
ミュージカルファンなら誰もが知っていると言っても過言ではない『マンマ・ミーア!』(2008)の待望の続編!
タイトルは変わっていますが『マンマ・ミーア2』という位置づけです。
前作『マンマ・ミーア!』(2008)はイギリスでは、あの『タイタニック』(1997)の興行収入を超える大ヒットになりました。
ファン待望の続編『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)では、前作のキャストが全員続投し、新たなキャストも迎えました。
前作のファンが納得できる作品になったのかを、感想・考察、伏線・ラストシーンを解説していきます。
【『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の評価】
項目 | 評価 | 点数 |
知名度 | ★★★★★ | 95点 |
配役/キャスト | ★★★★☆ | 100点 |
ストーリー | ★★★☆☆ | 70点 |
物語の抑揚 | ★★★★★ | 70点 |
ミュージカル性 | ★★★★☆ | 90点 |
楽曲 | ★★★★★ | 85点 |
目次
- 1 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)作品情報
- 2 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の概要
- 3 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の感想と考察
- 4 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の「ダンシング・クイーン」
- 5 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)母と娘の関係
- 6 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の本当の父親、ドナの死因の考察
- 7 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の原題・タイトルの意味とは?
- 8 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の伏線や、前作とのつながりを解説
- 9 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の最後は? ラストシーンや結末を解説
- 10 【レビュー】『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の評価・評判
- 11 『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)のエンディング
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)作品情報
製作年 | 2018年 |
原題 | Mamma Mia: Here We Go Again |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 114分 |
ジャンル | コメディ、恋愛、ミュージカル |
監督 | オル・パーカー |
脚本 | オル・パーカー |
主要キャスト | リリー・ジェームズ(ドナ・シェリダン)/日本語吹替:池田朋子
アマンダ・サイフリッド(ソフィ・シェリダン)/日本語吹替:小島幸子 メリル・ストリープ(ドナ・シェリダン)/日本語吹替:一柳みる ピアース・ブロスナン(サム・カーマイケル)/日本語吹替:田中秀幸 コリン・ファース(ハリー・ブライト)/日本語吹替:木下浩之 ステラン・スカルスガルド(ビル・アンダーソン)/日本語吹替:福田信昭 ジュリー・ウォルターズ(ロージー・マリガン)/日本語吹替:一龍斎貞友 クリスティーン・バランスキー(ターニャ)/日本語吹替:野村須磨子 ドミニク・クーパー(スカイ)/日本語吹替:杉山紀彰 アンディ・ガルシア(フェルナンド・シエンフエゴス)/日本語吹替:内田直哉 シェール(ルビー・シェリダン)/日本語吹替:鳳芳野 |
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の概要

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ギリシャの美しく青い海に囲まれたカロカイリ島で、母親ドナの夢であるホテルの改装をしたソフィ。
オープンセレモニーを直前に控える中、夫のスカイはホテル経営の勉強のため単身ニューヨークで暮らしている。
「カロカイリ島を離れてニューヨークに来ないか」というスカイ。
母の夢とスカイとの将来という選択に思い悩み、ソフィは不安な気持ちのままセレモニー当日を迎える。
そんな中妊娠が発覚したソフィは、カロカイリ島で母のドナが一人でソフィを生んだことを思い、若かりし頃の母と自分を重ねる。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の感想と考察

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『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の感想
みなさん、まずは前作の『マンマ・ミーア!』(2008)を観て復習してからご鑑賞ください!
本作は、若かりし頃のドナが、サムやビルやハリーとどのように出会い別れたのかという流れと、現在のソフィの置かれている状況が同時に進行していくという構成です。
ドナは昔から直感で動くタイプのようで、男性との関係を含めて天真爛漫のレベルを超えていますが、オープニングの卒業式のシーンからドナの魅力の虜になりました!
個人的には前作のアマンダ・サイフリッドの歌声が好きですが、リリー・ジェームズの声には強さが感じられて感情を揺さぶられました。
前作で使われたABBAの楽曲は、みんなが知っているメジャーな曲でした。
本作では前作で使われなかった、いわゆるB面と言われるような、知る人ぞ知る名曲を使っています。
本作ではドナが亡くなったことや、若かりし日のドナの失恋があったことで、しっとりした曲が多かったです。
そんな中でも冒頭の卒業式のシーンや、ドナがハリーと歌う"ウォータールー"の演出は、前作以上に派手で、凝っており「とにかく楽しんで!」という精神は健在でした。
前作に引き続き、本作もエンドロールまで盛り上げてくれます。
強いて言うならもう一曲メリル・ストリープに歌って欲しかったです。
映画『マンマ・ミーア!』(2008)の感想と考察!タイトルの意味や楽曲を解説
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の考察
本作は、大ヒットした前作『マンマ・ミーア!』(2008)の続編です。
前作から10年経ち、前作のキャストが全員集合した本作は、オリジナルミュージカル映画として大ヒットしました。
続編を製作することは、ハードルが高いはずですが、きっと製作陣やキャストは前作を超える自信があったんだと思います。
今回は、若かりし頃のドナを『シンデレラ』(2015)で主役を演じたリリー・ジェームズが演じており、はつらつとした笑顔と美しい歌声を披露。
前作でアマンダ・サイフリッドが天使のような天真爛漫さで観客を魅了したように、本作ではリリー・ジェームズが本作を引っ張っていきます。
ドナがどうやって3人の父親たちと出会い恋に落ちたのか。
サムがドナに恋するシーンで歌う曲は"アンダンテ、アンダンテ"で、心から楽しそうに歌う姿は観客の心をも掴みます。
ABBAの曲にのせて、恋の楽しさや失恋を表現するリリー・ジェームズは堂々たる演技で、メリル・ストリープの不在を感じさせません。
前作のテイストを保ちながら、新たなキャストを迎えて、とことん楽しめる映画になりました。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の「ダンシング・クイーン」

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前作で最も盛り上がった曲は、言わずと知れた「ダンシング・クイーン」です。
女性たちが、家事をする手を止めて、みんなで歌って踊る圧巻のシーンでした。
本作でもABBAの代表曲の「ダンシング・クイーン」が歌われます。
前作から10年経ち、社会情勢も変わり、男女平等が声高に謳われるようになった現代の「ダンシング・クイーン」は、女性だけではなく、男性も歌って踊って大盛り上がりします。
ハリーとビルは、あの『タイタニック』(1997)の名シーンを披露するという悪ノリぶり!
前作が、イギリスで『タイタニック』(1997)の興行収入を超えたことへのアピールというのは考えすぎでしょうか。
前作では「女性のための女性による曲」として歌われていました。
本作では「すべての人のための曲」に仕上がっています。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)母と娘の関係

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『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)では衝撃的な事実が冒頭に出てきます。
予告ではよくわからないように作っていたので、観客の皆さんは驚いたことと思いますが、本作でドナは1年前に亡くなっていたのです。
その衝撃がエンドロールが流れているときも続くほどで、ドナの存在の大きさを痛感しました。
ドナが亡くなった後、ソフィは母の夢であったホテルの改修を終え、リニューアルオープンを目前に控えています。
ソフィは、それでも自分に自信が持てず「母の期待に応えられていないのではないか」ということばかり気になっています。
しかし妊娠が発覚し、若かりし母が自分をみごもったときに感じた喜びに気づき、ソフィは強くなるのです。
いつしかドナの夢はソフィの夢となり、母から娘へ受け継がれていきます。
ドナが亡くなったことで、本作がより一層母と娘の絆を感じられる作品となりました。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の本当の父親、ドナの死因の考察

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『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の本当の父親は誰かを考察
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)でソフィの本当の父親が誰かを考察していきます。
結論から言うと、誰だかわかりません。
前作では「1/3ずつ父親になる」ということになりましたが、本作でも特に言及されませんでした。
3人の父親たちは相変わらず微笑ましい関係で、ソフィの息子を見て、サムは「自分と同じ青い目だ」と言い、ハリーは「耳は私に似ている」と言い、ビルは「形がいい足は?」と言います。
結局「3人ともがおじいちゃんになる」ということになりました。
しかし筆者は本作を観て、ドナと本気の恋をしたのはサムで、サムこそが父親だと確信しました。
その理由は、ドナがサムに「あなたもこの島に残って」と、プロポーズともとれるようなことを言っていたからです。
それに前作でサムは、結婚式の招待状を受け取ったときから「ドナにプロポーズを申し込むことを決めていた」と言っており、二人の関係が本物であったことを表していると思います。
【ネタバレあり】『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)のドナの死因は?
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)では、冒頭でドナが亡くなっていることが分かります。
ベッドで飛び跳ねるドナを観るために本作を鑑賞したといっても過言ではないので、亡くなっているという話が出たときに頭が真っ白になってしまいました。
スカイとソフィの会話から、1年前に亡くなったようです。
死因に関しては一言も触れられていません。
しかし本作でも歌うドナを観ることはできますし、そこが一番心が揺さぶられるシーンになっています。
おばあちゃんと疎遠だった理由
『マンマ・ミーア!』(2008)では、ドナが母親に言及しているシーンがあります。
「母は私が妊娠したと知って、家に戻ってくるなと言った」とソフィに話しており、疎遠になっていることが分かります。
本作では更に母親がどのような人だったのかが窺えるシーンがありました。
ドナの大学の卒業式に母親のルビーは来なかったのです。
「いつものことじゃない」となだめるロージーに「でも毎回驚く。少しも慣れない」と、母親に興味を持ってもらえていないことを嘆きます。
どうやら母親のルビーは有名な歌手で、世界中を飛び回っていて、家族を顧みることがなかったようです。
ルビーは何十年もラスベガスでしか現れていないようですが、スカイからホテルのオープンを聞いた彼女は「おばあちゃまになる決心」をしてソフィに会いに来るのでした。
本作では、新しいキャストの目玉であるシェールが「おばあちゃま」のルビー役をユーモラスに演じています。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の原題・タイトルの意味とは?

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本項では『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)のタイトルの意味を考察します。
『マンマ・ミーア!2』ではなく『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』となったのはなぜでしょうか。
これはズバリ、ABBAの名曲「マンマ・ミーア」の歌詞からとったのだと思います。
「マンマ・ミーア」の歌詞で"Mamma Mia"に続く歌詞は"Here I Go Again"になっています。
日本語では"またやっちゃった"という意味です。
英語でのタイトルは"I"を"We”として"Here We Go Again"にしていますが、日本語のタイトルは"Here We Go"です。
"Again"を外すことによって"さあ行こう"という意味になります。
こちらの方が前作の明るさやパワフルさが伝わるタイトルですね!
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の伏線や、前作とのつながりを解説

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『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の伏線の解説①
前作の冒頭でソフィが"ハニー、ハニー"を歌いながらドナの日記を読むシーンがあります。
本作では、ドナが世界中を旅するべくスーツケースに荷物を詰め込むシーンで、その日記帳が出てきます。
サムと恋に落ちた後、サムのことを日記に書くシーンも出てきますが、ビルとハリーとのことは書いているシーンはありませんでした。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の伏線の解説②
前作でドナが妊娠したことを母親に知らせたとき「もう帰ってこなくていい」といわれていました。
ドナの母親が異国での恋に厳しくなった理由はなんでしょうか。
本作を観ると、ドナの母親ルビーが大恋愛したのちに悲しい別れをした経験があったことが原因だと推察できます。
その失恋相手であったのが名優アンディ・ガルシア演じるフェルナンドです。
二人が再開したときに、ものすごくいい声で「ルビー!」と高らかに叫ぶシーンは、本作の名シーンの一つだと思います。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の伏線の解説③
『マンマ・ミーア!』での舞台のドナとソフィが暮らすホテルは、どのようにしてドナの手に渡ったのでしょうか。
ビルがソフィに「大叔母が家族に譲ったと聞いた」と語っていましたが、本作ではドナが働くレストランのオーナーがドナに譲ったことになっています。
このおばさんとビルの大叔母が同一人物とは思えませんが、詳しくは描かれておらず謎のままです。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の最後は? ラストシーンや結末を解説

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『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の結末・ラストシーン
前作を超える感動と評判の『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の結末・ラストを解説します。
オープニングセレモニーを無事成功させた9か月後、出産を終えたソフィは、息子の洗礼式を迎えます。
このシーンで、かつてのドナとソフィの洗礼式とリンクするのです。
誰よりも大切な存在となった我が子を愛おしそうに抱くソフィと、ソフィを抱く若かりし日のドナ。
子を想う母の気持ちを歌った曲"マイラブ、マイライフ"を、母娘が歌いあげます。
そして死んだドナがソフィの前に現れ、ソフィを慈しみながら歌い、ソフィはドナとの確かな絆を感じます。
前作の"スリッピング・スルー・マイフィンガーズ"に勝るとも劣らない名曲です。
ここで初めてメリル・ストリープが登場するのですが、優しい表情と歌声と圧倒的な存在感に、喜びと悲しみと感動と安心が一気に沸き起こりました。
【レビュー】『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)の評価・評判
【つまらない?】低評価のレビュー
前作では誰もが知っているABBAの名曲を随所にちりばめており、最初から最後までワクワクする展開でした。
本作では、ABBAファンしか知らないのではないかというような曲が多かったです。
筆者も知らない曲ばかりで戸惑いました。
しかし「アンダンテ、アンダンテ」や「ノウイングミー、ノウイングユー」など名曲を知ることができたし、ストーリーにぴったりと合う選曲だったと思います。
【面白い?】高評価のレビュー
高評価のレビューでは「楽しかった!」や、「同窓会みたいでみんなの顔がまた見れてうれしい!」という声が多かったです。
本作は、観客が観て「キャストの仲がいいんだろうな」と思える雰囲気があります。
「この一員になりたい」という気持ちが、本作の魅力なのかもしれません。
『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)のエンディング

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『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー!』(2018)は、オリジナルミュージカルとして大ヒットした作品です。
本作が伝えたいことは前作と同様で「ただ楽しんで!」ということに尽きます。
「くよくよ考えず、なるようになる」という考えを無責任と感じる人もいるかもしれません。
しかし前を向くために必要なパワーが本作にはあります。
前作のエンドロールはザ・ダイナモスの独壇場でしたが、今回はメンバーが増えたので、総出演で"スーパー・トゥルーパー"をド派手に歌います。
シェールがロックな格好で"スーパー・トゥルーパー"を歌うところを見る日が来るとは思いませんでした。
そしてアンディ・ガルシアがギターを鳴らし、ピアース・ブロスナンとコリン・ファースとステラン・スカルスガルドが歌うのです。
なんてありがたくて贅沢な映画なんでしょうか。
エンドロールでのライブは、良くも悪くもラストで流した涙を速攻で止めます。
鑑賞後に訪れるハッピーな気持ちは「これぞマンマ・ミーアだ!」という満足感に浸れること間違いなしです。
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