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イエスマン_感想・考察

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)はイエスを言い続けた男を描いたコメディ映画です。

興行収入は2.232億ドルで多くの人に親しまれる名作として知られています。

元気になりたいと時に観たい映画特集では必ずと言っていいほど、名前を見かける作品です。

なぜ本作品はこんなにも愛される作品になったのでしょうか。

本記事では、『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の見どころや感想・考察・結末をネタバレを交えながら解説していきます。

【『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の評価】

項目 評価 点数
知名度 ★★★★★ 90点
配役/キャスト ★★★★★ 95点
ストーリー ★★★★☆ 85点
物語の抑揚 ★★☆☆☆ 50点
コメディ ★★★★★ 90点
ヒロイン可愛さ ★★★★★ 100点

目次

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の作品情報と監督・キャスト


イエスマン "YES"は人生のパスワード(吹替版)

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の作品情報

原題 Yes Man
製作年 2008年
製作国 アメリカ
上映時間 104分
ジャンル ドラマ、恋愛、コメディ

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の監督とキャスト

監督 ペイトン・リード
キャスト・出演者1 ジム・キャリー
役名 カール・アレン
日本語吹き替え(声優) 山寺宏一
キャスト・出演者2 ズーイー・デシャネル
役名 アリソン
日本語吹き替え(声優) 浅野まゆみ
キャスト・出演者3 リス・ダービー
役名 ノーマン
日本語吹き替え(声優) いずみ尚
キャスト・出演者4 ブラッドリー・クーパー
役名 ピーター
日本語吹き替え(声優) 藤井啓輔

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の概要

レッドブルではしゃぐカール© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

3年前に離婚してから主人公カールは塞ぎがちな性格になっていた。

友人からの誘いは断り、話もろくに効かず毎日だらだらとしているカールの生活に周りは愛想を尽かしている。

ある日カールのもとに友人の一人が来て、テレンスの講演に参加するように言った。

周りから愛想を尽かされていたこともあり、渋々講演に参加したカールはテレンスにどんなことがあってもイエスと言い続けるように誓いをさせられる。

最初は半信半疑だったが、講演の帰りにイエスを言い続けたことによりアリソンと出会った。

イエスの力を確信したカールの生活は徐々に変化していくのであった。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)とは? 英語の意味や効果を解説

仕事をするカール© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

「イエスマン」ってなに? 言葉の意味とはなんなのかを解説

イエスマンとは人に頼まれたこともしくは、物事に選択肢があった場合なんでもYES」と肯定する人のことを指します。

反対にノーマンという言葉が存在しますが、これは人から頼まれたことをなんでも否定し、ネガティブな印象を与える人のことです。

本作品の主人公は最初ノーマンでしたが、セミナーを受けてイエスマンに変わったというストーリーでした。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)のタイトルの意味

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)のタイトルの意味は、YESを言うことでイエスマンになり人生を変えた主人公のことを指します

本作品の原題はYes Manとシンプルです。

原題をそのまま使用しても良かったと思いますが、邦題では長ったらしく本作品の内容を付け加えています。

邦題を詳しく解説すると、パスワードは合言葉という意味を持つので、イエスは人生の合言葉という意味です。

『イエスマン  “YES”は人生のパスワード』(2008)の感想と考察

アリソン© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の感想

ヒロインのアリソンが可愛くて魅力的

ヒロインであるアリソンが最高にキュートでした。

本作品を観た後に、アリソンの俳優を検索した人は多いことでしょう。

アリソンはズーイー・デシャネルという女優が演じていて、そもそも顔も可愛いのですが、天真爛漫な性格で変な歌詞を歌うバンドをしている不思議ちゃんなところも素敵でした。

アリソンの魅力は、芯がしっかりしていることでしょう

アリソンは心の底から、変なことをやっているわけではなく、変だと思っていても自分でやりたいと思ったことを行うという信念のもとに動いています。

信念のある女性は魅力的に見えるものです。

ちなみにズーイー・デシャネルが気に入ったという方は、『(500)日のサマー』(2009)もおすすめです。

吹き替えも素晴らしかった

主役のカールの声を担当したのは山寺宏一です。

山寺宏一といえば、ディズニーアニメ『アラジン』(1992)のジーニー役を務めるなど、そのほかにもコメディタッチの声優のイメージが強いでしょう

本作品でもカールのコメディな役を演じるのには最適な声優でした。

また、ヒロインのアリソンの吹き替えもぴったりです。

声優は浅野まゆみが務めています。

ズーイー・デシャネルはそもそも少しハスキーな声をしているのですが、吹き替えも役柄にあう少しこもったような、落ち着いているが天真爛漫な大人の女性をしっかり表現していました。

レビューサイトを観ていると、ゾーイの声に惚れたという人も多かったみたいです。 

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の考察

イエスマンはいけないこと?

イエスマンを調べると、一般的にはあまりよくない表現として使われています

本作品のイエスマンはポジティブな表現として使われていますが、例えば会社でのシチュエーションで、上司から言われることに対してイエスマンであると、媚びている風にみられるようです。

また、イエスマンは何も頭で考えてない人という捉えられ方もされます。

これは極端なパターンでしょうが、本作品ではカールが誓いをたてて、テレンスに本当の意味を気付かされる前の状態を表すでしょう。

イエスマン自体は悪くはないことだと考えられます。

本作品では最終的にカールは幸せになり、それはイエスを言い行動をし続けた結果にあるからです。

このことからイエスマンは2パターンあります。

・極端で何も考えずイエスだけを言い続けるイエスマン

・頭で考えイエスを言おうと、行動しようと努力するイエスマン

一般的なイエスマンは前者ですが、後者の最終的にカールが気づけたイエスマンは良いのです。

イエスマンの面白さは伏線回収

コメディやイエスマンというキーワードに注目されがちなイエスマンですが、実はその面白さは伏線回収にあるのではないでしょうか。

スピード感があるため回収している感覚はないですが、カールの一つ一つの行動全てに意味があります。

例えば、韓国語を習ったことにより、ウエディングシャワーの下見で韓国人のスタッフと仲良くなれたし、男ナースに融資をしたおかげで、病院からバイクでアリソンの元に向かえました。

本作品にはこのように巧みに組み立てられたストーリーに、伏線とその回収が連発するのです。

コメディやイエスマン要素が大きい本作品ですが、ここでつながるのかという楽しみが実は大きいでしょう。

『イエスマン“YES”は人生のパスワード』(2008)の疑問や見どころを解説

勉強するカール© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)は実体験を原作にして作られた

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)はダニー・ウォレスが執筆した原作があります。

そして、このイエスマンはダニー・ウォレスの実体験を元に描かれているのです。

ロンドンのバスで「もっとイエスと言わなくちゃ」と誰かが言うのを聞いたダニー・ウォレスは、イエスを言う生活を始めます。

イエス生活をして最も良かったのはイエスガールに出会えたことで、本作品ではアリソンの役柄です。

ダニー・ウォレスはイエスマンになることで車を買わされたり、金銭的には苦しかったが、行動が前向きになり人生に活気が出たと語っています。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の自己啓発を実践して効果はあるのか?

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)に影響されて、実際に実践してみたら人生に効果があった人もいる様子です。

インドでイエスを言い続けることを実践した人は、観光名所でたくさんの人にガイドはいらないかと言われ続け、それにイエスで答え続けたり、危ない勧誘に関してもイエスと言わなきゃいけない状況でお金の面でかなり損をしていました。

しかし教訓としてイエスを言い続けることによって、警戒心がなくなったのは良かったと言います。

警戒心があった頃は全てインド人が悪人に見えて、善人の行為を無下にしていたかもしれないけれど、警戒心がなくなって善人の人ともコミュニケーションが取れるようになったそうです。

それはイエスを言い続けて損をした結果、損をしてもこの程度かという気持ちも持てたからだと言っていました。

【映画版との比較】『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の原作や元ネタとは?

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)はダニー・ウォレスが執筆している小説が原作です。

タイトルは映画と全く同じですが、小説と映画では少し内容が異なります。

例えば映画版でカールがイエスマンになったきっかけは、友人に誘われたテレンスの講演がきっかけだったことに対して、小説ではバスの見知らぬ乗客の一声により、イエスと言う生活を始めています。

また、映画は多少フィクションとして脚色されていますが、小説は完全に著者が経験したノンフィクションです。

なぜ『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)は名作と言われるのか?

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)は名作と言われる理由は、良くも悪くも万人受けする映画だからです。

物語は至ってシンプルでどんでん返しもなければ、不幸な描写はありません。

誰かが不幸な結果になっても、必ずそこに救いの設定を入れているのです。

例えば、銀行の支店が潰れてしまったノーマンはカールの計らいにより、韓国人のパートナーができ元気を取り戻します。

このように全員が幸せになる構造ができているのです。

また、ラブロマンスとコメディというキャッチーなジャンルも万人受けして、名作と言われる理由でしょう。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の最後は? ラストシーンや結末を解説

イベントに参加するカールとアリソン

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)のラストシーンについて解説します。

カールがイエスと言わなければいけないルールを持っていることを知ったアリソンは、同棲するという答えにイエスと言ったのは本音ではないと思い、カールを突き放します。

傷心していたカールのもとに、元彼女のステファニーが彼氏に振られたと言ってカールにキスをして、よりを戻そうとしました。

カールはそれに対しノーを言いますが、その途端カールにさまざまな不運が訪れます。

誓いのせいで不運が起きていると思ったカールはテレンスに会おうと車に忍び込みました。

車を出した瞬間にカールが後部座席から現れ、びっくりしたテレンスはカールと共に事故に遭い、病院に運ばれます。

カールは見舞いに来た友人に誓いを破ったせいで不運が起きていると言いますが、そこにテレンスが現れ誓いは即興で効果などないと言いました。

誓いをたてて、イエスを言わせたのは「最初に体を慣らすためだと、そのうち義務からでも、誓いからでもなく心の底から言えるようになる」と言います。

カールはそれに対して納得し、ノーと言えることに気づいて、アリソンの元に向かいました。

アリソンに同棲はできないが、一緒にいたいと言います。

ノーもいえるからアリソンと一緒にいたのも本心で、心の底から一緒にいたいと伝えました。

それに納得したアリソンはカールを許して仲直りします。

後日ホームレス支援所に大量の服を寄付しているカール。

その傍ら、テレンスの講演に参加した人々は素っ裸でした。

最初、ラストシーンで講演の参加者が裸の理由がわからなかったのですが、カールはテレンスの講演の参加者に服を頂戴と言ってもらったのだという皮肉だと気付きました。

カールはイエスを言うことは重要だが、ノーも言っていいということを知っています。

しかしあの参加者たちはまだそれに気づいてないというオチです。

最後までコメディ要素たっぷりでした。

【レビュー】『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の評価・評判

ギターを弾くカール© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

【つまらない?】低評価のレビュー

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の低評価レビュー
Filmarks:★★★☆☆ 3.5
「現実味がなくてつまらなかった」
映画.com:★★☆☆☆ 2.5
「行動をすることは大切だということは読み取れるがひたすらクレイジーでした」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★☆☆☆ 2.0
「ジム・キャリー色が強かった」

低評価をつけている人はほとんどいなかったため、低評価を探すのが大変なくらいでした。

その中でも現実味がなく物語を楽しめなかったという人やカールの破天荒なキャラについていけなかったという人もいたようです。

本作品はそもそもコメディとして描かれているので、確かにカールのヒューマンドラマの要素もありますが、コメディとはそもそも現実味がなく描かれているのがほとんどなので仕方がないと思いました。

全体的にコメディがそもそも自分に合わない人が、低評価をしている印象です。

【面白い?】高評価のレビュー

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の高評価レビュー
Filmarks:★★★★☆ 4.5
「挑戦することが、人生においてどれだけ大切か学んだ。何よりコメディ要素満載で内容がすんなり入ってきた」
映画.com:★★★★★ 5.0
「終始コメディチックではあるものの考えさせられる部分もあり最高だった」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★★ 5.0
「ジム・キャリーのコメディが最高」

カールが明るく前向きな姿を見て、ポジティブな気分になった人が多かったようです。

また、イエスと肯定するように行動することが大事だと自己啓発的に映画を楽しめた人もいたようでした。

コメディの要素も強いので、たしかに観賞後は晴々とした前向きな気分になれます。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)の総合評価:イエスを言い続けた男による最高のコメディ

踊るカール© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)は、イエスを言い続けた男による破天荒な人生を描いたコメディ映画です。

先の見えるストーリーとどんでん返しなどはありませんが、見た後にポシティブな気分になれます。

ヒロインも可愛く声も素敵なので、字幕と吹き替えどちらでも楽しめるでしょう。

頭空っぽでも十分楽しめる映画で、元気をもらいたいときに観るのがおすすめです。

気になった方は、ぜひご覧になってみてください。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)はエンドロール後に本編はある?

カールが自殺者を説得する© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

エンドロールの最中にカールとアリソンがアクティビティをするエピソードが流れます。

銀行で融資したおかげで完成した、全身にローラーをつけて山を滑走するアクティビティです。

インラインスケート(ローラーブレード)で山を滑走する、カールとアリソンの姿を見ることができます。

ちなみにこの融資を受けた人は、本作品の冒頭に出てきた人物で、まだイエスマンじゃないカールが融資を却下した人でした。

あの後きちんと融資を受けさせてあげていたという設定で、うまく伏線回収しています。

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