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トレイン・ミッション_感想・考察

『トレイン・ミッション』(2018)は、リーアム・ニーソンとアクションの相性の良さが確立された作品です。

列車という密室で、時間制限のある中で謎を解きながら繰り広げられるアクション。

VFXの技術を駆使し、迫力あるシーンが連続する本作は、ノンストップアクションムービーとして多くのファンの心を掴みました。

本作の感想・考察、黒幕や伏線、冒頭・最後のシーンを解説していきます。

【『トレイン・ミッション』(2018)の評価】

項目 評価 点数
知名度 ★★★★★ 80点
配役/キャスト ★★★★☆ 75点
ストーリー ★★★☆☆ 60点
物語の抑揚 ★★★★★ 95点
アクション性 ★★★★☆ 100点
ハラハラ度 ★★★★★ 100点

目次

『トレイン・ミッション』(2018)の作品情報


トレイン・ミッション(吹替版)

製作年 2018年
原題 The Commuter
製作国 アメリカ
上映時間 105分
ジャンル アクション、ドラマ、クライム
監督 ジャウム・コレット=セラ
脚本 バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ
主要キャスト リーアム・ニーソン(マイケル・マコーリー)/日本語吹替:谷昌樹

ヴェラ・ファーミガ(ジョアンナ)/日本語吹替:深見梨加

パトリック・ウィルソン(マーフィー)/日本語吹替:桐本拓哉

サム・ニール(ホーソーン警部)/日本語吹替:瀬古陽丸

フローレンス・ピュー(グウェン)/日本語吹替:島田愛野

『トレイン・ミッション』(2018)の概要

© 2018 - Lionsgate

元刑事のマイケル・マコーリーは、10年間勤務していた保険会社を突然解雇される。

家のローンと息子の学費の支払いが残っており、頭を悩ませていた。

いつもの列車に乗って家路に向かうマイケルの元に、怪しい女性が近づく。

その女性から10万ドル渡す代わりに、ある重要な荷物を持った乗客を探して欲しいと依頼される。

マイケルは高額の報酬を受け取ってしまい、「プリン」と呼ばれる人物を探すことになる。

「プリン」が何者かを調べるうちに、ある事件が浮上し、恐るべき陰謀が明らかになっていく。

『トレイン・ミッション』(2018)の感想と考察

© 2018 - Lionsgate

『トレイン・ミッション』(2018)の感想

これから『トレイン・ミッション』(2018)の感想を書いていきます。

本作を観て感じたことは3つあります。

1つ目は、リーアム・ニーソンの演技力。

2つ目は、展開のスピードと上映時間。

3つ目は、マイケルという人物について、です。

それぞれ説明していくと、1つ目のリーアム・ニーソンの演技力は素晴らしかったです。

まずはリーアム・ニーソンのアクション俳優としての才能に拍手したいと思いました。

前半は心理戦で、後半に起こる怒涛の展開は、アクション映画ファンを唸らせる仕上がりです。

2つ目の展開のスピードと上映時間では、本作が短い上映時間にしたことで成功した作品だと思いました。

密室で時間が制限される中で繰り広げられるアクションと謎解きで、息もつけない展開が待ち受けています。

罪がない人が何人も殺され、「監視者に武器を持たせるなら自分たちでプリンを探せばいいのに!」という気持ちになります。

なぜマイケルが選ばれたのか理由が分かるのは、最後に犯人と対峙したときです。

なんといっても105分という上映時間の長さがちょうどいいです。

疑問に思うシーンがあっても、すぐに次の展開が待ち受けているので、鑑賞が終わるまで細かいことに突っ込んでいられません。

観終わった後に「左利き用のギターっていう凡ミス......」と言えるのです。

3つ目のマイケルという人物については、マイケルの日常が変化する様子が見事でした。

冒頭はマイケルと妻の毎朝の風景が映し出され、同じ毎日を過ごしている人間であることを強調しています。

そこから突然マイケルの生活は一変する、という対比。

マイケルは元警官なので、決断力と行動力、洞察力を発揮します。

保険会社で働いていたらこんな才能は必要なかっただろうと思うと同時に、自らが持つ才能がこの事件によって開花したということは、マイケルにとって必要な事件だったのかなと思いました。

以上『トレイン・ミッション』(2018)の3つの感想でした。

『トレイン・ミッション』(2018)の考察

『トレイン・ミッション』(2018)は、ジャウム・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンが4度目のタッグを組んだアクション作品です。

同じ監督と主演ということで、内容が代わり映えしないというレビューがいくつかありました。

しかし本作はヒットしました。

固定ファンがいることは間違いないと思います。

なぜジャウム・コレット=セラとリーアム・ニーソンのタッグ作品はヒットするのでしょうか。

『トレイン・ミッション』(2018)がヒットした理由は2つあります。

1つ目の理由は、リーアム・ニーソンのイメージを打ち破ったことだと思います。

それでは今までのリーアム・ニーソンのイメージとはどのようなものだったのでしょうか。

おそらく彼の名前を聞いて思い出す作品は『シンドラーのリスト』(1993)ではないでしょうか。

ナチスによる大虐殺から、ユダヤ人を救ったという実話を元にした作品で、リーアム・ニーソンはアカデミー主演男優賞を受賞し、誠実で勇気がある人物というイメージが定着しました。

その後『96時間』(2008)で、アクション俳優としての才能を開花しました。

『アンノウン』(2011)でジャウム・コレット=セラ監督と初タッグを組んでヒットさせ、立て続けに『フライト・ゲーム』(2014)、『ラン・オールナイト』(2015)と作品を世に出し、ヒットし続けています。

2つ目の理由は、どの作品もアクションサスペンスで、上映時間は2時間以内におさまることだと考えられます。

これは新しいジャンルとも言えるのではないでしょうか。

超大作ではないけれど、短い時間でスリルを確実に味わえる作品。

だから『トレイン・ミッション』(2018)はヒットしたのだと思います。

『トレイン・ミッション』(2018)はハッピーエンドなのか

『トレイン・ミッション』(2018)は、ラストが痛快です。

事件後、警察に復職して、自身が関わった事件の首謀者の一人である女性を逮捕するところで終わります。

本当の黒幕は謎のまま終わります。

しかし、黒幕につながる人物を逮捕したことで、さらなる事件が期待できる終わり方でした。

『トレイン・ミッション』(2018)の主題

本作は、ノンストップアクションサスペンスムービーです。

その名の通り、止まることなく展開が流れ、主題が何なのか考える暇もありません。

主人公のマイケルは、いつも同じような日々を過ごしていたのに、突如生活が一変するような出来事に遭遇するのです。

自分では訳が分からないまま事件に巻き込まれていきます。

しかしこれは裏で誰かが描いた筋書き通りの展開になっているのです。

突然解雇され、お金が必要なマイケルは誘惑に負けてお金を手にしてしまう。

愛する妻子を人質にとられて後に引けなくなり、依頼を遂行する。

しかしマイケルの正義感は、誰かが描いた筋書きから離れていくのです。

本作の主題は、自分を見失わず、信念を貫くことだと思いました。

【なぜ?】『トレイン・ミッション』(2018)の疑問を解説

© 2018 - Lionsgate

ギター男オリヴァーの正体とは?

本作でマイケルは、常連客以外の乗客から「プリン」という人物を見つけ出すというミッションを与えられます。

その中の一人として、ギターを持った黒人の青年がいて、マイケルは彼が「プリン」だと思い近づきます。

しかし、彼は黒幕の女の仲間で、マイケルを監視する役割を与えられていた人物でした。

恐らく彼もマイケルと同じで、家族を人質にされたことで事件に巻き込まれたのではないかと思います。

マイケルが覆面FBI捜査官にぼこぼこにされたときに、右手を差し出して助けてくれたのです。

しかし、彼が持っているギターは左利き用。

この凡ミスをマイケルは見逃さず、直接対決をすることになります。

犯人グループの黒幕の正体を解説

「プリン」を探し出せと依頼されたマイケルですが、依頼した犯人グループの黒幕はどのような人物なのでしょうか。

答えは最後まではっきりとは分かりません。

マイケルに「プリン」を見つけ出すように依頼した女性は黒幕の一員だと思います。

そしてエンリケ殺人事件の犯人は警察官です。

エンリケは地方検事局の贈収賄事件の証拠を持っていました。

そこから考えられることは、地方検事局の人間、もしくはそこに関わる政治家が黒幕なのではないでしょうか。

エンリケ殺しの黒幕の女とは何者なのか?

序盤で、市職員が飛び降り自殺したというニュースが流れます。

その人物はエンリケという名で、実は自殺ではなく、警察官によって殺されたのです。

マイケルに「プリン」探しを依頼した女が何者で、どんな力を持っているのかということは謎のままです。

しかし、ラストでマイケルと女が対峙するときに、彼女もまた「毎朝6時20分のシカゴ行き」に乗る通勤者ということが分かります。

このことから彼女は黒幕と関わりがある人物であることは間違いありません。

彼女に指令した人物が他にいて、彼女自身は黒幕ではないと考えられます。

なぜマイケルはプリンの捜査をするのか?理由を解説

本作でマイケルは、ある事件に巻き込まれます

ジョアンナという女性からの依頼で、「お金を渡すからある人物を探してくれ」と言われるのです。

その時のマイケルは、10年勤めた会社を解雇され、家のローンと息子の学費を工面することが出来ず悩んでいました。

正義感の強いマイケルでも、魔が差したということでしょう。

しかしこれは全て仕組まれたことでした。

おそらくマイケルは裏で糸を引く人物の力で解雇され、お金に困窮した状態にされたのでしょう。

プリンとは誰?なぜプリンという名前なのか?

マイケルは「プリン」という人物を探し、その人物が持っているカバンにGPSを付けるという依頼を受けます。

男性か女性か、人種も分かりませんが、元警官であるマイケルの手腕を買われたのでしょう。

「プリン」は、市職員のエンリケの殺害を目撃した人物で、贈収賄事件の証拠を持っていると思われる人物です。

証拠を奪い、その人物を消すことで、黒幕は事件を隠ぺいしようとしたのです。

彼女が読んでいた「緋文字」という本の主人公の名前が「プリン」でした。

『トレイン・ミッション』(2018)の裏話!VFX(視覚効果)技術、CGについて解説

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『トレイン・ミッション』(2018)の裏話

『トレイン・ミッション』(2018)の撮影時、リーアム・ニーソンは65歳でした。

そんな彼が、どうやってあのアクションシーンを演じることが出来たのでしょうか。

インタビューによると、リーアム・ニーソンは「毎朝5時に起床し、30分ジムでトレーニングを行った後に撮影に挑んでいました」と話しています。

列車という狭い空間で、障害物がある中でのアクションシーンだったため、スタントチームと入念な準備をしていたそうです。

VFX技術、CGの解説

本作での過激なアクションシーンが可能になったのは、VFX、CGの技術があってこそです。

普段アクションを見慣れていないからか、筆者は驚くほどスムーズにCGを駆使していると感じました。

本当の列車を使ったのではなく、1.5両分の車両を作り、背景を映し出していたようです。

映画で使われた映像と、実際の映像をVFXで加工したものを分かりやすくした動画があります。

以下ご確認ください。

https://www.youtube.com/watch?v=ejgb10CjVMc

 

殆どのシーンでVFXの技術が使われていることが分かります。

特に列車の爆発シーンや、格闘の末にガラスが割れるシーンなどで、VFXの技術を余すことなく使われています。

迫力と真実味のある映像は、こうして生み出されたのです。

『トレイン・ミッション』(2018)の伏線の解説

© 2018 - Lionsgate

『トレイン・ミッション』(2018)の伏線①:冒頭シーン

『トレイン・ミッション』(2018)の冒頭シーンでは、保険会社で勤めるマイケルの毎朝の日常が描かれています。

朝起きて食事をし、息子と会話し、妻に駅まで送ってもらう。

幸せな日常だが、妻と言い合いをする日もあり、息子の学費と家のローンが悩みではある。

マイケルは保険会社で安定した日々を送っている、ということが冒頭のシーンでしっかりと分かります。

黒幕の人物は、マイケルの安定した生活を一気に不安定なものに変え、愛する妻子を人質にとるのです。

観終わった後に、マイケルの弱みを知った人物が操ったということに気づきます。

『トレイン・ミッション』(2018)の伏線②:マイケルとマーフィーの会話

家のローンと息子の学費に頭を悩ませていたマイケルが突然保険会社を解雇されます。

蓄えがなく、窮地に立たされたマイケルは、元同僚の警部補マーフィーと約束していたバーで会います。

そこで事情を話したマイケルにマーフィーは「相棒だった7年間守ってくれた。恩返しさせてくれ」と言うのです。

このセリフを言った理由が、最後にマーフィーと対峙するときに分かります。

マーフィーはお金がないマイケルに、稼がせてあげようと「プリン」を探す役割を与えたのです。

『トレイン・ミッション』(2018)の伏線③:マイケルとホーソーン警部の会話

もう1つ伏線となるのが、ホーソーン警部とマイケルの会話です。

ホーソーン警部がマイケルとの会話で「市庁舎にいるほうが長い」と言ったのは、エンリケ事件に関わっているということを表しています。

そしてマーフィーを指して「彼には気を付けろ」と言うのです。

この時観客はホーソーン警部を悪者とみなして「何を言っているんだ」と思います。

しかしこの時からホーソーン警部は、マーフィーがエンリケ事件に関わっていることを疑っていたのです。

『トレイン・ミッション』(2018)の最後は?ラストシーンや結末を解説

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『トレイン・ミッション』(2018)の結末・ラストシーン

本項では『トレイン・ミッション』(2018)の結末を解説していきます。

マイケルが探していた「プリン」は、殺人事件の目撃者で、証拠を手にしていることが分かりました。

マイケルは妻子を人質にとられており、このままでは家族かプリンのどちらかの命が奪われてしまいます

しかし、持ち前の正義感と行動力でプリンも家族も守ろうとするのです。

筆者はそれを正義感が強いと捉えるか、無責任で無鉄砲なのかぎりぎりのラインだと思いました。

プリンは犯人が「崇高な精神なんて古い」と話したことを覚えていました。

列車で人質をとっているマイケルを説得するべく、友人の警部補マーフィーが現れたときに、マーフィーの口から同じ言葉が出るのです。

うっすら怪しいとは思っていましたが、マーフィーがエンリケ殺しの犯人とは!

マーフィーに殺されそうになるプリンを、なぜか乗客全員でかばうという感動の展開になります。

結局ホーソーン警部から疑われていたマーフィーが撃たれて事件は解決します。

冒頭のバーのシーンの伏線がここにきて綺麗に回収されてすっきりしました。

最後に見せた身分証(バッジ)は何だったのか?

『トレイン・ミッション』(2018)のラストは、マイケルと黒幕の女ジョアンナと対峙するシーンです。

ジョアンナは、毎朝6時20分のシカゴ行きに乗車する、会社員であることが分かります。

詰め寄るマイケルに、ジョアンナは「何もできないでしょう」と、軽くあしらいます。

そこで水戸黄門の印籠のように、マイケルはジョアンナに警察バッジを見せつけるのです。

出会ったときには何者でもなかったマイケルですが、警察に復職していたのです。

『トレイン・ミッション』(2018)のその後は?続編はある?

『トレイン・ミッション』(2018)のラストは、ジョアンナを逮捕する直前で終わります。

黒幕は恐らく地方検事局の人間だと思われますが、そこには触れられていません。

かなり大きな力をもつ人物のようで、関わっているのも一人や二人ではないように思います。

上映時間の関係でこのような終わり方にしたのか、続編を作るつもりなのかは不明です。

しかし、本作には続編を作ることが出来るポテンシャルがあります。

続編に期待してもいいのではないでしょうか!

【レビュー】『トレイン・ミッション』(2018)の評価・評判

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【つまらない?】低評価のレビュー

『トレイン・ミッション』(2018)の低評価レビュー
Filmarks:★★☆☆☆ 2.4
「権力者として出てくる人たちへの深掘りが物足りなくて、ストーリーは楽しめなかった」
映画.com:★☆☆☆☆ 0.5
「列車内で拳銃振り回して、妄想に取り憑かれた頭のおかし人にしか見えなかった」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★☆☆☆ 1.5
「かなりばかげた陰謀が、この映画を動かしている」

監督とリーアム・ニーソンのタッグは4回目で、もはやシリーズものと考えている観客は多いと思います。

短い上映時間で、伏線を回収しながら戦うリーアム・ニーソンという新しいジャンルと言っても過言ではありません。

それを知らずに見た人は「内容がない!」「話がめちゃくちゃ!」と思う人もいるでしょう。

本作は洗練されたアクションでもサスペンスでもないと思います。

戦うリーアム・ニーソンの映画だからです。

それでいて、本作は序盤の伏線の回収も鮮やかでした!

【面白い?】高評価のレビュー

『トレイン・ミッション』(2018)の高評価レビュー
Filmarks:★★★★☆ 4.0
「正直途中から大体のオチは読めましたが、いいテンポといい緊張感で終始面白かったです」
映画.com:★★★★★ 5.0
「エンドロールも洒落ていて最後まで良かった」
Rotten Tomatoes(海外の評価):★★★★☆ 4.0
「ストーリーには多くのひねりがあり、脚本は巧妙で予測不可能です」

高評価の方の意見で多かったのは「リーアム・リーソンらしい映画だった!」ということです。

とにかくリーアム・ニーソンがアクションしているところを観たかったという人が多く、内容のテンポの良さと、リーアムのアクションに満足した観客が多かったようです。

『トレイン・ミッション』(2018)の総合評価

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ここまで『トレイン・ミッション』(2018)の魅力を書いてきました。

105分の上映時間に、よくこれだけ詰め込めたなと感心するほど見ごたえがある作品です。

ハラハラドキドキする本作は、劇場で観るべき作品だと思います。

本作では監督と主演のタッグは4度目ですが、今後5度目、6度目のタッグも期待できそうです!

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