大の大人達が本気の鬼ごっこ!? 実話を元にした映画『TAG タグ』(2018)のルールやラストを解説【あらすじ、感想、ネタバレあり】
『タグ』(2018):© 2018 Warner Bros.

大人になっても鬼ごっこをやり続ける男達を描いた『TAG タグ』(2018)。

子供の遊びに大人げなさが合わさった、ナンセンスコメディ作品です。

想像を超えたスケールの鬼ごっこに、度肝を抜かれることでしょう。

また、鬼ごっこを通して、友情や楽しむ心の大切さを再認識させてくれる作品です。

本記事では、原作や楽曲などを紹介しながら、本作のラストをネタバレと評価を交えて解説していきます。

『TAG タグ』(2018)の作品情報とキャスト

『TAG タグ』(2018):© 2018 Warner Bros.

作品情報

原題:Tag
製作年:2018年
製作国:アメリカ
上映時間:100分
ジャンル:コメディ

監督とキャスト

監督:ジェフ・トムシック

出演者:エド・ヘルムズ(ホーギー)
代表作:『お!バカんす家族』(2015)『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)

出演者:ジェレミー・レナー(ジェリー)
代表作:『メッセージ』(2016)『ハート・ロッカー』(2008)

出演者:ジョン・ハム(ボブ)
代表作:『ミリオンダラー・アーム』(2014)『ザ・タウン』(2010)

『TAG タグ』(2018)のあらすじ

ジェリーと婚約者のスーザン:© 2018 Warner Bros.

ボブはオフィスの会議室で、「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌の記者レベッカの取材を受けていた。

そこに、取材で使用中にもかかわらず、中に入ってきた1人の清掃員。

大きな物音を立てる清掃員に対し、取材にならないと退室を促すボブ。

すると彼は突然被っていたカツラを取り、お前が鬼だとボブの身体にタッチ。

その男は、ボブの旧友で鬼ごっこ”TAG”仲間のホーギーだった。

今年こそジェリーを鬼にしようと燃えるホーギーに対し、どうせ無理だと冷静なボブ。

ジェリーは今まで一度も鬼になったことのない、”TAG”の達人。

そんなジェリーが結婚を機に今年で”TAG”を引退すると知り、ホーギーは必死だったのだ。

ホーギーとボブは最後にジェリーを鬼とするため、同じく仲間のチリやセーブルとも合流。

記事になると付いてきたレベッカらと共に、故郷に戻ってきた4人。

計画のための情報収集として、街の連中にジェリーの居場所を聞くも、口を閉ざすばかり。

この街に戻ってきたときから、既に戦いは始まっていたのだった。

【ネタバレあり】『TAG タグ』(2018)で開催される鬼ごっこのルールをおさらい

チリと鬼を交替するホーギー:© 2018 Warner Bros.

『TAG タグ』(2018)の本編で繰り広げられる鬼ごっこには、厳格なルールが存在します。

いくら子供の遊びでも、ルール無用ではつまらないというもの。

そして、いい歳の大人がきっちりとルールを守って鬼ごっこをする様は愉快です。

彼らの鬼ごっこは、基本的に普通の鬼ごっこと変わりありません。

これをベースにいくつかの制約を設けたものが、彼ら流の"TAG"となっているのです。

ちなみにルールはその都度改訂され、改訂の際はルールブックへのメンバー全員の署名が必要。

ここでは、厳格な運用の下、彼らが設定した主なルールをいくつか紹介していきます。

TAG タグルールその1:メンバーは5人のみ

鬼ごっこに参加できるのは、ホーギー達5人のみ。

初期メンバー5人の脱退以外のメンバー入れ替えは認められていません。

"サンドパイパー"のルーもしきりに入れてくれと言いますが、彼らは頑なに拒みます。

TAG タグルールその2:毎年5月に開催する

鬼ごっこが行われるのは毎年5月。

この1か月の間、彼らは鬼ごっこを続けなければなりません。

5月が終わるまでに最後に鬼になった者は、その年の鬼となり、1年間恥を背負うこととなります。

TAG タグルールその3:5月中は鬼はどこへでも来られる

5月中はどこもかしこも鬼ごっこの舞台となります。

かつては、ホーギーの妻アンナの出産中も、ホーギーの父の葬儀でも行われてきました。

オフィスだろうが何だろうが、鬼はどこまでも追いかけてくるのです。

それゆえ、鬼に限らずメンバーは隠れることも変装することも自由となっています。

神出鬼没に鬼がやってくるスリリングな展開は、"TAG"の持ち味の1つでしょう。

TAG タグルールその4:鬼か尋ねられたら速やかに正直に答える

鬼かどうか尋ねられたら、その者は自分が鬼かどうかを正直に答えなければなりません。

壮大な規模感で行われる鬼ごっこですが、フェアプレー精神は息づいています。

何より、"TAG"は友情破壊ゲームではないということ。

いつまで経っても子供のまま楽しむことが、本質にあるのです。

TAG タグルールその5:ジェリーの結婚式に関するイベント時はNG

今回の鬼ごっこで新たに加えられたルール。

ジェリーの婚約者スーザンの提案によるもので、ホーギー達はしぶしぶ認めました。

ただ、このルール改訂はジェリーが仕掛けた巧妙な作戦の1つ。

厳格なルールさえも逆手に取って鬼から逃げ切るジェリーは、余程の負けず嫌いなのでしょう。

TAG タグルールその6:女性は参加不可

"9歳の取り決め"で決定された事項。

特に、"TAG"メンバーと旧友でもあるアンナは、何事も過激にやりすぎるため参加不可です。

このルールはラストで改訂され、最終的にアンナもレベッカも鬼ごっこに参加しています。

【ネタバレあり】『TAG タグ』(2018)は実話? 原作や元ネタはある?

「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌の記者レベッカ:© 2018 Warner Bros.

大人達の鬼ごっこを描いた『TAG タグ』(2018)には、原作があります。

なんと本作は、実際に鬼ごっこが行われていたという実話を基にして作られているのです。

基となったのは、ワシントン州出身の10人の男達。

彼らは、毎年2月のまるまる1か月間鬼ごっこをする生活を28年もの間続けてきました。

すると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌がこの話に注目し、彼らの密着取材を始めます。

彼らの特集記事は2013年に同誌の一面に掲載され、その存在は一気に知れ渡りました。

その翌月、2013年2月には早くも映画化企画が立ち上がります。

こうした経緯を踏まえ、本作は出来上がったのです。

なお、後に詳述しますが、彼らの実際の映像が本作のエンディングで流れます。

本作で行われたことが実際でもそのままやられていたのを観て、思わず言葉を失いました。

圧倒的なスケールの大きさは、流石アメリカといったところでしょうか。

【ネタバレあり】『TAG タグ』(2018)の挿入歌、楽曲を紹介

ホーギーから逃げるチリ:© 2018 Warner Bros.

『TAG タグ』(2018)には劇伴曲のほか、数多くの曲が挿入歌として用いられています。

取り上げられたアーティストも、様々な世代・ジャンルの者達ばかり。

そして、本作において最も特徴的なものの1つとして挙げられる、エンディングに流れる歌です。

本項目では以下、挿入歌とエンディングの歌について紹介していきます。

『TAG タグ』(2018)の挿入歌について

本作に特徴的なのが、挿入歌にヒップホップが多い点でしょう。

これら楽曲が、コメディ作品である本作をより軽快なものに仕上げているのです。

以下、挿入歌について、挿入順に紹介していきたいと思います。

なお、表記は、曲名(リミックスver.やサブタイトルはカッコ書き)にアーティスト名(カッコ書き)の順です。

Runnin'(The Pharcyde)

オープニング及びエンドロール前で流れます。

Cindy(Rotten Tanx)(Thurston Moore)

メンバー達が故郷に戻ってきたシーンで流れます。

Check the Rhime(A Tribe Called Quest)

ホーギー、ボブとレベッカが仲間達を呼び戻しに向かう場面で流れます。

Shake Your Rump(Beastie Boys)

チリがホーガン夫妻に追いかけられるシーンで流れます。

Back in the Day(Remix)(Ahmad Lewis)

メンバー達が故郷に戻ってきたところで流れます。

A Good Idea(Sugar)

メンバー達がホーギーの実家の遊び部屋でビールを飲むときに流れます。

Lake of Fire(Eric Bachmann)

メンバー達が"サンドパイパー"へ向かう最中に流れています。

Hips Swingin'(Naked Raygun)

メンバー達がジェリーと出会った後、"サンドパイパー"で飲み直す場面で薄く流れています。

Mother(Danzig)

ショッピングモールで老婆に変装したホーギーがジェリーに挑むシーンで流れます。

Masterpiece(Atlantic Starr)

ボブとチリの恋人だったシェリルを見つけた後の3人の過去回想シーンで流れます。

Sound of da Police(KRS-One)

ゴルフ場でカートに乗ってジェリーを追いかける場面で流れます。

Crazy Train(Ozzy Osbourne)

ホーギー達が森の中でジェリーを探す最中に流れます。

Wave of Mutilation(UK Surf)(Pixies)

結婚式リハーサル後、"サンドパイパー"でチリとシェリルが再会する場面で流れています。

Motownphilly(Boyz Ⅱ Men)

ホーギー達がデイヴからジェリーの行く場所を聞き出した後の"サンドパイパー"で流れています。

Mmm Mmm Mmm Mmm(Crash Test Dummies)

スーザンのニセ流産という嘘をついてジェリーが逃げた後、ホーギーの家に戻るところで流れます。

Colors(Ice-T)

メンバー達がジェリーの結婚式に来たシーン、及びエンディングで流れます。

『TAG タグ』(2018)のエンディングの曲について

本作のエンディングは3つの曲が流れます。

そのうちの2つは、先で紹介した"Runnin'"と"Colors"です。

では残り1曲は何なのかというと、これまた紹介済みの"Mmm Mmm Mmm Mmm"。

ですが、エンディングのそれは、なんと"TAG"メンバーが歌っているのです。

ジェリー役のジェレミー・レナーがメインヴォーカルを務め、他4人がコーラスを担当しています。

ジェレミーのややハスキーで優しい声は、色気も十分。

また、その他の4人のコーラスも見ものです。

エンドロール時には、5人が歌っている表情が流れますので、注目してみてください。

【ネタバレあり】『TAG タグ』(2018)のエンディング・ラストは?

ホーギー、捨て身のアタック:© 2018 Warner Bros.

『TAG タグ』(2018)のラストを解説していきます。

常に逃げ切るジェリーと、捕まえられない4人。

彼らの間には知らぬ間に少しづつ溝が生じ、鬼ごっこは激化の一途をたどります。

追い詰められたホーギー達は、いったいどんな手を使ってジェリーを捕まえるのでしょうか。

また、この激闘は意外な形で終わりを迎えます。

彼らが得たものとは何だったのか、この点にも是非注目してみてください。

長い戦いの果て

スーザンが流産するという嘘までついて、鬼となることを逃れたジェリー。

彼らの行動は"契約違反”だと、ボブ達は結婚式に乗り込んで捕まえようとします。

しかし、ホーギーは心が折れてしまったか、もう止めようと提案。

そして、もう子供から卒業してきちんとジェリー達を祝ってやろうと言い出しました。

結婚式場に向かうとそこには、楽しそうにシャンパンを飲むスーザンの姿。

全て作戦だったと白状する彼女の言葉に、ホーギーは態度を一変させます。

その後、式で2人が誓いを立てる場面、破れかぶれでジェリーに飛びかかるホーギー。

気配を瞬時に察知したジェリーはこれをかわし、ホーギーはその場で倒れこんだまま動かなくなりました。

病院に搬送されたホーギーは、仲間達に全てを打ち明けます。

彼は肝臓に腫瘍が出来ていて、来年の"TAG"にはもう参加できないこと。

だからこそ、自分がギリギリ動ける今回のうちにジェリーを鬼にしたかったという強い思い。

そのため、ジェリーが今年いっぱいで引退すると嘘をついてみんなを呼び寄せたことなど。

電話越しにその話を聞いていたジェリーは、通話を切って目の前に現れました。

ホーギーは、結婚式を台無しにしたことに対し、ジェリーに謝罪。

これに対し、台無しにはなっていないとフォローするジェリー。

そんな中、5月はあと5分残っていると言い出したホーギーは、ジェリーにタッチさせろと言います。

最後まで鬼になりたくなかったジェリーは、粘りに粘った後、無事初めての”鬼”をもらいました。

それからは、残り数分の間みんなで楽しく鬼ごっこ。

本編はここで終わり、ここからモデルとなった男達の実際の鬼ごっこ映像が流されます。

鬼ごっこに込められたもの

この作品は、男達の変わらない友情の尊さを描いたものです。

いい大人が1か月もの間鬼ごっこに没頭するということ。

彼らの姿は、大人として恥ずかしく、情けないものとして映るでしょうか。

この問いに対する本作からの答えが、本編中にいくつか示されているので紹介します。

まず1つが、最後の病院のベッドでホーギーがジェリーに言った一言。

「鬼ごっこはお互いから逃げるためじゃなく顔を合わせるためにあるんだ」

この前にジェリーは、仲間との間に距離を感じていたと本音を吐露。

それはお前が逃げて先に行くからだと、ボブ達はジェリーの強さを褒め称えます。

ホーギーはこのコンテクストの中で上の言葉を放っているのです。

彼らにとって元々ただの遊びだった鬼ごっこは、いつしか性質を変えていました。

たとえ遠く離れていても、集まって鬼ごっこすれば、変わらない友情を確かめることができます。

いわば鬼ごっこは口実であって、再び顔を合わせることこそが大事なのです。

彼らの友情を恥ずべきものだと罵る権利など誰にもありません。

そしてもう1つの答えが、本作のあちこちで唱えられたこの言葉です。

「老いて遊びをやめるに非ず やめるから老いる」

そのままの通り、歳を取ったから遊ばなくなるのではなく、遊ばない者ほど老けやすい、の意。

"TAG"メンバーがモットーとして掲げている言葉でもあります。

いつまでも子供心を忘れず、思いっきり楽しむことの大切さ。

楽しみを見出さなくなったときに、人は凝り固まった偏屈な志向へとシフトしていくのです。

そんな人物像をポジティブに捉えられる人はごくわずかでしょう。

老いないためにも、彼らは全力で鬼ごっこをやっています。

その姿勢をバカにすることなど、到底許されるものではないのです。

以上のポイントが作中に点在していることからもわかる通り、本作はこの鬼ごっこに好意的です。

誰だって老けたくはないし、楽しいことと向き合いながら人生を送りたいもの。

本作は、その実践例として大人の本気の鬼ごっこに目を付け、描いています。

さらに、いつになっても変わらない、旧友との友情の素晴らしさをも思い出させてくれる作品なのです。

【ネタバレあり】『TAG タグ』(2018)の評価は?

ジェリーを探すメンバー達:© 2018 Warner Bros.

ここでは、『TAG タグ』(2018)に向けられた評価について、個人的評価も含めて述べていきます。

まず、客観的な評価として興行収入を見ると、本作の公開初週末の興行収入は1494万ドル。

『インクレディブル・ファミリー』などと同じ週に封切られた本作。

にもかかわらず、週末興行収入ランキング第3位となっています。

続いて、アメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes」批評家支持率は56%。

平均点も10点中5.6点と、可もなく不可もなくといった評価を受けています。

ここからは私の個人的評価です。

本作を観てしばしば気になったのが、鬼ごっこのやり方に結構なえげつなさがあったこと。

葬式の場を荒らしてまで、続行するだけの価値のあることだったのでしょうか。

ジェリーに至っては、妻の流産をネタにしてまで鬼ごっこに勝ちたいのかと、終始信じられませんでした。

先の項目で述べた通り、ホーギーは、鬼ごっこは顔を合わせるものだと言いきっています。

と言っておきながら、作中の5人はいずれも追う/逃げるにかなり執着している様子。

すなわち、ホーギーの言葉の重みが失われているのです。

掲げた主張は素晴らしいものですし、共感する点がたくさんあります。

しかし本作は、言葉と行動が一致していません。

こうした違和感や、採用したネタの不快感さが、本作の評価を下げていると言えます。

加えて、全体的にもっと明るさや華やかさが欲しかったところ。

人それぞれではありますが、個人的に、本作には厳しめの評価を付けたいと思います。

『TAG タグ』(2018)のまとめ

セーブルとホーギー、チリ:© 2018 Warner Bros.

子供じみたものを好きでい続けることは、何も恥ずかしいことではありません。

それらは確実に、(そこまで嫌いでもない)現在の自分を形作った要素の1つだからです。

言い換えれば、その人にとっての大きな財産だといえます。

『TAG タグ』(2018)で、鬼ごっこが教えてくれた財産は、友情と楽しむ心の2つ。

いずれも、豊かな人生を送る上で大切なものだと言えるでしょう。

豊かな人生を送る人は、その感性もまた豊かです。

楽しむ心というものは、人々の感性を刺激し、豊かにするものだと考えています。

こうして刺激された感性が、明日を切り拓くクリエイティビティへと結びついていくのです。

そう考えると、もう少し面白おかしく生きていても、罰は当たらないのかもしれません。

『TAG タグ』(2018)の他にも笑えるコメディ映画を紹介していますので、参考にしてみてください。

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