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『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の伏線やラストシーンの解説と作品の考察【あらすじ、感想、ネタバレあり】
ダグラス・バレットと戦う主要メンバー@IGN

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)は、4億6000万部突破している大人気漫画『ONE PIECE』を原作とした劇場版の14作目になります。

本作品は過去のキャラクターが沢山参加するためオールスター映画とも言われ、最悪の世代やバルトロメオ、藤虎、黄猿、サボなど本編では交わることのなかった人物が夢の共演を果たします。

『ONE PIECE』はキャラクターに魅力のある作品のためファンにとっては、この夢の共演はワクワクが止まらない作品でした。

しかし、本作品は期待外れにもつまらないといった評価が多くあったのです。

なぜこれほど期待値が高かった作品につまらないなどの評価がついてしまったのでしょうか。

本記事では、『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の考察、あらすじ、結末、評価、本編の伏線をネタバレを含めながら解説していきます。

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の作品情報とキャスト


ONE PIECE STAMPEDE

作品情報

原題:ONE PIECE STAMPEDE
製作年:2019年
製作国:日本
上映時間:101分
ジャンル:アニメ、アドベンチャー、アクション

監督とキャスト

監督:大塚隆史
代表作:『映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花』(2011)

出演者:田中真弓(モンキー・D・ルフィ)
代表作:『ドラゴンボール』『宇宙兄弟』

出演者:中井和哉(ロロノア・ゾロ)
代表作:『GODZILLA 星を喰う者』(2018)『黒子のバスケ』

出演者:磯部勉(ダグラス・バレット)
代表作:『MONSTER』『BLACK LAGOON』導入

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019) のあらすじ

海賊万博での戦い@IGN

数年に一度突如として開催される海賊万博

そこは海賊の船、食べ物、武器、情報、世界中から珍しいものが集まるいわば海賊の闇市だ。

世界中から集まった海賊たちの中には、ルフィたちとかつて手を合わせた「最悪の世代」「傘下の海賊」やそれを追う「海軍」なども来ていた。

今回は余興として海賊王ゴールド・ロジャーのお宝探しが開かれ、そこに麦わらの一味も参加するのだった。

しかし、海賊万博の裏では鬼の跡目と呼ばれかつて海賊王ゴールド・ロジャーの船に乗っていたこともあるダグラス・バレッドが絡んでおり、世界戦争を起こすための陰謀が渦巻いていた。

巨大な陰謀と最強の敵があらわれる中、ルフィはかつて旅で出会った海賊や海軍、革命軍とともに力を合わせて立ち向かうのであった。

【ネタバレあり】『ONE PIECE STAMPEDE』(2019) の感想

ダグラス・バレットと戦うルフィ@IGN

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019) の感想

ルフィのキャラがぶれている

ルフィの魅力といえばその絶対にぶれることのない意志の強さでしょう。

どんなに要領が悪く理解できないことを言っていたとしても、ルフィが真っ直ぐ何かに向かう様を見て心惹かれるファンは多いはずです。

しかし、そんなルフィ本作では少しキャラクターがぶれてしまっています。

ルフィと最悪の世代がダグラス・バレットと戦う場面ですが、最悪の世代がルフィとの戦いに手を出したときには「余計なことすんなお前ら」と一人で戦う意志を見せていました。

ところがその後ダグラス・バレットに敗れもう一度戦いに挑んだとき、トラファルガー・ローからダグラス・バレットを倒す方法があると提案されると。

「ここにいる奴らでやるんだろ、なら絶対大丈夫じゃねえか」とあっけなく了承するのです。

私はこのシーンを見たときにさっき散々ダメって言ってたのに急に協力して戦っても良くなったのか思いました。

どんな作品であってもキャラクターの強さだけは守って欲しかったです。

登場人物が多いことによる良さと悪さ

本作品の特徴といえば過去に本編で登場したキャラクターが共演していることでしょう。なかには本編だけではなく過去映画で登場した人物なども登場します。

本作品で登場人物同士が繋がることは少ないですが、「この人出てる」といったいわばワンピースファンにとってのご褒美会になっています。

ワンピースを長年観ている、劇場版まで見逃さず観てる言う人に取っては興奮すること間違いなしです。

しかし登場人物が多いことによるメリットはあくまでここまで。

トータルで考えるとデメリットの方が目立った気がします。

例えば、バルトロメオとキャベンディッシュとの関わりです。

本編で傘下の海賊となりドレスローザで別れたこの関係でしたが、

「麦わらのルフィの子分にと名乗り集った曲者7人 この先各個に成長を遂げ いずれ歴史に名を残す 「一大事件」を引き起こすのだが 今はまだ誰も知らない」

大きな伏線を残していました。

また、このように感動的な別れと伏線を残していただけに、傘下の海賊と次に会うときは何か大きなことが起きると楽しみにしていたファンは多いはずです。

しかし本作品ではこのバルトロメオとキャベンディシュが軽いノリで登場して麦わら海賊団と接触してしまっています。

そして接触したにも関わらず特に目立った深い絡みもありません。

本編のファンからするといろいろなキャラを出したいのはわかるが、こんなに雑に出すのであれば出さない方が良いだろとがっかりしました。

もう1点気になった点をあげると、登場人物を出したいがあまり登場する理由が雑になっていることです。

これよってストーリーもよりチープなものになってしまっています。

例えばバスターコールがまだかかっていない状態で藤虎、黄猿が海賊万博の襲撃に来ています。

海軍大将が2人同時にいることなんて本編でも頂上戦争以来の出来事でかなりの大事です。

しかし本作品これもまた作中特にツッコミもなく、普通のノリで登場していました。

これもキャラが軽くなりすぎてしまって本作品をよりチープなものにしてしまった要因だと感じました。

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の考察

ダグラス・バレット@IGN

本作品はストーリーに関しては内容が薄いことにより、ある程度の知識と独自の解釈がないと映画に没頭できないです。

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の時系列について

基本的には『ONE PIECE』の映画は本編に関わることない別軸の時系列で製作されています。

そのため本編の進行と映画を同じものと考えすぎてしまうとツッコミ所満載の映画になるのです。

しかし映画に関してはある程度本編の進み具合と同じように作られています

参考までに本編で麦わらの海賊団が2年後の成長した姿になったときは、『ONE PIECE FILM Z』(2012)以降の作品はすべて2年後の姿で描かれていました。

本作品でも時系列がある程度わかっていた方がストーリーをより楽しむことができます。

時系列を知るポイントになるのは、

ナミがゼウスをつかって攻撃している

七武海が海軍側にいる

このことからおそらくビックマムとの戦いが終わった後(原作890話)尚且つ七武海制度の撤廃(原作956話)の間くらいの出来事でしょう。

他にも「最悪の世代がカイドーのところに何人か行っているはずだけど、そいつらもいるじゃないか」というツッコミなどはありますが、それは映画なので別物と考えた方が良さそうです。

ダグラス・バレットの強さ

作中ダグラス・バレットは海賊王の船に乗っていたこともあり、海賊王の副船長であるレイリーともタメを張ると言われていました。

レイリーといえば海賊王の右腕と呼ばれた男。

海軍大将の黄猿も余裕で止め、今や四皇とも戦っているルフィを鍛えてえてくれた人物でもあり相当の実力者です。

また、ダグラス・バレットは「覇王色の覇気」の持ち主でもあります。

そして悪魔の実の「ガチャガチャ」の実を食べた合体人間であり、その能力は覚醒しています。

覚醒とは作中にも説明されていましたが、能力が己以外にも影響を及ぼすことです。

本作品では島中の武器や船を自分のからの一部にして合体させてました。

これを機にダグラス・バレットは一人でバスターコールを誘発させています。

バスターコールとは海軍の大艦隊の無差別殲滅攻撃で圧倒的な兵力により地図にあった島が無かったことにされるほどの戦力を持ちます。

その脅威から本編でも2回しか使用されたことがありませんでしたが、今回はダグラス・バレットを倒すために止むを得ず使用されました。

ダグラス・バレットはそれほどまでの実力者なのです。

【ネタバレあり】『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の伏線は?

ダグラス・バレットと戦う主要メンバー@IGN

本作品で明かされた本編への伏線は大きく3つあります。

ラブテルのエターナルポース

まず今回の宝であるラフテルへのエターナルポースです。

ラフテルといえばグランドラインの最終地点である島のことをさし、ワンピースはそこにあると言われています。

本編ではまだ明かされていない事実がなんと本作品で明かされているのです。

それはラフテルのイニシャル

LAUGH TALE』(笑い話)とエターナルポースに書かれていましたが、劇場公開中まではまだ本編では明かされていませんでした。

今ではゴールド・ロジャーが最後の島に着いたときに莫大な宝を見てあまりに凄すぎて笑ってしまったことから名付けられたと明かされています(原作967話)

俺たちは早すぎたんだ言葉の意味とは

最後のエンディングでゴールド・ロジャーとレイリーが話しているこの会話

「俺たちは早すぎたんだ ワンピースか誰が見つけるんだろうな そりゃ俺の息子だな」

この会話も本作品の公開中には本編では明かされていない重要な伏線です。

のちに本編の968話で全く同じ言葉を言っており、しっかり伏線の回収をしております。

早すぎたんだの意図としてはラフテルに着いたときにまだ、シラホシが生まれていませんでした。

莫大な宝の中でゴールド・ロジャーは、ワンピースに辿りつくには何個かの要素が必要でゴールド・ロジャーが言ったときはまだその時期ではなかったということでしょう。

「俺の息子だな」というシーンについて

上記で記したセリフの中に誰がワンピースを見つけるかという問いに対してゴールド・ロジャーは俺の息子だなと言っています。

しかしゴールド・ロジャーの息子であるエースはもうすでに死んでしまっています。

となればゴールド・ロジャーの単なる冗談だったと済ませてもいいかもしれませんが、エースと兄弟の杯を交わしたルフィ。

つまりルフィの義父というニュアンスの線も残してもいいかもれませんね。

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)はつまらない? 評価を解説!

ダグラス・バレットと戦う主要メンバー@IGN

ONE PIECE STAMPEDE』(2019)の全世界の興行収入は93億円を突破しています

しかしこの実績に対して本作品の評価はそこまで高くありません

その要因はやはり登場人物を出しすぎたことでしょう

登場人物を出しすぎたことにより内容が薄くなってしまい、また1人1人のキャラの掘り下げが全くされていませんでした。

「出せばいいと思っている。1シーンが軽すぎる。いままでの総集編かな」という印象をどうしも拭えなかったです。

またもう一つの敗因としてはターゲットが誰かわからなかったことでしょう

というのも今回の『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)は漫画に関与しすぎてしまったのです。

それもそのはずで『ONE PIECE』はもはや映画作るのは非常に難しい領域に入ってしまっています。

今や麦わらの海賊団は四皇に継ぐ5番目の海の皇帝と呼ばれています。

つまりルフィよりも強いと思われる敵が後4人しかいません。

本編を読んいでるファンからすると、この状態で実はそれより強い敵がいたんですと言われても流石におかしな設定になってしまいファンをがっかりさせることでしょう。

なので今回の敵も設定はゴールド・ロジャーの船に乗っていたというキャラクター設定になっています。

このようにもはや原作に関係してこないといけない領域に入らないと話の辻褄が合わなくなるほどルフィたちは強くなりすぎたのです。

そうなると必然的にある程度の重要人物などでるので本編の『ONE PIECE』の知識がないと楽しめません。

しかし『ONE PIECE』の原作はもはや900話以上話が進んでいます。

このことから正直ターゲットはある程度予備知識がある人にしていないといけません

ただ作中明らかに『ONE PIECE』を何も知らない人向けに説明されているシーンなどもありました。

スモーカーの持ってる武器は海楼石で作られていますが、敵を前に「海と同じエネルギーを発する石能力者はこいつに触れたら何もできねえ」とだらだらと海楼石の説明をするシーンがあります。

知らない人にとっては丁寧な解説ですが、知っている人にとってはだらだらと今までの復習をさせられている退屈映画になってしまうのです。

【ネタバレあり】『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)のラストシーンや結末は?

ルフィ@IGN

ダグラス・バレットを倒し今回の景品を手に入れたルフィ。

そこに宝を狙っていた、ルッチやクロコダイルが襲いかかります。

しかしルフィは「俺はこれいらねえ!」と宝であるラフテルへのログポースを壊してしまいます。

ワンピースを探す旅に出ているルフィにとっては近道でそこに行くよりも、冒険しながらワンピースを見つけたいという意志が強かったようです。

ラストのシーンではゴールド・ロジャーがラフテルへのログポースを作った乗組員に対して、「こんなもんに頼るやつに手に入れられる宝じゃねえ」といいログポースを捨てるシーンに繋がります。

ルフィとゴールド・ロジャーの価値観がわかるシーンです。

『ONE PIECE STAMPEDE』(2019)のまとめ

『ONEPIECE STMPEDE』タイトル@IGN

ONE PIECE STAMPEDE』(2019)は映画として見るには、内容が薄いなど詰めが甘く未完成な部分がありました。

ただ全体の1シーン1シーンはさすが『ONE PIECE』といった感じで、かっこいいシーンがたくさん出てきます。

特に最後にルフィを逃すためにサボがエースの技である炎上網を、エースの幻影と共に助ける演出は痺れます。

映画は面白くなくても「キャラクターが見たいんだ、もしくは総集編として見る」という人にとってはおすすめの映画です。

また、いままでの劇場版と違い本編に関わる重要な伏線もあるので『ONE PIECE』ファンであれば一度は見ておいた方がいいかもしれないですね。

気になった方はぜひチェックしてみてください。

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