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悪者なのにかわいい!? 映画『ヴェノム』(2018)の感想と評価【あらすじ、ネタバレあり】

大人気のスパイダーマンシリーズにも登場した悪役の誕生ストーリーが描かれた『ヴェノム』(2018)

スパイダーマン3では完全悪役だったヴェノム、本作では最凶ぶりを発揮しながらも、かわいいコミカルな印象を受けます。

それでは、ヴェノムの感想と考察をネタバレを紹介していきます。

『ヴェノム』(2018)の作品情報とキャスト


ヴェノム (吹替版)

作品情報

原題:VENOM
公開年:2018年
製作国:アメリカ
上映時間:112分
ジャンル:スリラー、サイエンスフィクション

監督とキャスト

ミシェル・ウィリアムズ、トム・ハーディー、リズ・アーメッド:©︎(C)&TM 2018 MARVEL

監督:ルーベン・フライシャー

出演:トム・ハーディ(エディ・ブロック)
代表作:『欲望のバージニア』(2012)『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)

出演:ミシェル・ウィリアムズ(アン・ウェイング)
代表作:『グレイテスト・ショーマン』(2017)『オズ はじまりの戦い』(2013)

アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたこともある人気俳優、トム・ハーディ主演の『ヴェノム』(2018)。

トム・ハーディーは過去にもアメリカンコミックのヴィラン役を演じています。

ヒロイン役にはグレイティスト・ショーマンに出演したミシェル・ウィリアムズ。

彼女はアカデミー賞にノミネートされたりゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞した演技派女優。

監督は『ゾンビランド』(2009)で実績を残したルーベン・フラインシャー

数々の映画賞にノミネートされた『ゾンビランド』(2009)を作り上げた監督の作品『ヴェノム』(2018)について感想を書いていきます。

『ヴェノム』(2018)のあらすじ

トムとリズ:©︎(C)&TM 2018 MARVEL

ジャーナリストとして働くエディ・ブロック。

彼はライフ財団が行う人体実験により多くの人たちの命が奪われているという情報を掴む。

その真実を暴こうとライフ財団の実験施設に潜入を試みたのだが、ライフ財団が宇宙から持ち帰った地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。

エディはシンビオートの声が聞こえてくるようになり、次第に体が変化。

シンビオートはエディの体を操り壮絶なパワーで次々と人間たちを倒し始める。

一体となった二つの生命、それが最凶の悪、ヴェノムの誕生だった……。

『ヴェノム』(2018)の3つの見どころ!

ヴェノムに寄生されたトム:©︎(C)&TM 2018 MARVEL

見どころ①:トム・ハーディの演技

エディとヴェノムの一人二役をやりきったトム・ハーディの演技力!

ヴェノムに寄生され困惑するエディを演じながらも自信に満ち溢れているヴェノムを同時に演じるトムの演技に唸らされました。

見どころ②:ヴェノムの怖い外見とかわいい中身のギャップ

マーベル史上最悪のヴィランともいわれたヴェノムの見た目と中身のギャップ!

とてつもなくおぞましい姿のヴェノムですが、エディに寄生し始めて可愛らしい思考を露わにしはじめます。

見どころ③:ヴェノムの圧倒的パワー

車を破壊し、人間を簡単に吹き飛ばす。

人間では到底敵わない最強と思われたダークヒーロー、ヴェノムの敵の正体が明らかになります!

【ネタバレあり】『ヴェノム』(2018)の感想と解説

トムと一体化したヴェノム:©︎(C)&TM 2018 MARVEL

本来なら敵であるキャラ(ヴェノム)が主役の『ヴェノム』(2018)。

そんな悪役ヴェノムをダークヒーローとしてどう描いていくのか興味がありました。

ヴェノムの容姿からも恐怖を感じますが、エディとヴェノムの掛け合いはコメディのように感じる和気藹々さがあり、本格的な恐怖というよりは、笑える要素が多かったです。

これから特筆すべき点をそれぞれの段落に分けて書いていきます。

エディとヴェノムの共通点について

エディは記者として、ライフ財団が人体実験を行なっているという情報を入手。

フィアンセのアン・ウェイングのPCから得た情報で、ライフ財団のリーダー、カールトン・ドレイクと接触するが、ライフ財団の権力によって仕事をクビにされてしまう...。

彼と親密な関係であったアンもエディの影響で職を失い、これに怒ったアンは彼との婚約を解消

職も失い恋人までも失い、全てを失ったエディ...。

半年後、職を探していたエディはライフ財団の研究者の協力を得て再び実験施設に潜入。

そこで、知り合いが捕まっていることを知って、助け出そうとした際に知り合いに寄生していたタール状の地球外生物・シンビオートに寄生されます。

改めて説明しましたが、シンビオートは、エディを蝕みヴェノムと名乗る生物です

他の被験者たちとは相性が合わず死に至らせていたヴェノムですが、エディに親近感を抱き彼のことだけは生かし、生活を共にしていくことになります。

シンビオートという生物には寄生した宿主の感情を餌にして生きていくという特徴がありました。

エディが他の被験者と違い、ヴェノムに寄生されても生きている理由は、自分の星で孤独を感じており、エディと同じ落ちこぼれだったからです。

彼らは女性の好みが似ているなどの共通点も多く、相性が良かったと判断することができます。

圧倒的な力を持っているヴェノムの意外な一面を目の当たりにすることで、物語の途中で化け物のはずなのに人間味のあるヴェノムに思わず感情移入

この感情移入に、不良が子猫を助けたとき、良いヤツに見える現象と似たようなものを感じます。

ヴェノムの力

エディがヴェノムに寄生されてまだ自分がどうなっていくのかも理解できていない状態でのライフ財団メンバーたちとの乱闘シーン。

ただただヴェノムの強さに圧巻でした。

ヴェノムはエディに

「俺たちならなんでもできる」

といいます。

俺たちというより、ヴェノム一人の強さなのではと考えてしまいました。

車と車がぶつかり合う場面では困惑していたエディが自分の強さに目覚め自信満々に映っています。

ここではヴェノムの力を借りて、自分に自信を付けていくエディが印象的です。

ヴェノムとエディという落ちこぼれが力を合わせ、自信を持って行動していく。

ヴェノムならでは戦闘と、2人の掛け合いに目が離せません。

ライオットの登場

ヴェノムと同じシンビオートとして地球にやってきたライオット。

地球帰還の途中マレーシアに墜落したロケットから脱走。

そこから人々への寄生を繰り返しライフ財団があるサンフランシスコまでいきます。

映画の途中途中でライオットがサンフランシスコに近づいていると教えてくれるシーンがありますが、内容があまりにも乏しいため少し理解に時間がかかりました。

ラストスパートで仲間のシンビオートたちを地球に連れてきて”地球侵略”というライオットの狙いが分かるのですが、ドレイクに寄生したライオットは特に目立った活躍も無いまま命を落とします。

>シンビオート同士の戦闘というのは、作品として大きな見せ場でもあるので、もう少しライオットとヴェノムの戦闘シーンがあっても良かったのでないかと思いました。

エディとアンの恋の行方

エディのせいで職を失ってしまったアン。

彼女は、エディと別れ半年後には医者の新しい彼氏もできます。

しかし、ヴェノムという存在によって二人の恋の行方は変わっていくのです。

ここで疑問なのが新しい恋人がいてもエディを助けようと必死になるアン。

特別な力を持つわけでもない彼女がエディにとって戦力になるとは考えにくいづらいです。

加えてエディに好意を残しながらも新しい恋人を作ってしまう彼女の行動は、共感とは程遠い印象を受けます。

そしてアンに寄生したヴェノムをエディに戻すべくキスする二人。

ヴェノムもエディもアンのことが好きなので、エディに戻ったヴェノムは「地球を征服する」という考えはなくなり、地球を守ろうとします。

邪悪だったヴェノムをさらに人間味のあるものに変化させた二人の愛。

唐突である上に、「きっと二人は恋人に戻るんだ!」と思うオーディエンスの思いなど全く無視し、結局二人は恋人同士には戻ることはなく物語は幕を閉じます。

エディとアンの恋愛描写が唐突過ぎた上に、共感性に乏しいものに仕上がっていたことは残念だったと感じました。

本来のヴェノムとのギャップについて

本来ヴェノムとはスパイダーマンの最悪の敵。

予告編やポスターにも大々的に謳っていたヴェノムの「最も残虐な悪」という言葉ですが、本作では「最も残虐な悪」を感じられませんでした。

エディを気遣ったり、エディの命令を聞いたりと、残虐な悪とは程遠いヴェノムは、どちらかというと話の通じる可愛いペットのような感じ

予告では強いホラー要素を打ち出していたため、ホラーを期待していました。

この点で肩透かしを食ったのは私だけではないはず。

エディと一緒に地球を救おうと闘うシーンや、病院に行こうとするエディに「俺が治す」と伝えるシーンは、ヴェノムがスパイダーマンの敵ということを忘れさせる展開でした。

『ヴェノム』(2018)の評価

病院で話すエディとアン:©2018 CTMG、Inc.All Rights Reserved

『ヴェノム』(2018)は2018年10月にアメリカで公開される前、物語の内容に関して批評家から厳しい意見がでていました。

いざ公開が始まると全米1位を記録し、あっという間に興行収入90億円を超えます。

日本では公開後も興行収入を伸ばし「ヴェノムとエディの友情に大満足!」「物語にのめり込んでしまった!」など評価も上々でした。

『ヴェノム』(2018)のまとめ

ヴェノム:©︎(C)&TM 2018 MARVEL

最凶のマーベルキャラクターのヴェノム誕生ストーリー。

「悪役感はなく、ヴェノムってこんなやつだっけ?」と思う映画でしたが、エディとヴェノムが打ち解けていく様子に嬉しくなったり、二人の掛け合いに笑ってしまったりとツッコミを入れながら観賞したいアクション映画として成り立ってました。

ヴェノムの誕生に迫る『ヴェノム』(2018)、マーベルファンやスパイダーマンファンの人たちには見逃せない映画です。

マーベルシリーズ(MCU)について知りたい方はこちらを合わせて読むと理解が深まります。

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