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マイ・インターン感想・考察

『マイ・インターン』(2015)は、アメリカのコメディ映画。

オスカー俳優のロバート・デニーロとアン・ハサウェイが共演を果たしたことでも話題となりました。

監督は『恋するベーカリー』でゴールデングローブ賞にもノミネートされたナンシー・マイヤーズで、年齢や性別、地位も違う男女が徐々に友情と信頼を築いていく過程を温かく、そして明るく描いています。

興行収入は世界では1億9千万ドルで、日本でも約17.5億円をあげており社会現象を巻き起こしたヒット作品となりました。

自分の人生の考え方や仕事に対する姿勢などを改めて考えさせられ、特に働く女性を応援するような作品『マイ・インターン』(2015)について、あらすじと感想、評価をネタバレを交えて紹介していきます。

『マイ・インターン』(2015)の作品情報とキャスト


マイ・インターン(吹替版)

作品情報

原題:The Intern
公開年:2015年
製作国:アメリカ
上映時間:121分
ジャンル:ドラマ、コメディ

監督とキャスト

監督:ナンシー・マイヤーズ
代表作:『恋愛適齢期』(2003)『恋するベーカリー』(2009)

出演者:ロバート・デニーロ
代表作:『ゴットファーザーPARTⅡ』(1974)『ジョーカー』(2019)

出演者:アン・ハサウェイ
代表作:『プラダを着た悪魔』(2006)『レ・ミゼラブル』(2012)

『マイ・インターン』(2015)のあらすじ

ジュールズとベン © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

ファッションサイトの社長として、仕事と家庭の両立をこなしながら、日々忙しく働くジュールズ。

そんなジュールズの元に、インターンとして40歳以上年上のシニアインターンのベンがやってきた。

最初は乗り気でなく、ベンを軽くあしらっていたジュールズだが、ベンの誠実さや仕事ぶりを見て次第に心を開いていく。

そしてその頃、ジュールズには公私ともに大きな試練が訪れていた。

自分の思いや悩みを打ち明けることが出来ず、1人苦しんでいたジュールズを救ったのはベン。

ベンは豊富な人生経験からジュールズに、最高の”アドバイス”をする。

ベンの言葉に勇気をもらったジュールズは、目の前の試練に立ち向かうことを決意したのだった。

『マイ・インターン』(2015)の感想と考察

ジュールズとベン © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

人は歳の差や立場関係なく、「熱い友情と深い信頼関係を築くことができるのだ」と本作を通じて感じました。

ジュールズは最初こそベンのことを煙たく思っていましたが、ベンの仕事ぶりや人柄を知り徐々に心を開いていき、最後には会社のことや夫婦の悩みを相談するまでになります。

40歳以上の歳の差があり上司と部下という立場ですが、ベンはジュールズにとって人生の大先輩。

これまで積み上げてきた経験と、人の本質をしっかり見ることのできるベンはジュールズにとって部下や友人だけでなく、父親のような存在でもあるのではないか思いました。

またベンの行動一つひとつにも優しさと、ジュールズに対しての愛を感じます。

それはベンがジュールズの仕事に対する姿勢や、家庭と両立しようと頑張る姿を見て1人の人として尊敬しているからでしょう。

生きていく中で尊敬できる人に出会える、というのはとても貴重なことだと思います。

自分は人に尊敬されるような人間なのか。そんなことを考えるきっかけにもなりました。

そしてやはり信念を持ち何かに必死に打ち込んでいる人は輝いており、魅力的に見えます。

日々必死に頑張っていれば、必ず見てくれている人がいて倒れそうなときは支えてくれる。

そんな存在がいるだけで、人はもっと頑張ることができ、強くもなれるのだと感じました。

『マイ・インターン』(2015)のタイトルに込められた意味を解説

ジュールズ © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

『マイ・インターン』(2015)の原題は、「The Intern」で、直訳すると「あるインターン」です。

これは、ロバート・デニーロ演じるベンが主人公の映画であると読み取れます。

実際に映画の冒頭でも、ベンの視点で語られるシーンから始まり、ベンがジュールズと出会うところからストーリーが進んでいきます。

しかし、日本版のタイトルは「私のインターン」です。

主人公はアン・ハサウェイ演じるジュールズで、そのジュールズの元にきたシニアインターンとのストーリー、という印象を受けます。

これは、日本側がプロモーションをする際に、日本でも有名な『プラダを着た悪魔』(2006)のアン・ハサウェイの新作映画とした方が話題になると思ったからでしょう。

また、本作の舞台がファッション業界で活躍する女性であるため、女性の観客を多く獲得するためこのようなタイトルになったのではと思います。

実際に観客層は20~30代の女性がもっとも多く、そのほとんどはロバート・デニーロよりアン・ハサウェイを目当てでの鑑賞が多かったようですが、幅広い客層の観客の共感を呼びヒットへと繋がりました。

【ネタバレあり】『マイ・インターン』(2015)の原作や元ネタとは? モデルとなった人物はいる?

ベン © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

『マイ・インターン』(2015)には原作はなく、完全オリジナルストーリーです。

しかし、「アメリカの通販サイト”GILT"という会社をモデルにしているのでは」と言われています。

ジュールズが部下から、外部からCEOを迎え入れてはどうか、と提案されるシーンでも”GILT”の名前が出てくるなど、本作を作る上で”GILT”を参考にしたことがうかがえるところもありました。

また、2006年に公開した『プラダを着た悪魔』(2006)の続編みたいな映画とも言われています。

同じファッション業界を舞台にした作品であるため『プラダを着た悪魔』(2006)で新入社員だったアン・ハサウェイが、その後別の会社で社長として成功をおさめたストーリーなのではとファンの間で話題になったからです。

また、公式サイトでも

まるで『プラダを着た悪魔』の主人公のその後のような、全てを手に入れた彼女の新たな出会いと試練を描いた作品である

と宣伝されています。

このことから、実際にはこの2作の話の内容はまったく違うものの、『プラダを着た悪魔』(2006)でのアン・ハサウェイの初々しい姿と、9年後の本作での堂々とした大人の女性になった姿を、重ね合わせて見る方が多かったのではないでしょうか。

なぜ日本語を使っている?『マイ・インターン』(2015) に登場する”サヨナラ”の意味は?

ジュールズとベン © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

『マイ・インターン』(2015)では、英語圏の映画でありながら劇中で”サヨナラ”という言葉が出てきます。

なぜ日本語の”サヨナラ”という言葉が使われたのか解説していきます。

まずこの”サヨナラ”とジュールズが発言する前に、ジュールズがランチでお寿司を食べていて、洋服に醤油をこぼしてしまうというシーンが出てきます。

そしてその服についた醤油を落とすというのが、ベンに与えられた最初の仕事です。

その後も、別の日にジュールズが「お腹が空いた」と言うと、「ベンがお寿司でも食べますか?」と言うシーンが出てくるなど、ジュールズが日本の文化に対して関心を持っているのが分かるよう演出されています。

ですので、前のシーンから繋がる形で日本語である、”サヨナラ”という言葉が使われているのです。

ではなぜ、そもそもこのような日本に関心があるような演出にしたのか。

その1番の理由は監督であるナンシー・マイヤーズが、もともと日本語好きであるからでしょう。

この”サヨナラ”という言葉に監督のナンシー・マイヤーズは温かいイメージを持っており、普段から友人たちとの挨拶で使っているのだそう。

そのため、この”サヨナラ”という言葉を、ベンとジュールズが別れ際で言い合うことによって上司と部下として、そして友人としてより深く心が通じ合った、2人の温かな雰囲気を表現したかったのではと思いました。

【ネタバレあり】『マイ・インターン』(2015)の最後は? ラストシーンや結末を解説

ジュールズ、ペイジ、マット © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

ジュールズは新しいCEO候補との面談のため、ベンとサンフランシスコへ。

面談の前日、ホテルの部屋でジュールズは自分が仕事で忙しくしているため夫のマットが浮気をしていることをベンに話します。

CEOを迎え入れる気になったのも、自分の仕事の負担を減らすことができれば家庭を立て直せると思ったからであると。

ベンは仕事を続けるべきだと言い、ジュールズもそうしたいと思っていますが、娘のペイジのことや自分の将来を考えるとそうもいかないのだと苦しい胸の内をベンに吐き出します。

そして、面談を終えたジュールズはCEOとして迎え入れることを決め、ベンと共に家に戻ります。

家に戻ったジュールズは夫のマットに、夫婦のためにCEOを迎え入れることを決めたと話し、家庭を立て直せるように努力してみないかと問いました。

翌日ベンの家にやってきたジュールズにベンは、

君ほど会社に打ち込める人はいない

会社には君が、君には会社が必要だ

経験豊富な人がきたって、君ほど素晴らしいものを生み出せない

自分の夢を夫の浮気のせいであきらめるのか

と伝えます。

ベンの思いを聞いたジュールズは、いつも味方でいてくれるベンに

あなたはインターンであり、最高の友人 ありがとう

と感謝しました。

CEOの採用をやめることを決意し断りの電話をしようとしたところ、夫のマットが現れジュールズに浮気のことやこれまでのことを謝罪します。

そして、「もし許してくれるなら、もう一度やり直したい」と告げ、2人はお互いの思いを確認し合いました。

その後、CEOの件やマットとのことを報告しようとジュールズはベンに会いに行きますが、休暇を取っており会社にはいません。

ジュールズはベンの居場所を聞き、その場所に向かうとベンはみんなと太極拳をしていました。

いつも時間に追われ、せわしなく働いていたジュールズにとって、ゆっくりとリラックスできるその空間はとても新鮮なもの。

ベンに誘われ一緒に太極拳をしているジュールは、いろいろな不安や悩みから解放されて晴れやかな顔をしていました。

仕事も家庭も完璧に両立させるのは、誰でも大変でしょう。

それが女性の場合には、社会的な立場からますます難しいことであると感じます。

しかし、自分の好きな仕事に全力で打ち込みやり遂げることの素晴らしさや、自分の人生の歩み方をジュールズは教えてくれました。

仕事にプライベートに頑張っている人の背中を、さらに押してくれような結末です。

『マイ・インターン』(2015)は面白い? つまらない?評価を解説!

ジュールズ © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

『マイ・インターン』(2015)の評価をレビューサイトの意見とともにまとめていきます。

『マイ・インターン』(2015)のレビューサイトでの評価は平均4.1点と高評価。

『プラダを着た悪魔』(2006)で有名なアン・ハサウェイ出演ということで、日本公開前から注目を集めていました。

アン・ハサウェイのおしゃれな着こなしや、ロバート・デニーロのおどけた演技なども楽しめる穏やかなストーリーの本作。

そのため物語は何か大きなことが起こる、というような激しい展開はないので、つまならいと感じた方も多くいるようです。

つまらないと感じた方の中には

話の内容がうまくいきすぎているため、あまり現実的に感じられない

出てくる人がみんないい人なこんな会社は、実際にな

などという意見を言っている方が多くみられました。

職場を舞台にした映画ではありますが、ストーリーの軸になっているのはジュールズとベンの友情であるため、お仕事映画として見ると少し物足りないのかもしれません。

しかし、全体的にはやはり高評価の意見が多いです。

それはありきたりなストーリーだからこそ、自分の日常と重ね合わせることができ「前を向いて頑張ろう」と思えるからではないでしょうか。

『マイ・インターン』(2015)のまとめ

ジュールズとベン © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

若い女社長と高齢者のインターン、という異色な2人の物語『マイ・インターン』(2015)。

仕事のことや、これからの自分の人生の歩み方について、改めて考えることができます。

そして、2人の友情や人の温かさを感じることができるため、見たあとにほっこりと心が温まること間違いありません。

仕事もプライベートも全力で頑張りすぎてしまって少し休憩したいときや、何かに行き詰ったときなどにぜひ見てほしい作品です。

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