
『LOGAN ローガン』(2017)で、ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマン、プロフェッサーXを演じるパトリック・スチュワートはシリーズから卒業!
記念すべき最後の作品になりました。
本作の舞台は、映画X-MENシリーズのなかで最も未来の時代。
ウルヴァリンと同じ能力を持つ謎の少女 ローラが登場し、ウルヴァリン、プロフェッサーXとともに荒野を逃避行します。
ここからは『LOGAN ローガン』(2017)の、キャラクター・キャストの紹介、ローラを演じた子役は?、そして考察や時系列の情報などを、ネタバレありで解説します!
【『LOGAN ローガン』(2017)の評価】
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★☆ | 80点 |
配役/キャスト | ★★★★★ | 90点 |
ストーリー | ★★★★★ | 90点 |
物語の抑揚 | ★★★★☆ | 75点 |
アクション | ★★★★★ | 85点 |
シリーズとの関連性 | ★★★★★ | 95点 |
目次
- 1 『LOGAN ローガン』(2017)の作品情報
- 2 『LOGAN ローガン』(2017)の概要
- 3 『LOGAN ローガン』(2017)のキャスト・登場人物(キャラクター)を紹介
- 3.1 ローガン/ウルヴァリン/ジェームズ・ハウレット(演:ヒュー・ジャックマン)日本語吹替:山路和弘
- 3.2 チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:パトリック・スチュワート)日本語吹替:麦人
- 3.3 キャリバン(演:スティーヴン・マーチャント)日本語吹替:川島得愛
- 3.4 ローラ/X-23(演:ダフネ・キーン)日本語吹替:鈴木梨央
- 3.5 ガブリエラ・ロペス(演:エリザベス・ロドリゲス)日本語吹替:田野めぐみ
- 3.6 ドナルド・ピアース(演:ボイド・ホルブルック)日本語吹替:小川輝晃
- 3.7 ザンダー・ライス博士(演:リチャード・E・グラント)日本語吹替:水内清光
- 3.8 X-24(演:ヒュー・ジャックマン)
- 4 『LOGAN ローガン』(2017)の感想と考察
- 5 『LOGAN ローガン』(2017)の時系列や少女ローラの謎、疑問点の解説
- 5.1 『LOGAN ローガン』(2017)の解説①:時系列はどこ? X-MENシリーズとの関連性とは?
- 5.2 『LOGAN ローガン』(2017)の解説②:11歳の少女ローラとは何者なのか?
- 5.3 『LOGAN ローガン』(2017)の解説③:ローガン(ジェームズ・ハウレット)は、なぜチャールズとローラと逃避行するのか?
- 5.4 『LOGAN ローガン』(2017)の解説④:X-24とは何者?ローガンとの戦いに勝ったのはどっち?
- 5.5 『LOGAN ローガン』(2017)の解説⑤:ローラがローガンの墓標の十字架を「X」の形にするのはなぜ?
- 5.6 『LOGAN ローガン』(2017)の解説⑥:ローラが言った最後の言葉はなに?
- 6 『LOGAN ローガン』(2017)に伏線や繋がりはある?
- 7 『LOGAN ローガン』(2017)の続編やシリーズを解説
- 8 『LOGAN ローガン』(2017)の最後は? ラストシーンや結末を解説
- 9 『LOGAN ローガン』(2017)の小ネタ・裏話・トリビア
- 10 【レビュー】『LOGAN ローガン』(2017)の評価・評判
- 11 『LOGAN ローガン』(2017)の総合評価:X-MENの旅の終わり
- 12 『LOGAN ローガン』(2017)はエンドロール後に本編はある?
『LOGAN ローガン』(2017)の作品情報
製作年 | 2017年 |
原題 | Logan |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 137分 |
ジャンル | アクション |
監督 | ジェームズ・マンゴールド |
脚本 | マイケル・グリーン
スコット・フランク ジェームズ・マンゴールド |
主要キャスト | ヒュー・ジャックマン(ローガン/ウルヴァリン/ジェームズ・ハウレット)/日本語吹替:山路和弘
パトリック・スチュワート(チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX)/日本語吹替:麦人 ダフネ・キーン(ローラ/X-23)/日本語吹替:鈴木梨央 ボイド・ホルブルック(ドナルド・ピアース)/日本語吹替:小川輝晃 |
『LOGAN ローガン』(2017)の概要

ローラ、ウルヴァリン、プロフェッサーX:© 2016 - Twentieth Century Fox
ウルヴァリンは、老いて正気を保てなくなり認知症のようになったプロフェッサーXを介護して暮らしている。
1年前の凄惨な事件をきっかけに、学園のあるウエストチェスターを離れたウルヴァリンとプロフェッサーXは、国境沿いにあるメキシコの廃工場に住み、数少ないミュータントの生き残りであるキャリバンとともに同居していた。
ヒーリングファクターが衰え体中が蝕まれているウルヴァリンは、「金ができたら船を買ってそこで安全に暮らそう」とプロフェッサーXを諭していたが、研究機関「アルカリ・トランシジェン」が違法な人体実験を行っている施設で起きた事件に巻き込まれてしまい……。
『LOGAN ローガン』(2017)のキャスト・登場人物(キャラクター)を紹介

プロフェッサーXとウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)のキャスト、登場人物(キャラクター)を下記の順にご紹介します。
それでは見ていきましょう。
ローガン/ウルヴァリン/ジェームズ・ハウレット(演:ヒュー・ジャックマン)日本語吹替:山路和弘

ウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作の主役であり、X-MEN旧3部作の事実上の主人公。
メキシコの国境沿いの廃工場で、プロフェッサーXとキャリバンとともに暮らしています。
テキサスでリムジンの運転手をして生活費を工面し、貯金を使って船を買おうと計画。
「あんたは彼と2人で“太陽号”(サンシーカー)を買い海に出る気だろうが、俺は吸血鬼と同じで太陽を浴びると死ぬ」
――キャリバン
本作のウルヴァリンは、骨格に移植されている金属 アダマンチウムに体を蝕まれ、体が破壊されつつあります。
「おそらくその(アダマンチウム)せいで、俺は死にかけてる」
――ウルヴァリン
見た目も老化しており、傷もなかなか治らず、目もあまり見えていないとのこと。
頻繁に咳きこんでいたり、爪の出し入れも不安定になって思うように使えない状態。
さらにアルコール依存になっています。
そんななか、本作の最後の戦いでは、「治癒能力を高め強くなる薬」を限度を超えて注射し、ローラを守るために一時的に完全復活して激しい戦闘を。
ウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマンは、代表作 X-MENシリーズのほかにも、『レ・ミゼラブル』(2012)、『リアル・スティール』(2011)、『グレイテスト・ショーマン』(2017)などで有名。
チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:パトリック・スチュワート)日本語吹替:麦人

プロフェッサーX :© 2016 - Twentieth Century Fox
プロフェッサーXは学園のあるウエストチェスターを離れ、ウルヴァリンに介護されて暮らしています。
「1年前に起きたひどい事件」(ウエストチェスター・インシデント)の原因がプロフェッサーXの発作(※)だった、という辛い事実が何度も示唆され、これが本作のベースに。
(※周囲の全員にサイキック攻撃を仕掛けてしまう危険な発作。
ウルヴァリンとローラ以外の普通の人は、体が麻痺し動けなくなります。)
プロフェッサーXは、1年前に学園で発作を起こして複数人を殺してしまい、それ以降ウルヴァリンとキャリバンに匿われ、死んだことにして隠されて生活しています。
本人は意識の状態が悪く、認知症のようになっていて、言動がどこまでしっかりしているのかもあやしく、記憶力も薄れています。
ウルヴァリンは、発作が起きるのを防ごうとして、プロフェッサーXを薬漬けにしてなんとか制御。
また、発作が起きてしまうと、ウルヴァリンが注射薬を打ってなんとか止めることに。
ウルヴァリンは信用していませんでしたが、ローラと出会う前からローラとテレパシーで交信。
新しいミュータントの存在に希望を感じ、ウルヴァリンにローラを助けるよう言い聞かせます。
本作の後半、ウィル・マンソン(オクラホマ州の農家)の自宅のシーンで、X-24(ウルヴァリンのクローン)に刺されて死亡。
プロフェッサーXを演じるパトリック・スチュワートは、『新スタートレック』のピカード艦長役がとても有名。
キャリバン(演:スティーヴン・マーチャント)日本語吹替:川島得愛

キャリバン :© 2016 - Twentieth Century Fox

火傷を負ったキャリバン :© 2016 - Twentieth Century Fox
キャリバンは、『X-MEN:アポカリプス』(2016)で、ミュータント向けの闇商人として登場していたミュータント。
本作の少し前まではトランシジェン(本作の悪役側の組織)に協力してミュータント捕獲に加担していたようですが、その後ウルヴァリンの仲間になり、本作ではウルヴァリンとともにプロフェッサーXを介護。
「以前あんた(キャリバン)はこっちの仲間だったはずだ。ミュータント狩りに協力してた」
――ドナルド・ピアース
「1年前、あんた(ウルヴァリン)に協力を頼まれ俺も頑張ってきた」
――キャリバン
本作ではドナルド・ピアース(アルカリ・トランシジェンのメンバー)たちに捕まり、「追跡者」として利用されます。
プロフェッサーXと同様、ウィル・マンソン(オクラホマ州の農家)の自宅のシーンで死亡。
本作『LOGAN ローガン』(2017)でキャリバンを演じたのはスティーヴン・マーチャント。
人気ドラマ『The Office』(ジ・オフィス)(2001年~)の脚本家として知られているほか、俳優としても活動。
キャリバンは、『X-MEN:アポカリプス』(2016)のときとはキャストが変更されており、『X-MEN:アポカリプス』(2016)でキャリバンを演じていたのはトーマス・レマルキス。
ローラ/X-23(演:ダフネ・キーン)日本語吹替:鈴木梨央

ローラ :© 2016 - Twentieth Century Fox
トランシジェン研究所からのミュータントの大量脱走のあと、ガブリエラ・ロペス(看護師)に連れられていた少女。
プロフェッサーXはローラのことを「ウルヴァリンの娘」と考えており、ローラもウルヴァリンを父親のように感じています。
ガブリエラが殺されたあと、ウルヴァリンの車のトランクに隠れてついてきて以降、ウルヴァリン、プロフェッサーXに合流し、一緒に北に向かって逃亡することに。
プロフェッサーXやウルヴァリンを慕っていますが、ウルヴァリンの自分への態度が冷たいせいで話す気になれず黙っていた様子。
途中まで喋れないと思われていましたが、実際には普通に会話可能。(スペイン語)
英語も話せます。
ガブリエラ・ロペスと同じく、X-MENのコミックを読んでいます。
また、「X-23」は、ミュータントの子供を生み出すプロジェクトを指し、本作のミュータントの子供たちは全員「X-23」に該当。
本作の超重要ポジションにあたるローラのキャスティングには、オーディションが行われ、ダフネ・キーンが選ばれたとのこと。
ダフネ・キーンは本作のほかには、『ライラの冒険』のドラマ化作品『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』(2019年~)に出演。
ガブリエラ・ロペス(演:エリザベス・ロドリゲス)日本語吹替:田野めぐみ

ガブリエラ・ロペス :© 2016 - Twentieth Century Fox
メキシコシティにある、トランシジェン研究所の看護師。
ミュータントの子供たち(X-23の子供たち)が研究所から脱走するのを助けました。
脱走後、ローラとともにモーテルに隠れ、送迎運転手をしているというウルヴァリンに接触。
ローラと自分を、ノースダコタにある「エデン」に連れていくようウルヴァリンに依頼。
しかしトランシジェン関係者に追われており、逃亡は間に合わず、モーテルの部屋で殺害されていました。
X-MENのコミックを読んでおり、ウルヴァリンなら子供たちを助けてくれる、と信じています。
ガブリエラ・ロペスを演じたエリザベス・ロドリゲスは、ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(2013年~)など多数の作品に出演。
ドナルド・ピアース(演:ボイド・ホルブルック)日本語吹替:小川輝晃

ドナルド・ピアース :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作の悪役。
違法な遺伝子実験をしている研究機関「アルカリ・トランシジェン」のメンバー。
右手が機械化されたサイボーグ。
戦闘部隊 リーヴァーズのリーダー。
脱走した子供たちを追っており、彼らを匿っていると思われるガブリエラ・ロペスやウルヴァリンたちも標的に。
最後は、ミュータントの子供たちに囲まれ、全員の能力を合わせて殺されました。
ドナルド・ピアースを演じたボイド・ホルブルックは、『ザ・プレデター』(2018)やドラマ『ナルコス』(2015年~)で主演。
ザンダー・ライス博士(演:リチャード・E・グラント)日本語吹替:水内清光

ザンダー・ライス博士 :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作の悪役。
ラストでようやく素性が明かされる、本作では最大の黒幕。
違法な遺伝子実験をしている研究機関「アルカリ・トランシジェン」のメンバーであり、「X-23」(ミュータントの子供たち)、「X-24」(ウルヴァリンのクローン)の研究を主導した科学者。
ミュータントがほぼ絶滅したのも、ザンダー・ライス博士の実験によるもの。
「お前の仲間を滅ぼしたのがこの博士だ」
――ドナルド・ピアース「彼は大げさに言ってる。そんなに残忍なことはしていない。
滅ぼすのではなく制御するのが目的だった。人類を完全なものにするためあらゆる食料や飲料に遺伝子治療できる成分を秘かに混入したおかげで突然変異は根絶され、我々は次の段階に…」
――ザンダー・ライス博士「ミュータントを造った」
――ウルヴァリン
ラストでウルヴァリンに射殺されました。
本作では、X-24をコントロールできる唯一の人物。
また、ザンダー・ライス博士の父親は、かつてのウルヴァリンの改造(ウェポンX計画)に立ち会っていた関係者。
「父とは知り合いだな」
――ザンダー・ライス博士「俺の体にこの毒を入れたクソ野郎だ」
――ウルヴァリン「その1人だ」
――ザンダー・ライス博士「俺が奴を殺した」
――ウルヴァリン「そうらしいな」
――ザンダー・ライス博士
リチャード・E・グラントは、『ウィズネイルと僕』(1987)、『ある女流作家の罪と罰』(2018)、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)など多数の映画、ドラマに出演。
X-24(演:ヒュー・ジャックマン)

ウルヴァリンとX-24 :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作の悪役。
ザンダー・ライス博士が製造したウルヴァリンのクローン。
ミュータントの子供たち(X-23)が、兵器として思ったように役に立たなかったために、次に開発された殺人兵器。
本能に凶暴性を組み込まれているため、トランシジェン関係者たちがX-24を放つと、周囲の人間をほぼ無差別に殺傷します。
本作では、プロフェッサーXを刺殺。
ラストではウルヴァリンと戦闘し、枝に突き刺して殺害。
意志や感情を持たないようですが、ザンダー・ライス博士を慕っています。
以上『LOGAN ローガン』(2017)のキャスト・登場人物(キャラクター)の紹介でした。
『LOGAN ローガン』(2017)の感想と考察

プロフェッサーXとウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)は、X-MENシリーズの新しいタイムラインの終末を描いた作品。
ここからは、『LOGAN ローガン』(2017)の感想と本作のテーマの考察をご紹介します。
『LOGAN ローガン』(2017)の感想

ウルヴァリンとローラ :© 2016 - Twentieth Century Fox
まずは、『LOGAN ローガン』(2017)の感想を3つご紹介します。
それでは見ていきましょう。
あまりにも悲しい幕切れ

ローラ :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作『LOGAN ローガン』(2017)にある唯一の希望の要素は、“ウルヴァリンの娘”ことローラのみ。
それ以外については、主要人物も最小限に絞られ、取り残された疑似家族が憔悴していく、という見ているだけで辛くなってくる展開。
刺される直前のプロフェッサーXがウルヴァリンに向けて語り掛けていた言葉は、ウルヴァリンに聞かれることはなく(※)、プロフェッサーXは最期に“太陽号”(サンシーカー)と言い残して死んでいくという、救いのなさすぎるひどい結末に。
(※このとき聞いていた相手は、ウルヴァリンの凶暴なクローン(X-24))
本作には、ウルヴァリンとプロフェッサーXそれぞれの埋葬シーンもありましたが、ただただ悲しいです。
ヒーリングファクターをほぼ失ったウルヴァリンの、命を削った戦いぶりももちろん悲壮感しかありません。
これまでのシリーズと一線を画すハードなアクション
本作『LOGAN ローガン』(2017)では、人体が傷つけられる直接的な描写がたびたび映るため、『デッドプール』シリーズに続いて、X-MENシリーズで2度目のR15+作に。
これによって、ウルヴァリンの戦闘シーンがより際立つだけでなく、謎の少女 ローラの凶暴なアクションシーンも怖さのあるショッキングな映像に。
子役キャストに残虐なアクションシーンを演じさせたという点では『キック・アス』(2010)を彷彿させる部分も。
とくにローラが初めて能力を明かす戦闘シーンは、鳥肌ものの仕上がり!
前作『ウルヴァリン:SAMURAI』から引き続きジェームズ・マンゴールドが監督
1つ前のウルヴァリン スピンオフ作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)と同じく、本作『LOGAN ローガン』(2017)もジェームズ・マンゴールドが監督。
日本語・英語が混在していた前作と同様、本作ではスペイン語混じりの会話を楽しむことができます。
そして本作のロケーションは、おもにメキシコ国境の荒野~アメリカ南部という最高の立地。
モーテルやカジノホテルなど典型的な米国モチーフも多数登場し、日本人の私たちが観ても、ロードムービー感を十分に楽しめます!
以上『LOGAN ローガン』(2017)の感想でした。
『LOGAN ローガン』(2017)の考察
『LOGAN ローガン』(2017)の考察を7つご紹介します。
それでは見ていきましょう。
X-MENに終わりがあるなら
本作『LOGAN ローガン』(2017)は、これまでのシリーズから繋がっている出来事を描いていますが、少し特殊です。
本作は、X-MENのパラレルワールドを舞台としたコミック『オールドマン・ローガン』を原作としており、また、「本作中にX-MENのコミック本を登場させる」など、映画シリーズの他作品からは“やや切り離された作品”という印象を持つ映画です。
ウルヴァリンとプロフェッサーXの映画シリーズ卒業作として作られた本作では、「X-MENは終わったんだ」と納得させるのに十分な要素がたっぷり。
ウルヴァリンのヒーリングファクターはなくなり、プロフェッサーXは老いのため認知症になり制御不能に、という最悪の未来がリアルに描かれました。
「政府は彼(プロフェッサーX)の脳を大量破壊兵器だと認識してる」
――ドナルド・ピアース
疑似親子関係が焦点に

ウルヴァリンとプロフェッサーX :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作『LOGAN ローガン』(2017)はおもに、ウルヴァリン、プロフェッサーX、ローラの3人の逃避行を描いています。
彼らは3世代の家族のようになっていて、ウルヴァリンは衰弱したプロフェッサーXを父親のように介護。
プロフェッサーXは、ウルヴァリンに「ローラは娘だ」と諭しますが、本作のウルヴァリンはミュータントという存在に関して諦めてしまっていて、ローラを拒絶。
ウルヴァリンの冷たい態度もあって、ウルヴァリンとローラはなかなか上手くいきません。
本作の後半ではプロフェッサーXはウルヴァリンに、ウルヴァリンはローラに、それぞれ看取られて死去しています。
さらにウルヴァリンの凶暴なクローン X-24と、その開発者 ザンダー・ライス博士の間にも、似たような繋がりがある様子。
誰にも止められないX-24ですが、ザンダー・ライス博士の死を認識しており、慕っている様子はまるで父子のようです。
X-MENやミュータントは全滅?
本作『LOGAN ローガン』(2017)では、ミュータントはほぼ絶滅しています。
「今は2029年だ。ミュータントは過去の話だぞ」
――ラジオの音声
「新しいミュータントも、25年もの間生まれてない」
――ウルヴァリン
そしてX-MENの仲間は、プロフェッサーXの起こした事故によって死亡したことが示唆されました。
「オクラホマシティのハラーズ・ホテル&カジノで400人以上が原因不明の麻痺状態に陥りました。
昨年同じ事態がウエストチェスターで起き、600人以上が負傷、7人のミュータントが死亡し…」
――ラジオの音声
「私がしたことは、言葉にもできない。
ウエストチェスターでの出来事を思い出した。
人を傷つけたのは今回が初めてではない。今日まで忘れていた」
――プロフェッサーX
「君はケダモノだったが、我々は受け入れ、家族を与えた」
――プロフェッサーX「みんな消えた」
――ウルヴァリン
このような悲惨な過去の影響もあり、本作のウルヴァリンはミュータントの意義を否定。
ミュータントの存在について「神の計画ではなく過ち」と発言するシーンも。
旧3部作は“白紙”ではないかも
本作『LOGAN ローガン』(2017)は、「半分パラレルワールド」のような世界観の作品ですが、映画シリーズのタイムラインで言うと一応「新タイムライン」(※)で起こった出来事を描いています。
(※映画X-MENシリーズの、2つに分岐しているタイムラインのうち、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)での歴史改変によって新たに派生したほうのタイムライン。)
ところが本作には、旧タイムラインで起きた出来事ついて喋っているシーンが登場。
それが、「自由の女神」についてのウルヴァリンとプロフェッサーXの会話シーンです。
詳しくは、後述の“『LOGAN ローガン』(2017)に伏線や繋がりはある?”もご参照ください。
映画『シェーン』(1953)からの影響
本作『LOGAN ローガン』(2017)の劇中でも映っていた、西部劇『シェーン』(1953)。
「これは有名な映画だ。100年も前に作られた」
「故郷のイギリスの映画館でこの映画を見た。君(ローラ)ぐらいの年の時に」
――プロフェッサーX
この『シェーン』(1953)は、単なる引用だけに留まらず、本作のストーリーにも『シェーン』(1953)からのオマージュがあります。
西部の農民たちと出会う流れ者のシェーン(※『シェーン』(1953)の主人公)は、本作のウルヴァリンのキャラクターの元ネタに。
とくに中盤の、オクラホマ州のシーン(農家のウィル・マンソンたちとの交流、近所の住民との抗争)あたりでは、『シェーン』(1953)をかなり再現している様子。
X-MENのコミック本が劇中に登場

X-MENのコミックを持っているウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作では、「X-MENのコミック本」が劇中のアイテムとして登場します。
これは、X-MENでは珍しく、メタフィクション的な描写。
悪役のドナルド・ピアースが、「ウルヴァリンのファンだ」と言っていたり、「キャリバンの話を読んだ」と言っていたりするように、本作の世界では、X-MENやミュータントたちは“半フィクションの有名人”といった扱いになっている様子。
「これはデタラメだぞ。実際に起きたこととは違う。
現実では人が死ぬ。コスチューム姿の間抜けが人の死を防げるわけない」
――ウルヴァリン
「事実を基にしてはいるがウソっぱちだ」
――ウルヴァリン
2029年の未来の世界観は……?
本作『LOGAN ローガン』(2017)で描かれた2029年は、科学技術がかなり進んでいるのに対して、昔ながらの古びた風景が広がっている、というところがポイント。
無人トラックが道を走っていたり、農業技術がハイテクだったり、人間の体質を変えるような遺伝子操作技術が発展しているとのことでした。
以上『LOGAN ローガン』(2017)の考察でした。
『LOGAN ローガン』(2017)の時系列や少女ローラの謎、疑問点の解説

ドナルド・ピアースとザンダー・ライス博士 :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)の疑問を下記の順に解説します。
それでは見ていきましょう。
『LOGAN ローガン』(2017)の解説①:時系列はどこ? X-MENシリーズとの関連性とは?
本作『LOGAN ローガン』(2017)は、2029年の出来事。
映画X-MENのタイムラインが2つに分かれていることを踏まえて、本作は「新タイムライン」(※)の出来事です。
(※『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)での歴史改変によって派生した、1973年以降のタイムライン。)
新タイムラインの内容は、これまでおもに新シリーズ(新4部作)で描かれてきたものです。
本作には、新4部作のその後の未来での、ウルヴァリンとプロフェッサーXが登場します。
また、本作『LOGAN ローガン』(2017)にはX-MENのほかのメンバーは登場せず、「1年前に学園で衝撃的な事件が起こった」ということが示唆されるのみ。
『LOGAN ローガン』(2017)の解説②:11歳の少女ローラとは何者なのか?

ローラ :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作『LOGAN ローガン』(2017)のもうひとりの主人公 ローラについてご紹介します。
ローラの特徴
ローラは、「殺人兵器として使えるミュータント」を生み出すための違法な遺伝子実験で誕生したミュータントのうちの1人。
メキシコシティにあるトランシジェン研究所で誕生。
トランシジェン研究所では、母親の体としてメキシコの女性たちを利用し、人工授精(体外受精)で目的のミュータントを出産させたあと母体を殺害して隠蔽し、ミュータントを製造していました。
ローラにはウルヴァリンの遺伝子情報が使われており、アダマンチウムの移植も受けています。
このことから、プロフェッサーXは、ローラのことを「ウルヴァリンの娘」と表現しています。
ローラの能力
ウルヴァリンとほぼ同じ能力を持ちますが、足先からもアダマンチウムの爪が生えることが特徴。
また、手の甲の爪は2本です。(ウルヴァリンは3本)
ヒーリングファクターがあるのもウルヴァリンと同じ。
足の爪の理由はプロフェッサーXによると、
「ローラの足に爪があるのは、女性だからだ」
「ライオンのメスはハンターであり保護者だ」
「前足の爪は狩りに、後ろ足の爪は防御に使う、生き残るために」
――プロフェッサーX
とのこと。
『LOGAN ローガン』(2017)の解説③:ローガン(ジェームズ・ハウレット)は、なぜチャールズとローラと逃避行するのか?
研究機関「アルカリ・トランシジェン」が引き起こした、ミュータントの子供たちの脱走事件に巻き込まれたため。
また、プロフェッサーXははじめからローラの存在を認識していて、助けようと思っていました。
一連の流れは下記の通りです。
「1週間前に計画が終了となった。子供は次々安楽死に。
私たちは子供を救うため北に逃がそうとした。ミュータントが集まる“エデン”という場所へ」
――ガブリエラ・ロペス
「エデン」は、X-MENのコミックに載っている座標(48.970333N,102.155491W)にある集合地点。(※この座標はノースダコタ(カナダとの隣州)のカナダ国境近く)
子供たちはそこで集合してカナダへと国境を越え、安全な土地に逃げる、という計画です。
ウルヴァリンは、「エデン」の座標がコミックに載っている座標と同じなことに気づいて、「ローラとガブリエラはコミックを信じ込んでいる」と考えましたが、子どもたちは実際にコミックを元ネタに集合地点を決めていたようです。
『LOGAN ローガン』(2017)の解説④:X-24とは何者?ローガンとの戦いに勝ったのはどっち?

X-24 :© 2016 - Twentieth Century Fox
X-24は、「アルカリ・トランシジェン」が開発した、ウルヴァリンの凶暴なクローン。
その前に開発していたミュータントの子供たち(X-23)にはあまり凶暴性がなく、兵器としては失敗。
そこではじめから凶暴性を組み込んで、X-24を製造。
X-24は母体から出産されたのではなく、外見含めウルヴァリンをコピーしてつくった人造人間です。
本作ラストのウルヴァリンとの戦闘では、X-24がウルヴァリンを枝に突き刺し、致命傷を与えました。
「会社は子供を兵器に変え、殺しを教え込んだ。子供は殺しを拒んだ。」
「新しいものが開発されていた。子どもたちより優れたものが。
それは魂を持たないとか」
――ガブリエラ・ロペス
「子供たちを育てて分かったが、凶暴性は後から教え込めない。
だから彼には初期設定で凶暴性を植えつけた」
――ザンダー・ライス博士
『LOGAN ローガン』(2017)の解説⑤:ローラがローガンの墓標の十字架を「X」の形にするのはなぜ?
「X-MENのメンバーでありヒーロー」としてのウルヴァリンのアイデンティティに敬意を払っているため。
十字架よりも「X」がふさわしい、という考えです。
『LOGAN ローガン』(2017)の解説⑥:ローラが言った最後の言葉はなに?
ローラがウルヴァリンの墓に向けて言った言葉は、映画『シェーン』(1953)の台詞の引用。
『シェーン』(1953)は、ローラとプロフェッサーXがカジノホテル(ハラーズ・ホテル&カジノ)の部屋で観ていた映画。
ローラが言ったのとほぼ同じ台詞が、カジノホテルのシーンで流れています。
「人の生き方は決まってる。変えられない。人を殺した者は、元には戻れない。
正しくても、人殺しの烙印を押される。
帰ってママに、 もう大丈夫だと伝えろ。
谷から銃は消えた」
――ローラ
以上『LOGAN ローガン』(2017)の疑問の解説でした。
『LOGAN ローガン』(2017)に伏線や繋がりはある?

ウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)の、これまでの作品との伏線部分をご紹介します。
それでは見ていきましょう。
①「ジェームズ・ハウレット」とは?『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』からの繋がり
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ローラに関する機密文書(ソースDNAがジェームズ・ハウレット) :© 2016 - Twentieth Century Fox
本作でたびたび登場する「ジェームズ・ハウレット」はウルヴァリンの本名(幼名)。
この名前は、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)で明かされていました。
ウルヴァリンのプロフィール・設定は、ほとんどが『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)でカバーされている情報なので、疑問が残っている方は一度『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)を観てみることをおすすめします。
②自由の女神は?『X-メン』(2000)との伏線
ウルヴァリンとプロフェッサーXの会話シーンで「自由の女神」に言及しているのは、『X-メン』(2000)との伏線。
自由の女神は、『X-メン』(2000)のラストバトルの場所でした。
「自由の女神で君を待ってる」
――プロフェッサーX「自由の女神はとっくの昔の話だ」
――ウルヴァリン
本作のこのシーンでプロフェッサーXが言いたかったのは、ローラが匿われていたモーテル「リバティ・モーテル(Liberty Motel)/Liberty Motor Motel」のこと。
認知症様の症状の影響か「自由の女神」(Statue of Liberty)と言っているようです。
それを聞いたウルヴァリンは、「プロフェッサーXが混乱して昔の話を持ち出している」と考えています。
ここで疑問が浮かぶのは、タイムラインの問題。
このシーンは、「旧3部作は“白紙”ではなく、新タイムラインにおいても、旧タイムラインでの出来事と似た出来事が起きているのかも?」と少し思わせるシーンです。
以下に簡単にご紹介します。
③ザンダー・ライス博士の父親?ウェポンX計画とは?『X-MEN:アポカリプス』や『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』との繋がり
ウルヴァリンは、1980年頃にアダマンチウムを移植する改造実験を受けており、それが「ウェポンX計画」。
本作の悪役ザンダー・ライス博士、の父親は、改造実験に立ち会っていた関係者とのこと。
またこの父親はウルヴァリンに殺されたそうです。
「父とは知り合いだな」
――ザンダー・ライス博士「俺の体にこの毒を入れたクソ野郎だ」
――ウルヴァリン「その1人だ」
――ザンダー・ライス博士「俺が奴を殺した」
――ウルヴァリン「そうらしいな」
――ザンダー・ライス博士
ウルヴァリンが改造されるシーンは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)で登場。
しかしそこでの改造実験は旧タイムラインの出来事です。
つまり本作(※新タイムライン)から繋がっている過去ではありません。
本作の過去、すなわち新タイムラインでのウルヴァリン改造時期に一番近い作品は、『X-MEN:アポカリプス』(2016)。
『X-MEN:アポカリプス』(2016)に登場したウルヴァリンは、すでにアダマンチウム改造が完了した状態で監禁されており、施設職員を大量に殺して脱走するシーンがありました。
以上『LOGAN ローガン』(2017)の伏線や繋がりの解説でした。
『LOGAN ローガン』(2017)の続編やシリーズを解説

ローラとウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)は、X-MENシリーズ 10作目。
ここからは、本作を観る順番について、下記の2つに分けてご紹介します。
それでは見ていきましょう。
『LOGAN ローガン』(2017)の続編は?
本作はウルヴァリン スピンオフの完結作。
そのため続編はありません。
時系列的に言っても、本作は映画X-MENシリーズのなかでも最も未来の出来事であり、この続きはありません。
歴史改変を行ったことを含め、旧・新タイムライン両方の存在を知っているのが、ウルヴァリンとプロフェッサーX。
(※シリーズ全体の時系列は、X-MEN時系列記事に記載しています。)
『LOGAN ローガン』(2017)を観る前にチェックしておきたい作品は?
『LOGAN ローガン』(2017)は、観ようと思えばストーリー自体は単体でも理解可能です。
しかしこれまでの過去を踏まえたほうが圧倒的に楽しめます。
ここでは『LOGAN ローガン』(2017)を観る前に観ておきたいシリーズ作品を重要度順に3つご紹介します。
①旧3部作、とくに第1作『X-メン』(2000)
本作は、「ミュータントチーム X-MENが活躍していた時代があった」ことを知っていることがとても大事!
旧3部作全部を観るのは大変かもしれませんが、1つくらいは観ておいたほうが実感がわきやすいです。
②『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)
ウルヴァリンの詳細設定が明かされるのが『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)。
これを見ていないと基本情報が分からず、本作についていきづらいかも。
③『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)
ここまで何度もご紹介しているように、X-MENシリーズのタイムラインは2つに分岐しています。
この分岐を生み出したのが、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)でウルヴァリンたちがおこなった歴史改変。
本作『LOGAN ローガン』(2017)は、「新タイムライン」の先にある未来であり、かつ、旧タイムラインの歴史を踏まえた作品でもあるため、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)でのタイムライン分岐の瞬間をチェックしておいたほうがより主要人物(ウルヴァリン、プロフェッサーX)の心境に近づけるはず。
以上『LOGAN ローガン』(2017)の続編やシリーズの解説でした。
『LOGAN ローガン』(2017)の最後は? ラストシーンや結末を解説
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ローラとミュータントの子供たち(X-23) :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)の結末をご紹介します。
『LOGAN ローガン』(2017)の結末・ラストシーン
ノースダコタにある目的地「エデン」にたどり着いたローラとウルヴァリン。
ローラはミュータントの子供たちと合流します。
しかし「エデン」の座標を書いたメモから、ドナルド・ピアースたち(アルカリ・トランシジェン関係者)に居場所がばれていました。
子供たちは、カナダに向けて出発した直後に、ドナルド・ピアースたちから襲撃を受けます。
自分の役目は終わったと思っていたウルヴァリンですが、ローラたちを助けるため、子供たちのもとに駆けつけ戦闘。
ボロボロになっている体を強くするために、能力を強める薬を全量注射して戦いました。
その後薬の効き目は切れ、放たれたX-24(ウルヴァリンの凶暴なクローン)が、ウルヴァリンを木に突き刺して殺害。
ローラはアダマンチウムの弾丸でX-24を射殺し、ウルヴァリンの最期を看取りました。
『LOGAN ローガン』(2017)の最後の解釈と考察
作中コミックで描かれた「エデン」とは違うものの、合流地点として「エデン」が実在していたことを知ったウルヴァリンは、自分たちミュータントの意義を少し思い直します。
コミックというフィクションを通じて、ミュータントの活躍が次の世代に受け継がれていたことを知ったウルヴァリンは、本作ラストで少しだけ救われたようです。
『LOGAN ローガン』(2017)のその後は?
ミュータントの子供たちは、ノースダコタの「エデン」で合流し、国境を越えてカナダのセイフヘイブンに向かう計画を立てていました。
なので本作のあとローラたちは、カナダに向かうことになります。
以上『LOGAN ローガン』(2017)の結末の紹介でした。
『LOGAN ローガン』(2017)の小ネタ・裏話・トリビア

ウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)の小ネタや裏話をご紹介します。
それでは見ていきましょう。
『LOGAN ローガン』(2017)でヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じるのは最後!
映画X-MENシリーズの最初から、ウルヴァリンを演じてきたヒュー・ジャックマンは、本作『LOGAN ローガン』(2017)でシリーズから卒業。
ヒュー・ジャックマンは、本作までに公開されてきたほぼすべてのX-MENシリーズ作品に出演しています。
『LOGAN ローガン』(2017)の時系列は複雑?時代設定が2029年になった理由
本作『LOGAN ローガン』(2017)は、「X-MENシリーズの他作品ですでに登場している時代(1960年~2000年前後)から離れた時代にすることで、より自由な物語を展開できる」ことを狙って2029年という近未来の設定になったとのこと。
ローラを演じた当時11歳の天才子役ダフネ・キーンはオーディションからのキャスティング

ローラを演じたダフネ・キーン:© 2017 Dominique Charriau
ローラを演じたダフネ・キーンは、本作に出演する前にはドラマ『The Refugees』(2014年~)に出演していた子役。
本作『LOGAN ローガン』(2017)でのローラ役は、オーディションを受けて選ばれたとのこと。
ダフネ・キーンは迫力ある戦闘シーンを自ら演じ、ヒュー・ジャックマンに引けをとらない、説得力のある表情での天才的な演技力が話題に!
プロフェッサーXとマグニートーの関係にはモデルが存在する?
コミックのX-MENは、1950~60年代のアメリカの公民権運動から強く影響を受けています。
プロフェッサーXのモデルは非暴力主義をとなえたキング牧師、マグニートーのモデルは過激派と言われたマルコムXです。
映画X-MENシリーズでも、ホロコーストや性的マイノリティといった差別に関するテーマを掲げ、常にこれらと戦ってきたシリーズです。
(詳しくは、下記のページの“『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)の考察「X−MENは現代の差別問題を描いた作品」”もご覧ください。)
さてそれを踏まえて、本作『LOGAN ローガン』(2017)を見ていると、プロフェッサーXや仲間であったウルヴァリンの活動は報われなかった、という印象を受けてしまいます。
確かにX-MENを主導してきた2人の物語は、荒野に追いやられたまま、ここでおしまいです。
しかし本作の締め方は、ローラの存在が、2人の歩んだ過去を継承する、というあたたかいものでもあります。
以上『LOGAN ローガン』(2017)の小ネタや裏話の紹介でした。
【レビュー】『LOGAN ローガン』(2017)の評価・評判

ウルヴァリンとキャリバン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)の低評価、高評価のレビューをそれぞれ紹介します。
【つまらない?】低評価のレビュー
気になるポイントとしては、「戦闘シーンの残虐性が高い」だったり、「展開が悲しい」などが挙がっていました。
また、X-MENシリーズを観てなくて本作だけ観た場合、感動ポイントがどこなのかよく分からないとのこと。
【面白い?】高評価のレビュー
本作は、ウルヴァリンが素晴らしい、と軒並み高評価!
ぼやかさず映した暴力描写も、硬派な印象に仕上がっていると好評。
また、『デッドプール』シリーズで本作のネタバレが登場しているので結末を知っていた、というコメントが結構ありました。
【海外の反応】興行収入やレビューの解説
『LOGAN ローガン』(2017)の興行収入は、世界興収6.1億ドル。
これは、『デッドプール』シリーズ、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)に次いで、シリーズ4位の好成績!
海外の観客レビューの印象も、日本のレビューサイトと同様、ウルヴァリンのラストにふさわしい出来、という高い評価に。
『LOGAN ローガン』(2017)の総合評価:X-MENの旅の終わり

ウルヴァリンの墓標のX :© 2016 - Twentieth Century Fox
ウルヴァリンとプロフェッサーXの最期を描いた『LOGAN ローガン』(2017)。
どこか別世界のような近未来での、シリーズを牽引してきた2人の退場がとても鮮烈でした。
『LOGAN ローガン』(2017)はエンドロール後に本編はある?

ローラとウルヴァリン :© 2016 - Twentieth Century Fox
『LOGAN ローガン』(2017)のエンドロール後には映像はありません。
X-MENシリーズの順番や時系列が知りたい方はこちら。
ウルヴァリン スピンオフの1作目『ウルヴァリン X-MEN ZERO』(2009)の考察や解説が知りたい方はこちら。
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