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泣ける感動の映画『あと1センチの恋』(2014)のあらすじ、考察とラストシーンを解説【感想、ネタバレあり】
ロージーとアレックス:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

『あと1センチの恋』(2014)は、2014年に日本で公開されたイギリスとドイツ合作の恋愛映画です。

本作はお互いを思いながらも思いを伝えられず、すれ違い続ける幼馴染の恋の行方を描いています。

原作は『P.S.アイラヴユー』で有名なセシリア・アハーンの2作目『愛と虹の向こうに』で、イギリスなどでベストセラーとなった小説です。

主演は『白雪姫と鏡の女王』で白雪姫役を演じたリリー・コリンズと、『スノーホワイト』でウィリアム王子を演じ演技が高く評価された若手注目俳優のサム・クラフリンで、じれったくもどかしい2人をリアルに演じています。

イギリス、ドイツ、日本で公開され日本での興行収入は4億円ほどですが、口コミで人気が広がると主に若い世代から多くの支持を得ました。

『あと1センチの恋』(2014)のあらすじや感想、結末をネタバレを含めて解説していきます。

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『あと1センチの恋』(2014)の作品情報


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作品情報

原題:Love,Rosie
公開年:2014年
製作国:イギリス・ドイツ合作
上映時間:103分
ジャンル:恋愛

監督とキャスト

監督:クリスチャン・ディッター
代表作:『The Crocodiles』(2009)『ワタシが私を見つけるまで』(2016)

出演者:リリー・コリンズ
代表作:『白雪姫と鏡の女王』(2012)『シャドウハンター』(2013)

出演者:サム・クラフリン
代表作:『スノーホワイト』(2012)『世界一キライなあなたに』(2016)

『あと1センチの恋』(2014)のあらすじ

ロージー:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

ロージーとアレックスは小さいころからの幼馴染。

ずっと一緒に遊んできた2人はなんでも話せる友達以上、恋人未満の関係。

2人は過ごしてきたイギリスの田舎町を離れ、共にボストンにある大学に進むことを夢見る。

しかし卒業パーティーの夜、ロージーはクラスメイトのグレッグと一夜を共にし妊娠してしまう。

アレックスが大学に受かったことを知ると、ロージーは妊娠したことを打明けることができず、1人イギリスに残りアレックスを笑顔で送り出す。

お互いに気持ちを言葉にできないまま初めて別々の道を歩むことになった2人。

出産後里子に出し、大学進学を目指そうとしていたロージーだったが生まれてきた娘を抱きしめると自分の手で育てていくことを決意する。

そんなある日、出産を知ったアレックスがロージーの元へ会いに来る。

2人はそこで久しぶりの再会を果たすが、お互いを取り巻く環境が大きく変化したことを悟る。

『あと1センチの恋』(2014)の感想と考察

ハーブの個展:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

『あと1センチの恋』(2014)の感想

もどかしい恋愛模様

『あと1センチの恋』(2014)は12年間のすれ違いの恋を描いたラブストーリー。

小さいころから一緒でいつもそばにいたのに大事なことは言えない2人。

お互いを大切に思っているのに素直になれず、2人はいつもすれ違ってばかり。

ロージーの18歳の誕生日の日、2人は一度だけキスを交わしますがロージーはその後酔いつぶれたためキスのことは覚えていません。

そしてその夜の記憶を消し去りたいとロージーに言われたアレックスは、キスしたことも消し去りたい記憶なのだと勘違いし自分からキスについて言うことは出来ませんでした。

そしてこの勘違いがきっかけで2人の関係性は少しずつ変化していき、結果的に2人は別々の道を歩むことになるのです。

現実でも些細な勘違いや出来事がきっかけで、すれ違いが起こってしまうことがあると思います。

いつも隣にいて当たり前に過ごす日常が、そのすれ違いで案外簡単に壊れてしまったりもするのです。

今ある日常を当たり前に過ごすのではなく、大切な人だからこそ伝えたいことは言葉にして伝えなければ意味がない。

失ってから大切さに気づくのでは遅すぎるのだというメッセージが本作から感じられました。

周りの人の温かさに感動

ロージーとアレックス:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

ロージーの人生は波乱万丈です。

一夜を共にしただけで18歳で妊娠してしまい、夢だったホテルの経営も諦めなくてはならなくなり大切な幼馴染ともすれ違ってばかりで思い通りにいかないことの方が多い。

しかし、そんなロージーが挫けることなく明るく常に前に進めていたのは家族、親友のルビー、そして娘のケイティの温かさがあったからだと感じました。

特にロージーの父は、何があってもロージーの味方でいてくれます。

ボストンの大学へ行きたいと言った時も、子育て中に心が折れそうになった時も、グレッグとの結婚が決まった時もいつもそばで寄り添い支えてくれていました。

ロージーが持っていた夢も諦めずに必ず叶えろと言って応援してくれており、そのおかげでロージーはホテルを開業することができたのです。

人はひとりでは生きていけず、人の温かさを日々感じながら生きています。

思い通りの人生でなくても、周りの人の温かさや支えがあればその人生も幸せでいいものだと感じることができるのだと思いました。

『あと1センチの恋』(2014)の考察

ロージーが言った「バカみたい」に込められた意味とは?

アレックスに呼ばれ、ボストンに行ったロージーはそこでアレックスの恋人サリーが妊娠していることと2人があまりうまくいってないことを知ります。

サリーとアレックスと一緒にハーブの個展に向かいますが、その場に馴染めず1人浮いてしまうロージー。

そんなときにハーブの作品を観がら放ったのがこの言葉。

アレックスと一晩一緒にいたにも関わらず、妊娠のことを言われず1人で久しぶりの再会に舞い上がっていた自分と、サリーとアレックスの中は冷めきっているのに上辺だけ仲良く見せている2人に向けた言葉でしょう。

ロージーはアレックスの誘いに期待し、わざわざボストンまできましたが、アレックスにとって自分はただの親友であり、自分が抱いているような特別な感情はアレックスにはない。

そして子供ができたがまだ親になる覚悟ができておらず、子供のためサリーと一緒にいるという選択しかできないアレックスの現実逃避として使われた自分が惨めに思えて仕方ないのです。

ロージーの悲しみとアレックスに対する怒りがこの一言に込められており、観ている側にもその複雑な心情が伝わる素晴らしい表現だと思いました。

『あと1センチの恋』(2014)の評価は?

ロージー:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

『あと1センチの恋』(2014)はどのような評価がなされていたのでしょうか。

映画レビューサイトの意見をいくつかまとめていきます。

切なすぎて号泣

2人の恋模様は観ていてじれったいけど、どこか共感できる

主演のリリー・コリンズがかわいすぎる

など若い世代を中心に高評価を得ています。

一方で、

話の展開が早い

という意見も多数ありました。

たしかにいきなり5年後まで話が飛んだりするなど展開が早いと感じる部分はありましたが、12年という歳月を描くうえでは仕方がないのではと感じました。

しかし、約2時間という限られた時間の中ではうまくまとまっていたのではないでしょうか。

そして本作のレビューサイトでの総合評価は5点満点中3.7。

主に女子高生を中心に口コミで人気が広がりましたが、上映館が少なかったため立ち見で鑑賞する人も多かったそう。

しかしそれが話題となり徐々に上映館が拡大されると、10代だけでなく幅広い世代の方が鑑賞し、ロングランヒットとなりました。

『あと1センチの恋』(2014)で使われている楽曲は?

空港でのロージーとアレックス:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

『あと1センチの恋』(2014)では、魅力的な楽曲が数多く使われています。

その中からおすすめの楽曲をいくつか紹介していきたいと思います。

まずは「High Hopes」。

 

歌っているのは壮大なバラード曲とストレートな歌詞で有名なKodaline”。

この曲はゆったりとしたバラードで切ない曲ですが、曲名を直訳すると「大きな望み」となるように、聞いているとどこか希望を持てるような曲になっています。

次に「Always On My Mind」。

 

この曲を歌っているのは”Josh Auer”。

「High Hopes」と違い、明るい曲調のラブソングです。

この2曲はどちらも予告編で使われており、映像と素敵な曲で見た人が「今すぐ本編も見たい!」と思うような予告編に仕上がっています。

他にも様々なアーティストの楽曲が各シーンで流れており、どれも本作を盛り上げている素晴らしい楽曲です。

切ないシーンも幸せなシーンも曲との相乗効果で、さらに感情移入することができるため、本作の魅力がより増しています。

『あと1センチの恋』(2014)のラストシーン、結末を解説

アレックス:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

ここでは『あと1センチの恋』(2014)のラストについてネタバレを含めて解説していきます。

グレッグの浮気が発覚し、愛想をつかしたロージーは離婚を決めます。

グレッグの荷物を片づけていると机の引き出しの中から、ロージー宛のアレックスからの手紙が出てきました。

手紙には

「ロージー、君はもっと愛されるべきだ

どんな時もそばで君を支え、君を包み込める男から

今なら君を幸せにできる」

という内容が書かれており、

アレックスの思いを知ったロージーはアレックスに連絡しますが、アレックスはすでにベサニーと婚約しており今度結婚式を行うと聞かされるのです。

しかし、親友のルビーの言葉を聞きロージーは結婚式の前にアレックスに思いを告げようと決意。

結婚式当日アレックスの元へ急ぐロージーたちですが、飛行機が遅延したため結局結婚式の前に思いを告げることはできませんでした。

ベサニーと幸せそうに笑うアレックスを見たロージーは辛い思いを胸に秘め、友人代表としてスピーチを披露します。

ここでロージーは今まで言えなかったアレックスへの思いを初めて言葉にするのです。

「あなたとの友情が私の人生を光り輝かせたわ

その光をもらえた私は世界一幸せ

当たり前のようにあなたはそばにいてくれた

その価値に私は気づかなかった

私はいつだって本当に心からあなたを愛している

あなたの夢を守り続ける

それがどんなに変な夢でも」

その後、ロージーは住んでいた街を離れ夢だったホテルを親友と協力し開業。

そして開業を迎えた日、アレックスがホテルへやってきます。

ベサニーとお互い納得したうえで別れ、他のものも全て置いてきたというアレックス。

ロージーを抱きしめると今日見た夢の話を言い始め、夢の中でアレックスはロージーに

「僕とダンスに行かないか?」

と誘ったのだと言うと、ロージーは

「やっと誘ってくれた」

と笑い、2人はついに熱いキスを交わします。

アレックスがあの日ダンスに誘っていれば、12年もすれ違うことはなかったかもしれません。

大切な人が近すぎるからこそ、今の関係を壊すことができず思いを口にすることも躊躇ってしまう。

このような思いをしたことがある人は少なからずいるのではないでしょうか。

本作を観ていると、勇気を出して素直な気持ちを言葉に出すことの大切さを感じます。

この2人と同じような関係性になってしまっていて、素直になりたいと思っている人たちの背中を押してくれるような結末でした。

『あと1センチの恋』(2014)のまとめ

ロージーとアレックス:©2014 Constantin Film Produktion Gmbh

幼馴染とのもどかしい恋愛を描いた『あと1センチの恋』(2014)。

いつも近くにいるからこそ本当の思いに気づくまで時間がかかり、気づいたときにはもう遅い。

何度もすれ違いを繰り返しながらも、12年の時を経て通じ合うことができた2人の思いの強さに感動しました。

そばにいる人のことを当たり前だと思わず、思いを伝えることの大切さを感じることができ、観たあとに大切な人に会いたくなるような作品です。

ぜひ、家族や恋人など大切な人と観てみてください!

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