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映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の考察と感想、ラストで主人公は死ぬ?

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)は、ある一人の少年のペイ・フォワードという行動が社会や人を変えていくヒューマンドラマ映画です。

人間の善意をテーマとした本作は深く考えさせられる映画。

ケヴィン・スペイシーやヘレン・ハントなどアカデミー賞受賞者の実力派が出演しています。

観ると人に優しくしたくなるドラマ映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の考察と感想を紹介します!

【『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の評価】

項目 評価 点数
知名度 ★★★★☆ 70点
配役/キャスト ★★★★☆ 75点
ストーリー ★★★★☆ 75点
物語の抑揚 ★★★★☆ 75点
ドラマ ★★★★☆ 80点
名言 ★★★★★ 90点

目次

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の作品情報


ペイ・フォワード [DVD]

製作年 2000年
原題 Pay It Forward
製作国 アメリカ
上映時間 123分
ジャンル ドラマ
監督 ミミ・レダー
脚本 レスリー・ディクソン
原作 Pay It Forward
主要キャスト ハーレイ・ジョエル・オスメント(トレバー・マッキニー)/日本語吹替:進藤一宏

ケヴィン・スペイシー(ユージーン・シモネット)/日本語吹替: 田原アルノ

ヘレン・ハント(アーリーン・マッキニー)/日本語吹替:小林優子

ジェイ・モーア(クリス・チャンドラー)/日本語吹替:横堀悦夫

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の概要

トレバー:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

中学一年生になったトレバー・マッキニーは、社会科の最初の授業でシモネット先生に出会う。

シモネット先生は生徒らにある課題を出す。

その課題とは、「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題を考えることだった。

トレバーは一人の人間に親切にされたら三人の人間に同じことをする「ペイ・フォワード」を思いつく。

実際にペイ・フォワードを実行していくトレバーであったが……。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の感想と考察

トレバー:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の感想

善意の心を次から次へと渡していくアイデアは面白いと感じました。

誰だって人から親切にされて嫌な気分になる人などいないでしょう。

その感謝の気持ちを恩返しするのではなく、次の人に渡していき、善意でどんどん繋げていく。

善意の心が満ちていけば、世界が平和になる日もそう遠くないでしょうし、世界は良い方向へ向かっていくはず。

もちろんこれは理想論。

本作はその部分も衝撃的なラストできちんと描いています。

善意が必ずしも良い結果には繋がらないのだ、と。

ラストに関しては賛否両論ありますが、個人的にはありだと思っています。

本作で少し残念だと感じた部分は、ペイ・フォワードとは関係ないシモネット先生の話が展開してしまって少しテーマ性がずれてしまったこと。

むしろシモネット先生が主人公で、ペイ・フォワードのプロジェクトがサイドストーリーなのではないかと思ってしまいます。

シモネット先生が変わっていく姿はいい話なのですが、ペイ・フォワードをもっと深掘りしたストーリーが観たかったです。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の考察

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)のメッセージを考察していきます。

本作はどんな大きなことでも、まずは小さな一歩(行動)が大切だということを伝えているのではないでしょうか。

そもそもペイ・フォワードのきっかけとなったのは、「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題。

「世界を変える」なんてとんでもなく大きなことです。

しかし、そんな大きなことでもまずは行動を起こさないと何も始まりません。

実際、トレバーのペイ・フォワードの考え方は世に広まり、世界をそして人々を変えました。

きっかけは、三人に善意を施すというものだったのです。

どんなに大きな目標でも最初から諦めるのではなく、行動を起こしてできることからやっていく。

その小さな積み重ねが大きな目標を達成させる一番の近道なのではないかと思います。

まずは自分を信じて小さくてもいいから一歩を踏み出してみましょう。

そもそも「ペイ・フォワード」とはなんなのか?活動や仕組みの解説

トレバーとシモネット:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

「ペイ・フォワード」とは、一人の人間に親切にされたら三人の人間に同じことをする活動。

つまり誰かに親切にされたら、その人に恩を返すのではなく、別の三人に恩を渡す仕組みです。

恩返しではなく、恩渡し(恩送り)。

三人に恩を渡していくことで、その恩の連鎖はどんどん増えていくというわけです。

ちなみに「ペイ・フォワード」という言葉はアメリカやイタリアなど海外で起こった出来事が始まりと言われているそう。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の原題・タイトルの意味とは?

アーリーンとシモネット:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の原題・タイトルは、『Pay It Forward』。

「pay if forward」は、良い行いをされたらそれを他の人に同じくする、恩送りをするという意味。

「恩送りをする」という意味で使われる英語フレーズなのです。

邦題の『可能の王国』という副題は、課題を出したシモネット先生の「これは可能だ」という説明に由来していると考えられます。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)のは実話?原作や元ネタはある?

トレヴァーとシモネット:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の原作と元ネタ

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の原作は、キャサリン・ライアン・ハイドによる小説『Pay It Forward』です。

小説は2002年に角川文庫より刊行されています。

興味がある方は読んでみてはどうでしょうか。

【比較】映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の原作と映画版の違いは?

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の原作と映画版は、ストーリーも設定もかなり違っています。

原作では、ベトナム戦争やクリントン大統領、黒人差別も絡んでくるのですが、映画版にはそういったシーンは全くありません。

背景としては、原作のほうが壮大です。

また、映画版の舞台はラスベガスになっていますが、原作は違います。

【なぜ?】映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の疑問を解説

アーリーンとシモネット:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の解説①:作品が生まれるきっかけ

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の生まれるきっかけは、原作者であるキャサリン・ライアン・ハイドの実体験にもとづいているようです。

キャサリン・ライアン・ハイドは、治安の悪い町を運転していたのですが、エンストしてしまいました。

そこへ近づいてくる二人の男。

その二人の男に恐怖心を抱いていたキャサリン・ライアン・ハイドですが、なんと男は車の修理をしてくれたのだそう。

この体験がきっかけで「善意を他人へ回す」というアイデアが生まれました。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の解説②:主人公の少年トレバーが「ペイ・フォワード」を思いついたのはなぜ?

トレバーが「ペイ・フォワード」を思いついたのは、学校の課題があったから。

中学一年生になった時、トレバーは社会科の先生であるシモネット先生に出会います。

シモネット先生は生徒らに「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題を出しました。

この課題をきっかけにトレバーは「ペイ・フォワード」を思いつき、まずはホームレスの男を自宅に招いてお世話をするのです。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の解説③:ペイ・フォワードは失敗だった?

トレバーはペイ・フォワードが失敗だったのではないかと考えますが、失敗ではなかったと思います。

なぜならペイ・フォワードはトレバーの気づかないところで確実に広まっていたから。

トレバーが最初に助けたホームレスで麻薬中毒の男が自殺しようとする女性を助けるなど、トレバーの見えないところで善意は渡されていたのです。

ペイ・フォワードはラスベガスを越えてロサンゼルスへ。

善意のバトンは街を越えて広まっていました。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の伏線や繋がりを解説

トレバー:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の伏線①:記者の取材

映画の冒頭で立てこもり事件の取材をしようとした記者が車を壊されてしまいます。

途方に暮れていた記者でしたが、見知らぬ男性が車を譲りました。

その善意が信じられなかった記者は男性に取材を申し込み、ペイ・フォワードについて調べ始めます。

取材を重ねるうち、ペイ・フォワードの発端がトレバーだということにたどり着きました。

そうしてトレバーはテレビ出演することになり、彼の存在が世間に知れ渡ります。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の伏線②:いじめっ子の存在

本作ではいじめっ子が出てきます。

トレバーはいじめられている友達を何回か助けます。

このいじめっ子の存在が結末では大きな伏線となりました

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の伏線③:アーリーンとシモネットのロマンス

トレバーの母であるアーリーンとシモネット先生の恋愛も重要な伏線になっています。

シモネット先生は自分を変える勇気が持てなかったのですが、トレバーのおかげで勇気を持ち、アーリーンと結ばれます。

アーリーンとシモネットのロマンスはトレバーのペイ・フォワードの象徴だったと言えるかもしれません。

自宅で二人が寄り添うシーンは印象的でした。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の最後は? ラストシーンや結末を解説

アーリーンとシモネット:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の結末・ラストシーン

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の結末で、トレバーはいじめっ子からいじめられている友達を助けようとします。

しかし、いじめられっ子の一人が刃物を持っており、トレバーを刺してしまいました。

トレバーは病院へ運ばれますが、死んでしまいます。

の後、トレバーの自宅にはテレビで彼を知った人々がろうそくを持って、訪れるというラストになりました。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の最後の解釈と考察

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の最後は衝撃的でした。

この衝撃的な最後には賛否両論があります。

個人的には賛。

なぜなら善意は必ずしも良い結果に結びつくとは限らないと伝えているからです。

例えば、溺れている人を助けようとして自分も溺れて死んでしまったり、駅のホームから転落した人を助けようとして自分も電車に轢かれて死んでしまったりという事件が現実の世界でも起こっています。

こういった事件からも見ても、善意は必ずしも良い結果に結びつくとは限りません。

「予想外」を入れ込んだ点は評価できますし、良い話(現実を見せた)で終わらせなかった点も評価できると思います。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)のその後、現在は?

トレバーの始めたペイ・フォワードは今後も広まっていくでしょう。

テレビ出演したことで広く知れ渡り、実行する人も増えていくと思います。

もしかしたらアーリーンとシモネットは、トレバーの遺志を継ぎ、ペイ・フォワードを広める活動をするかもしれません。

【レビュー】映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の評価・評判

生徒たち:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

【つまらない?】低評価のレビュー

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の低評価はどのようになっているのでしょうか。

映画のレビューサイトをまとめてみると、

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の低評価レビュー
Filmarks:★★★☆☆ 3.0
「最後は要らない。泣かせるためか知らないが、無駄に人を殺す映画はNG」
映画.com:★★☆☆☆ 2.5
「問題は最後…なんで主人公が死んじゃうの?」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★☆☆☆ 2.0
「感動を呼ぶために主人公を殺してしまう無理やりかつ不必要な展開で全て台無しにしてしまう」

という低評価レビューがありました。

低評価で多かったのは、「ラストが納得できない」というレビュー。

やはり主人公が死んでしまうというラストは賛否があるようです。

また、「家庭問題の話と善意のプロジェクトの話がかみ合っていない」という低評価も目立ちました。

【面白い?】高評価のレビュー

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の高評価はどのようになっているのでしょうか。

映画のレビューサイトをまとめてみると、

『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の高評価レビュー
Filmarks:★★★★☆ 4.8
「人生で一番最初に出会った人の人生を変える力を持つと心から思える映画だったと思う」
映画.com:★★★★★ 5.0
「ラストは今まで見た映画の中で一番の感動」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★★ 5.0
「何て素敵な話なのか。そしてバットエンドだけど美しい。感動して涙が出てしまった!」

という高評価レビューがありました。

「感動する」「人生について考えさせられる」という高評価レビューが多かったです。

ラストをどう捉えるかで評価が変わってしまう映画と言えるかもしれません。

ラストに関して否定的だと評価が下がってしまう傾向があるようです。

日本の映画レビューサイトFilmarksの点数は5点満点中3.7という高評価になりました。

映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)の総合評価:賛否両論のラスト!

アーリーンとトレバー:ⒸWarner Bros. Entertainment Inc.

人への善意を深く見つめた映画『ペイ・フォワード 可能の王国』(2000)。

名言がたくさんあり、人生について考えさせられる映画でもあります。

ラストに関して賛否両論あるので、ラストについて考えてみるのも良いかと思います。

ペイ・フォワードというアイデアは素晴らしいと思うので、映画を観たらぜひペイ・フォワードをしてみてはどうでしょうか。

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