
スリラー映画とは、私たち鑑賞者にスリルやショックを与えてくれます。
サスペンスものを中心として独特の緊張感や、物語が進むごとにどんどん煽られる不安・心もとなさにスリラー映画のファンになる人は多いはず!
さらに、スリラー映画は名作やヒット作も多く存在するのです。
スリラー映画独特の世界観や、適度なドキドキ感、登場人物のちょっぴり&たっぷりの異常性に、不安だけど続きが気になって病みつきになってしまうこと間違いなし!
スリラー映画にはサスペンスだけではなく、ミステリーやアクションなど様々な要素がありますので、今まであまり興味がなかったという人でもハマってしまう可能性大。
今回はハラハラ&ドキドキできること間違いなし!の古き良き名作から、最新作まで幅広くおすすめのスリラー映画をご紹介していきます。
題名は知っている、聞いたことある、という作品から話題になった作品もあるかと思いますので、ぜひチェックしてください!
【編集部おすすめを3つ紹介】
順位 | 作品名 | おすすめ度 |
1位 | 羊たちの沈黙 | ★★★★☆ |
2位 | エスター | ★★★★☆ |
3位 | ブラック・スワン | ★★★★☆ |
スリラー映画とは?特徴や歴史も解説
ドキドキ感やハラハラ感を煽る、人間の異様さ、サスペンスものの映画がスリラー映画です。
犯罪や怪奇性だけでなく、登場人物の置かれる環境にも非情性や異常性を持たせています。
独特な人間性などを持っている人物たちの、偏った人生観や性癖が、観る人たちの不安を助長させるのです。
サスペンスホラーにおいても、幽霊的な要素より、異常な空間が私たちの不安を煽ってきます。
スリラー映画の特徴
ホラーでは人外が登場します。
ですがスリラーでは、あくまでも人間同士、人間の異常性が際立つのです。
幽霊の存在があったとしても、あくまでも1人の人間が幽霊を見る、という形。
主人公の周囲にいる人物が異常性や裏の顔をもっていたり、いきなり豹変して主人公を脅かしていきます。
凄惨ないじめの要素があったり、過酷な環境で人間の本性が暴かれていき、仲の良かった者同士が敵対してしまったりするのです。
人間のもつ”異常性”が際立っているのがスリラー映画の特徴と言えます。
スリラー映画の歴史
スリラー映画の歴史は古く、代表的な作品は1962年の「怪人ガリガリ博士」は典型的なスリラー作品といえます。
スリラー映画は「怪人ガリガリ博士」以降も数を増やしていきます。
その後もサスペンス、ミステリー、サイコといった多くの要素を含んだ作品が登場しました。
多くの話題を呼んだ、2020年の「パラサイト 半地下の家族」もスリラー作品の1つ。
スリラー映画のおすすめな選び方
スリラー映画初心者の人は特に、何を基準に選べばいいのか悩みますよね。
サスペンスは好きだけど、グロいのは苦手...など、スリラー映画を楽しめるようにおすすめの選び方をご紹介します。
ゾクゾク感が病みつきに!?ホラー作品を選ぶ
異常な思考を抱える人間たちが、どんどん追い詰めてくるホラー要素がたっぷり詰まった映画。
スリラー作品のホラーはゾクゾク感がたまりません!
有名な映画だと「ザ・ギフト」や「ソウ」などがあります。
サイコな人間が登場し、理解不能な思考がもたらすホラーは、異様な雰囲気と恐怖感を与えてくれるのです。
お化けや怪物の登場するホラーとはひと味違った恐怖を味わうことができます!
ハラハラが止まらない!サスペンスものを選ぶ
サスペンスもののスリラー映画もまたハラハラが止まりません!
脅迫やいじめ、幻覚や妄想といった多くの要素を含んでいる作品が多く存在します。
「ブラック・スワン」では主人公が見ているものはどこかまでが現実で、どこからが幻覚なのか私たちも分からなくなってしまいます。
狂気すら感じることがあるサスペンスものは、ハラハラしたい人にぴったり!
怖いだけじゃない!ラストはどんでん返し!ものを選ぶ
怖いだけじゃ物足りない!
そんな人におすすめなのはどんでん返しが待っている作品を選ぶこと!
ラストにまさかまさかの結末を楽しめるどんでん返しものは、スリラー映画にだってあります。
「エスター」や「search/サーチ」のラストは衝撃が待っていて、思わず背筋がゾッとしてしまう作品です。
怖さだけでなく、物語の真実を予想する楽しみを味わいたい!という人はぜひどんでん返し作品を選ぶことをおすすめします!
スリラー映画のおすすめ比較一覧
作品名 | 監督 | 作品時間 | おすすめ度 |
羊たちの沈黙 | ジョナサン・デミ | 118分 | ★★★★☆ |
エスター | ジャウム・コレット=セラ | 123分 | ★★★★☆ |
ザ・ギフト | ジョエル・エドガートン | 108分 | ★★★☆☆ |
パラサイト 半地下の家族 | ポン・ジュノ | 132分 | ★★★☆☆ |
ブラック・スワン | ダーレン・アロノフスキー | 108分 | ★★★★☆ |
ソウ | ジェームズ・ワン | 111分 | ★★★★☆ |
ミザリー | ロブ・ライナー | 108分 | ★★★☆☆ |
アニー・イン・ザ・ターミナル | ヴォーン・スタイン | 96分 | ★★☆☆☆ |
スプリット | M・ナイト・シャマラン | 117分 | ★★☆☆☆ |
隣人は静かに笑う | マーク・ペリントン | 117分 | ★★★★☆ |
アザーズ | アレハンドロ・アメナーバル | 104分 | ★★★☆☆ |
シックス・センス | M・ナイト・シャマラン | 107分 | ★★★★☆ |
セブン | デヴィット・フィンチャー | 127分 | ★★★★☆ |
es[エス] | オリヴァー・ヒルシュビーゲル | 119分 | ★★★☆☆ |
9人の翻訳家 囚われたベストセラー | レジス・ロワンサル | 105分 | ★★★☆☆ |
古い映画ですと、ホラー要素の強い「羊たちの沈黙」「シックス・センス」などは有名作品です。
最近の作品ですと、ホラーの少ない「パラサイト 半地下の家族」「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」のように、コメディやミステリー作品がヒットしました。
スリラー作品として人間の狂気が際立っているのは「ブラック・スワン」「セブン」など主人公が狂気に染まっていくものや、すでに狂人として他者を追い詰め作品があります。
比較すると古い作品にはホラーが多く、少しずつサスペンスやミステリー、コメディ、ドラマが増えていき、近年に近づくにつれ、ホラーにドラマなどの要素を加えている作品が増えてきたのではないでしょうか。
スリラー映画その1.『羊たちの沈黙』(1991)レクター博士に引き込まれる!ハンニバルシリーズ№1作品‼
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 118分 | ★★★☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ジョナサン・デミ |
キャスト | ジョディ・フォスター |
キャスト | アンソニー・ホプキンス |
とにもかくにもレスター博士が素晴らしい!
古い作品ですが、初めて観たときの恐怖と衝撃は忘れられません。
今観ても新鮮な恐怖を感じることができる映画ではないでしょうか。
サイコスリラーであり、異常者のプロファイリングという緊張感はさすが。
登場時間が少ないはずのレスター博士、彼の異様な存在感と不気味さ、二面性に注目してください!
スリラー映画『羊たちの沈黙』のおすすめの場面と見どころ

レスター博士とクラリス : @ 1991 - オライオン・ピクチャーズ & ワーナー・ブラザース
厚い壁に遮られている2人のやり取りは、何かが起こりそうな予感と息の詰まりそうな緊張感をはらんでいます。
なぜ獄中にいるレスター博士があんなにも、視聴者を引き込むのか。
そして常軌を逸した殺人事件と、ラストに訪れる不気味な恐怖は古くても色褪せません。
古い作品なので、退屈に感じる人もいるかもしれませんが、サイコスリラーとしては外せない、おすすめ作品です!
スリラー映画その2.『エスター』(2009)エスターの違和感と最強のクライマックスに騙される‼
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 123分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ジャウム・コレット=セラ |
キャスト | ヴェラ・ファーミガ |
キャスト | イザベル・ファーマン |
サスペンスとしても、スリラー映画としても最後まで目を離すことができない映画です!
エスターの違和感、ひねりにひねりを加えている物語、アルコール依存症で悪夢に苦しむ主人公。
霊的な要素は一切ないのに、エスターという存在が家族に加わったことで始まる恐怖は、ホラーよりもゾクゾクハラハラします。
人間が生み出す恐怖が際立っている映画です!
スリラー映画『エスター』のおすすめの場面と見どころ

エスター : @ 2009 - ワーナー・ブラザーズ
スリラーど真ん中の映画が「エスター」です!
グロイ系が苦手な人でも比較的観やすい映画でもあります。
エスターの心理や残虐性、他者の心を弄び、思うままに操り追い詰めていく過程は、中弛みすることなく最後まで突っ切っていくのです!
最後に明かされる答えで、途中の伏線も回収されるので、ご自身の目で確かめてください!
スリラー映画その3.『ザ・ギフト』(2015)淡々と送られてくる3つ”ギフト”が恐怖の始まり!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 108分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ジョエル・エドガートン |
キャスト | ジェイソン・ベイトマン |
キャスト | レベッカ・ホール |
淡々と送られてくる3つギフトに追い詰められ、ロビンの精神が不安定になっていく様がやはり淡々と語られます。
ですが淡々とした恐怖は不思議と飽きることなく、むしろ見逃せない、という緊張感を呼ぶのです。
3つのギフトが意味するものとは?
主人公であるサイモンは本人も気づかないうちに歪んでいたのかもしれません。
人が人に与える影響とともに、猜疑心から生まれる不気味さが丁寧に描かれています。
スリラー映画『ザ・ギフト』のおすすめの場面と見どころ

サイモンの元に届いたギフト : @ 2015 - STXエンターテイメント & ロングライド & バップ
静かな恐怖や不気味さが、先の展開へと気持ちを刺激します。
盛り上がる映画が好きな人には、退屈と感じてしまうかもしれません。
しかしサイモンの感じるひたひたとした恐怖、ロビンの揺らぎ、ゴードンの抱えるもの、ギフトの存在が空気を張り詰め、独特の怖さがある映画です。
人間は善と悪が混じり合っているのだなぁ、と思えると同時にギフトについても自分なりに考えてしまう映画でした。
スリラー映画その4.『パラサイト 半地下の家族』(2019)パラサイト計画の行方から目が離せない!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
韓国 | 132分 | ★☆☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ポン・ジュノ |
キャスト | ソン・ガンホ |
キャスト | チェ・ウシク |
富裕層と貧困層の格差を明確に描いているのですが、スリラー映画らしさもしっかりとある映画です。
貧困層が富裕層を騙し、寄生し、妬み、嘲り、物語は取り返しのつかない所まで転がっていきます。
ブラックコメディらしく笑える要素もあり、畳み掛けるように進む展開と、なぜそう考えるのか?
少し恐怖を覚える思考とが混ざり合っている映画です。
スリラー映画『パラサイト 半地下の家族』のおすすめ場面と見どころ

雇ってくれている家に寄生していく : @ 2019 - CJエンタテイメント & ビターズ・エンド & NEON
見どころは、やはり”寄生”が着実に進んでいく過程ではないでしょうか。
1つの家族に1つの家族が寄生する。
寄生しようとする発想もまた不気味ですし、寄生するにあたって邪魔な人間を排除する思考もまた、不気味です。
「パラサイト 半地下の家族」は先が予測できない面白さもありますので、前情報は少なめで楽しんでください!
スリラー映画その5.『ブラック・スワン』(2010)現実と幻覚の境目が分からない!心理スリラー‼
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 108分 | ★★★★☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ダーレン・アロノフスキー |
キャスト | ナタリー・ポートマン |
キャスト | ヴァンサン・カッセル |
白鳥の湖でプリマとして”白鳥”と”黒鳥”を演じることとなったニナの狂気すら感じる映画です。
正反対の”白鳥”と”黒鳥”、演じ分けなければいけないニナですが、生真面目な性格ゆえに”黒鳥”で躓いてしまいます。
役を取られるかもしれない、そんな疑念と、上手く演じることができないと追い詰められ、歪んでいく精神。
ニナも私たちも現実と幻覚の狭間で、言い様のない違和感から混乱してしまうスリラー映画なのです!
スリラー映画『ブラック・スワン』のおすすめの場面と見どころ

”黒鳥”となるニナ : @ 2010 - フォックス・サーチライト・ピクチャーズ & 20世紀フォックス
プレッシャーや苦悩、依存とどんどん追い詰められていくニナが最後に演じる”黒鳥”は圧巻です!
”黒鳥”が乗り移り、狂気を孕みながらも壮絶な色気すら感じさせるニナ。
最後の最後まで幻覚と現実が入り混じった状態で、それでも必死にプリマにしがみつく姿は、歪んでいても美しさを持っています。
壊れて、歪んでいく精神状態が丁寧に、リアルさを持って描かれているおすすめ作品です!
スリラー映画その6.『ソウ』(2004)猟奇殺人鬼ジクソウ登場!狂気のゲームの行方やいかに⁉
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 111分 | ★☆☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ジェームズ・ワン |
キャスト | ケイリー・エルウィス |
キャスト | リー・ワネル |
人気の「ソウシリーズ」第1弾です!
スリラー映画としては外すことはできない作品でもあります。
人間を恐怖のゲームへ誘い込むゾグソウ。
ジグソウが強要するゲームはいつだって猟奇的で、どんどん壊れていくゲーム参加者たちを、最前線で鑑賞するジグソウの神経は理解不能です。
読めない展開と、鳥肌もののラストはグロイ系が苦手な人にもチャレンジして欲しくなってしまいます‼
スリラー映画『ソウ』のおすすめの場面と見どころ

追い詰められていくゴードン : @ 2004 - ライオンズゲート & アスミック・エース
観終わった後の壮絶感は、どんなにグロイ場面でも頑張って、頑張って最後まで観たときに訪れます!
そうです、後半からの怒涛の展開、予想を軽く覆しちゃうどんでん返し‼
そして命の大切さまで伝わってきちゃう映画が「ソウ」なのです。
エグさもグロさも、最後まで辿り着いたときには、あんまり気にならないはず。
前半の猟奇感も意味がある、スリラー映画として傑作作品です!
スリラー映画その7.『ミザリー』(1990)ファン故の愛憎、執着、狂気!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 108分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ロブ・ライナー |
キャスト | ジェームズ・カーン |
キャスト | キャシー・ベイツ |
熱狂的なファンの行き過ぎた好意、押さえられなくなった感情が生む恐怖が際立つ映画です。
ファンがストーカーへと変貌し、歪んだ執着心から浮かんでくるのは狂気。
追い詰められていくポールの恐怖が伝わってきます。
ストーカーの恐怖がこれでもか!と描かれ、映画の中に広がる異常な空間に引き込まれること間違いなしです!
スリラー映画『ミザリー』のおすすめの場面と見どころ

狂気を見せるアニー : @ 1990 - 日本ヘラルド映画
結局のところ1番怖いのは、幽霊でも怪物でもなく人間なのだと実感させられます。
とにかくアニーの目が怖い...!
好きな相手を拘束して、2人だけの空間を作りあげるアニー。
映画ではこの2人だけの空間に、1番の狂気を感じ不安感を煽りまくるのです!
好きだからこそ、認められない、許せない、感情が抑えられなくなったアニーを観てみませんか?
スリラー映画その8.『アニー・イン・ザ・ターミナル』(2018)アニーの復讐とは?その結末に注目!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国、イギリス、
アイルランド、ハンガリー、 香港 |
96分 | ★★★★☆ |
【監督・キャスト】
監督 | ヴォーン・スタイン |
キャスト | マーゴット・ロビー |
キャスト | サイモン・ペック |
極彩色が際立つミステリアスでスリラー&ホラーな映画です。
たくさんの謎が蔓延していて、最後の最後まで答えは分からず混乱してしまう人もいるかもしれません。
ですが伏線は小気味よく回収してくれる映画です。
いろんな顔を持つアニー。
そんなアニーの物語と、同時間軸で進む別の物語は最後までスリリングな展開をくれます。
スリラー映画『アニー・イン・ザ・ターミナル』のおすすめの場面と見どころ

アニーのもう1つの顔 : @ 2018 - RLJEフィルムズ & アロー・フィルムズ & アットエンタテイメント
スリラー感は前半の方が強いのですが、とにもかくにも映画全体を通してアニーの表情が素敵です!
色いろな顔を持つアニーを見事にマーゴット・ロビーが演じています。
そして、鮮やかな色使いと、はっきりとした明暗が映画にぴったりです。
登場人物それぞれが別の顔をもっていて、予想しながら観ると楽しめる映画の1つではないでしょうか。
スリラー映画その9.『スプリット』(2016)誘拐犯は24人!?多重人格者の先にあるものとは?
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 117分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | M・ナイト・シャマラン |
キャスト | ジェームズ・マカヴォイ |
キャスト | アニャ・テイラー=ジョイ |
犯人の中には23の人格が存在します。
多重人格者と誘拐された3人の女子高生の緊迫感溢れる攻防。
実際に映画に登場するのは23人のうち9人の人格ですが、声色なども変えておりさすが!のひと言です。
多重人格と殺人の儀式、必死に逃れようとする女子高生、それぞれのトラウマなどが詰まっているサイコスリラーな映画でした。
スリラー映画『スプリット』のおすすめの場面と見どころ

誘拐犯ケビンと女子高生のケイシー : @ 2016 - ユニバーサル・ピクチャーズ & 東宝東和
多重人格ゆえの言動の違いがはっきりと表れている映画です。
誘拐したはずのケイシーを逃がそうとする人格、好意をもっている人格、それぞれの人格に交代すると、表情や声まで変化するのはさすがの演技!
とにかく「スプリット」は演技力が素晴らしい映画で、最後の最後に登場した人格の不気味さが際立っています。
ケイシーとケビン、被害者と誘拐者の関係の変化や細かな機微も、注目してみると楽しめる映画です。
スリラー映画その10.『隣人は静かに笑う』(1999)隣人が静かに侵食してくる社会はサスペンス!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 117分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | マーク・ペリントン |
キャスト | ジェフ・ブリッジス |
キャスト | ティム・ロビンス |
引っ越してきた隣人が静かにひたひたと侵食してくる不気味さは現実味を帯びているだけに恐怖感が強いです。
もしかしたら自分の隣人は得体の知れない存在かもしれない…。
そんな恐怖感、追い詰められていく精神を味わうことができます。
救いのない結末もまた有名ですが、実際に観てみると後味の悪さもまた映画にはピッタリだと思える作品です。
スリラー映画『隣人は静かに笑う』のおすすめの場面と見どころ

警戒するマイケル : @ 1999 - スクリーン・ジェムズ & 日本ヘラルド映画
交流を持ち始めた隣人に違和感を抱くと、どんどん怪しく思えてしまいます。
もしかしたら?という恐怖と、だんだんと確信に近づいていく恐怖が上手に描かれているのです。
もちろん突っ込みどころもありますが、「隣人は静かに笑う」は静かに侵食してくる隣人の存在と、その正体とバットエンドにあるので、リアルな恐怖を味わってください!
スリラー映画その11.『アザーズ』(2001)屋敷は誰のも?不可思議な現象と使用人の存在
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
スペイン、フランス、
アメリカ合衆国 |
104分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | アレハンドロ・アメナーバル |
キャスト | ニコール・キッドマン |
キャスト | フィオヌラ・フラナガン |
詳しい内容は語れない!予備知識なしで観るべき映画が「アザーズ」です。
クライマックスまで辿り着けば…あなたも、そういうことか!となるはず!
スリラーであり、ホラーなのですが、ホラー要素はあまり感じないので苦手な人でも大丈夫です。
クライマックスの主人公も、哀しさや美しさを感じる内容になっています。
1回ではなく2回観るとより映画を味わうことができますよ。
スリラー映画『アザーズ』のおすすめの場面と見どころ

映画のキーとなる突如現れる使用人 : @ 2001 - ディメンション・フィルムズ & ギャガ
色素性乾皮症のために太陽の光を浴びることができない子どもたちと母親の物語です。
そのためにカーテンを閉め切った屋敷で暮らすのですが、屋敷ではポルターガイストが!
さらには突如3人の使用人まで現れてしまいます。
使用人は何者なのか?死者と生者が入り混じる映画は、緊張感と共に愛情も感じることができる映画です。
スリラー映画その12.『シックス・センス』(1999)霊感を持つ少年と子児精神科医の交流の先にあるものとは!?
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 107分 | ★☆☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | M・ナイト・シャマラン |
キャスト | ブルース・ウィリス |
キャスト | ハーレイ・ジョエル・オスメント |
どんでん返しを楽しめる映画です。
コール少年には霊感(シックス・センス)があります。
霊感があることで、周囲から化け物と疎まれ、母親とすらすれ違っているコール。
コールと後悔を胸に抱える小児精神科医マルコムの交流から物語は動き始めるのです。
ラストの驚きだけでなく、暖かな感動をもらえる映画でもあるので、おすすめできます!
スリラー映画『シックス・センス』のおすすめの場面と見どころ

コールとマルコム : @ 1999 - ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ & 東宝東和
なぜコールには霊感があるのでしょうか?
なぜコールの元に死者たちは訪れるのでしょうか?
「秘密」知っていたとしても、繰り返しみても「理由」を知って、そのうえで観たとしても感動が訪れる映画です。
死者の抱えるもの、化け物と厭わられていたコールの変化、母と子の関係、ホラーなのにドラマ。
そして感動がもらえるスリラー映画が「シックス・センス」なのです。
スリラー映画その13.『セブン』(1995)連続猟奇殺人事件と”七つの大罪”が送るダークスリラー!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
アメリカ合衆国 | 127分 | ★☆☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | デヴィット・フィンチャー |
キャスト | ブラッド・ピット |
キャスト | モーガン・フリーマン |
七つの大罪をモチーフにしています。
現代においては斬新さを感じないかもしれません、1995年の作品としては映像の音響の使い方も斬新。
なによりもスリラー映画らしい異常性が全面に出ている作品で、悪意渦巻く作品でもあります。
不気味で独特な世界観、サイコパスな犯人の思考と、衝撃のラストは余韻を残さず終わらせることで、インパクト大です!
スリラー映画『セブン』のおすすめの場面と見どころ

犯人に翻弄されるデビット : @ 1995 - ニュー・ライン・シネマ & ギャガ
残虐な殺人現場は目を背けたくなってしまうかもしれません。
連続猟奇殺人事件に翻弄される刑事たちは知ることになります。
七つの大罪の罪に沿って殺人は行われていくのだと。
犯人の存在感が増していくと同時に、緊迫感も増大していくのです。
犯人の異様な思考は、狂信的なキリスト信者ゆえ。
刑事たちを嘲笑い、人間に罪を突き付け、悪意のままに後味悪く映画の幕は閉じるのでした。
スリラー映画その14.『es[エス]』(2001)スタンフォード監獄実験が狂気を生む!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
ドイツ | 119分 | ★★★☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | オリヴァー・ヒルシュビーゲル |
キャスト | モーリッツ・ブライブトロイ |
キャスト | クリスチャン・ベルケル |
実際に行われたスタンフォード監獄実験をもとにした小説が原作です。
当時、映画を観たときの衝撃は今も忘れられません。
環境、与えられた役割、服装、与えられた立場で役になりきるごとに、対等だったはずの人間はどんどんと役割に染まっていきます。
変化する思考、看守と囚人になりきっていく姿は、人間の順応力が悪い方に発揮されているのです。
中止されたという実験の怖さが身に沁みます。
スリラー映画『es[エス]』のおすすめの場面と見どころ

看守役と犯人役に分かれる実験対象者たち : @ 2001 - ギャガ
一般人が2週間、模擬刑務所で過ごすのですが、看守役がどんどん役にハマり横暴がエスカレートしていきます。
人間の狂気が全面に出ていてゾッとする作品です。
犯人役・看守役が、まるで最初からそうであったかのように、言動が変化して看守役は傲慢で横暴に、犯人役は卑屈で弱弱しくなります。
次第に高まる狂気と恨みや憎悪は、人間の心の順応性や脆さ、弱さ、怖さゆえなのだと実感。
スリラー作品として、外せない1本です。
スリラー映画その15.『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019)隔離された翻訳家、脅迫メールの犯人は誰だ!
【作品情報】
製作国 | 作品時間 | 色気 |
フランス、ベルギー | 105分 | ★★☆☆☆ |
【監督・キャスト】
監督 | レジス・ロワンサル |
キャスト | ランベール・ウィルソン |
キャスト | オルガ・キュリレンコ |
実話ベースの作品です。
海賊行為や違法に流失してしまうことを防ぐために、翻訳家たちは外との通信手段を一切絶たれ、地下に隔離されてしまいます。
万全を期した体勢での翻訳。
ですが「要求を飲まなければ、全ページ流失させる」と脅迫メールが届きます。
犯人は誰なのか?
殺人事件まで起きてしまうなか、なぜ事件を起こしたのか?
最後に明かされる「動機」、あなたは分かりますか?
スリラー映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』のおすすめの場面と見どころ

翻訳のために地下に隔離される翻訳家たち : @ 2019 - Aerofilms & Mars Films & ギャガ
本やミステリーが好きな人にはぴったりの1本です。
情報漏洩を防ぐために、やりすぎなくらいの対策をしたのに、情報は漏れてしまいました。
さらに殺人まで起きてしまいます。
不思議な9人の関係と重苦しい空気、ゆっくり進むなかで最後まで辿り着いたとき、すべてが明らかに!
事件のトリックが解かれるなかで起きるどんでん返しは連続的で圧倒されます。
おすすめな楽しみ方を紹介
スリラー映画はグロイ作品も多く存在します。
だからこそ、自分の興味のある作品を1人でじっくりと味わって、楽しんでください!
やっぱりグロイ・エグイ場面は苦手な人が多いです。
ですが、グロイ・エグイ・狂気の作品には良作があるのも事実!
夜の静かな空間で、気になる作品を思う存分楽しんで欲しいです。
もしくは同じ趣味の相手と、家でちゃんと明るさも調節して、映画の時間を楽しむのもおすすめできます。
語り合う楽しさは、誰かがいるからこそです!
スリラー映画のまとめ
スリラー映画は、人間の本性を曝け出しているもの、心の奥底からの狂気を感じるものがたくさんあります。
人間の様々な姿を見ることができるのです。
だからこそ、衝撃をもって伝わってくるものがあります。
狂気ゆえの美しさや、愛情、信仰心がまっすぐに届くのだと思います。
”人間”そのものを見ることができるのがスリラー映画です。
人間や心、精神の複雑さを感じることができる、人間が作り出す恐怖や、ドラマを観たいときこそスリラー映画を味わってください!