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マイティ・ソー1_THOR_感想・考察

アベンジャーズのメンバーの中でも、根強い人気を誇る「ソー」。

彼の初登場作品が『マイティ・ソー』(2011)。

MCU4作目となる本作では、MCUの世界に大きな広がりを持たせます

その世界観や数々の伏線、「ソー」や、その父「オーディン」他、個性的なキャラクターにも注目です。

また、物語が展開を見せる『マイティ・ソー/ダークワールド』(2013)、ソーの姉「ヘラ」の存在が明らかになりラグナロクを迎える『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(2017)、それらの作品への序章とも言える本作は必見。

「ロキ」の存在。「”箱”とはなんなのか?」など、感想と考察を交えて、紹介していきます。

【『マイティ・ソー』(2011)の評価 】

項目 評価 点数
知名度 ★★★★☆ 85点
オリジナリティ ★★★★★ 95点
ストーリー ★★★☆☆ 70点
物語の抑揚 ★★★★☆ 85点
アクション性 ★★★★☆ 80点
楽曲 ★★★★★ 95点

目次

『マイティ・ソー』(2011)の作品情報


マイティ・ソー (字幕版)

製作年 2011年
原題 Thor
製作国 アメリカ
上映時間 115分
ジャンル アクション
監督 ケネス・ブラナー
脚本 アシュリー・エドワード・ミラー
ザック・ステンツ
ドン・ペイン
主要キャスト クリス・ヘムズワース(ソー・オーディンソン)/日本語吹替:三宅健太

ナタリー・ポートマン(ジェーン・フォスター)/日本語吹替:坂本真綾

トム・ヒドルストン(ロキ・ラウフェイソン)/日本語吹替:平川大輔

ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)/日本語吹替:金子由之

アンソニー・ホプキンス(オーディン)/日本語吹替:浦山迅

『マイティ・ソー』(2011)の概要

ソーと仲間たち。:© 2011 - Paramount Pictures

宇宙に存在する王国「アスガルド」に住む王の息子「ソー」は、強靭なパワーを持つゆえに自分勝手な性格。

彼の次期国王への就任目前、ソーは父親の「オーディン」の意思に背き、最強の武器「ムジョルニア」を持つ資格を剥奪され、国を追放、地球へと飛ばされる

故郷アスガルドとは違う地球の文化に困惑しながらも、ムジョルニアを探すソー。

そこで出会った天文学者ジェーンと心を通わせていく

一方、アスガルドではソーの義弟「ロキ」が、次期王座に着くべく虎視眈々と計画を進めていた。

ソーは再び「ムジョルニア」を手にし、アスガルドへ戻ることができるのか?!

『マイティ・ソー』(2011)の感想と考察

アスガルド:© 2011 - Paramount Pictures

MCU4作目にして、初めて宇宙との繋がりが明らかになる『マイティ・ソー』(2011)

アベンジャーズ最強とも呼び声の高い「ソー」の初登場作品です。

『アベンジャーズ』(2012)につながる壮大なストーリー。

「マイティ・ソー」シリーズ1作目、その感想を書いていきます。

『マイティ・ソー』(2011)の感想と考察
①壮大な世界観
②主人公「ソー」の成長に感動
③音楽にも注目
④9つの世界の存在
⑤国家組織「S.H.I.E.L.D(シールド)」の企み

『マイティ・ソー』(2011)の感想

壮大な世界観

主人公「ソー」の住む世界アスガルドは、これまでのMCU3作品『アイアンマン 1・2』『インクレディブル・ハルク』(2008)には出てこない宇宙にある国。

今作品でMCUシリーズを一気に壮大な印象にしたのではないでしょうか。

ソーやアスガルドの戦士たちが地球に降り立った際の文化や衣装のギャップも、少し滑稽で笑えるポイントです。

主人公「ソー」の成長に感動

強靭な力を持つために、身勝手で頑固者のソー。

そのため、父親でありアスガルドの王「オーディンソン」によって地球に追放されてしまいます。

しかし、そこでの出会いや出来事によって、次期王にふさわしい存在となっていく

一人の男の成長の様子も見どころです。

音楽にも注目

本作のテーマメロディはとても印象的。

作品中、始めからラストまでいろいろな曲調で各場面に使われているのが「Sons of Odon(オーディンの息子たち)」(作曲 - パトリック・ドイル)。

「息子」ではなく「息子たち」となっているのが、また意味深ですね。

『マイティ・ソー』(2011)の考察

9つの世界の存在

これまでのMCU3作品は主に地球上での出来事でしたが、本作で主人公ソーの口から明かされる宇宙に存在する「9つの世界」。

これからのMCUシリーズの世界観を広げるための、きっかけとなる作品と言ってもいいかもしれません。

『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』では、全宇宙の存亡を握る戦いが地球上で繰り広げられますが、その地球「ミッドガルド」も9つの世界の一つ。

地球上では、アスガルドの人々のことが北欧神話として語り継がれていました。

国家組織「S.H.I.E.L.D(シールド)」の企み

本作で多く登場するのが、国家組織「S.H.I.E.L.D(シールド)」。

本作以前にもエージェント「フィル・コールソン」「ニック・フューリー」など、S.H.I.E.L.Dのエージェントは登場していましたが、本作でその権力の強大さを感じた人も多いのではないでしょうか。

『マイティ・ソー』(2011) と『アベンジャーズ』シリーズとのつながりや伏線は?

ソーとロキ:© 2011 - Paramount Pictures

本作は、この1年後(2012年)に公開される『アベンジャーズ(2012)』への繋がりが盛りだくさん。

物語には、「S.H.I.E.L.D(シールド)」やアベンジャーズで重要な役割となるキャラクター
さらに、初代アベンジャーズに加入するあの人物も登場し、アベンジャーズへのワクワク感を掻き立ててくれます。

『マイティ・ソー』(2011) と『アベンジャーズ』シリーズとのつながりや伏線は?
①ソーと地球の繋がり
②ソーの弟「ロキ」登場
③宇宙からの脅威
④あのキャラクターのカメオ出演
⑤マーベル・MCUをチェックするなら『マイティ・ソー』(2011)は観なくてもいい?

ソーと地球の繋がり

この作品以降、ソーが度々訪れることとなる「地球」との繋がりは、この作品をきっかけに始まります。

そこで恋に落ちた天文学者「ジェーン」とは離れ離れになりますが、この2年後『マイティ・ソー/ダークワールド(2014)』でソーが再び地球を訪れた際に再会します。

ソーの弟「ロキ」登場

本作で、後に重要なキャラクターとなるソーの義弟「ロキ」が初登場します。

『アベンジャーズ』はソーとロキの「壮大な兄弟ゲンカ」と言われることもありますが、それはこの作品から始まっていたんですね。

宇宙からの脅威

本作では、宇宙が今後地球に脅威をもたらす可能性も示唆してします。

MCUシリーズ21作品目『キャプテン・マーベル(2019)』では、過去に既に「S.H.I.E.L.D(シールド)」が宇宙からの脅威に備えていました。

しかし、シリーズを観ている人にとってはこの作品で初めてMCUでの宇宙の存在の大きさを認識することとなったのではないでしょうか。

あのキャラクターのカメオ出演

後にアベンジャーズに加入し活躍する「ホークアイ(クリント・バートン)」は実はこの作品ですでに登場しています。

研究所に侵入するソーへの監視の指示をコールソンから受けた際、銃と迷って「弓矢」を手に取るシーンは、マーベル好きからすると興奮ポイントです。

マーベル・MCUをチェックするなら『マイティ・ソー』(2011)は観なくてもいい?

マイティ・ソー(2011)』はMCUシリーズの第4作目です。

今までの作品とは世界観が少し違い、日本公開時点ではまだ知名度が低かったため、MCUとはあまり関係ないと認識されている方も多いようです。

しかし、れっきとしたMCUシリーズで、今後に関わる重要なストーリーも含みますので、ぜひ観ていただくことをおすすめします。

アベンジャーズのメンバーは徐々に増えていきますが、その中のメインキャラクターと言えば、「アイアンマン(トニー・スターク)」、「キャプテンアメリカ(スティーブ・ロジャーズ)」、そしてソー」。

この3人の出会いのシーンや『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』でサノスに立ち向かうシーン、他にも印象的な場面が沢山あり、ファンの間ではアベンジャーズBIG3などとも言われ、3人のうち誰が好きかなども度々議論になります。

本作でMCUシリーズでは初めて宇宙の存在に焦点が当てられますが、今後アベンジャーズは宇宙からの脅威と戦うこととなり、本作でしっかりとその世界観を把握しておく必要があります。

本作以降、宇宙を舞台としたMCUシリーズは多く公開され、「マイティ・ソー」シリーズにも続きがあるので、MCUシリーズを楽しむには「マイティ・ソー」の視聴は必須です。

『マイティ・ソー』(2011)の疑問や魅力を解説

ハンマーを持ち上げようとするソー:© 2011 - Paramount Pictures

本作では、初めて出てくる言葉や地名、大きな世界観やその中の人間関係など、少し複雑になってきます。

それらの疑問や魅力を解説していきます。

『マイティ・ソー』(2011)の疑問や魅力を解説

①マイティ・ソーの世界、アスガルドについて解説

②『マイティ・ソー』(2011)の家系、家族関係について解説

③『箱』はなに?

④なぜソーは再びムジョルニア(ハンマー)を持ち上げられた?

マイティ・ソーの世界、アスガルドについて解説

作品内では、世界樹ユグドラシルが繋ぐ9つの世界で宇宙が成り立っていると、ソーがジェーンに話すシーンが描かれています。

ソーが住む「アスガルド」も、9つの世界の一つ。

そこは王国となっており、全能の神「オーディン」が統べています。

地球(ミッドガルド)とは文明が全く違う、黄金色のきらびやかな世界。

ヘイムダルが守るビフレストの橋は、9つの世界を行き来でき、地球ではアインシュタイン・ローゼン・ブリッジと仮説づけられていました。

西暦965年にヨトゥンヘイムから氷の巨人ラウフェイ率いる軍隊が地球に攻め入った際、アスガルドの戦士たちが駆けつけ、巨人たちを討伐し地球を救ったと言われています。

『マイティ・ソー』(2011)の家系、家族関係について解説

アスガルドの王「オーディン」には二人の息子がいました。

それが主人公「ソー」とその弟「ロキ」。

しかしロキは後に、大昔アスガルドの戦士が地球で氷の巨人と戦った際に、オーディンが拾い引き取ったラウフェイの息子であったことが明らかになります。

元々ソーに劣等感を抱いていたロキは、その事実を知りさらに憤慨・困惑し、より憎しみを増幅させます。

オーディンの妻でありソーの母「フリッガ」は、ソーシリーズ2作目となる『マイティ・ソー/ダークワールド(2014)』で命を落としますが、『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』で再登場します。

その際のソーとのやりとりは心温まりました。

『箱』はなに?

西暦965年地球での戦いで、オーディン軍が氷の巨人ラウフェイ軍より回収し、アスガルドの宝庫に保管されていた「箱」。

これは氷の巨人の力の源と言われており、彼らはそれを取り返そうと狙っています。

氷の巨人であったロキが箱に触れると、肌が一瞬巨人と同じ青色に戻り、ヘイムダルを凍らす際にもこの箱を使用しています。

なぜソーは再びムジョルニア(ハンマー)を持ち上げられた?

身勝手な行動で、一度はオーディンに王の資質を剥奪されたソー。

そのために、最強の武器であるムジョルニアを持ち上げられなくなりますが、物語終盤、ソーが自身を犠牲にして、仲間や愛する人を守ろうとする姿勢が認められ、再びハンマーはソーの手に戻ってきます。

『マイティ・ソー』(2011)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ソーとデストロイヤー:© 2011 - Paramount Pictures

ロキとの戦いに勝ったソー。

父親オーディンとのシーンでは、成長したことによる王の資質を認められます。

崩壊したビフレストの橋では、ヘイムダルに地球にいるジェーンの様子を聞き、ヘイムダルの「君を探している」との言葉でシーンは終わります。

最後のジェーンの表情が印象的で、宇宙と地球という果てしない距離の愛に涙してしまいました。

ソーが次期王として成長していく一方で、ロキの行方やS.H.I.E.L.Dの動向など、今後の展開も気になるところです。

【レビュー】『マイティ・ソー』(2011)の評価・評判

ソーとジェーン:© 2011 - Paramount Pictures

【つまらない?】『マイティ・ソー』(2011)低評価のレビュー

『マイティ・ソー』(2011)の低評価レビュー
Filmarks:★☆☆☆☆ 1.1
「ただ、アベンジャーズにつながるキャラクターの紹介。映画としては面白くない。」
映画.com:★★☆☆☆ 2.5
「ジェーンとのあの少しだけの関わりで、そんなすぐに性格変わる?」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★☆☆☆ 2.0
「シナリオが最悪、、」

たしかに、アベンジャーズへの伏線や、新しい世界の登場の意味合いが強い作品だったので、
ストーリーや感情の動きが、少々薄い印象はありました。

【面白い?】『マイティ・ソー』(2011)高評価のレビュー

『』()の高評価レビュー
Filmarks:★★★★☆ 4.1
「神様なのに、人間味があっていい!」
映画.com:★★★★☆ 4.0
「自分を犠牲にして成長するソーがかっこいい!」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★★ 5.0
「ラストシーンがとてもクール!」

ソーのキャラクターのかっこよさが評価を得ています。
あのルックスと肉体、パワフルなアクションは男性のみならず女性も憧れますよね。

ストーリーが深い作品ではありませんでしたが、十分に楽しめました。

  • 宇宙を舞台にした壮大な物語。
  • 一人の男の成長過程。
  • アベンジャーズにつながる数々の伏線。
  • 実は音楽もGood!

意外と語られていないのが「音楽」。

『マイティ・ソー(2011)』のテーマとなるメロディは印象的で、いろいろな曲調で各場面に使われ、壮大でダイナミックなこの作品に華を添えています。

『マイティ・ソー』(2011)の総合評価:傍若無人な最強男が、全宇宙を守るヒーローへ成長し始める物語

ソーとオーディン:© 2011 - Paramount Pictures

ここまでソーシリーズ第1作目『マイティ・ソー(2011)』の魅力を書いてきました。

初めは自分勝手だったソーが、人を愛することを知り、人の為に身を呈したことで成長する姿を見て、これから後に全宇宙を守るヒーローとなること、これから続く壮大なストーリーへの期待が膨らみます。

今後のMCUに広がりを見せる本作の世界観は素晴らしく、続作の『マイティ・ソー/ダークワールド(2014)』『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』のそれぞれの世界観の変化にも注目です。

『マイティ・ソー』(2011)はエンドロール後に本編はある?

セルヴィグ博士とロキ:© 2011 - Paramount Pictures

 

MCUで注目なのは、エンドロール後の短い映像。

もちろん本作でも重要なストーリーが描かれています。

S.H.I.E.L.Dのニック・フューリーに研究の協力依頼を受けたセルヴィグ博士は、ニックより「四次元キューブ」を見せられます。

それは後に重要なアイテムとなる「スペースストーン(テッセラクト)」。

しかし、横の鏡の中にはセルヴィグ博士の隣に立つロキの姿が……。

ロキの指示通りに話す博士は、この時すでに操られていたようです。

今後のストーリーに大きく関わってくるこのシーンも必見です。

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