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レディ・オア・ノット_感想・考察

『レディ・オア・ノット』(2019)は、富豪の家に嫁いできた花嫁を旦那の家族が本気で殺しにくるというホラースリラームービーです。

本作はファンタジア国際映画祭でプレミア上映されました。

過激な描写もあるためR-15指定となっており、生きるか死ぬかの緊張感が大きな見どころ。

批評家から絶賛された命がけのかくれんぼ『レディ・オア・ノット』(2019)について、感想・考察、ゲームの内容を解説していきます!

『レディ・オア・ノット』(2019)の評価

項目 評価 点数
知名度 ★★★★☆ 80点
配役/キャスト ★★★★☆ 70点
ストーリー ★★★★☆ 85点
物語の抑揚 ★★★★☆ 85点
ホラー ★★★★☆ 80点
スリリング ★★★★☆ 85点

目次

『レディ・オア・ノット』(2019)の作品情報


レディ・オア・ノット (吹替版)

製作年 2019年
原題 Ready or Not
製作国 アメリカ
上映時間 95分
ジャンル ホラー
監督 マット・ベティネッリ=オルピン/タイラー・ジレット
脚本 ガイ・ビューシック/R・クリストファー・マーフィー
主要キャスト サマラ・ウィーヴィング(グレース)/ 日本語吹替:志田有彩

アダム・ブロディ(ダニエル・ル・ドマス)/ 日本語吹替:阪口周平

マーク・オブライエン(アレックス・ル・ドマス)/ 日本語吹替:川原元幸

ヘンリー・ツェーニー(トニー・ル・ドマス)/日本語吹替:飛田展男

『レディ・オア・ノット』(2019)の概要

結婚するグレースとアレックス:ⒸSearchlight Pictures

グレースは富豪の家の出身であるアレックス・ル・ドマスと結婚することになり、ル・ドマス家の豪邸にやって来る。

ル・ドマス家の人間と対面したグレースは、その日の夜、ル・ドマス家伝統のゲームに参加することに。

一同が集まった場でくじ引きをした結果、かくれんぼをすることになる。

しかし、そのかくれんぼは普通のかくれんぼではなく、ル・ドマス家の人間がグレースを殺しにかかるという悪夢のゲームだった。

タイムリミットは夜明けまで。

命がけのかくれんぼをすることになってしまったグレースは、ル・ドマス家の人間から生き延びることができるのか。

『レディ・オア・ノット』(2019)の登場人物・キャラクターを解説

グレース:ⒸSearchlight Pictures

ここでは『レディ・オア・ノット』(2019)の登場人物・キャラクターを解説していきます。

グレース(サマラ・ウィーヴィング)

グレース:ⒸSearchlight Pictures

富豪の御曹司アレックスと結婚する花嫁。

名家のル・ドマス家に嫁いできたが、伝統のゲームでかくれんぼを引き当てたことにより、彼らから命を狙われてしまう。

広大なル・ドマス家の屋敷を必死で逃げ回る。

演じたのは、女優・モデルとして活躍するサマラ・ウィーヴィングです。

アレックス・ル・ドマス(マーク・オブライエン)

アレックス:ⒸSearchlight Pictures

ル・ドマス家の御曹司であり、グレースと結婚する。

ダニエルという兄を持つ。

命を狙われてしまった愛するグレースを屋敷の外に逃がすため家族に反抗するが、捕まってしまう。

演じたのは、マーク・オブライエンです。

ダニエル・ル・ドマス(アダム・ブロディ)

ダニエル:ⒸSearchlight Pictures

ル・ドマス家の御曹司であり、アレックスの兄。

弟想いの優しい面を持つ。

銃を使い、グレースを追い詰めていくが……。

演じたのは、アダム・ブロディです。

トニー・ル・ドマス(ヘンリー・ツェーニー)

トニー:ⒸSearchlight Pictures

ル・ドマス家の主であり、アレックスとダニエルの父。

グレースの義父となる。

伝統のゲームを主催し、かくれんぼを引き当てたグレースの命を狙う。

演じたのは、ヘンリー・ツェーニーです。

ベッキー・ル・ドマス(アンディ・マクダウェル)

ベッキー:ⒸSearchlight Pictures

アレックスとダニエルの母であり、トニーの妻。

グレースの養母となる。

夫のトニーらと共にグレースの命を狙いにいく。

演じたのは、アンディ・マクダウェルです。

『レディ・オア・ノット』(2019)の感想と考察

ル・ドマス家の人々:ⒸSearchlight Pictures

『レディ・オア・ノット』(2019)の感想

『レディ・オア・ノット』(2019)は旦那の家族が本気で殺しにかかってくるという荒唐無稽のような設定の映画ではありますが、そんなことは気にならないくらいスピーディーな展開とスリリングなストーリーに引き込まれます。

特に注目すべきは、花嫁であるグレースの逃走劇と彼女が次第に逆転していく強さを身に着けていく過程でしょう。

生きるか死ぬか、殺るか殺られるか。

そんなの緊張感のある展開が広大なル・ドマス家の屋敷の中で行われ、観ていて飽きることがありません。

また、意外性のある結末も必見。

グレースはル・ドマス家の人々から生き延びることができるのかと最後まで楽しむことができます。

ただ、本作は少しグロテスクと言いますか、残酷な描写があるので、そういった描写が苦手な人には多少注意が必要。

しかし、ダークコメディとして楽しめるので、普段ホラー系を観ない人にもぜひ観ていただきたい作品であります。

『レディ・オア・ノット』(2019)の伝えたいこと・主題を考察

『レディ・オア・ノット』(2019)の伝えたいこと・主題を考察していきます。

本作は、ホラーコメディ系の作品なので、伝えたいこと・主題といったメッセージ性はそこまでないのではないかと思います。

あるとすれば、「結婚相手の家族は大丈夫?」という警鐘を鳴らしている点でしょうか。

グレースはアレックスと結婚したことで、ル・ドマス家と付き合わなければならなくなってしまうわけですが、アレックスの家族は全員変わり者。

結果的にグレースは、アレックスの家族から殺されることになってしまいます。

結婚とは、相手(嫁・旦那)だけと付き合うわけではありません。

その家族とも付き合っていかなければならないのです。

もし、その家族の中に変わり者がいたとしたら?

変わり者でなくても、犯罪者であったりすれば、少なからず人生に影響が出てきてしまうでしょう。

あなたの結婚しようとしている家族は本当に大丈夫でしょうか。

結婚する前に彼(彼女)の家族と会っておいたほうが良いかもしれません。

『レディ・オア・ノット』(2019)のタイトルの意味とは?

グレース:ⒸSearchlight Pictures

レディ・オア・ノットの言葉としての意味を解説

「レディ・オア・ノット」の意味は、英語にすると「Ready or Not」となり、直訳で「準備ができたか?(まだか?)」という意味になります。

「Ready or not,here I come!」は、かくれんぼの時、鬼が言うセリフで、「準備ができていようといまいと、探しに行くよ!」という意味。

より分かりやすく言えば、「鬼が行くよ!」という意味で、日本でかくれんぼする時の決まり文句「もういいかーい?まーだだよー」に当たります。

物語を通じてのレディ・オア・ノットの意味を解説

物語を通じてのレディ・オア・ノットの意味は、本作で繰り広げられる命がけのかくれんぼを表現していると言えるでしょう。

つまり鬼がル・ドマス家の人々で、逃げるグレースを捕まえる様子を表しています。

『レディ・オア・ノット』(2019)の意味不明な点、ゲームの内容を解説

ゲーム:ⒸSearchlight Pictures

『レディ・オア・ノット』(2019)のゲームのルールとはどのようなものか解説

ゲーム開催の期間

ゲームの開催期間は、結婚式当日(深夜)から夜明けまで。

グレースは夜明けまで生き延びれば勝ちとなります。

他にどのようなゲームがあるのか

ゲームはかくれんぼの他に、チェッカー、バックギャモン、チェス、ババ抜きがあることが明らかになっています。

なぜゲームを開催する必要があるのかを解説

ゲームはル・ドマス家の入会儀式であり、終わると正式な家族の一員となります。

アレックスと結婚し、ル・ドマス家の新しい家族となるグレース。

家族の一員として認められたいグレースは、ゲームに参加することにしました。

『レディ・オア・ノット』(2019)のゲームを決める箱とはなにかを解説

『レディ・オア・ノット』(2019)のゲームを決める箱とは、かつてル・ドマス家の先祖が商船に乗っている時、外国で出会ったル・ベイルという乗客からもらったものです。

それ以来、ル・ドマス家では、新しい家族にゲームをするしきたりが生まれました。

箱に白紙のカードを入れ、新しいメンバーに引いてもらい、ル・ベイルがゲームを決めます。

『レディ・オア・ノット』(2019)で花嫁がかくれんぼをするのはなぜかを解説

『レディ・オア・ノット』(2019)で花嫁がかくれんぼをするのは、グレースが「HIDE AND SEEK」という「かくれんぼ」を表すカードを引き当てたからです。

これによりグレースは、命がけのかくれんぼをすることになりました。

なぜ妻のグレースは助かったのか解説

妻のグレースが助かった理由は夜明けまで殺されずにすみ、ゲームに勝ったからでしょう。

まだ正式にル・ドマス家の一員となっていないグレースは、呪いにかからなかったと考えられます。

なぜ夫のアレックスは妻のグレースにゲームの存在を隠していたのか解説

ゲームのしきたりは、一族の掟であり、避けられないもの。

アレックスは、ゲームの存在を話してしまうとグレースが自分のもとから去ってしまうと恐れたので、ゲームの存在を隠していたのです。

グレースを愛しており、離したくなかったからと言えます。

なぜアレックス一族は死んだ?死因・爆発の原因を解説

アレックス一族が死んだのは、ゲームに負けたからでしょう。

彼らの死因は爆発死ではあるのですが、その原因は明らかになっていません。

おそらく非科学的なものであり、ル・ベイルの呪いのようなものだと考えられます。

なぜ夫のアレックスは妻のグレースを殺そうとしたのか解説

アレックスはグレースの心が自分から離れてしまったことを悟ったからだと考えられます。

離婚するくらいなら、もう愛されていないなら殺してしまおうとしたのではないでしょうか。

愛しているが故に反動が強かったのかもしれません。

なぜダニエルはグレースを助けようとしたのか解説

ダニエルは弟想いの兄であるので、その弟の嫁というわけで助けたと考えられます。

また、ダニエルはもともとル・ドマス家のゲームにあまり乗り気ではありませんでした。

理不尽な殺人ゲームに疑問を感じていたとも言えます。

命を狙われているグレースを不憫に思い、助けたのではないでしょうか。

『レディ・オア・ノット』(2019)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ル・ドマス家:ⒸSearchlight Pictures

『レディ・オア・ノット』(2019)の結末・ラストシーン

ル・ドマス家の人々からなんとか逃げ続けてきたグレースでしたが、最後にアレックスの裏切りもあり、捕まってしまいます。

儀式の場に連れ込まれ、包囲されてしまったグレース。

絶体絶命のピンチでしたが、タイムリミットである夜明けを迎えると、ル・ドマス家の人々は体を破裂させ、グレースは助かります。

この騒動で火災が発生し、ル・ドマス家の屋敷は炎上。

駆けつけた警察から何があったのか聞かれたグレースは「家のゴタゴタよ」と答えるというラストになりました。

『レディ・オア・ノット』(2019)の最後の解釈と考察

『レディ・オア・ノット』(2019)の最後で、駆けつけた警察から何があったのか聞かれたグレースの「家のゴタゴタよ」というセリフはとてもユーモアがあって笑えるものでした。

このラストのセリフで本作がただのホラー作品で終わらない、ダークコメディな作品に仕上がったといっても過言ではない、エッジの効いた一言になっているのではないでしょうか。

また、冒頭で可憐な花嫁の印象があったグレースがラストでは、炎上する屋敷を背景にたばこをふかしながら佇む姿が、どこかたくましさを感じる姿になっていた点も面白さがあるのではないかと思います。

意外性があり、スカッとする爽快感のあるラストでした。

『レディ・オア・ノット』(2019)の結末・ラストで生き残ったのは誰?

『レディ・オア・ノット』(2019)の結末・ラストで生き残ったのは、花嫁のグレースです。

グレースはゲームに勝ち、生き残りました。

『レディ・オア・ノット』(2019)のその後はどうなったのかを解説

ル・ドマス家の屋敷は炎上してしまったので、その後、救急隊や消防車が駆けつけてくるでしょう。

グレースはケガをしているので、病院に運ばれて治療を受けるのではないかと思います。

その際、警察から屋敷で起こったことを事情聴取されると推測できますが、グレースは「ショックで覚えていない」とはぐらかすのではないでしょうか。

本当のことを告白すると、頭がおかしいと思われるため、言わないのではないかと思います。

『レディ・オア・ノット』(2019)の評価・評判

グレース:ⒸSearchlight Pictures

【つまらない?】低評価のレビュー

『レディ・オア・ノット』(2019)の低評価はどのようになっているのでしょうか。

映画のレビューサイトをまとめてみると、

『レディ・オア・ノット』(2019)の低評価レビュー
Filmarks:★★★☆☆ 3,0
特別意外な展開はなかった。痛そうなシーン多し
映画.com:★★☆☆☆ 2.0
「命を狙われる理由も理不尽だし、夫もその親族も糞人間揃いで、そんな奴らからの単調な逃げ隠れがずっと続く」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★☆☆ 3.0
素人感出すならもっとコメディチックが良かった

という低評価レビューがありました。

痛いシーンや残虐なシーンは多いので、そういった描写が苦手な人は低評価になってしまうのかもしれません。

また、命を狙われる理由は納得できるものではないし、設定も荒唐無稽ではありますが、コメディ作品として気にしなければ楽しめるのではないでしょうか。

【面白い?】高評価のレビュー

『レディ・オア・ノット』(2019)の高評価はどのようになっているのでしょうか。

映画のレビューサイトをまとめてみると、

『レディ・オア・ノット』(2019)の高評価レビュー
Filmarks:★★★★☆ 4.8
まずコンセプトが面白い。全く飽きさせないテンポの良さと緊張感があってかなり楽しめた
映画.com:★★★★☆ 4.0
テンポよく進んでいくから、すごく見やすい!ちゃんと二転三転とストーリーも展開していって、面白い!ラストは爽快!
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★★ 5.0
ラストのどんでん返しがとてもスマート。このタイプの裏切られ方は久しぶりで笑える

という高評価レビューがありました。

テンポの良さや緊張感、意外性のあるラストに多くの高評価が集まっています。

特にラストに関しては、「爽快」「笑える」「驚く」という様々な反応が。

テンポの良さや緊張感だけでなく、ラストも必見です。

日本の映画レビューサイト映画.comの点数は5点満点中3.7という高評価になりました。

『レディ・オア・ノット』(2019)の総合評価:嫁vs旦那の家族のバトルロワイアル!

グレース:ⒸSearchlight Pictures

スピーディーな展開とスリリングなストーリーで魅了した『レディ・オア・ノット』(2019)。

逃げるだけでなく、逆襲に転じていくグレースに注目!

ユーモアのあるラストで、ただのホラー映画ではない作品に仕上げています。

痛々しい描写はありますが、ぜひ観ていただきたい良作のホラーコメディ映画です。

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