特集一覧
【ひどい?】映画『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の考察と結末!海外の反応やロケ地の解説

日本で撮影された『ウルヴァリン:SAMURAI(サムライ)』(2013)はウルヴァリンの日本番外編

本作は日本での評価はかなり微妙ですが、海外の反応は意外にもそれなり。

ヒロインのマリコ役やウルヴァリンの仲間になるユキオ役など、たくさんの日本人キャストのなかにウルヴァリンが単身飛び込みます

ラストにはなんとプロフェッサーXとマグニートーも登場?!

ここからは『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の、キャラクター・キャストの紹介、感想と考察、日本でのロケ地の紹介、時系列や続編の情報などをネタバレありで解説します!

【『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の評価】

項目 評価 点数
知名度 ★★★★☆ 80点
配役/キャスト ★★★★☆ 70点
ストーリー ★★★☆☆ 65点
物語の抑揚 ★★★★☆ 85点
アクションシーン ★★★★☆ 75点
リアルな日本の描写 ★★★★☆ 70点
[toc]

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の作品情報


ウルヴァリン:SAMURAI [AmazonDVDコレクション]

製作年 2013年
原題 The Wolverine
製作国 アメリカ
上映時間 126分
ジャンル アクション
監督 ジェームズ・マンゴールド
脚本 クリストファー・マッカリー(ノンクレジット)

マーク・ボンバック

スコット・フランク

主要キャスト ヒュー・ジャックマン(ローガン/ウルヴァリン)/日本語吹替:山路和弘

TAO(マリコ・ヤシダ(矢志田真理子))

福島リラ(ユキオ(雪緒))

真田広之(シンゲン・ヤシダ(矢志田信玄))

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の概要

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

最愛のジーンを亡くしてボロボロの生活を送っていたところを、謎の日本人女性 ユキオに連れ去られたウルヴァリン

ユキオはかつてのウルヴァリンの知人 ヤシダの部下であり、日本で危篤状態になっているヤシダのもとにウルヴァリンを連れてくるよう依頼されていた。

ユキオとともに日本に到着したウルヴァリンは、病床のヤシダから「永遠に生きるのは苦痛。お前を死なせてやる」と宣言されて驚く。

そんななかウルヴァリンは、ヤシダの孫娘 マリコが身の危険にさらされていることに気づき……。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)のキャスト・登場人物(キャラクター)を紹介

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の、登場人物キャストをご紹介します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)のキャスト・登場人物(キャラクター)
①ローガン/ウルヴァリン(演:ヒュー・ジャックマン)日本語吹替:山路和弘
②マリコ・ヤシダ(矢志田真理子)(演:TAO)
③ユキオ(雪緒)(演:福島リラ)
④シンゲン・ヤシダ(矢志田信玄)(演:真田広之)
⑤Dr. グリーン/ヴァイパー(演:スヴェトラーナ・コドチェンコワ)日本語吹替:甲斐田裕子
⑥ノブロー・モリ(森信郎)(演:ブライアン・ティー)日本語吹替:飛田展男
⑦ヤシダ(矢志田市朗)/シルバーサムライ(演:ハル・ヤマノウチ)日本語吹替:坂口芳貞
⑧ケンイチロウ・ハラダ(原田剣一郎)(演:ウィル・ユン・リー)日本語吹替:内田夕夜
⑨ジーン・グレイ(演:ファムケ・ヤンセン)日本語吹替:日野由利加
⑩チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:パトリック・スチュワート)日本語吹替:大木民夫《カメオ出演》
⑪エリック・マグナス・レーンシャー/マグニートー(演:イアン・マッケラン)日本語吹替:家弓家正《カメオ出演》

それでは見ていきましょう。

ローガン/ウルヴァリン(演:ヒュー・ジャックマン)日本語吹替:山路和弘

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

能力・特徴
・ヒーリングファクターをもつミュータント
・手の甲から3本の爪が生える能力
・アダマンチウムの骨格が特徴、ただし本作では骨の爪のシーンも

本作の主役であり、X-MEN旧3部作の事実上の主人公。

旧3部作ラストの『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)で愛するジーンを失ってボロボロになり、本作冒頭は山に引きこもっています

ユキオに連れられて日本へ。

本作では終始ジーンの悪夢にうなされています。

また、そのうち一度は実際にヴァイパーに襲われ小型ロボットを移植されており、そのために本作のウルヴァリンは大部分のシーンでヒーリングファクターを失っていることが特徴。(あとで、自力で心臓に張り付いていたロボットを取り出して復活します。)

ウルヴァリンのアダマンチウムの骨格は改造されたものなので、昔のシーンでは骨の爪だったり、アダマンチウムの爪を切られたときにも骨の爪が登場。

本作では日本人メンバーからは「クズリ」と呼ばれています。

ウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマンは、オーストラリア出身の超人気俳優。

ウルヴァリン役のほか、『レ・ミゼラブル』(2012)、『リアル・スティール』(2011)などが代表作。

マリコ・ヤシダ(矢志田真理子)(演:TAO)

マリコ:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

本作のヒロイン、ウルヴァリンと恋仲に。

イチロー・ヤシダ(メインヴィラン)の孫娘。

シンゲン・ヤシダの娘。

父親 シンゲンや、政略結婚予定の婚約者 ノブロー・モリらの策略に巻き込まれ、ノブロー・モリが雇った暴力団員に命を狙われています

また、死亡した(ことになっていた)イチロー・ヤシダの後継者に選ばれたことにより、父親 シンゲンに恨まれ殺されかけます。

剣術の才能があるとのこと。

マリコを演じたTAOは、日本人のモデル、女優。

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)で映画デビュー。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)にも出演しています。

ユキオ(雪緒)(演:福島リラ)

ユキオ:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

能力・特徴
・その人が死ぬシーンを見られる予知能力をもつミュータント
・日本人であり、剣術が得意

カナダに潜伏していたウルヴァリンを探し出し、日本に連れていった人物。

ユキオは孤児でありイチロー・ヤシダに拾われ、マリコと姉妹のように一緒に育ち、そしてイチロー・ヤシダに仕えていました

本作ではウルヴァリンの仲間として活躍。

ミュータントとしての、死を予知する能力に関しては、実際に予知が当たったシーンがなく詳細不明。

本作でユキオを演じた福島リラは、日本人のモデル、女優。

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)で女優デビュー。

その後も国内外で女優として活躍しています。

イチロー・ヤシダ(矢志田市朗)/シルバーサムライ(演:ハル・ヤマノウチ、山村憲之介(青年期))日本語吹替:坂口芳貞

イチロー・ヤシダ(シルバーサムライ):© 2012 - Twentieth Century Fox Film

シルバーサムライ(イチロー・ヤシダ):© 2012 - Twentieth Century Fox Film

シルバーサムライの特徴
・パワードスーツはウルヴァリンの骨格と同じくアダマンチウム製
・シルバーサムライのなかに入っていたのは、実は生きていた(※)イチロー・ヤシダ
(※パワードスーツのおかげで生きられたとのこと)
・パワードスーツの両手先部分に、ウルヴァリンの骨髄からヒーリングファクターを奪う装置が組み込まれています

本作のメインヴィラン

癌で死ぬことを受け入れられず、かつての恩人であるウルヴァリンのヒーリングファクターを奪おうとします

ウルヴァリンとイチロー・ヤシダは二次大戦時の長崎で出会い、原爆投下の被害からウルヴァリンがイチロー・ヤシダを助け、命の恩人に。

イチロー・ヤシダは、戦後、巨大複合企業「矢志田産業」の経営者として成功し、今に至ります。

最終的にはシルバーサムライとしてパワードスーツで登場し、ウルヴァリンのヒーリングファクターを無理矢理自分に移植しようとしましたが、移植途中でマリコに刺されて失敗。

その後ウルヴァリンに突き落とされ崖下に転落。

シルバーサムライの武器は、両手で掴むと炎が出る

最終決戦ではウルヴァリンもこの刀を使用しました。

イチロー・ヤシダを演じたハル・ヤマノウチは、日本出身、イタリアで活動している俳優。

シンゲン・ヤシダ(矢志田信玄)(演:真田広之)

本作の悪役の1人

イチロー・ヤシダの息子。

マリコ・ヤシダの父親。

ノブロー・モリの共謀者

イチロー・ヤシダが癌の治療費に巨額の資金をつぎ込んだために傾いた会社の損失を、シンゲン・ヤシダが隠蔽しており、そのこともあってか政界との繋がりを求めていたシンゲン・ヤシダは、法務大臣であるノブロー・モリを、マリコと婚約させていました。

イチロー・ヤシダの遺言状によると息子である自分ではなくマリコが後継者に選ばれていると知って、マリコを消そうとしていた可能性も。

本作では、実際に自分の手で娘を殺そうとします

ウルヴァリンとも殺し合いになり、首を刺されて死亡。

シンゲン・ヤシダを演じた真田広之は、日本でも有名俳優でありながら海外の大作映画にも多数出演。

出演作は、『47RONIN』(2013)、『ラスト サムライ』(2003)、『ライフ』(2017)など。

マーベル映画作品では、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)にも、クリント・バートン(ホークアイ/ローニン)との戦闘シーンで出演。

Dr. グリーン/ヴァイパー(演:スヴェトラーナ・コドチェンコワ)日本語吹替:甲斐田裕子

ヴァイパー:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

ヴァイパー:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

能力・特徴
・ヴァイパー(毒蛇)のような特徴をもつミュータント
・毒を吐く能力、蛇のような舌が特徴
・鋭利な爪を伸ばして凶器に
・全身の皮膚を脱皮させて、傷を治癒させる
・毒物への耐性
・毒物についての科学知識
・ウルヴァリンに、ヒーリングファクターを抑制する小型ロボットを移植

本作のヴィランの1人

イチロー・ヤシダに雇われている博士、主治医。

シルバーサムライのパワードスーツ管理など、イチロー・ヤシダに従って計画を遂行していたようです。

ラストでユキオと戦闘し死亡。

ヴァイパーを演じたスヴェトラーナ・コドチェンコワは、ロシア人の女優。

『裏切りのサーカス』(2011)などに出演。

ノブロー・モリ(森信郎)(演:ブライアン・ティー)日本語吹替:飛田展男

ノブロー・モリ:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

本作の悪役の1人

法務大臣

シンゲン・ヤシダの共謀者

シンゲン・ヤシダとの策略によって、マリコにあてがわれていた婚約者

暴力団員を雇ってマリコを襲わせています

ウルヴァリンに尋問されたあと、プールに墜落。

ノブロー・モリを演じたブライアン・ティーは、日本出身、アメリカ育ちの俳優。

『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006)に出演。

ほか、多数の海外ドラマにゲスト出演しています。

ケンイチロウ・ハラダ(原田剣一郎)(演:ウィル・ユン・リー)日本語吹替:内田夕夜

忍者の組織「ブラック・クラン」のメンバー。

「その絵は、私の生まれ故郷の村だ。描かれているのは、“ブラック・クラン”。忍者の戦士たちだ。

私の一家に、700年仕えてきた」

――イチロー・ヤシダ

イチロー・ヤシダの手下なので、ヴィラン側。(ただしラストではウルヴァリンとマリコを助けました。)

イチロー・ヤシダの命令でマリコを守りますが、元恋人であるマリコへの愛情も残っている様子。

イチロー・ヤシダの側近であるヴァイパーも同じ側ですが、不和。

ケンイチロウ・ハラダを演じたウィル・ユン・リーは、『007 ダイ・アナザー・デイ』(2002)、『トータル・リコール』(2012)、『カリフォルニア・ダウン』(2015)などに出演。

ジーン・グレイ(演:ファムケ・ヤンセン)日本語吹替:日野由利加

ジーン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

能力・特徴
・ジーンと“フェニックス”の二重人格
・ジーンはサイコキネシス(念力)の能力があるミュータント
・“フェニックス”は凶暴な別人格、誰よりも強大なパワーを持つ

旧3部作の『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)ですでに死亡しているX-MENのメンバー

暴走してすべてを破壊していたフェニックスをとめるために、相思相愛だったウルヴァリンの手によって殺害されています。

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)では、ウルヴァリンがうなされている幻覚として登場。

ファムケ・ヤンセンは、代表作X-MENシリーズのほか、『007 ゴールデンアイ』(1995)、『96時間』(2008)などに出演。

ちなみに、X-MENのリーダーであり前作『ウルヴァリン X-MEN ZERO』(2009)にもチラッと出ていたサイクロップス(スコット)は本作には登場していません。

チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:パトリック・スチュワート)日本語吹替:大木民夫《カメオ出演》

プロフェッサーX(『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)より):© 2006 Twentieth Century Fox

能力・特徴
・世界最強のテレパス(※)
(※人の思考を読んだり、思い通りに操る能力を持っています)
・X-MENの創始者

『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)でフェニックス(ジーンの別人格)に殺されるシーンがありましたが、本作では完全復活。

エリック・マグナス・レーンシャー/マグニートー(演:イアン・マッケラン)日本語吹替:家弓家正《カメオ出演》

マグニートー (『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)より):© 2006 Twentieth Century Fox

能力・特徴
・磁力を操るミュータント
・ヴィランであり、“ブラザーフッド”のリーダー

『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)でキュアを打たれて一時的に能力を失っていましたが、本作では復活。

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)のキャスト・登場人物(キャラクター)の紹介でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の感想と考察

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は、X-MENメインシリーズ3部作のその後を描いた、ウルヴァリンのスピンオフ作。

ここからは、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の感想本作のテーマの考察をご紹介します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の感想

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

まずは、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の感想を4つご紹介します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の感想
①ジーンを失ったウルヴァリンは……
②日本描写満載!コミックでのウルヴァリンの日本通ぶりをフィーチャー
③日本人が本作を観ると……?
④X-MENファンにはラストにも見どころが?!

それでは見ていきましょう。

ジーンを失ったウルヴァリンは……

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)はスピンオフであるとともに、意外にも『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)からの続き要素が見どころ。

「愛するジーンをその手で殺してしまったウルヴァリンはその後大丈夫だったのか……?」と思っていた方は本作を観てみましょう!

日本描写満載!コミックでのウルヴァリンの日本通ぶりをフィーチャー

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の舞台は、ほぼ全編が日本

「途中で日本のシーンがある」という映画は多いですが、本作はむしろ、序盤以外ずっと日本が舞台です。

コミックでのウルヴァリンは日本人の恋人がいたり日本を訪れて戦ったりしているそうで、その部分を最大限に取り入れた作品に。

そして実際に日本で撮影しているため、「普通の日本の街並みにウルヴァリンがいる……」という面白い感覚が味わえます。

日本人が本作を観ると……?

日本で生まれ育った人が本作を見るとかなりのカオスに!

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は、登場するほぼ全員が日本語&英語両方で演技しており、その演じ方のバリエーションがほんとうにさまざま!

そして日本語も普通に理解できてしまう私たち日本人にとっては大変独特な作風に感じられます。

X-MENファンにはラストにも見どころが?!

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の本編終了後の映像では、「プロフェッサーXとマグニートーがウルヴァリンを待ち伏せして出迎える」という、あたたかい反面ちょっと怖いシーンが。

ミュータントがあまり登場しなかった本作ですが、この本編終了後の映像で、「X-MENシリーズに戻ってきた」という雰囲気に。

そしてプロフェッサーXとマグニートーといえば、『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)でだいぶダメージを負っていたはずの2人ですが、本作では無事に復帰

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の感想でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の考察

ジーンとウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の考察を3つご紹介します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の考察
①ジーンへの罪の意識を昇華
②ウルヴァリンが再びヒーローに戻る
③監督はジェームズ・マンゴールドであり次作『LOGAN/ローガン』(2017)と同じ

それでは見ていきましょう。

ジーンへの罪の意識を昇華

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)での出来事を通して、生に迷っていたウルヴァリンが、生きることを選べるように

本作でヤシダ(シルバーサムライ)がウルヴァリンの死への願望をゆさぶってくるのは、ヤシダがそういうヴィランだからというだけの展開ではなく、ウルヴァリンのなかにある「生きることを手放そうとしていた気持ち」を描写するための要素でした。

本作ラストでウルヴァリンは、ジーンを殺してしまったことを、「みんなを救うためには仕方なかった」と受け入れ、なんとか立ち直ります。

「ずっといて」
――ジーン

「無理だ」
――ウルヴァリン

「いられるわ。それが望みでしょ」
――ジーン

「今は違う」
――ウルヴァリン

「私は寂しいわ。あなたのせいよ」
――ジーン

「君は人々を傷つけた。仕方なかった」
――ウルヴァリン

ウルヴァリンが再びヒーローに戻る

生きることを選んだウルヴァリンは、再び信念のために戦うことを決意。

本作でウルヴァリンに「大事な人を助ける」という気持ちを思いださせ、死の願望をはねのけさせたのは、命の危機にあった本作ヒロインのマリコの存在でした。

「まだヒーローを?」
――ジーン

「奴らが彼女の命を狙ってる」
――ウルヴァリン

「放っておいて。死ぬのは簡単よ。一緒に来て」
――ジーン

「俺は兵士だ、もう隠れていられない」
――ウルヴァリン

監督はジェームズ・マンゴールドであり次作『LOGAN/ローガン』(2017)と同じ

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の監督はジェームズ・マンゴールドであり、これは意外にも続編『LOGAN/ローガン』(2017)と同じ

あまりにも雰囲気が違うので「別の製作陣に変わった?」と思ってしまいますが同じなのです。

確かに、よく知らぬ土地で硬派にさすらう感じだったり、ヒーリングファクターを失ったウルヴァリンがハードボイルドに戦闘、など考えてみれば共通項はあるのかも。

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の考察でした。

【なぜ?】『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)ひどいと言われる理由・疑問を解説

ヴァイパーとウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の疑問を下記の順に解説します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の疑問を解説
解説①:時系列はどこ? X-MENシリーズとの関連性とは?
解説②:なぜ日本が舞台なのか?実際のロケ地はどこ?
解説③:ローガン(ウルヴァリン)がカナダの山奥で暮らしているのはなぜ?
解説④:ヤシダの孫娘のマリコがヤクザから襲われるのはなぜ?
解説⑤:登場した日本人女優はだれ?
解説⑥:ローガン(ウルヴァリン)に立ちはだかるヴィランとは?

それでは見ていきましょう。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の解説①:時系列はどこ? X-MENシリーズとの関連性とは?

本作の時系列について、下記の3つに分けて解説します。

①タイムライン改変の影響は?
②X-MENメインシリーズとどう繋がっている?
③年代設定はいつ?

それでは見ていきましょう。

タイムライン改変の影響は?

映画X-MENシリーズのタイムラインが2つに分かれていることを踏まえて、本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は“旧タイムライン”の出来事。

(ただし二次大戦時の長崎のシーンは“新・旧タイムラインに共通”する出来事です。)

したがって、「新タイムライン(※)で本作の事件は起きているのか?」、「新タイムラインのウルヴァリンが本作のころどうしているのか?」は不明です。

(※『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)での歴史改変によって誕生した、1973年以降の新しい歴史。

またこれによって旧タイムラインは消滅します。)

X-MENメインシリーズとどう繋がっている?

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の時系列は、旧3部作(ミュータントチーム“X-MEN”の活動を描いたシリーズ)完結のその後

旧3部作ラストの『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)のあとのウルヴァリンがどうなっているのかが描かれています。

年代設定はいつ?

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は2013年の出来事。

冒頭と途中で映った二次大戦のシーンは、1945年の長崎が舞台であり、ウルヴァリンとマリコの逃亡先の家もあの場所の付近です。

本編終了後の空港のシーンは、2015年の出来事です。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の解説②:なぜ日本が舞台なのか?実際のロケ地はどこ?

マリコとウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の舞台について見ていきましょう。

①日本が舞台となっている理由とは?
②実際のロケ地はどこなのか?

日本が舞台となっている理由とは?

ウルヴァリンが二次大戦中に日本で助けたイチロー・ヤシダ(シルバーサムライ)に呼び出された、というところから物語がスタートするため。

実際のロケ地はどこなのか?

東京でのロケ地は、葬儀シーンの舞台になった増上寺、ほか新宿駅秋葉原上野駅など。

逃亡先である長崎のシーンは、実際のロケ地は広島県福山市や鞆の浦、愛媛県今治市。

日本での撮影は2週間ほどだったようです。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の解説③:ローガン(ウルヴァリン)がカナダの山奥で暮らしているのはなぜ?

カナダの山で暮らしていたウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

相思相愛だったジーンを自分の手で殺してしまったトラウマから、過去の自分を捨て、ひとりでいることを選んだため。

人間との交流を絶ち、動物のように暮らしていました。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の解説④:ヤシダの孫娘のマリコがヤクザから襲われるのはなぜ?

婚約相手のノブロー・モリがヤクザたちを雇い、マリコを襲わせていたため。

シンゲン・ヤシダとの共謀が失敗しそうだと思ったノブロー・モリは、マリコを消そうとした様子。

(「シンゲン・ヤシダとノブロー・モリが共謀者であり、2人ともマリコに消えてほしいと思っている」、「ヤクザの直接の雇い主はノブロー・モリ」ということ以外詳細はよく分かりません。)

「なぜ法務大臣のお前が婚約者を殺そうとしてる?」
――ウルヴァリン

「シンゲンだ」
「発病してから矢志田は治療に数十億を費やした上、アダマンチウムを研究所に集めた。自分の延命のために。
会社は倒産寸前に追い込まれた。お前(ウルヴァリン)にご執心でね。」
「シンゲンは父親を守ろうと、会社の損失を隠蔽した。孝行の報いを得るために」
――ノブロー・モリ

「だが孫娘が相続者に
――ウルヴァリン

「マリコは婚約を破棄するだろう。遺書が開封されたら、私は嫌われてる」
「シンゲンは巨額の報酬を約束した」
――ノブロー・モリ

「だからお前はマリコを襲わせたのか?」
――ウルヴァリン

「なぜ父親に叩かれた?」
――ウルヴァリン

「警告したかった」
――マリコ

「おじいさんに何を聞いた?」
――ウルヴァリン

「祖父の死後、3日のうちに彼の遺書が開封され、私は日本で最も権力ある人間になると。
私が後継者に」
「イヤだった、祖父も知ってた」
「なぜ私を後継者に? 父の夢だったのに」
――マリコ

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の解説⑤:登場した日本人女優はだれ?

マリコ・ヤシダ役のTAOと、ユキオ役の福島リラは、ともに日本出身のモデル、女優。

マリコは本作のヒロイン、ユキオは味方側で唯一のミュータント、とどちらも重要な役柄でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の解説⑥:ローガン(ウルヴァリン)に立ちはだかるヴィランとは?

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)では、ウルヴァリンと出くわすほとんどの人物がウルヴァリンの敵

ここではまとめて簡単にご紹介します。

メインヴィラン ヤシダ/シルバーサムライ

ウルヴァリンに命を救われた過去があるにも関わらず、ウルヴァリンのヒーリングファクターを奪い取ろうとした人物。

死を拒絶するあまり強硬手段に。

マリコの父親 シンゲン・ヤシダ(矢志田信玄)

自分を差し置いて後継者に選ばれた娘のマリコのことを消そうとし、ウルヴァリンのことも殺そうとします。

ヤシダ家の繁栄に盲目的。

マリコの婚約者 ノブロー・モリ

ヤクザたちの雇い主。

シンゲン・ヤシダの共謀者。

シンゲンからの資金援助目当て。

弓の名手ケンイチロウ・ハラダ(原田剣一郎)率いる忍者軍団「ブラック・クラン」

イチロー・ヤシダに従うのでヴィラン側。

ただしマリコのことを守っているのでヴィラン側と分かりにくい上に、ラストではイチロー・ヤシダを裏切って味方側になります。

ヴァイパー

イチロー・ヤシダに従っているヴィラン、ミュータント。

忍者「ブラック・クラン」たちとは一応共謀者。

ウルヴァリンのヒーリングファクターを小型ロボットを用いて効かなくさせた人物。

ヤクザたち

ノブロー・モリに雇われてマリコを襲っています。

シンゲン・ヤシダも関わっている様子。

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の疑問の解説でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)に伏線や繋がりはある?

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)のストーリー自体はウルヴァリンの日本遠征番外編という感じなので、X-MENシリーズに影響する部分はとくにありません

とはいえ、シリーズのいくつかの作品とは繋がりがあるので、下記の順に解説します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)に伏線や繋がりはある?
①最も関連作は『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)
②『デッドプール2』(2018)にも本作のキャラが登場?
③『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)への伏線!

それでは見ていきましょう。

①最も関連作は『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)

プロフェッサーXとマグニートー、ストーム、ウルヴァリン (『X-MEN ファイナルディシジョン』(2006)より):© 2006 Twentieth Century Fox

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)でのウルヴァリンの心情は、『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)での出来事がベースにあります。

ジーンの悪夢にうなされるシーンなどは、『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)を観ていなければ分からない部分です。

②『デッドプール2』(2018)にも本作のキャラが登場?

ユキオとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(『デッドプール2』2018より):© 2018 Twentieth Century Fox

本作に登場した日本人ミュータント ユキオは、『デッドプール2』(2018)にも登場します。

『デッドプール2』(2018)のユキオは新タイムラインでのユキオということになり、プロフィールも能力も本作とは異なります

(本作では、人が死ぬシーンを見られる予知能力。

『デッドプール2』(2018)では電流を操る能力。)

『デッドプール2』(2018)でユキオを演じているのは、女優の忽那汐里

③『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)への伏線!

トラスク(『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)より):© 2014 - Twentieth Century Fox

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の本編終了後の映像では、トラスク・インダストリーズのCMが映っています。

トラスク・インダストリーズは、ミュータントの敵であるボリバー・トラスクが創設した会社。

ボリバー・トラスクはセンチネル(対ミュータントロボット)の考案者であり、トラスク・インダストリーズは実際にセンチネルを製造。

本作でマグニートーが言っているのはその話です。

「暗黒の力が存在する。人間が兵器を作り我々を滅ぼそうとしているのだ。

君の力を借りたい」

――マグニートー

この本編終了後シーンは、ミュータントとセンチネルが戦争になり、ウルヴァリンとプロフェッサーX、マグニートーたちが共闘する『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)への伏線

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の伏線、繋がりの解説でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の続編やシリーズを解説

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は、X-MENシリーズ 6作目

ウルヴァリン スピンオフでは2作目です。

ここからは、本作を観る順番について、下記の2つに分けてご紹介します。

①『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の続編は?
②『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)を観る前にチェックしておきたい作品は?

それでは見ていきましょう。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の続編は?

ウルヴァリン単独シリーズとしての続編は、ウルヴァリン スピンオフ3作目『LOGAN/ローガン』(2017)。

ウルヴァリン スピンオフ
①ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年)
②ウルヴァリン:SAMURAI(2013年)
③LOGAN/ローガン(2017年)

ただし『LOGAN/ローガン』(2017)は、ストーリー的に言うと、X-MEN新シリーズ(新4部作)からの続き要素が強いので、本作との関連はほぼありません

ストーリーの流れで考えると、本作の続編と言えるのは、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)。

この『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)は、X-MEN新4部作の2作目なのですが、時系列でいうと本作の次になります。

(ちょっと複雑なのですが、下記のようになっています。)

旧タイムライン(歴史改変前に存在した時系列)の一部抜粋(※)
ウルヴァリン: X-MEN ZERO[1800年代~1980年頃]/ウルヴァリン:SAMURAI(二次大戦のシーン)[1945年]
X-メン[2003年頃]
X-MEN2[2003年頃]
X-MEN:ファイナル ディシジョン[2006年頃]
ウルヴァリン:SAMURAI[2013年](空港シーンは2015年)
X-MEN:フューチャー&パスト(未来パート)[2023年]

(シリーズ全体の時系列は、X-MEN時系列記事に記載しています。)

上のリストのように、本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は旧タイムラインの出来事(※)であり、旧3部作完結のその後の出来事です。

(※ただし二次大戦時の長崎のシーンは新・旧タイムラインで共通です。)

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)を観る前にチェックしておきたい作品は?

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)を観る前にチェックしておきたい作品は、『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)。

ジーンを殺してしまい心を失くしているウルヴァリンがジーンの悪夢にうなされている本作のシーンは、『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)を観ていなければ意味がよく分かりません。

冒頭の、ウルヴァリンが山でひきこもって暮らしている部分も、ジーンの出来事があったためです。

なのでX-MENメインシリーズのファンの方は、『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)をおさらいしておきましょう

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の続編やシリーズの解説でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の結末をご紹介します。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の結末・ラストシーン

本作のラストは、シルバーサムライ(イチロー・ヤシダ)のふるさとの雪国の村にある、研究施設での戦い。

ウルヴァリン、ユキオ、ケンイチロウ・ハラダ(※)VS シルバーサムライ、ヴァイパー”という展開に。

(※最後の最後でシルバーサムライを裏切り味方に。)

シルバーサムライに、熱を発するアダマンチウム製の刀で爪を切られたウルヴァリンは、アダマンチウムの爪を両手とも失います

そして切られたアダマンチウムの爪の断面とシルバーサムライのパワードスーツを装置で連結し、シルバーサムライはウルヴァリンのヒーリングファクターを自分に移植しようとしていました。

移植の途中で、マリコが、切り取られて捨てられていたウルヴァリンの爪を使ってイチロー・ヤシダ(シルバーサムライ)の頭部を刺し、移植は中断され失敗

その後ウルヴァリンがシルバーサムライのパワードスーツを破壊し、イチロー・ヤシダを骨の爪(ウルヴァリンの本来の爪)で刺し、シルバーサムライ(イチロー・ヤシダ)は崖下に投げ捨てられました

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の最後の解釈と考察

本作のラストバトルのポイントは、「シルバーサムライのパワードスーツの中身が、実は生きながらえていたイチロー・ヤシダだった」のところ。

そしてシルバーサムライとの戦いで死にかけてジーンの幻覚を見たウルヴァリンは、ついにジーンの死を受け入れ、立ち直ります。

また、シルバーサムライに途中までヒーリングファクターを奪われていましたが、それによってウルヴァリンのヒーリングファクターが損なわれるようなことはなく、爪を切られたせいで骨の爪に戻ってしまったこと以外には今後に影響なし。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)のその後は?

ウルヴァリンはユキオとともに飛行機で旅立ち、ユキオはウルヴァリンに着いていくことにする、というところで一旦本編は終了。

そしてその2年後、プロフェッサーXとマグニートーに出迎えられたウルヴァリンは、またX-MENに協力することになる、という場面で本作は終了します。

本作の空港のシーン(※舞台は2015年)ではまだ世界は平和そうですが、この後状況は悪化し、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)の未来パート(※舞台は2023年)では、全世界が戦争によってボロボロに荒廃しています。

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の結末でした。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の小ネタ・裏話・トリビア

ユキオとウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の小ネタ原作の情報をご紹介します。

①『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は原作ではどの部分に当たる?映画化された内容を解説
②【ひどい?】日本を徹底リサーチして製作された本作のつっこみどころの解説

それでは見ていきましょう。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は原作ではどの部分に当たる?映画化された内容を解説

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の原案は、1982年の連載コミック『ウルヴァリン(Wolverine)』

これはコミックでのウルヴァリンの、初の単独シリーズでもあります。

シルバー・サムライやヤクザ、ニンジャと戦うのはコミックと共通。

コミックでのシルバー・サムライは、ミュータントの原田剣一郎。

ですが本作でのシルバーサムライ(イチロー・ヤシダが中身)については、コミックのオグンが元ネタではないかと言われています。

コミックのオグンは日本人のヴィランで、精神系の超能力を持つミュータントであり、ウルヴァリンのヒーリングファクターを自分に使おうとします。

原田剣一郎(コミックでのシルバー・サムライ、ミュータント)のほうは、本作ではニンジャのケンイチロウ・ハラダという設定に改変。

コミックでの原田剣一郎は矢志田信玄の非嫡出子であり、矢志田真理子(マリコ)とは異母きょうだい。(本作ではケンイチロウ・ハラダとマリコは元恋人であり、ここも設定変更あり。)

このように、シルバー・サムライ、ケンイチロウ・ハラダ周辺の設定はいずれも、「ミュータントではなく普通の人間」ということに変更されています。

またコミックでは、ウルヴァリンは矢志田真理子(マリコ)と婚約します。

【ひどい?】日本を徹底リサーチして製作された本作のつっこみどころの解説

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は、日本語でのシーンも多く、日本で撮影されたこともあり、日本人が観るとかなりチグハグな印象を受ける不思議な作品に。

「日本生まれでない方が観たら気にならないかも」ということを前提に、それでも日本人が観ると気になってしまうポイントをいくつか挙げておきます。

2言語が混ざった会話で、演技が違和感

なによりも1番気になるのが会話シーンの違和感。

ほぼ全員が英語も日本語も使っているなか、喋り方・演技の雰囲気ともに出演者によってかなりのバラツキが。

日本人同士、日本人しかいないのに英語で話しているシーンも

あまりないですが、たまにあります。

撮影地が身近すぎて、地理関係が気になる

これはとくに東京都内在住の方は気になるのかと思われます。

増上寺、秋葉原、上野駅、と移動時間がリアルに分かってしまうのに、劇中ではさも徒歩数分のように描写されていて「それは無理……」となってしまうことに。

銃所持率が高すぎる

敷地内の警備をしていて、見える位置に普通に銃を構えているのは日本では難しそうです。

暴力団員が強すぎる

新幹線の上でウルヴァリンと渡り合っていた暴力団員たちにどうしても違和感。

これは海外の方のコメントでも、「おかしく感じる」というものもあれば「良いアクションシーンだった(から気にならない)」という意見もありました。

以上『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の小ネタや原作の情報でした。

【レビュー】『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の評価・評判

ヴァイパーとウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の低評価、高評価のレビューをそれぞれ紹介します。

【つまらない?】低評価のレビュー

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の低評価レビュー
Filmarks:★☆☆☆☆ 1.0
「日本描写がめちゃくちゃ」
映画.com:★☆☆☆☆ 1.0
「メインヴィランの人間性がひどい」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★☆☆☆ 2.0
「冒頭とエンドロールの映像はいいけど」

日本のシーンから、「海外の人にウケそうかも……?」という特有の雰囲気は伝わってくるものの、それが面白いかと言われると微妙、という感想に。

そして本作はヴィラン側のお家騒動がごちゃごちゃしているので、意外と話が分かりにくいです。

【面白い?】高評価のレビュー

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の高評価レビュー
Filmarks:★★★☆☆ 3.0
「日本人キャストが多数出ているのがよかった」
映画.com:★★★☆☆ 3.0
「日本にやってきたウルヴァリンの言動が微笑ましい」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★☆ 4.0
「ヒュー・ジャックマンがいつも通り良い」

違和感のある描写をギャグとして受け止めた場合、わりと楽しめるとのこと。

海外のレビューサイトでは、剣術を取り入れている影響か、本作のアクションシーンが比較的好評なようです。

【海外の反応】興行収入やレビューの解説

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の興行収入は、世界興収4.1億ドル、日本興収8.1億円。

旧3部作完結後の、スピンオフ製作の流れのなかでは、本作は成功したほうに入ります

(旧3部作の世界興収は、それぞれ4億ドルくらい。

その後スピンオフ公開の流れになり、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)が3.7億ドル、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)が3.5億ドル、その次の公開が本作です。)

内容については、レビューサイト Rotten Tomatoesを参考にすると、「まあまあいいけど、ラストの“シルバーサムライの正体判明→戦闘”あたりの展開が微妙」という雰囲気。

しかし日本人が観た場合に比べると、好意的に鑑賞できるようです。

これはウルヴァリン スピンオフの1作目『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)との比較で顕著なのですが、日本では1作目のほうがおおむね好評であり、海外レビューを見ると、「1作目より本作のほうが良い」というコメントがちらほら見受けられます

※ここより下は2020年11月の時点でのスコアを載せています。

ウルヴァリン1作目とどちらが高評価?
本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)はトマトメーター 71%、観客スコア 69%
これは1作目『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)の、トマトメーター 37%、観客スコア 58%よりも少しいいのです。(※観客スコアで比較)
(ちなみに、メインシリーズ第1作『X-メン』(2000)が、それぞれ82%/83%。)
比べて、ほとんどが日本人利用者であるFilmarks(https://filmarks.com/)での評価は、本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は2.9点、1作目『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)が3.5点。(5点満点中)
(こちらも比較対象として『X-メン』(2000)は3.5点。)

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)の総合評価:ウルヴァリン日本編&ジーンとの別れ

ウルヴァリン:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

つっこみどころが多すぎる『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)。

それでも、ジーンとの決別、心の整理をつける展開は要チェック

X-MENシリーズファンの方は、ラストの空港のシーンのために観ましょう!

それ以外はメインシリーズとは特に影響しません。

『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)はエンドロール後に本編はある?

ユキオ:© 2012 - Twentieth Century Fox Film

本作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)は、エンドロールの途中で映像があります。

マグニートーとプロフェッサーXが登場する空港のシーンで、舞台は本編の2年後です。

ウルヴァリンはとある空港の金属探知機付近にいて、周囲の金属が突然揺れ出し、マグニートーが登場。

「暗黒の力が存在する。人間が兵器を作り、我々を滅ぼそうとしているのだ。
君の力を借りたい」
――マグニートー

そして周囲の全員の動きが突然止まり、プロフェッサーXも登場。

ウルヴァリンは、『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)でプロフェッサーXが死亡したと思っているので、驚いています。

この本編終了後映像の時点では、ウルヴァリンはまだ骨の爪です。(本作で切られてそのままのようです。)

また空港のモニタ画面では、トラスク・インダストリーズのCMが流れています。

「トラスク・インダストリーズが明日の問題を解決します」
――トラスク・インダストリーズのCM

というわけで、ボリバー・トラスクがミュータントと敵対する『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)への伏線です。

上述のマグニートーの台詞は、トラスク・インダストリーズのロボット兵器 センチネルのこと。

X-MENシリーズの順番や時系列が知りたい方はこちら。

本作のストーリの続編となる、新4部作2作目『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)の考察や解説が知りたい方はこちら。

旧三部作の第三作となる『X-MEN3 ファイナルディシジョン』(2006)の考察や解説が知りたい方はこちら。

おすすめの記事