特集一覧
映画『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の意味や元ネタ、登場人物の正体の考察と解説【あらすじ、感想、ネタバレあり】

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)は2017年に公開されたアメリカ合衆国の恋愛ドラマ映画。

ヴェネツィア国際映画祭では監督のギレルモ・デル・トロが金獅子賞を受賞。

ゴールデングローブ賞では監督賞と作曲賞の2部門を受賞し、アカデミー賞では監督賞、作品賞、作曲賞、美術賞の4冠に輝きました。

さらにその他の映画賞も数多く受賞。

ギレルモ・デル・トロ監督の最高傑作と評され、主演サリー・ホーキンスの演技も賞賛されました。

人間と不思議な生物の愛を描いた『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)について、あらすじと感想、作品の魅力をネタバレを交えて紹介していきます!

[toc]

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の作品情報とキャスト


シェイプ・オブ・ウォーター (吹替版)

作品情報

原題:The Shape of Water
公開年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:123分
ジャンル:ラブロマンス

監督とキャスト

監督:ギレルモ・デル・トロ
代表作:『パシフィック・リム』(2013)『パンズ・ラビリンス』(2006)

出演者:サリー・ホーキンス(イライザ・エスポジート)            代表作:『ハッピー・ゴー・ラッキー』(2008)『 ブルージャスミン』(2013)

出演者: ダグ・ジョーンズ(不思議な生物 )
代表作:『ヘルボーイ』シリーズ『パンズ・ラビリンス』(2006)

出演者:マイケル・シャノン/吹替:咲野俊介(リチャード・ストリックランド )
代表作:『テイク・シェルター』(2011)『マン・オブ・スティール』(2013)

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のあらすじ

イライザと不思議な生物:©︎Fox Searchlight Pictures

言語障害のあるイライザは清掃員として働いていた。

ある日、仕事場である宇宙センターに一体の生物が入ったタンクが運び込まれる。

清掃のため部屋に入ったイライザは初めてその生物を目にしたが、その生物は半魚人のような不思議な生物であった。

彼に惹かれたイライザは手話を教えて意思の疎通をはかり、親密な関係になってゆく。

【ネタバレあり】『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の意味や原作・元ネタを解説

イライザと不思議な生物:©︎Fox Searchlight Pictures

『シェイプ・オブ・ウォーター』の意味を解説

タイトルである『シェイプ・オブ・ウォーター』は直訳すると“水の形”という意味になります。

ギレルモ・デル・トロ監督は「水は一番力を持った物質であり、氷になったり、お湯になったりと変化もする、これこそが愛なのだ」とおっしゃったそうです。

水の形=愛の形、と置き換えてみれば分かりやすいかもしれません。

つまり“愛は水のように様々な形がある”ということではないでしょうか。

例えば同じ国の男女だけが愛し合うことだけが愛の形なのではなく、国境を越えた愛もありますし、同性の愛、家族の愛だってあります。

本作は人間と異形の生物の愛を描きました。

また、イライザを助けてくれるジャイルズはゲイという設定。

わざわざゲイという設定にしたのは様々な愛の形を伝えるためだったのではないでしょうか。

愛は水のようにひとつだけではなく、様々な形があるという意味を込めてつけたのだと思います。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の原作、元ネタを解説

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の原作、元ネタはあるのでしょうか。

本作はギレルモ・デル・トロ監督が幼少期に鑑賞した『大アマゾンの半魚人』(1954)のギルマンとジュリー・アダムスが結ばれていたらという考えが元になっているようです。

また、原作というわけではありませんが、『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の小説版が竹書房文庫から刊行されています。

著者は監督のギレルモ・デル・トロとダニエル・クラウス。

映画では語られなかったエピソードが描かれていたり、登場人物の背景が深く掘り下げられていたりと充実した内容になっています。

評価も映画同様高いので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

イライザの正体とは?

イライザの正体が元は人魚だったという説があります。

その根拠というのが、ラストシーンで彼女のクビにある傷がエラとなって水中呼吸できるようになったからというもの。

そして、もうひとつが声を失う代わりに人魚から人間になったというもの。

しかし、イライザの正体が人魚である可能性は低いと思います。

確かに『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)はファンタジーではありますが、イライザが声を失ったのは幼い頃に受けた虐待による精神的なものであり、クビにある傷は虐待の時に受けた傷だと推測できます。

不思議な生き物(彼)の正体は神?

彼はアマゾンの奥地で崇められている“ギル神”という神のようです。

確かに彼は劇中で傷を治したり、髪の毛を増やしてあげたりといった能力を発揮。

また、銃で胸を撃たれても死ぬことはなく、サッと手で胸をなでただけで傷を治してしまいました。

彼を撃ったストリックランドは「You are a god」とつぶやきます。

水中でイライザが呼吸できるようにしたのも、彼が神の能力を持っている証と言えるのではないでしょうか。

【ネタバレあり】『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の感想と考察

イライザと不思議な生物:©︎Fox Searchlight Pictures

サリー・ホーキンスの光る演技

主人公イライザを演じたサリー・ホーキンスの演技が光っていました。

言語障害を持ち、声が出せないという難しい役柄ではあったと思いますが、見事な演技を披露。

愛するという表現を言葉で伝えられないので、表情やしぐさだけで伝えなければなりません。

彼女はそれを高い演技力で演じ、不思議な生き物(半魚人)を愛していることを十分に伝えました。

また、サリー・ホーキンスは全裸になって不思議な生き物(半魚人)とのラブシーンを演じるなど体当たりの演技も披露しています。

水中でのラブシーンはとても印象に残るシーンでした。

評価としても、アカデミー賞で受賞はしませんでしたが、主演女優賞にノミネート。

全米映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞では主演女優賞を見事、受賞しています。

先の展開が気になるストーリーを考察

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)は先の展開が気になる秀逸なストーリーになっています。

イライザと不思議な生き物(半魚人)の関係はどうなるのか。

不思議な生き物(半魚人)を逃がしたイライザと不思議な生き物(半魚人)の運命は?

ストリックランドが不思議な生き物(半魚人)を取り返すべく追いかけるのですが、果てして逃げきれるのか。

このような先が気になる仕掛けがたくさんあり、観ていて飽きることがありません。

特に関心が向くのはイライザと不思議な生き物(半魚人)がこの先どうなっていくのか。

イライザと不思議な生き物(半魚人)の変わった愛の形。

最後の最後まで目が離せない作品です。

水を効果的に使った映像美

タイトルが『シェイプ・オブ・ウォーター』というだけあって“水”を効果的に使ったシーンが美しく、印象に残りました。

バスルームを水でいっぱいにしたラブシーンやラストでイライザと不思議な生き物(半魚人)が抱き合うシーン。

そして、部屋が水で満たされている冒頭のシーン。

まず冒頭のシーンから“水”の世界に魅了されてしまいます。

水というものをこれほど効果的に使った映画はなかなか少ないのではないでしょうか。

また、音楽も水の世界観にマッチしていて素晴らしかったです。

本作では水の世界に注目してみてください。

【ネタバレあり】『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のラストを考察

イライザと不思議な生物:©︎Fox Searchlight Pictures

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のラストでは不思議な生物(半魚人)が胸を撃たれたイライザを抱えて水中に飛び込み、キスをします。

するとイライザの首の傷がエラのように変わり、水中で呼吸ができるようになります。

まず、イライザは胸を撃ちぬかれて死んだ、もしくは瀕死状態から復活したのは彼の力によるものでしょう。

それから2人はどうなったのか。

ジャイルズによれば2人は帰ってこなかったようです。

と、なると2人はどこに行ったのでしょうか。

イライザが水中で呼吸できるようになったということは、彼と行動を共にできるようになったということ。

2人は彼の故郷に向けて出発したのだと思います。

途中で捕獲された可能性もなくはないですが、2人には彼の故郷にたどり着き、幸せに暮らしていてほしいと願います。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の評価は?

イライザと不思議な生物:©︎Fox Searchlight Pictures

映画レビューサイトの評価

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)はどのような評価がなされているのでしょうか。

映画レビューサイトでのレビューをいくつかまとめると、

・「ラブストーリー苦手だけど、これはすごい面白かった」
・「世界の違う2人の恋模様は思わず共感してしまうほど純粋でした」
・「全体的に音楽や雰囲気がとても素敵な作品でした」

など恋模様についての評価が多いです。

さらに全体の点数としても国内の映画レビューサイトでは5点満点中3.8と高評価。

また、世界観や雰囲気に対する評価も高いです。

「少し変わったラブストーリーが観たい!」という方にはおすすめの作品と言えるでしょう。

猫好きには過激なシーンがある?

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)では猫好きには過激なシーンがあります。

そのシーンとは不思議な生物(半魚人)が猫の頭を食べてしまうというシーン。

頭を食われ、頭のない猫の死体が出てきますが、ほんの一瞬なのでそこまでショックを受けることはないかと思いますし、それほど過激ではないと思います。

ちなみに本作はR15指定となっていますが、その理由はイライザの全裸シーンが何度か出てきたり、自慰シーン、下ネタを交えた会話、ストリックランドのセックスシーンがあるためR15指定になっているのでしょう。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のまとめ

イライザ:©︎Fox Searchlight Pictures

人間と異形の生物の愛を描いた『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)。

独特な世界観や秀逸なストーリーで楽しませ、愛とは何か、愛の奥深さについて考えさせられる作品になっています。

前述しましたが、少し変わったラブストーリーを楽しみたいという方にはぜひオススメ。

きっと心に深く残るラブストーリーになることでしょう。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)以外にもラブロマンス・恋愛映画の人気おすすめランキングを紹介しています。

ラブロマンス・恋愛映画の人気おすすめランキング【名作・最新作】【洋画】

おすすめの記事