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春 映画

春の映画と言えば、頭に何が浮かびますか?

春を舞台にした映画、桜が印象的な映画、お花見のシーンがある映画…。

入学や卒業、就職や転職…。

出会いと別れ、転機など人生のドラマが動くことが多い春は、映画の題材としてもこれまで多く取り上げられてきました。

また、春と言えば桜です。

登場人物たちの気持ちを代弁しているような見事な桜も、映画にとびきりの彩りを添えています。

そこで今回は、そんな春を題材にしたおすすめの映画を洋画、邦画問わず10本ご紹介します。

【編集部おすすめの春を題材にした映画】

順位 作品名 おすすめ度
1位 海街diary ★★★★★
2位 四月物語 ★★★★☆
3位 メリー・ポピンズ リターンズ ★★★☆☆

春の映画とは?

春映画

春の映画とは、ストーリー上で春の描写が含まれている映画全般のことを指します。

春の映画の特徴

最初にお伝えしたように、春は人生のターニングポイントが訪れることが多い季節。

そのため、ちょっと切ない雰囲気やセンチメンタルな気持ちになる作品が増えます。

そして、観終わった時に優しく背中を押してくれるような前向きなメッセージが込められた作品も数多くあります。

また、桜や菜の花など、春を代表する草花が象徴的に使われていることもポイント。

春ならではのパステルカラーの花畑や満開の桜は、映画ならではの映像美とスケール感を楽しむのに一躍買っているのです。

春映画のおすすめな選び方

春 映画

ビジュアルで選ぶ

春が舞台の作品は、ポスターやジャケット写真などメインとなるビジュアルで桜が多く使われている傾向にあります。

心をぐっと掴まれるビジュアルの作品を選べば自分の好みに合った作品と出会う確率も上がるでしょう。

自分と境遇が似ている主人公で選ぶ

引っ越しや転校、卒業など、人生の転機となる出来事は色々あります。

その中でも、主人公と自分の境遇が近ければ、より感情移入して映画を楽しむことができるでしょう。

また、そんなセンシティブな時期に鑑賞した作品は、きっと心に残る大切な1本になるはずです。

監督で選ぶ

例えば新海誠監督や是枝裕和監督、岩井俊二監督など、そのストーリーテリングの手腕はもちろん、映像美にも定評のある監督の作品では、ステキな桜や春の描写が楽しめること間違いなし!

傑作と呼ばれているものには必ず理由があります。

春をきっかけに、見逃している作品を振り返ってみるのもいいでしょう。

春の映画の比較一覧

作品名 監督 作品時間 おすすめ度
『四月物語』(1998) 岩井俊二 67分 ★★★★☆
『風花』(2000) 相米慎二 116分 ★★★★★
『秒速5センチメートル』(2007) 新海誠 60分 ★★★★☆
『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(2018) 細川徹 102分 ★★★☆☆
『彼らが本気で編むときは、』(2017) 荻上直子 127分 ★★★☆☆
『海街diary』(2015) 是枝裕和 126分 ★★★★★
『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018) ロブ・マーシャル 131分 ★★★☆☆
『ラスト サムライ』(2003) エドワード・ズウイック 154分 ★★★☆☆
『SAYURI』(2005) ロブ・マーシャル 146分 ★★★☆☆
『スプリング・ブレイカーズ』(2012) ハーモニー・コリン 93分 ★★★☆☆

春は、自分の新しい居場所を求める主人公をはじめ、青春や儚さを感じさせる作品と相性がいいようです。

荻上直子監督や是枝裕和監督など、“何気ない日常の中にある物語”を描くのが上手い監督の作品に注目です。

春の映画おすすめを紹介!

春 映画

ここからは、筆者がおすすめしたい春の映画をストーリーや見どころと共に10本ご紹介していきます。

『四月物語』(1998)


四月物語

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
日本・1998年 岩井俊二 67分 ★★★★☆ 松たか子 田辺誠一

『スワロウテイル』や『リリィ・シュシュのすべて』などを手掛ける岩井俊二監督が、松たか子を初主演に迎えて撮った爽やかなラブストーリー。

北海道から大学進学のために上京した卯月(松)が、ゼミの仲間や周囲の人々と関わりながら大学生活を送る様子を初々しく描いた作品です。

岩井俊二監督が脚本と編集も務め、上映時間は67分と短めながら監督の魅力がぎゅっと詰まった一作に仕上がっています。

『四月物語』の春を感じられる描写

卯月がパーカーを払うと、裾から桜の花びらがこぼれ落ちる場面も:©1998 ROCKWELL EYES INC.

冒頭、上京してきたばかりの卯月が引っ越し業者と新居に家具を運び込む一連のシーンでは、ハラハラと美しく舞い落ちる満開の桜を観ることができます。

これから始まる1人暮らしと新生活に、ドキドキとワクワクが入り混じる。

そんな気持ちを誰しも1度は経験したことがあるのではないでしょうか?

観る年齢や経験値によって感じ方が変わってくる作品かもしれません。

『風花』(2000)


風花

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
日本・2000年 相米慎二 116分 ★★★★★ 小泉今日子 浅野忠信

鳴海章による同名小説を、『セーラー服と機関銃』や『台風クラブ』の相米慎二監督が映像化。

本作は、相米監督の遺作でもあります。

夫が遺した借金を返済するためにピンサロで働くシングルマザーのゆり子(小泉今日子)と、酒が原因で引き起こした万引き事件で謹慎処分中のキャリア官僚・蓮司(浅野忠信)。

それぞれ傷を抱えた2人が出会い、北海道へ旅に出るロードムービー。

タイトルの「風花」とは、晴天に風が立ってチラチラと舞う雪のことを指します。

『風花』の春を感じられる描写

2人は憎まれ口を叩き合いながらも旅に出ます:Copyright©ビーワイルド/テレビ朝日/TOKYO FM

満開の桜を長回しで捉えながら、その下で寝ているゆり子と蓮司へと降りていくオープニング。

それぞれ居場所がない、生きるのが苦しい2人が出会う重要な場面です。

桜は、絶望のどん底にいる2人を優しく包み込んでいるように観えます。

何か大きな出来事が起きるわけではなく、ゆり子と蓮司が少しずつ傷を癒していく姿をただただ見届ける。

恋でも愛でもない、2人の特別な絆が愛しくなってくる一作です。

『秒速5センチメートル』(2007)


秒速5センチメートル

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト(声)
日本・2007年 新海誠 60分 ★★★★☆ 水橋研二 近藤好美

『君の名は。』で一躍有名になった新海誠監督が2007年に撮ったアニメーション。

小学校の頃に出会い、惹かれ合う男女の心の移ろいを『桜花抄(おうかしょう)』『コスモナウト』『秒速5センチメートル』の短編3話の連作で描いています。

「これぞ、新海誠監督の真骨頂」とも言うべき、センチメンタルな切なさがふんだんに盛り込まれた作品で、きっと恋をしたことのある人なら誰もが“あの頃”を思い出し、キュンキュンしてしまうはずです。

『秒速5センチメートル』の春を感じられる描写

山崎まさよしの主題歌『One more time,One more chance』が絶妙にマッチ!:©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

劇中で「桜の花の散る速度は秒速5センチメートルなんだって」という明里のセリフがあります。

中学時代に貴樹と明里がキスを交わした時も、社会人になった2人の運命が再び交錯する時も、そこには必ず桜がありました。

ひらひらと時間をかけて地面に落ちていく桜の花びらは、どんなに時が経っても色褪せない2人の心の距離を象徴しているようで、非常に美しいシーンとなっています。

『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(2018)


ヒキタさん! ご懐妊ですよ

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
日本・2018年 細川徹 102分 ★★★☆☆ 松重豊 北川景子

作家のヒキタクニオが、自身の“妊活”を描いた同名エッセイを映画化。

二回りも年が離れた若き妻・サチ(北川景子)が、ある日、「ヒキタさん(松重豊)の子供に会いたい」と言った日から始まった夫婦二人三脚の妊活の様子を、時にユーモラスに、時にシビアに描いたヒューマンドラマです。

“妊活”や“不妊治療”、“男性不妊”を男性側の視点から描き、さらに夫婦としての在り方や人生の選択などのメッセージも込められた本作。

パートナーとよりステキな人生を歩みたい人におすすめです。

『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』の春を感じられる描写

満開の桜の下を歩く2人はとても幸せそう:©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会

ヒキタさんの子供が欲しいとサチが宣言した時も、不妊治療を諦めかけた時も、そして夫婦にとって嬉しい知らせを分かち合った時も、2人の傍には桜がありました。

いつも美しいはずなのに、登場人物の感情によって時に哀しくも映る桜。

様々な表情が切り取られた桜の描写が印象に残ります。

物語の最後、満開の桜を見た時のような晴れ晴れとした気持ちを、ぜひ味わってみてください。

『彼らが本気で編むときは、』(2017)


彼らが本気で編むときは、

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
日本・2017年 荻上直子 127分 ★★★☆☆ 生田斗真 桐谷健太

『かもめ食堂』や『めがね』など、スローライフ系映画を多く手掛けてきた荻上直子監督8作目。

トランスジェンダーの介護士・リンコ(生田斗真)とその恋人・マキオ(桐谷健太)、そしてマキオの姪・トモ(柿原りんか)が織り成す心温まるヒューマンドラマです。

トランスジェンダーの役に初挑戦した生田斗真が、体毛を剃り、しゃべり方やちょっとした所作など細部にまでこだわり、“リンコ”という女性を見事に演じました。

『彼らが本気で編むときは、』の春を感じられる描写

おいしそうなお弁当の描写も最高です:©2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

母子家庭であるトモは母親に育児放棄され、母の弟であるマキオの元に身を寄せます。

そこで出会ったのが、マキオの恋人で同棲しているリンコでした。

初めはその風貌にビックリするトモですが、リンコの家庭的な一面や繊細な心、おいしい手料理に触れ、次第に心を開いていきます。

そんな3人が満開の桜の下でお花見をするシーンの幸せそうなこと!

血縁はもちろん、性別も境遇も関係ない彼らの絆に胸が熱くなります。

『海街diary』(2015)


海街diary

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
日本・2015年 是枝裕和 126分 ★★★★★ 綾瀬はるか 長澤まさみ

『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞し、国内外で高い評価を受ける是枝裕和監督が、吉田秋生の人気コミックを実写化。

鎌倉の古民家に住む三姉妹と腹違いの妹が支え合いながら生きていく姿を、四季ごとに描いていくヒューマンドラマです。

しっかり者の幸(綾瀬はるか)、自由奔放な次女の佳乃(長澤まさみ)、マイペースな三女の千佳(夏帆)、そして“四女”のすず(広瀬すず)。

人気女優4人が“姉妹”という贅沢な設定。

さらに、移ろいゆく季節やおいしそうな料理の数々など、日本ならではの風景や味わいが感じられる至福の126分。

『海街diary』の春を感じられる描写

思わず息をのむほどの美しさ:© 2015 Akimi Yoshida, SHOGAKUKAN, FUJI TELEVISION NETWORK INC., SHOGAKUKAN INC., TOHO CO., LTD.,GAGA CORPORATION

すずが、クラスメイトの風太(前田旺志郎)に亡き父のことを打ち明け、風太がすずを元気づけようと自転車に2人乗りをして満開の桜のトンネルの下を駆け抜けるシーン。

その景観は見事な美しさなのですが、それ以上に目を引くのが広瀬すずの演技を超えた純粋無垢な眼差しです。

彼女の頭にたまたま一枚の花びらが落ちるのですが、その奇跡のような映像は一見の価値ありです!

まだブレイクする前の広瀬すずを抜擢した是枝監督の千里眼はさすがとしか言いようがありません。

『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018)


メリー・ポピンズ リターンズ (字幕版)

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
アメリカ・2018年 ロブ・マーシャル 131分 ★★★☆☆ エミリー・ブラント リン=マヌエル・ミランダ

1964年に公開され、アカデミー賞5部門を受賞したディズニーの名作『メリー・ポピンズ』の20年後を描いた続編。

『クワイエット・プレイス』シリーズのエミリー・ブラントがちょっと上から目線の魔法使い、メリー・ポピンズに扮し、美しい歌声を披露しています。

大恐慌時代のロンドン。

妻を亡くし、借金の返済にも追われる長男マイケル(ベン・ウィショー)と子供たちが暮らすバンクス家。

大ピンチの彼らの前に、ある日突然、空からメリー・ポピンズが舞い降ります。

果たして彼女はどんな方法でバンクス家を“教育”するのか…?

『メリー・ポピンズ リターンズ』の春を感じられる描写

夢いっぱいの魔法がバンクス家を前向きにしていく:© 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

バンクス家が住むのは、前作と同じ桜通りの17番地。

様々な試練を経てハッピーエンドを迎えた彼らは、最後に“お花見”に出かけます。

そこには満開の桜が咲き誇り、メリー・ポピンズの物語は街の人々を巻き込んだ歌と魔法で大団円を迎えるのです。

目にも楽しいカラフルな映像美とキャッチーな歌の数々は、『シカゴ』や『イントゥ・ザ・ウッズ』など、ミュージカル映画が十八番のロブ・マーシャル監督ならではと言えるでしょう。

『ラスト サムライ』(2003)


ラスト サムライ (字幕版)

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
アメリカ・2003年 エドワード・ズウィック 154分 ★★★☆☆ トム・クルーズ 渡辺謙

トム・クルーズと渡辺謙の共演で話題となり、日本アカデミー賞外国作品賞も受賞した、エドワード・ズウィック監督作。

日本軍の教官として来日したオールグレン大尉(トム・クルーズ)は、近代化が進む日本でサムライ魂を持ち続けている武将・勝元(渡辺謙)と出会い、自分が忘れかけていた“熱き心”を取り戻していきます。

『ラスト サムライ』の春を感じられる描写

死ぬ間際の勝元の目に映る桜:© 2003 Warner Bros. Ent. - All Rights Reserved

政府軍との戦いに敗れ、勝元が切腹をするクライマックス。

オールグレンの力を借りながら刀を自らの腹に突き刺した勝元は、目の前に広がる満開の桜を長めながら「全てが見事だ…」と言い残し、息絶えます。

咲いてはすぐに散ってしまう桜は、大義のために潔く命を捧げる武士道の象徴だと昔から言われてきました。

最期までサムライ精神を貫いた勝元に政府軍が跪き、敬意を表するシーンは涙なしには観られません。

『SAYURI』(2005)


SAYURI [DVD]

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
アメリカ・2005年 ロブ・マーシャル 146分 ★★★☆☆ チャン・ツィイー 渡辺謙

『メリー・ポピンズ リターンズ』のロブ・マーシャル監督作から、もう1本ご紹介します。

巨匠スティーヴン・スピルバーグが製作し、アーサー・ゴールデンのベストセラー小説を映像化した物語。

昭和初期、貧しく暮らしていた少女が優しい“会長さん”に出会ったことを機に、彼にまた会うために芸者として成長していきます。

主人公のさゆりにチャン・ツィイー、さゆりが想いを寄せる“会長さん”に渡辺謙。

さらに、役所広司や桃井かおり、コン・リーらアジアを代表する豪華役者陣が集結しました。

『SAYURI』の春を感じられる描写

芸者姿のチャン・ツィイーが美しい:©2005 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

辛い生活から逃げ出した少女時代が、初めて“会長さん”と出会うのが満開の桜の下。

その時に彼は、さゆりに“さくら味”のかき氷を買ってくれるのです。

その数年後、芸者として立派に成長したさゆりが“会長さん”と再会し、互いの想いを確認し合うのもまた、桜の下でした。

いつの時代も変わらず美しい桜が咲き誇れば咲き誇るほど、幸薄なさゆりの人生の儚さがより浮き彫りになっていくようです。

『スプリング・ブレイカーズ』(2012)


スプリング・ブレイカーズ(字幕版)

製作国・製作年 監督 上映時間 おすすめ度 キャスト
アメリカ・2013年 ハーモニー・コリン 93分 ★★★☆☆ ジェームズ・フランコ セレーナ・ゴメス

『KIDS/キッズ』や『ガンモ』のハーモニー・コリン監督作。

春休み(スプリング・ブレイク)にフロリダへバカンスに出かけた仲良し女子大生4人組が、得体の知れない男・エイリアン(ジェームズ・フランコ)と出会い、犯罪に手を染めていくクライムドラマです。

ディズニー・チャンネル出身のセレーナ・ゴメスやヴァネッサ・ハジェンズがそれまでのイメージを覆し、ドラッグやセックス、強盗に殺人とダークな世界に足を踏み入れていく女子大生を演じています。

『スプリング・ブレイカーズ』の春を感じられる描写

弾けまくる大学生たち:Photo by Michael Muller - © 2013 - A24

強盗をしてまでも旅行費を稼ぎ、悪びれる風もなく春休み旅行へ出かける4人の姿は、一般的に「春休み」と聞いて日本人がイメージするそれとは全く別物。

こんな世界もあるんだな、と驚かされる人も多いでしょう。

その瞬間の楽しさに全てを注いで暴れまくる大学生たちは、青春を謳歌しているようにも見えるし、その一方で“現実”から逃避しているようにも見えます。

冒頭のテンションとは全く別の出口に行き着く物語を、ぜひ確かめてみてください。

春の映画のまとめ

春 映画

ヒューマンドラマからクライムサスペンスまで、春が感じられる映画を10作品ご紹介してきましたが、いかがでしたか?

10本の中から心に残る“春”を見つけてもらえたら嬉しいです。

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