキャラクター

特に主人公のマーティ。もしもマーティ役がマイケル・J・フォックスでなかったら、これほどの名作にはなっていなかっただろうというほどのハマリ役。

マイケル・J・フォックスのマーティあっての『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とまでいえるでしょう。

そして、マーティとドク以外の登場人物も全員が個性豊かで愛すべきキャラクターをしています。

マーティの親であるジョージとロレイン、悪者のビフ・タネン、教頭のストリック・ランド。

強烈なキャラクターが次々と登場することも本作の大きな特徴の1つです!

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の感想

ジェニファーとマーティ:©︎1985 Universal Studios. All Rights Reserved.

早速、本作の感想について書いていきます。

プルトニウムが無くなり未来に戻れなくなる

本作のストーリー中心は、誤まって30年前にタイムスリップしてしまったマーティが未来に変えるために奮闘するというもの。

タイムスリップで使い果たしたデロリアンのタイムマシン機能の燃料であるプルトニウムが枯渇。

タイムマシンの開発者であるドクに会いにいくことにします。

といっても30年前のドクであり、顔も知らない人間を不審がられるわけですが、これを信頼させる展開。

さらに名シーンとなっている時計台への落雷を利用したタイムスリップに鳥肌が立ちっぱなしです。

息子に恋する母親と父親を男にする息子

過去にタイムスリップし、本来父親が遭遇するはずだったきっかけを奪ってしまったことで、若かりし頃の母親・ロレインに一方的に好かれてしまうマーティ。

いくら年代が一緒だからと行って母親と恋仲になる訳にはいきません。

これは見どころでも紹介した過去が変わってしまうことで、未来に重大な変更点が生まれるということでもあります。

それ以前に母親と息子の恋愛は倫理的にも問題ありです。

狂った歯車を修復すべく、弱気な父親・ジョージを男にすべく奔走するマーティ。

気弱なジョージですが、元を正せば彼は父親。

本来であればジョージに教わる立場であるマーティが教える立場という奇妙な関係になり、果ては父と子が男と男の付き合いに変わっていく様子に注目です。

最後まで予測不能な展開

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)は、最初から最後まで目を離すことができません。

コメディ要素も強いタイムトラベルもののSF映画ですが、ストーリー構成が非常に秀逸。

深刻になりすぎず、笑える要素も盛り込みながら展開していく構成に最初から最後まで楽しませてくれます。

特に本作には視聴者を飽きさせない仕掛けがいくつも施されています。

一部を紹介すると、本来結ばれるはずだった両親がマーティの不注意で他人になってしまうのですが、それを元通り戻せるのかという作中の本筋部分。

ここで様々な障害がマーティを待ち受けているのです。

奥手で気弱なジョージはロレインにアタックできず、ロレインはマーティに夢中。

せっかくジョージがロレインにアタックしようとしても本作のヒールであるビフ・タネンが邪魔をします。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの全てに渡ってタネン一家とマクフライ一家の確執が続いていくことに。

そして、クライマックスに繋がる未来へ帰れるのかどうかというストーリー。

笑えるコメディ要素も取り入れながら最後まで先を読ませない展開の連続です。

肝心なところでタイムマシンであるデロリアンのエンジンが掛からなかったり、時計台に設置した装置の一部が外れてしまったり…。

今や定番とも思える展開の連続ですが、「この先どうなるのか」「本当に大丈夫か」と思わせてくれます。

程良い緊迫感を味わわせてくれつつ、デロリアンが未来へとタイムスリップすることに成功した瞬間、観ている人、皆の気持ちが1つになり、歓喜に沸き立つはず。

そんな定番を踏襲しつつ、観ている人の気持ちを1つにさせてくれます。

タイムパラドックスを活かした小ネタ

ギターを弾くマーティ:©︎1985 Universal Studios. All Rights Reserved.

本作が笑えるシーンが数多く存在することは前述した通り。

なかでも私がお気に入りのシーンは、ダンスパーティでマーティのギターを弾くシーン。

ジョニー・B・グッドを歌うマーティを見て、手を怪我したバンマスが誰かに電話をかけています。

実はあの電話相手は、そのジョニー・B・グッドの実際の作曲者であるチャック・ペリーにかけていて、新しいサウンドを探してただろと電話口に音楽を聴かせているという場面。

これがタイムパラドックスを利用したジョークになっていました。

さらに時代に即していない音楽(未来のヒット曲)を披露したことをマーティが反省する場面もあり、ヒット曲にも関わらず前衛的過ぎて受け入れられなかったというのも笑わせてくれる小ネタです。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の裏話

マーティとドッグ:©︎1985 Universal Studios. All Rights Reserved.

TO BE CONTINUED...

今私たちが見ているバック・トゥ・ザ・フューチャーの最後には「TO BE CONTINUED...」の文字。

この文字の存在により、これから始まる壮大な物語には続きがあることに胸が高鳴ります。

しかし、文字は劇場公開時には入っておらず、公開からしばらく経過してビデオ化された際「マーティ達の冒険はまだまだ続く」という意味合いでつけられた冗談めいたものだったそう。

しかし、その「TO BE CONTINUED...」の文字を見た人から、続編製作の要望が殺到したこともあってシリーズ化が決定されたのです。

さらには、続編構想に入った際にアイディアが豊富に出てきた為、シリーズ構想は3までの製作に至ったのでした。

冗談で「TO BE CONTINUED...」という文字がビデオに入っておらず、興行的な成功も無ければ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は単発で終わっていたのかもしれません。

尚、本作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 シリーズには、小説もあり、映画版にはないエピソードも収録されています。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)の主題

ビフ・タネンに追われるマーティ:©︎1985 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)は、ただエンターテインメントとして楽しませてくれるだけでなく、多くの教えを私たちに与えてくれます。

それは“未来は変えられる“ということ。

映画の冒頭でマクフライ家は、だらしない様子でジョージは上司のビフにイジメられていました。

しかし、映画全体を通して成長していくなかでジョージは勇気を出してビフを倒すことに成功。

そのおかげで未来は変わります。

本作のラストシーンではマクフライ家は上品な家庭に変わり、ジョージはビフをお手伝いにして雇うという華麗な逆転劇。

このような点からも勇気を出して行動することで未来を変えられると教えてくれます。

また、マーティが「腰抜け」と言われると人が変わったように怒るというのも学ぶべき点があると思います。

何故なら誰だって譲ってはいけないプライドがあり、そこにこだわることが、自らの尊厳を守ることに繋がるからです。

側から見ると「くだらないこと」と片付けられるかもしれません。

それでも絶対に譲らないマーティが絶妙なコメディ要素を生み出しており、人柄としても大好きです。

おわりに

マーティとドク:©︎1985 Universal Studios. All Rights Reserved.

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は言うまでもなく、非常に完成度が高いエンターテイメント作品として、30年が経った今でも語り継がれる名作です。

ストーリー構成や、登場人物のキャラクター、設定や、伏線回収、音楽、時代を表した小ネタどこを取っても素晴らしいと思います。

冒頭で様々なパロディがされたと書きましたが、マーティとドクのファッションデロリアンなどは代表的な例でしょう。

デロリアンはアメリカにあった自動車製造会社。

この会社で製造された自動車『DMC-12』を指して多くの人が”デロリアン”と呼びます。

元を辿れば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場するタイムマシンのベースカーであり、世界に多大なる影響を与えた作品ということがここからも分かります。

シリーズの続編となるPART2の感想はこちら。

https://minority-hero.com/cinema_genre/BACK+TO+THE+FUTURE+PART+II/2187/

シリーズの完結となるPART3の感想はこちら。

大人気SFシリーズ遂に完結!映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(1990)【あらすじ、感想、ネタバレあり】

そして、不朽の名作を他にも紹介しているので、気になった方は併せてチェックしてみてください!

https://minority-hero.com/cinema_recommend/1025/

おすすめの記事