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アリータの心が人々の行動を変えていく!『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の主題と評価を解説!【あらすじ・感想・ネタバレあり】

2019年2月14日に公開された『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)。

監督にロバート・ロドリゲス、脚本にジェームズ・キャメロン、そして木城ゆきとによる日本のコミックを原作とした『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)がどのような作品に仕上がっているのか?

本作を鑑賞した感想をあらすじとネタバレも交えて、紹介していきます!

作品情報とキャスト


アリータ:バトル・エンジェル (吹替版)

作品情報

原題 : Alita: Battle Angel
製作年 : 2019年
製作国 : アメリカ
上映時間 : 122分
ジャンル : SF、アクション

監督とキャスト

監督 : ロバート・ロドリゲス
代表作 : 『プレデターズ』『スパイキッズ』シリーズ『フロム・ダスク・ティル・ドーン』

出演 :ローサ・サラザール/上白石萌音(アリータ)
代表作 : 『バード・ボックス』『ダイバージェントNEO』

出演 : クリストフ・ヴァルツ/森川智之(ダイソン・イド)
代表作 : 『ジャンゴ 繋がれざる者』『ゼロの未来』

出演: ジェニファー・コネリー(チレン)
代表作:『スパイダーマン:ホームカミング』『そんな彼なら捨てちゃえば?』『地球が静止する日』

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)のあらすじ

新たな体を手に入れて目覚めるアリータ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

天空に浮かぶ都市”ザレム”と、ザレムの廃棄物の廃棄場所となっているくず鉄だらけの町”アイアンシティ”。

大戦後の世界は、支配する世界(ザレム)と支配される世界(アイアンシティ)に分断されていた。

アイアンティにサイバー医師として働くイドは、廃棄されたくず鉄の山から少女の頭部を拾う。

それが、アリータとイドとの出会い。

ある日アリータは、イドを襲ってきた敵と戦ったとき自身に戦闘能力が備わっていることに気づく。

実は、彼女は最強兵器として作られたサイボーグだった。

「悪を前にしたら、戦わずにはいられない」サイボーグとして生まれたアリータは己の運命に立ち向かい愛する人たちを守り抜くことができるのか?

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の3つの魅力!

戦おうとするアリータ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

魅力1.精巧な映像

「アリータの目を一つ表現するのにザレム以上のテクノロジーがいるというくらい、大変なことでした」

ロドリゲス監督が、こう語るほどこだわり抜いたのは、肌や目の質感。

アリータが目覚める姿や食べる姿は、肌の柔らかさまで伝わってくるほど高い完成度でした。

魅力2.女性の強さを描いた

彼の代表作といえば『ターミネーター』(1984)や『エイリアン2』(1986)、『アバター』(2009)。

3作品の全てに戦いに身を投じるヒロインを描いた作品ばかり。

本作に登場するアリータも闘うヒロインの一人。

彼女の強くて美しい姿は必見です。

魅力3.2つの愛から成り立った映画

サイボーグ医師であるイドとの親子愛

恋に落ちるヒューゴに対する愛情。

2つの愛を守るために闘う姿に心が揺さぶられました。

【ネタバレあり】『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の感想

宿敵のグリシュカを追うアリータ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

こだわり抜かれた映像で観る人を魅了する『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)。

アリータを鑑賞した感想は、全てにおいて美しいだと感じました。

具体的には、戦闘シーンや街並みの映像といった外面的な美しさ。

もう一つがイドやアリータといった登場人物の内面的な美しさ。

本作について以下、ネタバレを交えた感想です!

映像の美しさ

目を覚ますアリータ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

ボディをイドに取り付けてもらったアリータ。

彼女が目を覚ます場面では、画面いっぱいに彼女の顔が映し出されます。

肌の柔らかに瞳の透明感まで繊細に表現されています。

彼女の自然な動きを再現するために用いられたのが「パフォーマンス・キャプチャー」

パフォーマンス・キャプチャーは俳優の動きを再現する技術。

多数のカメラを用いて、俳優の体に取り付けたマーカーの動きを記録して3DCG用のデータに変換します。

アリータが、演じるローラ・サラザールの動きを完全に取り込んで映像が生み出されています。

この映像には思わず「アリータが実在する人物なのではないか?」と錯覚してしまいました。

続いて本作の舞台となるくず鉄の街”アイアンシティ”はその名の通り機械だらけ。

機械でできた警官が街を歩いていたり、機械を身につけたサイボーグが暮らしています。

機械と人が溢れかえっている状態を描きながらも心が惹かれる世界観の描き方に感服しました。

細部にまでこだわって映像の中で個人的に好きだったのが、サイボーグのヴィジュアルです。

敵と遭遇したイドと彼を狙うサイボーグ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

例えば、アリータが戦ったサイボーグの一人は、カマキリを彷彿とさせる外観に、足を露出させた色気のある格好。

アリータによってすぐに倒されてしまいますが、触れるものを切り裂く刀と暗闇で光る装甲は見ごたえたっぷりでした。

ここまで外面的な美しさについて紹介してきました。

続いて、アリータの内面的な美しさとアリータという人物について述べていきます。

アリータという人物を徹底解説

アリータの内面的な特徴を解説

アリータとイド:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

金のない患者をタダで診療するほど優しい心を持つイドによって育てられたアリータ。

彼女も純粋で優しく成長していきます。

彼女の純粋な心であると感じたのは2つの理由からです。

1.無垢な心の持ち主

アリータは、アイアンシティのゴミ山で頭部のみでサイバー医師のイドに拾われたサイボーグ。

イドによってボディを与えられて意識を取り戻しますが、自分の名前を思い出すことができません。

頭部のみとなってしまった衝撃のためか彼女は記憶を失っているのです。

名前すら思い出すことができずに、悲しむ彼女にイドは「アリータ」と名付けます。

イドによって与えられた名前を気に入ったり、恋人のヒューゴに自身の動力源を差し出したりするアリータ。

彼女の仕草の一つ一つに無垢なものを感じました。

2.物事への探究心が旺盛

記憶を失った彼女は、目に映るもの全てが新しく映ります。

イドからもらったオレンジに皮ごとかぶりつき、ヒューゴからもらったチョコレートを好物にするアリータ。

"モーターボール"(ローラースケートとバスケットボールを混ぜたような競技)を初めて観たときに彼女は興味津々。

知り合った仲間と没落戦争後の宇宙船を観に行ったときにも本能の赴くままに艦内に乗り込んでいきます。

映画の中で彼女は、常に新しいものを求めている姿が印象的でした。

子どものように成長していく心

自身の白いボディを見つめるアリータ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

彼女がくず鉄の中から拾われ、イドが娘に付ける予定だった白いボディを身につけます。

目覚めた彼女は、歩くこともままならない赤ちゃんのような状態でした。

それから彼女は日常生活を送っていく中で、記憶を取り戻しながら成長していきます。

彼女の成長は順調に進むという訳ではなく、反抗期の娘さながら、イドと衝突の連続。

栄養のあるものを食べるように言われているのにチョコレートを食べたり、早く帰るように言われているのに夜遅く帰ったり...。

自身が何者かも分からない不安と未知の世界への興味を抱く子どものようなアリータ。

彼女の思いを理解しながらもイドは、危険にさらさないよう彼女の行動を制限します。

そんなアリータの成長を強く感じた場面が、火星連邦共和国(URM)の武器である黒いボディを身につけたとき

彼女の外見的な変化は、内面的な変化と結びついていたように思います。

これを身につけてからアリータとイドは次第にお互いの心を通わせていく。

最後には、彼女の使命であるノヴァを戦士として空中都市ザレムにいる黒幕のノヴァに立ち向かう時イドを”お父さん”と呼びました。

戦いを求めるアリータを受け入れたイドは、自身の開発したハイテクなローラースケートや防具で全面的に支えます。

子供の成長する心とそれを受け入れる親心。

二つの心が一つになったとき、サイボーグや血縁といったつながりを超えた親子の成長物語として伝わってきました。

大切なものを守るために行動する

アリータとヒューゴ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

アリータが守っているのはイドとヒューゴ。

イドに対する愛情ゆえに「よせ!」と止められても戦わずにはいられません。

大切なものを身を呈してでも守る彼女のまっすぐな姿勢。

サイボーグでありながら、人間よりも人間らしい心がとても綺麗でした。

【ネタバレあり】『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の主題とは?

アリータの心が人々の行動を変えていく

ハンターの集まるバーで仲間を探すアリータとヒューゴ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)が主題として扱っている内容は、アリータという無垢な心の持ち主が人々の行動を変えていくというものであったと考えられます。

具体的に言うと、彼女の周りの人々は次々に行動を変えていくのです。

アリータがヒューゴの行動を変える

「この街は善人も堕落させる」

イドが放った言葉の通り、登場人物はイドとアリータを除いて悪人ばかり。

しかし、アリータの心(内面的な美しさ)が徐々に周囲の人々を変えていきます。

アリータの恋人であり、ザレムへいくことを夢みるアイアンシティの若者であるヒューゴ。

ザレムへ行くためにお金が必要だった彼は、サイボーグパーツを盗む裏稼業を引き受けていました。

そんなヒューゴは、アリータとの恋をきっかけに裏稼業から足を洗うことを決意します。

アリータの真っ直ぐな姿勢に行動を変えたのはヒューゴだけではありません。

アリータがイドの前妻チレンの行動を変える

彼女によって行動を変えたのは、イドの前妻チレンです。

アリータに声を掛けるイドの前妻のチレン:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

彼女は、アリータの動力源を奪うためハンターたち(ゴロツキのサイボーグ集団)を雇っていました。

ザレムへ行く為には手段を選ばないチレンでしたが、アリータがヒューゴの為なら死んでもいいという覚悟を見せることで、アリータを狙うのをやめます

アリータの献身的な愛ヒューゴとチレンの心を変えたの場面がありました。

この二人からも分かる通り、アリータの真っ直ぐな気持ちが周囲の人々に変化を与えていったといっていいでしょう。

アリータの目が大きい理由とは?

アリータ原作との比較:https://www.gizmodo.jp/2019/02/alita-robert-rodriguez-interview.htmlより抜粋

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)を観て、ヒロインであるアリータの目の大きさに違和感を感じた人も少なくないはず...。

アリータが目の大きい理由は、ジェームズ・キャメロンのアイディアで瞳を大きく設定したからとのこと。

この映画は2005年にジェームズ・キャメロンが監督する予定でした。

その時にキャメロンのアイデアとして写真のようなリアルさを残しつつ、目だけ大きいという木城さんの漫画を実写にしたような表現が考えられていたのです。

この作品は去年の夏に公開されるはずだったので、それに合わせて予告編を作らなければいけませんでした。

予告編を作ってやっと顔の製作に取り掛かった時でしたが、予告編の目と本編の目は同じサイズです。

本編と予告編の違いは、予告編のときはアリータの瞳がちょっと小さかったこと。

予告編が公開されると、「目が大きすぎるんじゃないの?」との声が上がりましたが、キャメロンだけはもっと瞳を大きくしようと提案します。

それに従って、実際に大きくしてみたらぴったりはまったことが目を大きくした理由です。

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の評価

ザレムを見上げるアリータとイド:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)は、製作陣から豪華で監督ロバート・ロドリゲス、脚本ジェームズ・キャメロンと、ハリウッド映画の巨匠が肩を並べています。

さらに出演俳優も豪華でクリストフ・ヴァルツやマハーシャラ・アリといった俳優も出演が公表されていたこともあり、公開前から期待の高い作品でした。

実際に視聴者のレビューはどうかというと、公開後の評価も上々で、日本の映画レビューサイトでは、5点満点中3.8点を獲得。

また海外レビューサイトRotten Tomatoesの評価は、批評家からの評価が100%のうち60%、視聴者の評価は93%とかなりの高評価を獲得しています。

このことから評価に負けない超大作だったといえるでしょう。

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)のまとめ

手にした刀を天へ向けるアリータ:©️2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の感想を紹介してきました。

外面的(アクション・映像)美しさ。

内面的(アリータの心)美しさ。

『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の魅力は、この2つの要素にあると思いました。

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